イングランドの蹴球革命

 

 

「フットボールの戦術は研究しつくされ、ここ二三年、変化してない。

FWもMFの役をにない、運動量がふえる傾向がつよまつてるだけ。

そしてひたすら、ファイナルサード攻略の手順を追窮する」

 

アーセン・ヴェンゲルはいう。

イングランドの、そして世界の戦術をかえた男だから、説得力あり。

 

1996年、アーセナルの監督に就任、フットボールの母国にスポーツ科学をもちこむ。

二日酔いで練習にでてくる選手たちに、禁酒と、鶏肉と魚と生野菜の摂取を強制。

ボスが一番スマートだから、だれも文句をいえない。

 

流麗なパスワークで、2003-04シーズンに無敗優勝をとげた。

 

 

 

 

2004年、ジョゼ・モウリーニョがチェルシー監督となり、戦術はさらに進化。

 

攻撃は、両サイドをひろく使い起点としてからの、強力なフィニッシュ。

守備は、相手の持ち味を徹底的に消す。

 

うつくしいフットボールにこだわりすぎ、2005年以降無冠のアーセナルを尻目に、

鋼の統率力と、スカウティングによる統計的手法で、二度優勝。

 

フットボールは、「戦術」から「戦略」の時代にはいる。

もうこの競技は、ゲームでなく戦争だ。

 

 

 

 

ポルトガル人のモウリーニョを、ロンドンのチェルシーにつれてきたのは、

ロシアの石油王ロマン・アブラモヴィッチ。

 

背景にプーチン大統領がいる。

ソ連解体後に私腹をこやした新興財閥をおいつめ、監獄にぶちこんだりした。

身の危険を感じたアブラ氏は、算盤勘定ぬきでフットボールクラブを買収。

一夜にして大英帝国の名士に。

 

いくらプーチンでも、ロンドンで有名人を暗殺すれば、イギリス政府がだまつてない。

 

 

 

 

「外国人監督」ばかりの、プレミアリーグの他力本願ぶりにあきれる。

 

それもこれも「フットボールの母国」の自負ゆえ。

貪欲に、人材とカネを掻きあつめる。

 

 

 

 

フットボールはすべて包容する。

 

シェイクスピアの劇や、ビートルズの音楽みたいに。

なんてイングランド的な!







【参考文献】

アレックス・モンゴメリー『プレミアリーグの戦術と戦略』(ベスト新書)



プレミアリーグの戦術と戦略 日本人選手活躍の条件 (ベスト新書)プレミアリーグの戦術と戦略 日本人選手活躍の条件 (ベスト新書)
(2012/11/09)
アレックス・モンゴメリー

商品詳細を見る

関連記事

テーマ : イングランド プレミアリーグ
ジャンル : スポーツ

最近の記事
記事の分類
検索とタグ

著者

苑田 謙

苑田 謙
漫画の記事が多め。
たまにオリジナル小説。

Twitter
メール送信

名前
アドレス
件名
本文

カレンダー
08 | 2020/09 | 10
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -
月別アーカイヴ
04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03