鈴木マサカズ/押川剛『「子供を殺してください」という親たち』

 

 

「子供を殺してください」という親たち

 

作画:鈴木マサカズ

原作:押川剛

掲載誌:『月刊コミック@バンチ』(新潮社)2017年-

単行本:バンチコミックス

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病識のない精神障碍者を、暴力にたよらず説得し、

病院へつれてゆくプロが書いたノンフィクションにもとづく。

 

「子供を殺してください」とゆう訴えは、普通じゃない。

でも20針縫うほどの重傷を負わされたなら、理解できるだろう。

 

 

 

 

暴力的な障碍者との生活は、絵にすると壮絶だ。

この39歳の「則夫」は、アルコール依存症。

脱糞するまで酒を飲むので、家族は椅子の下にブルーシートを敷いている。

 

 

 

 

「説得移送サービス」の提供者である押川に、危害をくわえることも。

全篇がなまなましく理不尽な暴力で満ちており、読むには一定の覚悟が必要。

 

 

 

 

『銀座からまる百貨店お客様相談室』の作者である鈴木マサカズは、

おなじくドキュメント風の本作でも、冴えた手腕を発揮している。

 

たとえば、初対面の人間になれなれしく煙草をもとめる態度は、

依存症患者に典型的とか、人間観察のおもしろさがある。

 

 

 

 

本作のテーマは「暴力の連鎖」。

精神疾患で家庭が崩壊するのは親の責任と、原作者はかんがえるらしい。

則夫の父は、妻や息子に殴る蹴るの暴力をふるっていた。

 

 

 

 

息子は父の真似をしてるだけ。

しかし社会的地位の高い父は、息子が自分に似ているのを認めないので、

原因を理解して問題を解決する可能性を、みづから潰していた。

 

この暴力の連鎖説は、多様な精神疾患に普遍的にあてはまらないだろうが、

すくなくとも本作において重厚なドラマをつくりあげている。





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苑田 健

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