青インク『デモンポゼッション』
デモンポゼッション
作者:青インク
掲載誌:『月刊コミック電撃大王』(アスキー・メディアワークス)2013年-
単行本:電撃コミックスNEXT
ときは20XX年。
「悪魔」とよばれる無尽蔵なエネルギーの発見により、世界は一変した。
さらに全人類のうちわづか666人が、突然変異的に神にもひとしい能力をえる。
かれらの通称は「悪魔憑き(ミディアム)」。
本作は、異能の少年少女を管理・研究する「マイスナー高等研究所付属学園」が舞台の、
ダークファンタジー学園アクションだ。
『とある魔術の禁書目録』に似てるというレヴューもある。
要するに、30歳の新人による、ラノベチックな中二病漫画。
主人公の「太一」は転校初日、美間重工がやとう水使いのエージェントに拉致され、
血と水のミックスジュースを飲まされるなど、いたぶられる。
悪魔との契約は、大企業が法をおかしても手にいれたいほどの力。
同級の「和歌月縫(わかつき ぬい)」が救出、いやお仕置きにかけつける。
あやつるは、無属性の「剣の王バァル」。
力押しでエージェントを撃退するも、とりにがす。
敵は高速移動、とおくから縫へ指示をだす指揮官に奇襲をかけた。
縫のボスは、幼女にみえるが、実は姉の「和歌月結(むすび)」。
おどろおどろしい術で返り討ちに。
假借ない戦術と、意外性ある展開が、中二病的妄想をリアルに演出。
政府や企業と癒着した各学園は、たがいに抗争をくりひろげる。
これは「山王学園」の演習の様子。
10式戦車(?)四両をひとりで料理する。
片手で砲弾をつかむ、土属性の契約悪魔のポテンシャル。
1巻で学園同士の戦闘はえがかれないので、期待は煽られるばかり。
大写しの靴裏など、きつめのパースに個性が。
授業中の窓からぬけだし、太一をたすけにゆく場面。
カメラワークとコマ割りで、立体的なうごきをあらわす。
個人的に御贔屓は、なにかとエロい妄想にふけり、
太一とふたりで部屋にいるだけで貞操の危機を感じる、自治会長さん。
歓迎会では、「勝手に発酵した飲みもの」でいい気分!
学園の悪魔憑きは30名で、ロッジで共同生活をおくる。
下着をつけない派の「藤緒由華」などサーヴィス要員も完備、ハーレムラブコメとしても上等。
冒頭の「お前ごときが止められるもんならな」は、転入後半年たつた太一が、縫に対し吐くセリフ。
これからまちうける、右目をうしなうほどの激戦、裏切りや陰謀をほのめかす。
ややデッサンが不安定だが、描線ひとつひとつに感情こもる、ホンモノの作家だ。
あなたが先物買いの漫画読みなら、無視するという選択肢はない。
![]() | デモンポゼッション (1) (電撃コミックスNEXT) (2013/06/27) 青インク |
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