安堂ミキオ『はたらくすすむ』

 

 

はたらくすすむ

 

作者:安堂ミキオ

掲載誌:『ヤンマガサード』(講談社)2018年-

単行本:ヤンマガKC

[ためし読みはこちら

 

 

 

妻との死別と定年退職が同時期に重なった66歳の男が、

人生に手応えをもとめてなんとなくアルバイトに応募したら、

それはピンサロのボーイだったという、シルバーお仕事漫画。

 

主人公「長谷部進」は、まじめな性格で風俗店へ行ったことがない。

なので、客の悪口を言いまくってたのに瞬時に営業スマイルに変わるなど、

表と裏の顔をつかいわけるピンサロ嬢たちに仰天する。

 

 

 

 

掃除中、ブラックライトに照らされた床が、星空の様にきらめいた。

それは嬢たちが頬張るフリスクがこぼれたものだった。

ひっきりなしに客の相手をするので、うがいをするヒマがないから、

せめてミントの清涼感で口腔内の不快さをごまかす。

 

作者は女性であるらしく、理想的とは言えない環境でたくましく生きる、

若い女の子たちへの共感がテーマとなっている。

 

 

 

 

ストーリーは1話完結型で、人情オチがつく。

一番出来がいいのは、性病検査を題材にした第7話かな。

いろいろな理由で検査を嫌がる嬢たちに対し、

進は妻を失った経緯を涙ぐみながら語り、彼女らの心をうごかす。

 

 

 

 

派手だったり地味だったり、ガングロギャルだったり清楚だったり、

嬢たちは皆それぞれ個性的に描かれている。

店のナンバーワンは、冒頭の引用に出てくる関西弁の「朱美」だが、

スタイル抜群な女子大生「エレナ」も人気がある。

特に苦学生というわけでなく、遊ぶ金欲しさでたまに店に出ている様だ。

 

いや、作中にそういう描写はないのだけれど、

キャラクターに存在感があるので、つい背景まで想像してしまう。

 

 

 

 

カジュアルな営業形態であるピンサロは、あまり漫画映えしない。

おそらく本作は「抜き目的」につかえないだろう。

ただ物理的に近いけれど、精神的には結構遠い、その微妙な距離感が、

独特のドラマを生み出しており、読みごたえが非常にある。





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苑田 謙

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