ほっけ様『専門学校JK』

 

 

専門学校JK

 

作者:ほっけ様

監修:代々木アニメーション学院

掲載媒体:『デンプレコミック』(KADOKAWA)2017年-

[ためし読みはこちら

 

 

 

寮生活をおくりつつ、代々木アニメーション学院でまなぶ女子高生の4コマである。

主人公格は、イラスト科生の「大宮」。

「神絵師になりたい」とゆうフワッとした理由で入学した。

絵は全然うまくない。

 

 

 

 

代アニには、親が金持ちの生徒がいる。

実は大宮は社長令嬢で、最新のハイスペックマシンをそろえる。

しかしそれだけで満足し、結局なにも描かない。

 

 

 

 

代アニに入学試験はない。

生徒はお客様であり、講師も言動に気をつかう。

ちょっとしたことで褒めてもらえるが、かえってプレッシャーになることも。

 

 

 

 

マンガ科の「茅ヶ崎」は課題制作に行き詰まり、個人面談をうける。

オメガバースがどうちゃらと適当にテーマを口走ったら、講師に通じてしまい驚く。

 

 

 

 

茅ヶ崎が本当に描きたいのは、寮生同士の百合。

声優科の「岡山」は、ハードなレズ行為に耽る自分をみてショックをうける。

 

「代アニあるある」のおもしろさだけでなく、「萌え4コマ」としても内容が濃い。

 

 

 

 

声優科は、やはり一番人気の学科らしい。

アニメ映画出演権を賭けたSHOWROOMでの競争が、本巻のハイライト。

才能や努力ではいかんともしがたい社会の現実を、代アニ生は身をもって知る。





関連記事

テーマ : 4コマ漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合 

高津マコト『シャボンと猫売り』

 

 

シャボンと猫売り

 

作者:高津マコト

掲載サイト:『コミックガム』(ワニブックス)2016年-

単行本:ガムコミックスプラス

[ためし読みはこちら

 

 

 

主人公の「澁澤なつめ」は剣道部に所属している。

あるとき、練習方針をめぐってゴリラみたいな先輩と口論に。

竹刀でセクハラされるが、男嫌いのなつめは動じない。

 

 

 

 

凛とした少女剣士であるなつめだが、親友の「ちひろ」を見た途端にデレる。

一瞬でゴリラ先輩を片づけ、イチャイチャする。

このギャップは魅力的で、冒頭における主人公の紹介として有効だ。

 

 

 

 

なつめは、ちひろの家に泊まることに。

ところが怪しげな石鹸で体を洗ったちひろが、浴室で猫に変身してしまう。

 

 

 

 

本作は、ちょっとシュールな味わいの現代ダークファンタジーだ。

手描きっぽいタッチ(実際はクリスタ使用に、新人らしからぬ表現力を感じる。

 

 

 

 

なつめは、猫を捕獲する謎の公的機関「防疫局」との戦いに巻き込まれる。

ストーリーはやや突拍子もないが、アクション描写は達者なもの。

 

 

 

 

昔の『ルパン三世』のアニメなどを見ると、

たとえば自動車が走り出すとき車体が大きく曲がったりして、

古臭くはあるけれどいいものだなと思う。

高津マコトは、そうゆう「漫画的誇張」を自家薬籠中の物としている。

 

 

 

 

一方で、百合とゆう流行のテーマもがっつり追求。

このハイブリッドな世界観は、漫画読みなら見逃せないはず。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合 

小池ノクト/外薗昌也『殺戮モルフ』

 

 

殺戮モルフ

 

作画:小池ノクト

原作:外薗昌也

掲載誌:『ヤングチャンピオン』(秋田書店)2017年-

単行本:ヤングチャンピオン・コミックス

[ためし読みはこちら

 

 

 

女子高生3人が、制服姿で池袋を闊歩する。

真ん中のボブヘアが主人公の「まどか」。

ひとりだけ彼氏がいない。

 

 

 

 

唐突に通り魔事件が発生。

覆面男が二丁のナタをふりまわし、無差別に通行人を殺戮する。

 

 

 

 

恐怖のあまり硬直したまどかは、立ち尽くしたまま惨劇を見とどける。

サンシャイン通りが一瞬にして地獄へかわる瞬間を、

可憐な少女の視点から生々しく描いている。

 

 

 

 

犯人は逮捕され、まどかは保護されるが、一件落着とならない。

家族と一緒に帰宅途中の車内から、収監されてるはずの犯人を目撃。

ビルのなかで人を殺していた。

 

 

 

 

同一人物が複数の場所に出現する「バイロケーション」が、本作のギミックだ。

犯人はあちこち出没し、見境なく殺し回るが、だれもそれを止められない。

 

 

 

 

まどかは、ある集団セラピーに勧誘される。

半信半疑で足をのばすと、そこには今回の事件の生存者があつまっていた。

犯人がいまだあらわれるのは、PTSDによる幻覚だと匂わされる。

本作は、心理を主題とするホラーでもある。

 

それはともかく、外ハネでオーバーオールを着た「典子」が、

イタズラ好きでおちゃめな性格で、かわいい。

 

 

 

 

これまで小池ノクトの作品をちゃんと読んでなかったが、ファッションが魅力的とおもう。

僕が好きなのは3話の服装。

重ね着の仕方やショートパンツなど流行をとりいれつつ、普通っぽくもみえる。

おしゃれしすぎないおしゃれの匙加減が巧みで、

オリジナルを描ける作家が、作画に集中するときの醍醐味をあじわる。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

『ナデシコ女学院諜報部!』 第12章「ディズニー」


登場人物・あらすじ(準備中)


全篇を読む(準備中)






 ところはJR京葉線・舞浜駅ちかくにある東京ディズニーランドホテル。結婚披露宴がホールでひらかれている。ミッキーマウスとミニーマウスが新郎新婦に付き添い、ウェディングケーキの入刀をおこなう。ドナルドダックが感動の瞬間を祝福する。

 そしてミッキーたちがダンサーをまじえて踊り、記念撮影をし、幸せの絶頂にある二人を送り出して、披露宴は幕を下ろす。

 ディズニーキャラクターの三体は控室へもどり、被り物を脱ぐ。

 ミッキーマウスの中に入っていたミキは、汗だくのまま笑顔で言う。

「たのしかった! いきなり引っぱりこまれて焦ったけど」

 ミニーマウスだった千鳥は号泣している。

「うんうん、結婚式っていいもんだなあ。あたしも早く相手見つけて結婚したい。でもって子供は三人ほしい」

 きららは口を尖らせる。

「なんで私がドナルドなのよ。月に二回来るくらいディズニー好きなのに。部長なんだから選ぶ権利あるでしょ」

「まあまあ」ミキが言う。「そんなことより、CIAがホテルをうろついてますね。しきりに無線で交信してる」

「ミニーちゃんになるのが夢だったのよ……」

「泣くほどショックとは」

 きららは泣きじゃくりつつノートPCをひらく。すでにホテルの監視システムをハッキングしており、廊下が画面に映っている。スーツを着た白人の男が、控室のドアの前を駆け足で横切る。ミキたちを探している様だ。

 赤い制服を着た女が、控室に入ってきた。ナデシコ女学院諜報部のOGで、今回ミキたちを手引きした、ホテル従業員で二十三歳の白井だ。

「うざっ」白井が言う。「物騒なやつらが、私たちの夢の国を荒らしてる。懲らしめてやって」

 ミキが答える。「協力ありがとうございます」

「お安い御用よ。東京ディズニーリゾートの職員で一番多いのは、学院出身者なの。ゲストもふくめれば、学院がここを支配してると言っていい」

「へえ」

「女子のネットワークをなめたら痛い目にあうと、CIAは知らないんでしょうね」

 白井は後輩であるきららの髪を手で梳き、頭頂部に顎をのせる。妙に馴れ馴れしいが、きららは表情を変えずPCを操作する。ネットワークとやらが何を意味するか、深く追求すべきでないとミキは判断した。




 諜報部の三人は、ホテルのエレベーターで地下三階まで降りる。ドアがひらかない。操作盤のカバーをスライドし、鍵を差し込んでひねる。ミキが総支配人室に忍びこんでアイフォンで撮影し、白井に3Dプリンタで複製してもらった鍵だ。

 エレベーターから出ると、そこは日本最大の地下通路だった。数匹のネズミが足許を駆け抜けたのが、鳴き声でわかる。照明はまばらで薄暗く、剥き出しの太いパイプが左右に設置されている。ごく限られた関係者のみアクセスを許された区域であり、テスラシステムのある軍事基地へ通ずる。

 ミキの服装は、ジャンパースカートもタイツも靴も帽子も黒づくめ。チョーカーまで黒で、白く細い首とのコントラストがあざやかだ。迷彩柄のアーマーで胴体を守っている。

 きららはアキュラシー・インターナショナル社の狙撃銃である、AWライフルを装備する。

 目を輝かせてミキが言う。

「諜報部にこんなのあったんですね。教えてくれればいいのに」

 きららが答える。「これは私物よ」

「マジすか」

「実は父が自衛官で、銃の使い方を叩きこまれたの。狩猟にもよく連れてかれるし」

「ボクの父はサバゲが趣味でした」

 ミキはサブマシンガンのMP7を、コンコンと右中指の関節で叩く。たのむぜ、相棒。

 すべての電灯が消えた。

 ミキが叫ぶ。「暗視装置!」

 光量が増幅された緑色の世界が、ミキの眼前にひろがる。待ち伏せにあったのに、不思議と落ち着く。

 ライフルの連射音と、銃弾がコンクリートやパイプで跳ねる音が、トンネルに反響して耳を聾する。数十メートル先で、緑の人型のシルエットがうごめく。敵は六人ほどいる。

 ミキは前方へ猛然と駆け出す。

 普段は予防接種も嫌で逃げるほど臆病だが、勝ち負けが絡むと恐怖心が吹き飛ぶ。だれが相手だろうと負けたくない。

 まるで背中に翼が生えた様に、体が軽い。筋肉が勝手にうごく。単色の風景がフルカラーに感じられる。敵味方の位置取りや次の動きが、気配として伝わる。

 ミキは瞬く間に三人を斃す。

 CIAの特別行動部隊(SAD)らしき敵対勢力は、死傷者を放置してトンネルの奥へ撤退する。




 SADはミキの戦闘力を侮ってない。イラクで即席爆弾を隠し持つ幼女を、冷徹に射殺した経験さえある連中だ。作戦中に油断はしない。

 ありふれた戦闘の一局面だ。接触直後にはげしく攻撃した側が、主導権をにぎるのは道理。プロフェッショナルであるSADは、彼我の戦力差を客観的に認識している。練度と装備が桁違いだ。敵の攻勢終末点まで後退し、そこで反撃に転じればよい。

 MP7の四・六ミリ弾で頬を撃ち抜かれた、身長百九十センチのSADオペレーターが、最後のエネルギーを燃やし立ち上がる。死んだと思いこんで通り過ぎたミキに、ナイフを振り下ろす。

 ターンッ!

 三〇八口径弾で、さらに大きな穴を後頭部に開けられたオペレーターは、脳漿を闇に撒き散らしながら倒れる。きららがAWを発砲した。

 ミキは、原形をとどめないオペレーターの頭部を見下ろす。

 悪く思わないでくれ。付随被害だ。

 ミキはヘッドセットできららと交信する。

「ありがとうございます」

「もっと周囲に気を配って」

「ゲームと同じにはいきませんね。ヘッドショット一発で死ぬとはかぎらない」

「笑えない冗談だわ」

「ボクの暴走癖に呆れてるのはわかってます。でも、こうゆう風にしか戦えないんです。とにかく後ろは任せました」

「私はともかく、千鳥ちゃんは納得してない様ね」

 肩を怒らせた千鳥のシルエットが、暗視装置のスクリーンに浮かぶ。右拳を固く握り、ミキを殴りつけようとしている。

 ミキは先手を取って、千鳥を突き飛ばす。そして自分もコンクリートの床に伏せる。

 バシューッ!

 ロケット弾が頭上を通過する。後方の壁にあたって爆発し、狭いトンネル内を焼き尽くす。

 ズダダダッ、ズダダダッ!

 増援と合流し十名となったSADが、復讐心を滾らせてアサルトライフルのSCARを斉射する。




 テスラシステムが鎮座する広い管制室は、いまはCIA高官や準軍事要員や技術者も加わり、総勢四十人ほどでごった返している。SADがミキたち諜報部員三名に思わぬ苦戦を強いられたので、一部はその対応でドタバタ走り回り、足を床の配線に引っかけて転ぶ者もいる。

 壁の巨大なディスプレイに、上空から見た東京ディズニーランドが映る。無人航空機であるMQ9リーパーが、高度五千メートルから撮影する映像だ。CIAと連携しつつ、アメリカ空軍パイロットが本国から遠隔操作している。

 首から十字架をさげたジェーンが、ノートPCをつかうアルテミシアの耳許でささやく。

「リーパーを乗っ取ってちょうだい」

 アルテミシアが答える。「どうする気?」

「蟻の巣をつぶして、生き埋めにする」

 壁のディスプレイに、SADと諜報部の交戦の様子も映っている。増援の到着により戦力比が逆転したため、諜報部はエレベーターで地上へ逃げる可能性が高い。

 おかっぱ頭のアルテミシアは虚ろな表情で、言われるまま空軍基地のコンピュータへ侵入する。PCの画面がシンデレラ城の俯瞰映像に切り替わった。

 一方でミキたち三名が、エレベーターに乗りこむ。

「発射」ジェーンが言う。

「なにを言ってるの」

「ヘルファイアをあの城に撃ちなさい」

「一般市民が何千人もいる」

「どうせ二時間後にみな死ぬでしょ」

 椅子に座るアルテミシアは、立っているジェーンを下から睨みつける。

「やはりあなたは狂ってる。大声を出すわ」

「ご勝手に。私はCIAを理解してる。だれもあなたに味方しない。九・一一以降、テロリストとみなされる人間をCIAが何人殺したか知ってる?」

「議論なんて必要ない」

「一万一千人よ。二十一世紀において、これほど『戦果』を上げた西側の軍事組織は他にない。CIAはいまや世界最大の軍隊のひとつなの」

「きっとあの中にアメリカ人もいるわ!」

 ジェーンは手でアルテミシアの口をふさぐ。椅子を横取りし、キーボードを叩く。

 画面の中心で爆炎が生じる。シンデレラ城のもっとも高い尖塔が折れ、煙のなかで逃げ惑う群衆の上に落ちる。

 リーパーの予期せぬ動作に、管制室内は恐慌状態となる。ジェーンは騒ぎを黙殺し、ノートPCに見入っている。

 笑えるわ。

 黄色い顔の猿が棲む国に、なんで中世ヨーロッパ風のお城が建ってるわけ?

 あいつらには、焼け野原がお似合いよ。




関連記事

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

中山敦支『うらたろう』5巻

 

 

うらたろう

 

作者:中山敦支

掲載誌:『週刊ヤングジャンプ』(集英社)2016年-

単行本:ヤングジャンプコミックス

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

ヒロインであるちよの死から一年を経て、第二幕「回生篇」がはじまる。

うらたろうは、ちよの生首を鞄にいれて旅をする。

爆散した肉体をすべて拾い集めて復活させるために。

 

7つに別れたちよを探す旅に出るとかいう

ドラ○ンボールとキ○肉マンをくっつけたような展開に

色んな意味で驚かされます

ちよはバッファローマンにバラバラにされたミートくんだった・・・?

 

アマゾンレビュー

 

あまりに純粋に週刊少年ジャンプ的すぎて、

かえってジャンプに受け容れられなかった中山ならではか。

 

 

 

 

恋人の死を経験した、うらたろうの性格は反転。

他者をいつくしみ、生命を大切なものとみなす様に。

中山作品の主人公らしくなった。

 

でも、僕は信者にちかいファンだからあえて言うけれど、

これまでの4巻はなんだったんだろうとおもう。

うらたろうは「共感しづらいキャラ」として登場したので、

読者との距離がちぢまらないまま話はすすむ。

 

 

 

 

第二幕に花を添えるのが「もがり」。

色仕掛けの直後に悪態をつく慌ただしさがおかしい。

 

 

 

 

遺体を奪い合うライバルが「平六代(たいらのろくだい)」。

ちよの兄である。

 

 

 

 

六代は人形としてちよを愛玩するのが目的。

ネクロフィリアとインセストの混淆は、玄妙なあじわいだ。

 

 

 

 

乳母の死体を愛した、幼少期のエピソードもかたられる。

「母性への屈折した感情」とゆう、作者にとり重要なテーマがうつくしく再浮上。

 

 

 

 

以上の引用画像はすべて見開き2ページ。

ストーリーは迷走ぎみで、修正不可能なレベルにおもえるが、

作者のイラストレーター的技量をたしかめられる点では、読む価値がある。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 中山敦支 

『そしてボクは外道マンになる』2巻に鳥嶋和彦登場

 

 

そしてボクは外道マンになる

 

作者:平松伸二

掲載誌:『グランドジャンプPREMIUM』(集英社)2016年-

単行本:ヤングジャンプコミックスGJ

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

初連載ながら成功した『ドーベルマン刑事』は三年めに入り、

担当編集者が後藤広喜から、鳥嶋和彦へかわる。

のちに伝説の編集者と称される鳥嶋だが、当時はまだヒットを飛ばしてないはず。

 

ジャンプ編集部における不和がそれとなく描かれる。

70年代のジャンプは、本宮ひろ志的な熱血路線まっしぐらであり、

ヴィジュアル重視の鳥嶋は不遇をかこっていたとか。

なお集英社における世代間抗争は、西村繁男『漫画王国の崩壊』にくわしい。

 

 

 

 

鳥嶋は尋常でない毒舌家だった。

初対面の作家にむかい、師匠である中島徳博の『アストロ球団』をバカにしたり、

カラーイラストが暑苦しすぎてセンスないなどと、言いたい放題。

 

誇張もあるにせよ、インタビューなどでつたわる鳥嶋の人柄からそう遠くない。

 

 

 

 

鳥嶋がかんがえたテコ入れ策は、ハードな『ドーベルマン』のラブコメ化。

平松は、新キャラである婦警さんのデザインをすることに。

ここで伝説の「ボツ地獄」がはじまる。

 

いかに作家に無駄弾を撃たせて、いかに何度もダメ出しをして、

最後には作家に「自分は他人よりなにが優れているか」を悟らせるか、

これに尽きるんだね。

 

編集の側から「こうすればいい」とサジェスチョンしても、

結局は作家の身にならない。

作家自身に自分で気づかせる以外にないんです。

ということは、編集の仕事は短時間に的確にダメ出しを

繰り返すことに尽きるんだよ。

まあ、技術論のレベルでの指導もしていくわけだけどね。

 

対談での鳥嶋の発言

 

鳥嶋による冷酷なダメ出しの連続は、戦略的なもの。

徒弟制度風だった漫画編集の仕事をモダナイズしたのが、彼の功績だろう。

 

 

 

 

結果、不振だった『ドーベルマン』の人気は復活する。

話してみると、鳥嶋が意外と人情を解するのもわかった。

 

以降の鳥嶋の業績を箇条書きすると、こんな感じ。

 

・鳥山明や桂正和などの漫画家を発掘

・「ジャンプ放送局」「ファミコン神拳」などの企画ページを編集

・ジャンプ作品をアニメやゲームとクロスオーバーさせる

・漫画単行本を洗練されたデザインへ変更

・『ドラゴンクエスト』『クロノ・トリガー』の座組を準備

・『Vジャンプ』創刊

・低迷期のジャンプの再建

 

日本のサブカルチャーにおける、最大の貢献者かもしれない。

 

 

 

 

鳥嶋はいま、白泉社の代表取締役社長をつとめている。

平松が自伝漫画の内容をチェックしてもらいにゆくと、

いい年して相変わらず毒舌だったとゆうオチがつく。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

若木民喜『キング・オブ・アイドル』

 

 

キング・オブ・アイドル

 

作者:若木民喜

掲載誌:『週刊少年サンデー』(小学館)2017年-

単行本:少年サンデーコミックス

[ためし読みはこちら

 

 

 

『神のみぞ知るセカイ』などで知られる若木民喜の新作は、アイドルもの。

主人公の「遥名まほろ」は養成学校へ入り、頂点をめざす。

 

 

 

 

本作には、ほのかなSF/ファンタジー風味がある。

まほろの声には魔力があり、人をあやつれる。

「道を空けてください!」と叫ぶと、人混みがザッと左右に分かれたり。

 

 

 

 

もう一つのまほろの秘密は、男であること。

性別を偽ってまでアイドルになろうとするのは、

養成学校のシステムでホログラムを生成し、若死にした母親と再会したいから。

しかし寮生活で隠し通すのは無理があり、ルームメイトの「瀬奈」にバレてしまう。

 

 

 

 

まほろは女装趣味の持ち主ではないので、下着は男物。

転ぶとダサいトランクスが丸見えで、かえって危険だったりする。

 

 

 

 

女の子のかわいさに定評ある作家であり、アイドルものとの相性は抜群だ。

愛くるしく親しみやすいと同時に、独特の艶のある絵柄を、読者は堪能できる。

 

 

 

 

異性への興味が薄いまほろは、スケベ心ゆえ女子寮に潜入したのではない。

ところが、なぜか歌をうたうとビンビンに勃起する習性があり、

マジメな瀬奈の拒絶反応を誘発し、そのたび大騒ぎに。

このギミックをこの絵柄で描かれると、破壊力がある。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 男の娘 

『ナデシコ女学院諜報部!』 第11章「説得」


登場人物・あらすじ(準備中)


全篇を読む(準備中)






 ミキは鉄柵へ駆け寄り、地面を見下ろす。真下に木立があり、氷雨の姿は見えない。

 校門の前にパトカーが二台駐まっている。銃声を聞いた周辺住民が通報したのだろう。捜査官三名をあっけなく殺された公安は、所轄警察署を統制できてないらしい。制服警官数名が木立へ殺到する。

 氷雨の安否が気がかりだ。なにがあったとしても、その責任は自分にあるとミキは痛感する。

 みんながボクに自重をもとめた。諜報部の仲間も、母親も。でもボクは耳を貸さなかった。

 いつだって周りが見えなくなる。ゲームのネット対戦で勝ったり、かわいい服を着て街中で注目されたりすると。調子に乗って、のめり込む。徹夜で遊んで消耗したり、ますます奇抜な恰好をしたり。

 でもいまのボクはひとりじゃなかった。守るべき仲間がいた。

 引き返すべきポイントはあった。セレブリテ学園に潜入するときとか、立場をうしなうほどジェーンを決勝戦で追いこむときとか。

 とりかえせない。これはゲームじゃない。セーブポイントに戻ってやりなおせない。

 部室棟の狭い屋上に、CIAの騒音軽減ヘリが降着する。SAD五名が続々と搭乗する。最後に乗降用ステップに足をかけたジェーンが、荷物を手にとり、鉄柵のそばにいるミキへ歩み寄る。手にしているのは緋色の刀袋だった。

 国宝・七星剣をミキに差し出し、ジェーンが言う。

「借り物を返すのを忘れてたわ」

「…………」

 ミキは背を向けたまま、下をながめている。

「いらないなら貰っておくけど。じゃ、御機嫌よう。五時間以内に東京から離れるべきと忠告しておくわ。よからぬことが起きるから」

 ミキは、ブレザーのポケットに両手を突っこんで振り向く。

「ボクを殺さないのか」

「殺してあげてもいいけど、雑魚のために報告書のページを増やしたくないの。はやくLAに帰って、家族やボーイフレンドに会いたいし」

「こっちの言う意味をわかってるのか。ボクは決してお前を許さない。たとえ泣いて謝っても」

「すてき。たったひとりで世界最強の国家に戦いを挑むのね。応援するわ」

 ジェーンは踊る様に反転し、ヘリコプターへ乗りこむ。バタバタとゆう風切音をほとんど立てずに、ヘリは新宿の上空を飛び去った。

 CIAは氷雨の生死を確認するより、所轄警察署との接触を避けるのを優先した。必要な情報は十分あつめたのだろう。

 ミキはゴンゴンと鈍い音を響かせながら、鉄柵に右の拳を振り下ろしつづける。




 新宿駅西口から徒歩十分ほどの高層ビル街に、ナデシコ女子医科大学病院がある。一階の救急処置室の前で待機していたミキと千鳥ときららは、看護師に入室をうながされる。

 ベッドに横たわる氷雨は、点滴装置と人工呼吸器をつけている。痛ましい姿だが、心肺停止していない證拠でもある。ミキは安堵した。

 開業医の娘で、自身も医学部進学をめざす千鳥が、緊急手術の担当医師に状況をたずねる。

 大腿骨骨折による出血多量で危険だったが、搬送が早かったため手術は成功した。肋骨が折れるなどして肺を損傷しており、人工呼吸器を使用しているが、こちらも今のところ深刻ではない。

 運がよかった。

 ミキが枕元へ近づくと、氷雨はかすかに口角をもちあげる。透明なマスク越しに、口をパクパク動かすのが見える。読唇術を習得してないミキでも、なにを言ってるかわかる。

 ごめんなさい。

 ミキは手の甲で、自分の右頬の涙をぬぐう。

 拷問されたきららや、屋上から飛び降りた氷雨は、どれほど孤立し絶望しただろう。それにくらべ、自分がいかに傲慢だったことか。

 ミキは花柄のワンピースが汚れるのも構わず、きららと千鳥に向かい土下座する。モップで掃除したとは言え、氷雨の血の跡がのこっている。医師と看護師は、唖然としてミキを見下ろす。

「お願いします」ミキが言う。「力を貸してください。ジェーンをやっつけたいんです。でもボクひとりじゃ何もできない」

 裸眼なので目を細めがちなきららが、手を引いてミキを立たせつつ言う。

「四時間後に大地震がおきるのよ」

「わかってます。先輩たちは陽動を仕掛けてください。その隙にボクが地下基地へ侵入します」

 腕組みした千鳥が、不愉快そうに鼻を鳴らす。ミキの気分は暗くなる。

 千鳥が言う。「冗談じゃねえよ」

「自分勝手なのはわかってます。でも……」

「なんでお前ひとりでオイシイ役を持ってくのさ。きららと氷雨がひどい目にあって、頭来てるのはあたしも同じだっちゅうの」

「千鳥先輩」

「あたしたちは仲間だ。おたがいのためなら、なんだって出来る」

 ミキと千鳥ときららは、視線をからめる。自然にたがいの手を重ね合う。




関連記事

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

金田一蓮十郎『ゆうべはお楽しみでしたね』4巻

 

 

ゆうべはお楽しみでしたね

 

作者:金田一蓮十郎

掲載誌:『ヤングガンガン』(スクウェア・エニックス)2014年-

単行本:ヤングガンガンコミックス

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

レアモンスターとのエンカウントである。

ゴローさんの友人である「あやの」が、パウの職場へ押しかけてきた。

ちょっと話したくらいで、全然親しくないのに。

 

 

 

 

ことわりきれず、仕事終わりに食事をすることに。

あやのは手を握ってきたり、あきらかに気がある。

 

 

 

 

「場所」を変えようとラブホテルへ誘われる。

ゴローさんを好きなくせにズルズルと流されるパウだが、

彼氏がいるとあやのが前に言ってたのを思い出し、問い質す。

 

あやのは今の彼氏に不満があって、もっといい人をさがしていた。

結婚前提で付き合えそうな。

でも独り身になるのが一番嫌なので、保険をかける意味で粉をかけてきたわけ。

 

こうゆう人となりを、あえてカタカナ三文字で表現するなら「ビッチ」なのだが、

孤独を感じたくないとゆう女心を匂わせる人物造形が巧みだ。

 

 

 

 

パウに泣きつかれたゴローさんは、クレーム処理のためあやの宅を訪問。

脈ナシだから、もうパウへちかづくなと。

ところがあやのは女のカンで、パウのことが好きなのかとたずねる。

もし好きなら手を出さないとも言う。

こう見えて自分は、恋愛より友情を優先するから。

 

あやのにはあやのなりの行動規範がある。

お邪魔虫から一転、恋のキューピッドに。

 

 

 

 

ゴローさんがどう返答したか、はっきり描かれない。

翌朝の洗顔中のモノローグで婉曲的に表現。

とにかく本作のヒロインは、引き返せない状況におかれた。

 

 

 

 

晴れてパウとゴローさんは恋仲に。

決してみじかくない物語における決定的な瞬間(いわく大型アップデート)を、

キスシーンとかではなく、なにげない一言ですます定石外しに感服。

神業とすら思える。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

小花オト『幽霊の正体見たり、枯れ頭。』

 

 

幽霊の正体見たり、枯れ頭。

 

作者:小花オト

掲載誌:『月刊ビッグガンガン』(スクウェア・エニックス)2016年-

単行本:ビッグガンガンコミックス

[ためし読みはこちら

 

 

 

主人公の「法霊崎 帝(ほうれいざき みかど)」は高校生だが、霊媒師でもある。

午後6時の公園に幽霊が出没するとの噂をきき、お祓いをしに来た。

 

 

 

 

幽霊の名は「花」。

天真爛漫な銀髪の美少女である。

あかるい性格で、だれからも好かれそうなタイプ。

 

 

 

 

しかしその正体は、ハゲのオッサンだった。

孤独死した運命を恨み、遊び相手をもとめて夜の公園を徘徊する。

外見がオッサンのままだとキモがられるので、美少女に化けていた。

 

 

 

 

やや出オチぎみの1話につづき、2話では花が転校生として登場。

ドタバタ学園オカルトコメディとしてエンジン全開だ。

 

幼なじみキャラの「恋鐘(こがね)」は、1巻であまり見せ場がないが、

小柄・ポニテ・八重歯・関西弁など属性てんこ盛りで吸引力あり。

 

 

 

 

美少女/オッサンの外面/内面ギャップで、のべつ笑わせる。

かわいらしい絵に似合わず、ギャグは切れ味するどい。

 

 

 

 

繊細かつ流麗な描線と、コロコロした可憐さを両立させた絵柄は、

なもり(『ゆるゆり』作者)などの影響を感じさせる。

女子同士のイチャイチャしか描けないあちらより、作風は幅広いかも。

 

 

 

 

IQ200の天才科学者である、先輩の「ステラ」。

いつも目の下にクマをつくっており、しかも巨乳。

作者は新人だが、女の子の描き分けについてはすでにマエストロだ。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

コナリミサト『凪のお暇』

 

 

凪のお暇

 

作者:コナリミサト

掲載誌:『エレガンスイブ』(秋田書店)2016年-

単行本:A.L.C.DX

[ためし読みはこちら

 

 

 

主人公の「大島凪」は28歳のOL。

ある日残業中に、過呼吸をおこして倒れる。

結婚をかんがえていた恋人が、自分の悪口を言ってるのを目撃したから。

 

 

 

 

凪は美人でオシャレだが、おとなしい性格。

日常でストレスをためこみ、精神的に追い詰められていた。

 

ランチでの会話が「自分がいまどれだけ幸せか」の自慢大会になるなど、

やたらマウントをとりたがる同僚たちの描写がおもしろい。

 

 

 

 

凪は会社を辞め、引っ越しする。

とりあえず無職なので、新居は六畳一間の安アパート。

テレビすらない。

きれいなサラサラストレートの髪は、手入れしないとアフロになる。

 

 

 

 

これは後書きから引用。

髪型でビフォーアフターを表現するギミックが効果的だ。

キラキラの女子アナ風コーデから、ダサダサのアラサー女へいきなり転落。

 

 

 

 

安アパートでの人間模様も描かれる。

お隣さんは、いかにもパリピなイベントオーガナイザー。

凪とは住む世界がちがうが、なぜかスーパーのチラシをめぐって意気投合したり。

舞台は六畳一間なのに、世界観に広がりがある。

 

 

 

 

断捨離したはずの恋人が、悪びれる風もなく新居に押しかけてきた。

勝手に部屋へあがり、つまみを作れと言ったり、体をもとめてきたり。

内面を「土足で踏み荒らされる」心象風景があざやか。

 

端的に言うとクズだが、ところどころで作者はこの男に同情的。

一筋縄でいかないアラサー女子の人生を、ほのぼのかつ辛辣にだどってゆく。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

『ナデシコ女学院諜報部!』 第10章「屋上」


登場人物・あらすじ(準備中)


全篇を読む(準備中)






 並木とダークスーツの二人が、異変を知って慌ただしく部室棟の階段を駆け下りてゆく。きららの居場所を把握してなかったらしい。

 ミキは眉間に皺を寄せる。とがった顎に右手を添えて思考する。

 読みが外れた。

 部長のきららは諜報部顧問の並木とつながり、公安のために動いていると思っていた。知るはずのないことを知ってたから。ひょっとして二重スパイだったのか。

 ドサッ。

 物音がしたので振り返ると、白黒半分のパーカーを着た氷雨が尻餅をついている。胸に手をあて、呼吸が荒い。パニック障碍ではないかとミキは疑う。似た症状を呈した経験からわかる。

 ミキは氷雨をサルーンへ連れてゆき、椅子に座らせる。紙コップに入れた水を飲ませる。

「大丈夫?」ミキが尋ねる。

「急に目眩がして。ちょっとだけ休ませて」

「氷雨ちゃん、なにか知ってるんだね」

「…………」

「秘密を隠してるのは、きらら先輩だと思ってた。でもちがう。むしろ先輩は氷雨ちゃんをかばってたんだ」

 氷雨がテーブル越しにおくる視線は、雪まじりの雨の様につめたい。

「言えない」

「国家機密や陰謀なんてどうでもいい。ボクはそんなの興味ない。でもここまで関わった以上、知っておく必要がある」

「絶対言えない。お願いだから何も聞かないで」

 かぼそい氷雨の声色に、不快な成分を感じる。ミキの心の奥底の記憶が反応している。

 思い出したくない記憶は、ひとつだけ。

 六年前。大船渡。津波。

 大好きだった父と兄の死。

 ミキが言う。「東日本大震災と関係あるの?」

「やめて! 知らない方がミキちゃんのためなの」

「なにを恐れてるんだろう。ボクは子供だったし、田舎の平凡な家庭だった。氷雨ちゃんだって当時九歳でしょ。日米政府がなにをしようが、ボクたちとまったく縁のない話だ」

「あなたを諜報部に誘ったのを後悔してる。いつか必ず教えるから、今はそっとしておいて」

 ミキはため息をつく。

 氷雨の態度は頑なで、攻撃的ですらある。説得が通じる様子ではない。

 ズダダッ、ズダダダッ!

 背後の窓から、アサルトライフルの重い連射音がとどいた。

 ミキと氷雨は目を丸くする。三階から中庭を見下ろすと、信じがたい光景が展開されていた。




 その一分前。

 並木はダークスーツの二人をしたがえ、部室棟から大きな池のある中庭へ出る。並木は霞が関に電話しながら走っている。

 池のほとりで、二重反転ローターの黒塗りのヘリコプターが待機しているのに、公安警察官たちは驚く。だれも接近に気づかなかった。CIAが所有する騒音軽減ヘリなので仕方ないが。

 ジェーンと六人の男が、銃口を下へ向けてアサルトライフルのFN・SCARを構えている。全員フル装備だが迷彩服は着ていない。ジェーンは黒のセーラー服、男たちはジーンズなどで不統一な服装だ。彼らは準軍事要員である「特別行動部隊(SAD)」のオペレーター。ジェーンは陸軍軍人と衝突したが、SADとなら阿吽の呼吸で協働できる。

 並木はスマートフォンをグレーのジャケットにしまう。丸腰なので恐ろしいが、冷静をよそおいジェーンに話しかける。

「あなたがリーダーね?」

 ジェーンが答える。「そうだけど」

「いますぐ撤収しなさい。他国の諜報機関が白昼堂々、われわれ公安に対し敵対的な行動をするなんて前代未聞よ。外務省を通じて正式に抗議する」

「お好きに」

「自分が何をしてるかわかってるの? これは宣戦布告にひとしい」

「とっくに戦争は始まってるけど」

 ジェーンはなめらかな動作でSCARを発砲する。五発の七・六二ミリ弾が、並木の皮膚と血管と臓器を破壊する。同僚の二人も斃れた。

 ライフル弾に薙ぎ倒された並木は、青空をながめながら、日本版CIAの長官になるとゆう夢が潰えたのを知った。




 ミキは、部室棟屋上にある貯水タンクの陰に潜んでいる。SADが放つライフル弾がタンクに当たり、鈍く不吉な音をたてる。

 敵の連射の合間をみて、ハンドガンのHK45で応戦する。すぐ十発を撃ち尽くし、弾倉交換を余儀なくされる。たよれる相棒のMP7を所持してないのは痛恨の極みだった。

 不条理な事態だ。

 いま対峙するSADは、民間人に対する先制攻撃を許されている。階段でいきなり発砲され、屋上まで追い詰められた。ありえない交戦規則だ。

 銃器が奏でるシンフォニーを聞いていると、ミキはおかしくなってクスクス忍び笑いする。

 自分がこんな死に方をすると思わなかった。諜報部に入る前は人生終わりかけてたから、ふりだしに戻っただけとも言えるが。

 包囲されてみじめに蜂の巣になるより、敵を一人か二人片づけて、華々しく散りたい。ミキは遮蔽物の陰から飛び出す。

 千鳥が背後からミキの肩をつかみ、制止する。

「バカか」千鳥が言う。「あいつらどう見てもプロだろ。シロウトが撃ち合ってどうすんだ」

「ボクの腕なら道連れにできる」

「死ぬ気かよ。いい加減に目を覚ませ」

「死の天使は、死を恐れない」

「ふざけんな!」

 千鳥はミキの頬を、拳で思い切り殴る。ミキは怯まない。口がへの字に曲がり、眼帯をつけた顔に冷笑が浮かんでいる。

 ミキは、千鳥の足許でうずくまる氷雨に一瞥をくれる。膝をかかえて震え、視線に反応しない。

 短い間で、おかしな関係だったけど、友達になれたことに感謝している。できれば気持ちを言葉にしてつたえたかった。

 ミキは衝動的に駆け出す。歯を食いしばって集中し、HK45の照準を合わせようとする。

 前方にはきららがいた。いつもの眼鏡をしておらず、髪や制服が乱れている。両手を背中で拘束されている。




「先輩」ミキが言う。「無事でしたか」

「どうにかね」

 きららの微笑に力がない。

 強いストレスを受けたばかりの様に見える。やはり拷問されたのか。

 ミキはHK45を、きららの隣に立つジェーンへ向ける。胴体はアーマーで守られている。額を一撃で射抜くつもりだ。

 ジェーンは脅威に関心をしめさない。かわりにSAD五名がミキに狙いをつける。

「ボクは」ミキが言う。「裏の事情を知らない。でも無抵抗の女の子を痛めつけるお前らに、正義があるわけない」

 ジェーンが答える。「そうかしら。拷問はされるより、する方が大変なのに」

「だまれ」

「この女は水責めに三時間耐えた。アルカイダの平均より上よ。あっぱれと褒めてもいい」

「だまれ、クソビッチ!」

 ジェーンは無表情で顎をしゃくる。SADがSCARの引き金に指をかける。

 ミキは迷う。

 ジェーンは殺せる。死に値するやつだ。絶対外さない。

 だが撃てば、仲間も報復されるだろう。

「もうやめて!」

 氷雨の叫びが響いた。

 振り返ると、氷雨が頬を濡らして立っている。

 ジェーンがわざとらしく口笛を吹く。

「寒椿氷雨。アメリカの諜報機関による捜索を、六年間も躱しつづけた強敵」

 ミキが尋ねる。「一体なんの話だ?」




 六年前の二〇一一年三月一一日。

 日本周辺における観測史上最大の地震が発生し、津波の影響もあり、約二万五千人の死者・行方不明者・負傷者が出るなどの被害がひろがった。

 この地震は、浦安市の地下にある米軍基地で試験運用されていた、地震発生装置「テスラシステム」が誤作動したことにより起きた。

 アメリカ政府は事実をひた隠しにした。テスラシステムの存在自体が秘中の秘だし、被害が大きすぎて、国として責任の取りようがなかった。ほかに選択肢はなかった。

 国防総省内部から情報漏洩者があらわれる。義憤に駆られての行動だったかもしれないし、権力闘争かもしれない。真相はわからない。その若手官僚がCIAによって迅速に「処分」されたからだ。

 三月二十八日に情報をつかんだ日本政府は、大混乱におちいる。福島第一原発の事故への対応だけで手一杯だった。政府内の意見はふたつに割れる。単純化すると、アメリカの公式の謝罪をもとめようとする外務省と、浦安基地に直接乗りこんでテスラシステムを接収しようとする防衛省の対立だ。菅直人首相は、前者に理解をしめした。

 三十一日、陸上自衛隊が許可なく軍事行動をおこす。弱腰の官邸に対する叛逆だった。自国民が二万人も殺されたのに黙っていられるほど、彼らはお人好しではなかった。中央即応集団の特殊作戦群が、浦安基地を占領する。

 しかし米軍はこの動きを予測していた。四月一日に補給活動を名目として宮城県気仙沼市へ、海兵隊一個大隊を揚陸艇でおくりこむ。そのほとんどは浦安へむかい、特戦隊と交戦した。

 地獄の一週間がつづいた。だれも事態をコントロールできない。自衛隊と米軍が、官邸と防衛省が、ホワイトハウスと若手官僚が争った。大量の血が流れた。死傷者数について、日米ともに記録はない。今後記録されるのかどうかもわからない。




 当事者たちは不毛な争いに辟易しはじめた。

 テスラシステムなど、存在しない方がよかった。いっそ粉々に破壊すべきではないか。データをふくめ、この世から抹消する。だがだれも決断をくだせない。その威力が実證されたばかりだから。

 ならば物理的にではなく、電子的にシステムを沈黙させればよい。戦場はサイバー空間へうつった。日本国内のコンピュータの専門家のうち、もっとも優秀な約百名が召集された。

 そのなかに東京大学数学科教授・寒椿寛平がいた。専門は群論で、暗号理論の世界的権威だった。ちょっとした偶然のおかげで、寒椿教授はテスラシステムのアクセス権を奪うのに成功した。

 教授には氷雨とゆう九歳の孫娘がいた。のちに思春期を迎えるころにはおとなしい性格になるが、当時は剣道に夢中なイタズラっ子だった。PCをいじるのも大好きで、祖父のマシンへ侵入し、勝手にアニメの壁紙に変えたりして遊んでいた。

 氷雨は、最近祖父が大学へ行かずに取り組んでいる仕事に興味をもった。多少は英語ができるので、祖父の論文を何本か読んでいた。だが調べたところ、今回の仕事は論文執筆でなくハッキングだった。

 背景事情をまるで知らないまま、氷雨はテスラシステムのファイアーウォールを解析しはじめた。手法は稚拙だったが、直感でプログラムのなかに異常を発見した。それはゲームのプログラムだった。作業中の気晴らしのためか、単なるイタズラ心か、プログラマはソリティアをファイアーウォールに仕込んでいた。

 氷雨は記録的なスピードでソリティアをクリアして抜け穴に利用し、ルート権限を獲得した。ファイアーウォールを自己書き換えコードに組み直し、祖父が手を出せないようにした。さらに何重にも防壁を仕掛け、刀剣鑑定士である父が持っていた、国宝・七星剣の画像ファイルを秘密キーに設定するなどした。そして一切痕跡をのこさず、祖父のPCから抜け出した。

 幼い氷雨にしてみれば、ルービックキューブで遊ぶ様な感覚だった。

 テスラシステムはその日から、ただの置物と化した。ロスアラモス国立研究所にあるスーパーコンピュータを稼働させてるのに、たかが英数字八文字のパスワードを解明できない。

 三年後、国防総省は白旗をあげた。これ以上スパコンを無益に運用するのは、安全保障政策上マイナスにしかならない。テスラシステム「奪還」の任務は、CIAが引き継ぐことになった。

 システムをいじくったクソ野郎を一秒でも早く見つけ出し、どんな手段をつかってでもパスワードを吐かせろ。




 ジェーンが、そしてきららが補足しつつ明らかにしたストーリーは、ミキを動揺させた。立っていられず、屋上の手すりにつかまる。部室棟全体が激しく揺れる。地割れに飲みこまれそうな感覚。

 信じられない。信じたくない。

 あの地震の原因が、こんなバカげた話だなんて。父と兄が知ったらどう思うか。

 ミキがつぶやく。「ありえない」

「当然の反応ね」ジェーンが答える。「アメリカを散々悩ませた天才ハッカーが、九歳の子供だったなんて。六年間なにも見つからないはずよ」

 ミキは氷雨と視線を合わせる。もう泣きやんだ氷雨は、虚ろな目をしている。

 ミキが言う。「氷雨ちゃん、嘘だと言って」

「…………」

 氷雨は目を伏せる。

 ジェーンはミキの横を通り過ぎ、大股で氷雨に近寄る。SCARをスリングで背中に提げている。

「寒椿氷雨」ジェーンが言う。「アメリカ政府は君を丁重にあつかう。VIP待遇と思ってくれていい」

 氷雨が答える。「私にもプライドはあります」

「拷問のことか? あれは付随被害だ。いづれきちんと埋め合わせする」

「あなたの心は汚れてる。なにも聞きたくない」

「君の頭脳を必要とする人間はたくさんいるんだ。特にNSAが興味をもっている。フリードリヒ・ガウスばりの神童にね」

「もうやめて」

「断れる立場じゃないのは承知してるだろう?」

 SADの五人が、諜報部員たちにSCARを向ける。なにをしでかすかわからないミキには、二人が狙いをつける。

 氷雨は天を仰ぐ。深呼吸したあと、剣道で鍛えたフットワークで鉄柵を飛び越える。屋上の縁で振り返る。

 ほほ笑みをうかべ、氷雨がミキに言う。

「いままで本当にありがとう」

「ダメだ」ミキが言う。「そんなことしちゃダメだ。こいつらはボクが斃す。絶対氷雨ちゃんを守る」

「もう疲れたの。みんなに甘えて、守ってもらうのに」

「やめろ!」

 氷雨は三階建ての屋上から、仰向けに飛び降りた。




関連記事

テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

ひわきはる『レオくんは今日も優しい』

 

 

レオくんは今日も優しい

 

作者:ひわきはる

掲載サイト:『eヤングマガジン』(講談社)2017年-

単行本:ヤンマガKC

[ためし読みはこちら

 

 

 

新人女教師ものである。

主人公の「香月鈴」は、はじめてのホームルームをひかえて緊張している。

 

 

 

 

1-Aの学級委員長である「逢坂麗央」は、眉目秀麗な美少年。

恋愛経験のとぼしい鈴はおもわずドギマギ。

 

 

 

 

鈴が赴任したのは進学校。

生徒は従順そうに見えても、内面にフラストレーションをかかえている。

気弱な鈴は格好の捌け口とみなされ、壮絶な新人教師イジメがはじまる。

 

 

 

 

クラスのなかで孤高をつらぬく逢坂は、唯一の味方となり、

「30対1」のドッジボールを強いられていた鈴を守る。

 

 

 

 

イケメンに応援され奮い立ち、教室でフライパンを振り回すなど鈴は反撃にでる。

もともと引きこもりだったので、キレたら何をするかわからない。

 

 

 

 

これで一件落着とはならない。

一見おとなしそうな鈴だが、芯の強いところもあると知り、

逢坂は恋愛対象として彼女に興味をもつ。

だれもいない教室で、強引にキスをうばう。

 

話が二転三転し、非常に読みごたえある第1話56ページだ。

 

 

 

 

それでも新人教師イジメは収束せず、

男子更衣室へ誘導されるなど、さまざまな災難がふりかかる。

最後はオレオレなイケメンに迫られるので、ある意味ご褒美だが。

 

2話以降のストーリーは最高におもしろいと言えないけれど、

すばらしく絵がキレイなおかげでたのしめる。

僕は「ロッカーに閉じこめられる」シチュエーションにうるさい方だが、

本作はかなりエロくて満足させられた。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

奥瀬サキ『流香魔魅の杞憂』

 

 

流香魔魅の杞憂

 

作者:奥瀬サキ

掲載サイト:『コミックガム』(ワニブックス)2016年-

単行本:ガムコミックスプラス

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

主人公は「流香魔魅(りゅうか まみ)」。

うつくしい髪と、長身痩躯と、黒づくめの服が印象的だ。

特異な能力を活かし、保険調査の仕事をしている。

ある日、ガード下で雨宿りしていたショートカットの少女と出会い、

相通ずるところがあったか、仔犬でも拾う様に自宅へ連れて帰る。

 

魔魅は『低俗霊狩り』の主人公でもある。

 

 

 

 

少女の名は「來夕(きゆう)」。

「俺ビアンなんだ」と1話で打ち明ける。

魔魅に惹かれたらしく、そのまま居ついてしまう。

 

1巻で性交渉の場面はない。

たが魔魅の方も、まんざらでもなさそう。

 

 

 

 

魔魅がもつ異能は、霊視力。

幽霊たちの悲しい訴えに耳をかたむけ、

警察が解決できなかった保険金がらみの事件の真相をあばく。

 

 

 

 

奥瀬は性と暴力にこだわる作家だ。

本作は若干マイルドになったが、目をそむけたくなる残酷な描写も。

 

 

 

 

ストーリーは、1話完結スタイルの探偵もの。

よく言えば、本格ミステリ小説みたいな読みごたえがある。

悪く言えば、文字情報が氾濫しており重い。

 

代表作のひとつ『コックリさんが通る』の様な、

アクションでグイグイ押してゆく作風ではない。

 

 

 

 

本作の強みはファッションだ。

黒を基調とするが、各話ダブルヒロインの服装が凝っている。

僕が好きなのは、來夕のセーラーワンピース。

 

 

 

 

背景に写真をつかう手法も、もともと奥瀬の十八番だが、

本作は卓越した整合性を感じさせる。

作家としての円熟期なのだろう。

 

僕は熱心なファンではないので、レビューを参考にすると、

長い低迷期を脱した作者による会心作である様だ。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合 

佃煮のりお『双葉さん家の姉弟』

 

 

双葉さん家の姉弟

 

作者:佃煮のりお

掲載誌:『ヤングアニマル』(白泉社)2017年-

単行本:ヤングアニマルコミックス

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

高校2年の「寧子」と「乙宏」を中心人物とする、双子姉弟ものである。

乙宏はラノベ主人公風のネガティブキャラで、

寧子は縦にならぶリボンが印象的な、才色兼備の生徒会長。

奇を衒ってはないが、よく練りこまれたキャラデザだ。

 

 

 

 

学校では模範生の寧子だが、家では重度のブラコン。

ベタベタと弟に甘える姿は、恋人同士にしかみえない。

胸がおおきいので、スキンシップの描写に迫力が。

 

 

 

 

寧子が弟に執着する理由は、作中で特に説明されない。

そんなヘリクツより、パンツの縫い目やシワや隆起を堪能すべき作品だ。

黒髪の流れもなまめかしい。

 

 

 

 

おたのしみの入浴シーン。

うなじ・肩甲骨・背中・腰回りのラインに昂奮させられる。

長い髪をツインお団子にし、トレードマークのリボンでまとめてるので、

いつもより幼い雰囲気が、エロスに歯止めをかけている。

 

 

 

 

寧子の友達である、同級生の「妹子」。

嫉妬心から乙宏に食ってかかる。

 

 

 

 

妹子には秘密があった。

自分にも双子の兄がいて、しかもその「阿仁」が男の娘であること。

もっこりふくらんだ縞パンの描写は、『ひめゴト』の作者ならでは。

 

 

 

 

妹子が、自分が阿仁の妹である事実を親友にも隠すのは、

身内が変態で恥づかしいからではなく、かわいさを独占したいから。

ちょっと変則的なツンデレ妹エピソードが語られる7話は、ハイライトのひとつ。

 

佃煮のりおは、作家性を前面に出すタイプではないが、

「可愛いおんなのこ(男の娘含む)は最高」「みんな仲よく」といった、

ポジティブなメッセージが丁寧な作画につまっており、共感できる。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ:   男の娘 

鍵空とみやき『ハッピーシュガーライフ』6巻

 

 

ハッピーシュガーライフ

 

作者:鍵空とみやき

掲載誌:『月刊ガンガンJOKER』(スクウェア・エニックス)2015年-

単行本:ガンガンコミックスJOKER

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

前巻で許されざる罪を犯したさとうは倒れ、放心状態となる。

見よう見まねで、幼いしおが台所にたつ。

グツグツと煮えるカレーの鍋をながめていると、

心の奥底に沈殿していた記憶がうかびあがってくる。

 

 

 

 

しおの父はヒモで、母に暴力をふるっていた。

ツナ缶をいじりながら、しおは耐え忍ぶ。

 

直接的表現を迂回する技巧はあいかわらずだ。

 

 

 

 

母が娘のほかに大切にしていたのは、一枚の着物。

着付けできないので自分は着たことないが、

いつかしおが成長したとき着てもらうのが夢だった。

 

 

 

 

夫に命じられて着物まで売るはめになり、母の精神は崩壊する。

 

壊れるきっかけが物理的暴力でないのが、うまい。

と言うより、こわい。

独特な浮遊感のある世界観に、日本の伝統文化を挿入したのも効果的。

 

 

 

 

カーテンレールで縊死した母の姿を、子供の落書きの様にえがく。

しおの目には、そう見えたのかもしれない。

 

 

 

 

無理して保護者ぶるさとうを、つめたく突き放す。

しおが求めているのは母性愛ではない。

そんなものは当てにならないと知っていた。

愛が本当の愛であるためには、愛し愛されないといけない。

対等に向き合わねばならない。

 

しおの幼い顔立ちのなかで、現実を直視する瞳がかがやく瞬間は、

本作の白眉と言えるほどうつくしい。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合  ロリ 
最近の記事
記事の分類
検索とタグ

著者

苑田 健

苑田 健
漫画の記事が多め。
たまにオリジナル小説。

Twitter
メール送信

名前
アドレス
件名
本文

カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
月別アーカイヴ
10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03