フライ/竹岡葉月『今日、小柴葵に会えたら。』

 

 

今日、小柴葵に会えたら。

 

作画:フライ

原作:竹岡葉月

掲載誌:『コミックREX』(一迅社)2019年-

単行本:REXコミックス

[ためし読みはこちら

 

 

 

おしゃれな女子高生の主人公「成田佐穂子」が登校前に着替える、

冒頭のシーンが本作のほぼすべてを物語っている。

誰も見てないはずなのに、他者からの視線を意識してる様な、

スキのない端正なたたずまいが示される。

 

スカートの柄の描写なども、こういうところで手を抜かないぞという、

作画担当者の宣言みたいなものを感じる。

 

 

 

 

佐穂子には気になる人がいる。

おなじ学年の「小柴葵」。

長身でバスケが好きで、いつも男子とつるんでる様なタイプ。

性格が真逆なのもあり、ふたりはほとんど接点がなかった。

 

 

 

 

放課後の駐輪場で、佐穂子は葵とふたりきりになる。

このチャンスに仲良くなりたくて、無意識的にキスしてしまう。

 

原作者はまずキャラ絵を渡され、それから話を考えたと語っているが、

たしかに本作のストーリーは少々とりとめない。

それでもフライは、コミック百合姫の表紙を担当していた人なので、

絵それ自体はなんの瑕疵もなくそこに存在している。

 

 

 

 

第1巻でいちばんエモーショナルな第5話。

明るい態度の下に隠していた悩みを打ち明けた葵は、

おもわず涙をこぼすが、その描写はあっさりしている。

 

 

 

 

むしろ次ページの、月とふたりの少女が織りなす不思議な遠近感の方が、

静かなのにずっとドラマチックに読者の胸に迫ってくる。

 

 

 

 

イラストレーターによるストーリー付きのイラスト集にすぎない、

みたいな低評価もアマゾンなどで散見する。

しかし、そもそも漫画とはストーリー付きのイラスト集なのであり、

本作みたいなシンプルさを許容する懐の深さがあると思う。





関連記事

テーマ : 百合漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合 
最近の記事
記事の分類
検索とタグ

著者

苑田 謙

苑田 謙
漫画の記事が多め。
たまにオリジナル小説。

Twitter
メール送信

名前
アドレス
件名
本文

カレンダー
10 | 2019/11 | 12
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
月別アーカイヴ
12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03