マルクスはどこで間違えたか

 

 

『資本論』全3部のうち、カール・マルクス生前に出版されたのは第1部のみ。

1867年のこと。

皮肉にも、そのころ諸国は変質しだす。

国ごとの所得格差がひろがり、「第三世界」がうまれた。

ゆたかな労働者の国と、まづしい労働者の国。

万国のプロレタリアート団結の機会はきえ、世界はナショナリズムに分断された。

 

 

万里の長城(明代)

 

 

いま北アフリカからスペインへ、アルバニア・マケドニアからギリシア・イタリアへ、

メキシコからアメリカへ、激烈な移民圧力がかかる。

これら世界最大の「圧力ポイント」は、国境をはさみ、言語も宗教もことなる。

移民の背景にあるのは文化でなく、単純に経済的要因。

 

雇用と文化をまもるため、諸国は城郭都市化している。

アメリカは1000km以上の国境フェンスを建設。

 

城壁は、移民圧力をおさえられない。

アルジェリア・モロッコ・チュニジアのマグリブ出身者は、

身分證明書を焼きすて、地中海をわたる。

かの地で強制送還されない様に。

スペインはアルジェリアに対し、海岸に漂着した170をこえる遺体をひきとれと要求。

アルジェリア政府は拒絶。

名無しの権兵衛にかかわる義務はないと。

 

現代世界は、春秋戦国時代みたく苛酷だ。

 

 

『ストライクウィッチーズ2』DVD&BD-BOX(北米版)パッケージ

 

 

携帯電話を駆使するアフリカ人の写真をみて、金持ち国家の良識派は、

「グローバルな中間層」の擡頭と解釈し、無責任な希望をもつ。

実際は、教育や医療もうけられない、極貧状態でも。

 

「平等主義」で名高い哲学者ジョン・ロールズは、

1999年の『万民の法』で、経済的理由による移民をはつきり否定。

哲学者ですら、ナショナリズムという牢獄からにげられない。

 

アジアは、各国の格差がきわめておおきく、

ヨーロッパのごとく緊密な政治同盟はむつかしい。

身分ちがいの人間に、信頼はうまれない。

「アジア連合」実現には、生活状況改善のため巨額の援助が必要で、

ゆたかな国にも重荷となるだろう。

 

ボクが夢想するのは、不平等という敵とたたかう、

第501統合戦闘航空団みたいな同盟。

ただ、わが扶桑海軍の宮藤少尉と坂本少佐の肩をくむ相手が、

みな欧米人である点に、「文化」の限界をみる。







【参考文献】

ブランコ・ミラノヴィッチ『不平等について』(みすず書房)



不平等について―― 経済学と統計が語る26の話不平等について―― 経済学と統計が語る26の話
(2012/11/23)
ブランコ・ミラノヴィッチ

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