山崎零『恋せよキモノ乙女』2巻
恋せよキモノ乙女
作者:山崎零
掲載誌:『月刊コミック@バンチ』(新潮社)2017年-
単行本:バンチコミックス
なんと言っても本作の見どころは、主人公「もも」の和服の着こなし。
毎話贅沢に見開きをつかい、読者の目をたのしませる。
第10話は、谷崎潤一郎『細雪』に出てくる芦屋のお嬢さま風。
関西が舞台である本作にぴったりのテーマだ。
扉絵はどれもあでやか。
ももが出かける名所を背景に、趣向を凝らした装いを披露する。
彦根にある民家風のハンバーグ屋さんには、ウール素材のチェックの着物。
バレンタインのチョコを買いに京都へ。
験をかつぎたくて矢絣模様を着る。
ベレー帽やマフラーの合わせ方もすてきだ。
想い人である「椎名」とまだ結ばれないが、ふたりでデートしてるので脈はある。
車内でのエピソードはなんかリアルで、作者の実体験ぽい。
かわいい純情キモノ娘に惚れられてるのに、椎名は他人行儀なまま。
しかし、ただ単に女心がわからない鈍感野郎とゆうわけでなく、
つらい失恋を経験し、異性に対し消極的になっていると明かされる。
本作はヴィジュアルだけでなく、恋愛ものとしても読みごたえあり。
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