マウンテンプクイチ『球詠』6巻

 

 

球詠

 

作者:マウンテンプクイチ

掲載誌:『まんがタイムきららフォワード』(芳文社)2016年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

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本巻で読者は「覚醒」を目撃する。

主人公ヨミのピッチングだけでなく、作者の表現力においても。

 

たとえば、高速で曲がって落ちる変化球の軌道が、

「くっ」という擬態語と重ね合わせられる。

 

 

 

 

このページでは、軌道が枠線の役割を果たしている。

右下のコマで描かれる軌道は、補助的に読者の視線を誘導する。

導くというより、首根っこをつかんで揺さぶるみたいに。

 

 

 

 

しかし、ヨミのピッチングがすごいってだけで話は終わらない。

捕球に絶対の自信をもつ珠姫が、一度後逸して振り逃げを許す。

それでも続く打席では、体で止めて1回4連続三振を成立させる。

 

「振り逃げ阻止」なんて地味なテーマが、本作ではクライマックスとなる。

 

 

 

 

最終回、先発の吉川に代わりエース中田が登板。

威力のある速球に新越ナインはビビる。

ただひとり希だけは、退屈そうに投球練習を眺めていたが。

 

中田の球筋はビデオで見て覚えてるし、前の打席で凡退したとき、

グラウンダー狙いの打撃哲学を捨てると決意した。

それが奏功するかは時の運なわけで、いまさら悩んでも仕方ない。

 

そんな希の超然たる天才ぶりをみごと表現している。

 

 

 

 

名勝負と呼ぶにふさわしい梁幽館戦は、完全燃焼感がある。

長期連載となり、来年春にはアニメも始まる本作だが、

これほど成功すると作者は想定してなかったろう。

完結時に振り返り、4-6巻がピークだったとしても僕は驚かない。

 

作者も梁幽館ナインに思い入れがあるらしく、単行本おまけイラストの、

白井と高代の二遊間コンビの仲睦まじい様子から、余熱が伝わってくる。





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苑田 謙

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