相川有『人外さんの嫁 宵町の巫女』
人外さんの嫁 宵町の巫女
作者:相川有
原案協力:八坂アキヲ
発行:一迅社 2018年
レーベル:ZERO-SUMコミックス
現在アニメが放映されている人気作のスピンオフである。
本篇では原作担当の相川有が、作画も受け持っている。
相川はベテラン作家だが、最近は原作仕事が多い様だ。
当ブログでは『無関心探偵AGATHA』をとりあげた。
個人的に好みの絵柄だ。
『人外さんの嫁』はよく知らなかったが、ためし読みしたところ、
本作のヒロインの憂いをふくんだ佇まいに惹かれ、購入決定。
主人公である15歳の「都」が住む町には、あるしきたりがある。
嫁取りにあらわれた神にえらばれたら、拒否できないという。
そして都は、禍々しい黒龍の花嫁になることに。
もちろん都は抵抗する。
それでもそこは乙女の習性で、「結婚」という言葉に心はゆれる。
大切にされることの安心感が距離をちぢめてゆく。
1巻完結なので、やや駆け足で関係が進展してゆく。
滝壺のシーンとか、殊更にうつくしい。
特に都の脚が。
都には秘められた記憶があり、すでに幼少期に龍神と出会っていた。
あと僕は、冒頭の叙述トリックに引っかかった。
ストーリー面でも読みごたえのある作品だ。
セーラー服でポニーテールの凛としたヒロインが、
不思議な世界観のなかで、さまざまな表情をみせてくれる。
おすすめだ。
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