伊藤正臣『恋とマコトと浅葱色』
恋とマコトと浅葱色
作者:伊藤正臣
歴史監修:山村竜也
配信:『LINEマンガ』
単行本:LINEコミックス
中学2年の少女が時空をとびこえ、新選組の原田左之助と出会う物語。
スマホアプリでの配信で、フルカラーなのも特徴だ。
主人公の「マコト」は、修学旅行で京都にきた。
歴史好きな友人の希望により、新選組の屯所だった邸宅を訪れる。
そこで天候が急変し、落雷に遭う。
意識を失ったマコトは救急車で病院へ運ばれる。
このまま幕末にタイムスリップしそうな展開だが、
マコトと左之助の出会いは、スマホの画面を通じてもたらされる。
まるでVRだかARだかみたいに。
ちょっとヒネリの利いた非日常性が、作者の持ち味だ。
思春期の少女のピュアなたたずまいと、
イマジナティヴな情景がシンクロする作風は、
歴史を題材にした本作でも踏襲されている。
浮世絵風の処理がほどこされた風景などもおもしろい。
彩色は、作者自身が手掛けてはいない様だが、
テーマカラーである「浅葱色」をうまく活かしている。
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