めざわりな島の便利屋さん
「海は広いな大きいな」の童謡『海』は1941年につくられたが、その歌詞はもはや陳腐。
地図をひつくりかえそう。
ロシア・支那・韓国からみて、海は狭いし小さい。
(撮影:道明寺章)
ゆえに日本は、水たまりを飛び越えた悪ガキに、土足で踏みこまれる恐れがある。
自衛隊のもくろみは、洋上迎撃むきの編成により、玄関口でおいかえすこと。
ただ地上戦力は、抑止のため缺かせない。
北部方面(北海道)で、ロシア人の接待役をつとめる「90式戦車」は、
目標自動追随システムがくみこまれ、けわしい地形をいかした稜線射撃が得意。
81式短距離地対空誘導弾・通称「短SAM」(撮影:道明寺章)
本土侵攻がなされた場合、海空戦力で迎撃しても、敵の2割しか阻止できない。
そのとき、艦船や航空機は大きく損耗している。
陸上自衛隊は、海空にたよらぬ作戦遂行能力がもとめられる。
しかし、空自のペトリオットの弾道ミサイルへの対処などの割りをくい、
陸自の地対空ミサイルは、野戦防空に十分まわせるか不安視される。
全長40mの複層のパネル橋(撮影:道明寺章)
とかく陸軍は便利屋あつかいされがち。
テロがおこれば治安維持に、災害がおこれば救助と復興支援に。
派遣の頻度がふえれば、予算や訓練時間は圧迫され、戦闘力低下をまねく。
国民の生命はなにより尊いが、軍隊は「生かす」より「殺す」が本分と認識すべき。
多連装ロケットシステム(MLRS)
外交も、国防の足手まといとなる。
対人地雷を禁ずる「オタワ条約」、クラスター爆弾を禁ずる「オスロ条約」に、日本は批准した。
倫理的に称讃されるが、軍事的に批判される。
支那、ロシア、北朝鮮など、假想敵国は批准せず、つかいたい放題だから。
条約締結を主導した、平和なヨーロッパと事情がことなる。
12-20万㎡を制圧する、MLRS用の「M26ロケット弾」は、条約により廃棄。
兵士の必須装備といえば戦闘糧食(レーション)だが、野外活動で口にする機会はすくない。
ひえたメシは士気をさげる。
通常は、部隊ごと後方にさがり食事休憩。
『ガールズ&パンツァー』(テレビアニメ/2012-13年)
せつかくなら、優雅に戦い、うつくしく勝利したいもの。
【参考文献】
毒島刀也『陸上自衛隊「装備」のすべて』(サイエンス・アイ新書)
![]() | 陸上自衛隊「装備」のすべて 知られざる戦闘力の秘密に迫る (サイエンス・アイ新書) (2012/04/19) 毒島刀也 |
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