アホ相手のシノギ

ドイツのエングレイヴィング(1682年)

 

 

 

医療法人の代表者は医師しかなれない、とさだめた法律がある。

専門家以外に医療はわからぬし、営利目的の参入なぞ論外、てこと。

論理の破綻した、くだらぬ法だ。

もしその代表者が、非専門家に操られてたら?

 

 

 

「医者か? アホばつかりや」

あるヤクザは、NHKの取材に対しのべた。

 

たえまない設備のいれかえ、数多い看護師や事務職員の管理。

病院は運営のむつかしい組織だが、医師が経営をまなぶ機会はすくない。

それでも彼らは、理事長や院長の肩書きがほしい。

ゆえにつけこまれる。

 

女、カネ、家族関係……。

人間の弱みに、職業の区別はない。

薬品会社や医療機器メーカーが接待漬けにしてるから、むしろカモだ。

そうして乗つ取つた病院は、打出の小槌となる。

 

 

 

生活保護受給者の医療費は、自己負担ゼロなのを悪用し、

日雇い労働者をかきあつめ、医療保険をガッポリかせぐ。

特に、健康体に肝臓癌とウソの診断をくだし、エエカゲンな大手術をおこない、

結果死なせた、2006年に奈良でおきた「山本病院事件」は有名。

遺体をさつさと火葬したおかげで、助手の證言にもかかわらず、院長は傷害致死罪に問われなかつた。

 

 

 

あらゆる社会問題とおなじく、医療界の腐敗にも処方箋をかける。

 

たとえば「レセプト」(医療費の明細書)のオンライン化。

だれの病気を、どう治したか、もしくは治せなかつたか、追跡可能にする。

透明性・正確性・効率性があがるし、韓国で実際に成功した。

 

日本医師会は反対している。

「地域医療が崩壊する」「病名の分類はもつと複雑だ」「政府の統制につながる」といつて。

 

 

 

「ええシノギや。安全やし。アホ相手するのは辛いけどな」

ヤクザはそう高笑いしたとか。








【参考文献】

NHK取材班『病院ビジネスの闇』(宝島社新書)



病院ビジネスの闇~過剰医療、不正請求、生活保護制度の悪用 (宝島社新書)病院ビジネスの闇~過剰医療、不正請求、生活保護制度の悪用 (宝島社新書)
(2012/10/09)
NHK取材班

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