絶対ヒロイン主義! その3 記号的女子

 

 

オムニバス『ワールドゲイズ クリップス』2巻(角川コミックス・エース)。

五十嵐藍の近作は、自己満足的なフンイキ勝負としつてるのに、無視できない。

彼女のかくオンナノコがすきすぎて。

 

 

 

 

部員二名の化学部(?)所属「不思議さん」。

自分と関係する数字をあつめていて、3と4がないので「四谷くん」に友だちになつてくれと。

 

 

 

 

放課後雨で部室へもどつたら、不思議さんは着がえ中。

無表情。

おれそうな腰。

ゆき場のない慾望。

絶妙な湿度調整が中毒性ある漫画だ。

 

 

 

 

川べりでおしたおされる。

無抵抗。

手がつめたいと感想もらす。

男は、親が離婚するから自分は「四谷」ぢやなくなると。

 

 

 

 

となりのクラスのイケメンの別の「四谷くん」と一緒なのを目撃。

名札みたく取り外し容易な数字でしかない。

 

 

 

 

恋愛は、子どもじみた記号のやりとり。

だからこそ人を没頭させる遊戯なのか。




ワールドゲイズ クリップス (2) (カドカワコミックス・エース)ワールドゲイズ クリップス (2) (カドカワコミックス・エース)
(2013/09/04)
五十嵐藍

 

 

 

 

 

 

鉄田猿児『GUMI from Vocaloid』(ライバルKC)。

叔父がおくつてきたボーカロイドのライブラリは、立体映像とAIの機能を搭載。

妖精みたいな「GUMI」となかよくプロミュージシャンをめざす。

 

 

 

 

現役JKのボカロP「鳥羽蝶子」、通称「トバチョコP」のセミナーへまぎれこむ。

「ニコニコ生放送」で中継されるほどの人気。

 

 

 

 

「落書きすると自然に絵がうたいだす」など、まるで参考にならない作曲法をかたる。

サプライズ企画として、iPadからサクッと新作アップロード。

 

 

 

 

ファンシーな動画に、パッキッシュな曲調。

会場で、自宅のPCで、出先のスマホで、熱狂するオーディエンス。

5時間で再生回数100万こえる。

 

 

 

 

「88888888888888888888888888888888888888888888」

たとえばもし、きゃりーぱみゅぱみゅが高校2年生で、

作曲も動画制作もできたら、政治的に危険なほど崇拝されるだろう。

ボクはうといが、ニコニコ動画あたりに候補がいるのかも。

 

 

 

 

楽屋にしのびこんだ主人公は、トバチョコPの裏の顔をしる。

ファンからもらつたチョコをにぎりつぶし、すべてゴミ箱へ。

甘いものがだいきらいだから。

 

まあキュートとアグレッシヴの二面性は、彼女の音楽とおなじで想定内。

 

 

 

 

スタッフがさつたあと、グチャグチャのチョコがかわゆくて慾情そそられ、iPadでとりまくる。

 

「ギャップ萌え」をさらにもうひと捻り、

「ボカロP」なる幽霊の様にリアリティとぼしき存在を、ブキミに立体的にえがく。




GUMI from Vocaloid(1) (ライバルコミックス)GUMI from Vocaloid(1) (ライバルコミックス)
(2013/09/04)
鉄田猿児

 

 

 

 

 

 

桑原太矩『とっかぶ』(アフタヌーンKC)。

ヴォランティアにいそしむ「特別課外活動部」、略して「特課部」、

そのヒーロー戦隊的な活躍をえがく、新人の初単行本。

 

 

 

 

指向性スピーカーなど、めづらしいガジェットをつかうスパイものでもある。

 

 

 

 

ある日部室へゆくと、みしらぬヤンキー女がいた。

チュッパチャプスとピアスが特徴の「千歳さん」は、問題おこし特課部に入部させられる。

 

 

 

 

まがつたことがきらいで、キレると男ふたり相手に、鉄パイプでなぐりかかつたり。

 

 

 

 

「問題」とは、元男子バレー部員が喫煙するところにたまたま居合せたこと。

幼なじみが出場停止とならない様に、罪をかぶつた。

 

 

 

 

没収されたタバコの銘柄が二種類あるのを校長に指摘されると、

「二本をブレンドして吸う」といつて、ゴホゴホむせながら実演。

 

全体的につたない漫画だが、女子がイイ表情してる!

 

 

 

 

特課部員とのあいだに信頼うまれ、頬をあからめつつ入部届提出。

「ヤンキーキャラ」は「ツンデレキャラ」でもある。

大都市圏でヤンキーは絶滅したが、二次元世界での勢力はおとろえない。

ギャップ萌えの源のひとつとして、つねに参照される存在。




とっかぶ(1) (アフタヌーンKC)とっかぶ(1) (アフタヌーンKC)
(2013/09/06)
桑原太矩

 

 

 

 

 

 

ギャップ萌え圧力のはげしさよ!

美少女飽和状態の現代文化では、ひとつの顔だけではすぐ埋没。

みなカワイくて、みなカワイくない。

時代おくれのヤンキーも、時代に媚びすぎなボカロPも、結果的に似てくる。

すべての色が、反撥しながらまざりあう。

無色透明なオンナノコの理想像めざして。



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