きゃりーぱみゅぱみゅ vs 任天堂

 

 

……マンマミーア!

マリオとならんでジャンプしても、まるでくもらない存在感。

 

 

 

 

「Newニンテンドー3DS」のCMで、おしゃれインベーダーが任天堂を征服。

名機ゲームボーイミクロ以来の「着せ替え機能」をアピールするため雇われた。

 

 

 

 

大乱闘スマッシュファッションショーでむかえうつが、いささか分がわるい。

サムスのパワードスーツとか、どうアレンジすればよいのか?

 

 

いつも笑顔!

 

 

『とびだせ どうぶつの森』の秘書しずえの出世犬ぶりはたのもしいが、

総じて任天堂が資産を活用できてないことに、ボクの鬱屈はたまる。

 

だってガワで勝負するならいるでしょ、ほかに「世界一の人気者」が!!

 

 

『おどるメイドインワリオ』

 

 

それは彼女のこと、アシュリー

 

 

『ファイアーエムブレム 覚醒』

 

 

プリンセスで妹でシスターな、リズさんでもいい。

中田ヤスタカがプロデュースしたくなる可憐さ。

 

 

女装する球体とゆう新ジャンル?

 

 

カービィがきゃりーをコピーするのは、いかにも任天堂らしくてたのしい。

でもあいつじゃなかったっけ……。

 

 

 

 

ファッションモンスターか、ポケットモンスターか。

アイコン同士の電撃戦は、一歩だってゆづれない。




New ニンテンドー3DS ホワイトNew ニンテンドー3DS ホワイト
(2014/10/11)
Nintendo 3DS

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タグ: ニンテンドー3DS  任天堂 

フクハラマサヤ『水瀬まりんの航海日誌』

 

 

水瀬まりんの航海日誌(ログブック)

 

作者:フクハラマサヤ

掲載誌:『まんがタイムきらら』(芳文社)2013年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

 

 

 

海は乙女のロマン。

ここは、ほとんど陸地のない世界である「海球」。

はてなく蒼い風景に映える、「雪風舞」のピンクの髪。

傑作駆逐艦「陽炎」の艦長をつとめる。

 

 

 

 

主人公「水瀬まりん」は、ごく普通の日本の女子高生だが、

修学旅行の軍港ツアーで水難事故にあい、異世界へさまよいこむ。

霧のなかから突然、戦艦武蔵があらわれるなど、

美少女と軍艦だらけの惑星ではじまる、ミステリアスな「処女航海」。

 

 

 

 

副艦長は、統率力とおっぱい力がたかい「大村時雨」。

旧海軍を愛する作者の、旧スク水へのこだわりがうれしい。

 

 

 

 

ぱっつん黒髪ロングは「霧島由花」。

軍事的も性的にもアグレッシヴな砲雷長。

 

 

 

 

機関長の「山城あおば」は、小柄な元気娘。

陽炎のマスコット的存在だ。

客員のまりんをふくめ5人で駆逐艦をうごかす。

艦長が料理上手だったりするので、どうにかまわせる。

 

 

 

 

海軍といえばカレー。

理由は不明だがとにかくカレー。

むしろカレーのため船乗りをしている様なもの。

 

 

 

 

見張り台はふたりだとせまいけど、女の子同士なら不快じゃない。

舞艦長のルーズソックスもかわいい。

 

「萌え×ミリタリー」は陸海空を制覇し、流行とゆうよりもはや定番だが、

船上の共同生活のたのしさをえがく本作は、『艦これ』などとひと味ちがう。

 

 

 

 

まりんを元の世界へかえす手がかりをもとめ、陽炎は冒険をつづける。

霧から今度は、40.9ノットでる高速艦「島風」があらわれた。

敵でも味方でもないらしく、いよいよ謎はふかまる。

 

安易に砲火をまじえないのは、ほんわかした絵柄にあってるかな。

 

 

 

 

補給にたちよった「農業艦」で祭りに参加するなど、エピソードはさまざま。

フクハラマサヤはこれが初単行本だが、メカも人物も描きこなす達者な画力で、

見せゴマをおおきくとったり、表現手法の実験もしている。

 

 

 

 

包容力があり部下からしたわれる、舞艦長の人柄が印象的だが、

陽炎の悪口をちょっとでもいわれると即キレるので要注意。

 

 

 

 

不安つのらせるまりんを、ぎゅっと抱きしめなぐさめる。

きらめく波と仲間以外、だれもみていない。

軍艦は、百合の生息地だった。

 

 

 

 

愛とゆう名の水平線めざし抜錨!

数日煮こんだカレーみたく、お舟と女子とその絆がとけあう注目作。

「きらら型」の最新鋭艦が、あざやかな航跡をえがく。




水瀬まりんの航海日誌 (1) (まんがタイムKRコミックス)水瀬まりんの航海日誌 (1) (まんがタイムKRコミックス)
(2014/09/27)
フクハラマサヤ

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テーマ : 4コマ漫画
ジャンル : アニメ・コミック

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井冬良『黒井クンは恋愛ができない。』

 

 

黒井クンは恋愛(ラブコメ)ができない。

 

作者:井冬良

掲載誌:『月刊少年エース』(KADOKAWA/角川書店)2014年-

単行本:角川コミックス・エース

 

 

 

新生徒会長の所信表明演説は、全校の意表をつく。

学生の本分は勉強じゃなく、恋愛だと宣言。

 

 

 

 

国をあげての少子化対策の一端を、この「恋愛学園」は担うことになった。

「日本はじまったな」ってやつ。

 

黒髪ロングの「千坂千陽(せんさか ちはる)」は、タートルネックの着こなしが上品。

『D.C.II ~ダ・カーポII~』の「白河ななか」とちがう解釈が、絵になる。

 

 

 

 

主人公の黒井クンは、恋愛ぎらいの高校2年生。

メガホンでしゃべる、おとなしい幼なじみ「一之瀬なごみ」など、

まわりにカワイイ娘はいるが、発展しそうな気配はない。

 

 

 

 

「恋愛偏差値19」なので、最底辺のG組にいれられた。

教室はトイレ、制服は囚人服。

 

 

 

 

担任の「忍田先生」は、教育より婚活を優先するダメ教師。

だれでもいいから彼女をつくり、自力で這いあがるしかない。

 

 

 

 

なごみちゃんは女子力を評価され、みごとA組へ!

校内ではお姫さまあつかいで、雲の上の人に。

 

 

 

 

壇上で大口たたいた千坂さんだが、実は頭でっかちの口先番長、

恋愛偏差値わづか「20」で、黒井の同級生となる。

それでも堂々としており、たのもしい。

 

 

 

 

「カップル委員」に任命されたふたりは、擬似デートなどの仕事をこなす。

チャイナ風の服装は気合いはいりすぎだけど、男としてわるい気しない。

 

 

 

 

「強制的な自由恋愛」がテーマの本作は、千坂さんの百面相がウリ。

モテ研究のため徹夜しては、寝不足でオーラが消滅したり。

 

 

 

 

残念美人だけど、ヤキモチやく表情は本気で、いとおしい。

 

 

 

 

屋上での(ニセの)告白シーン。

好物のカレーだけのこしてきえた。

ざわつく地上の噴水にひろがる波紋。

 

壁ドン、曲がり角でぶつかる、転校生が隣の席、空から美少女ふってくるなど、

ラブコメの場面もいろいろだが、「告白に動揺し手すりから落下」はあたらしい。

 

 

 

 

水もしたたる、墜落系ヒロイン。

無理強いされなくとも、恋せずにいられない。

 

 

 

 

泣き顔もうつくしい恋愛弱者は、まもってあげたくなる。

 

 

 

 

恋は、義務だからするわけじゃない。

カーストの上下も、どうでもいい。

真のリア充になるため必要なのは、ある種の侠気。




黒井クンは恋愛ができない。 (1) (カドカワコミックスAエース)黒井クンは恋愛ができない。 (1) (カドカワコミックスAエース)
(2014/09/25)
井冬良

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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

ディエゴ・トーレス『モウリーニョ vs レアル・マドリー「三年戦争」』

(撮影:apasciuto)

 

 

モウリーニョ vs レアル・マドリー「三年戦争」

明かされなかったロッカールームの証言

Preparense Para Perder

 

 

著者:ディエゴ・トーレス

訳者:木村浩嗣

発行:ソル・メディア 2014年

原書発行:2013年

 

 

 

2010年、レアル・マドリー監督となったジョゼ・モウリーニョが着手したのは情報統制。

クラブ一丸となり、バルセロナと審判とUEFAの「陰謀」を糾弾する体制をととのえた。

ソリのあわないクリスティアーノ・ロナウドに、得点後に抱きつくよう間接的にうながしたり。

つかえる手段はすべてつかう、本物の策士だ。

 

どれだけメディアを支配しようが、ロッカールームの情報はもれる。

選手の携帯電話の通信記録をしらべ、ホテルでは盗聴器をさがさせた。

 

 

サンティアゴ・ベルナベウでのマドリーダービー(撮影:Elemaki)

 

 

そんなどちらかといえば陰性で、参謀むきの男が、

サッカー界の主役になろうとしたのが、モウリーニョ現象のいびつさの主因。

ある選手は「自分をジョージ・クルーニーだとおもっている」と悪口をゆうが、

本人が尊敬する俳優はアンソニー・ホプキンス。

 

かれの言動が本気か演技か、だれもわからない。

2011年4月27日、バルセロナに「0-2」でやぶれたチャンピオンズリーグ準決勝第1レグ、

監督が退場処分になったのは、あとで負けたときのアリバイづくりでは、と選手はうたがった。

 

芝生の色や料理にケチをつけ、すぐ担当者をクビにする。

スネ肉は土鍋煮こみ、ヒレは鉄板焼き、肩肉はオーブン焼きにしろ……。

食通きどりでこまかく指示をだす。

肝心の選手たちは、さっぱりちがいを理解できなかった。

 

 

エスパニョール戦のロナウド(撮影:Twentyfivephoto)

 

 

インテル時代にスカラ座でオペラをたしなんだのが自慢のモウだが、

サッカー選手の息子であり、あまり知的な環境でそだったといえない。

プロになれなかった挫折感が、かれに過剰なインテリ的ふるまいをさせる。

リスボンの体育学校でまなんでいたころ、「自分は天才だ」とゆう霊感をえたらしい。

 

レアルの選手たちは、ボスの(肉の焼きかた以外の)知識がたりないことに不満をもつ。

守備は緻密だが、攻撃のアイディアをもっておらず、ロクに指示もださなくなった。

自由放任のくせ、ミスしたら責めるので、次第に「蹴るだけ」のサッカーに。

 

カシージャスやシャビ・アロンソらは、消極的戦術が我慢ならない。

バルサの面々とは代表の同僚であり、すくなくとも監督より弱点をしっていた。

そして敵の最終ラインにプレスをかけないのは自殺行為だとも。

 

 

フロレンティーノ・ペレス(撮影:FDV)

 

 

モウの代理人であるホルヘ・メンデスがのさばるのも、内紛の火種に。

メンデスと契約するのをことわったマルセロは突然冷遇されたし、

父親を代理人とするエジルも信用されなかった。

 

ペレス会長は、どっちつかずの態度でにげきる。

監督を切れば自分の責任問題となるから、それが賢明だった。

 

 

(撮影:Alfonso Jimenez)

 

 

火中の栗をひろうのは、主将のイケル・カシージャスしかいない。

本来、無口でおっとりした性格で、論争をさけたがり、チームメイトに批判されていたが、

モウのプロパガンダがあまりに悪辣で、スペイン代表の団結まで傷ついたため、

ついに「レアルの利益は、あなたの利益と一致しない!」とミーティングで叛乱おこす。

 

選手同士で相談し戦術変更、布陣をコンパクトにし、サイド攻撃に人数をかけることに。

ボスはそれをうけいれた。

うけいれるしかなかった。

11-12シーズンの優勝は、この不服従のおかげと関係者はみる。

 

優勝パレードで、モウはずっと7本指をたてた。

ポルトガルで2回、イングランドで2回、イタリアで2回、スペインで1回。

オレは各国で7度も優勝したすごい監督なんだぞ!

選手たちは鼻でわらった。

 

 

 

 

本書をよんでおもうのは、やはりジョゼ・モウリーニョは「すごい」ってこと。

監督に愛想つかし、移籍をのぞんでいたラッサナ・ディアラとの会話が、

名声にとりつかれた男の鬼気せまる横顔をつたえる。

 

「オレの人生から出ていけ。ほっといてくれ」

「しってのとおり、オマエを2000万ユーロ以下で売るつもりはない。

プレシーズンに合流すれば、プレーさせてやる」

「てめえの母親をつれてけよ」

「カスティージャ(Bチーム)送りにされたいのか?」

「勝手にしろ。そこで自由契約になるのをまつ」

 

毛虫の様にきらわれようが、頑丈でよく走るMFを手放さない。

ジダンは、「30年のサッカー生活で、あれほど狡猾な人間はみたことがない」とかたった。




モウリーニョ vs レアル・マドリー「三年戦争」 明かされなかったロッカールームの証言モウリーニョ vs レアル・マドリー「三年戦争」 明かされなかったロッカールームの証言
(2014/02/26)
ディエゴ・トーレス

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テーマ : リーガエスパニョーラ(スペインサッカー)
ジャンル : スポーツ

松原利光『リクドウ』

 

 

リクドウ

 

作者:松原利光

掲載誌:『週刊ヤングジャンプ』(集英社)2014年-

単行本:ヤングジャンプ・コミックス

 

 

 

『リクドウ』は和歌山県出身、松原利光の初連載となるボクシング漫画だ。

首吊りした父をサンドバッグにする場面で、主人公「芥生(あざみ)リク」登場。

いつもされてることを、やりかえした。

 

 

 

 

保護者をなのる負け犬が退場したので、母のもとへタライ回し。

息子を殴らないし、比較的に問題解決能力があるのでマシか。

ヤクほしさでフェラチオする姿をみせる、かわった教育方針のもちぬしだが。

 

 

 

 

このヤクザの家には、ミイラ化した死体があった。

狂気の世界へのみこまれるまえに、灰皿でたたきころす。

 

 

 

 

第2話で、銀髪の少年は児童養護施設へおくられる。

やさしくうつくしい「江原先生」は、共感し涙をながした。

 

 

 

 

3話で、江原先生はヤクザの抗争にまきこまれ、拉致された車中で強姦される。

ふだん暴力のむなしさをとく彼女は、なんの抵抗もできず破瓜の血をながす。

ダメージおった少年は、陵辱の一部始終をながめるしかできない。

 

 

 

 

「昭和の劇画か!?」と奥附をたしかめたくなる本作は、新人がひとりで描いたもの。

必要以上に主人公をコーナーにおいこむ。

セックスと暴力への執着も、読者サーヴィスの範疇をこえる。

 

 

 

 

いまはヤクザとなり借金取り立てをしている元ボクサーに、

ホームレス一歩手前のボクシングジム会長を紹介された。

地獄からはいあがろうとする負のエネルギーは、ひとを身ぶるいさせる。

 

 

 

 

「馬場拳闘ジム」は風俗店のした。

虐待されるお姉さんをたすけたり、ちょっかい出されたりしながら、練習にはげむ。

中南米のスラムをおもわせる奇妙な世界観だし、

同郷である中上健次の露悪趣味も髣髴させる。

 

 

 

 

7年たった。

江原先生は仕事をやめたが、リクは児童養護施設で成長し高校生に。

施設仲間の「苗ちゃん」から好意をよせられる。

 

 

 

 

小学校時代からツインテの苗ちゃんは、「人殺しの同居人」とよばれイジメにあう。

腹をけられ嘔吐するほど本格的に。

カワイイのに、幸福になれそうな気配ゼロ。

 

 

 

 

プロテストには一発合格。

すべてうしなった少年の、世界をとりもどす闘争がはじまる。

 

繊細な描線でえがかれる美男美女が印象的だが、

カケアミを多用する絵面は劇画風でもあり、分類にこまる作品。

 

 

 

 

絵だけで勝負できる画力と、ハッタリ過剰な物語がせめぎあう、十七歳の地図。

小池一夫にみせたら、嫉妬のあまり首をくくるかも。




リクドウ 1 (ヤングジャンプコミックス)リクドウ 1 (ヤングジャンプコミックス)
(2014/09/19)
松原利光

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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

川崎直孝『ちおちゃんの通学路』

 

 

ちおちゃんの通学路

 

作者:川崎直孝

掲載誌:『月刊コミックフラッパー』(メディアファクトリー/KADOKAWA)2014年-

単行本:MFコミックス フラッパーシリーズ

 

 

 

帰宅部の活躍をえがく漫画はいくつかしってるが、

さすがに「登校」が物語になるとおもわなかった。

始業前の十数分に、「三谷裳(みやも)ちお」が壮大なドラマを演ずる。

 

 

 

 

もし遅刻寸前でえらんだショートカットが通行止だったら。

電柱をのぼり、屋根づたいにすすむしかない。

 

 

 

 

高校1年のちおちゃんは重度のPCゲーマー。

ゲーミングキーパッド&マウスをあやつり、世界の猛者と砲火をまじえる。

 

 

 

 

哲学者じゃない方の「カント」とか煽られるとムキになり、徹夜がつづく。

当然、登校時間はまもれない。

 

 

 

 

ゲーム脳は、妄想を実体にする。

上からながめる町並みは、いつもよりずっとうつくしい。

まさに気分は『アサシンクリード』。

 

 

 

 

通学路における最大の障碍は、同級生だ。

上位カーストの「細川さん」から手をふられて困惑。

 

挨拶をかえして勘ちがいだったら、大恥かく。

かといって「中の下」に属するちおが失礼はたらけば、報復されるかも。

 

 

レーシングウェア姿の細川さんがステキ

 

 

地形をグリッド化して把握。

「細川さん・自分・(いるかもしれない)もうひとり」の位置関係と、攻撃範囲が表示される。

SRPGよろしく、最適な行動を詰将棋的にみちびく。

 

ゲーマーは、歩道の色つきブロックだけ踏んであるく子供にちかい。

 

 

 

 

中学からの腐れ縁である、「真奈菜ちゃん」と登校することも。

やたらカップルふえたのが不満なんだと。

 

 

 

 

高校3年間をマグロの部位にたとえる珍妙な恋愛論など、

不毛すぎるガールズトークがたのしい。

 

 

 

 

細川さんのリア充っぷりをみせつけられたあと、偶発的にキスする。

百合ですら、お遊戯感覚。

 

 

 

 

アクションが可能であるかを基準に、空間を再定義。

攻略の対象として、世界が構築される。

ゲーム脳は、21世紀の実存主義哲学だ。




ちおちゃんの通学路 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)ちおちゃんの通学路 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
(2014/09/23)
川崎直孝

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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合 

『ハナヤマタ』最終話 ツンデレ黄金比

 

 

ハナヤマタ

 

テレビアニメ『ハナヤマタ』第12話

 

出演:上田麗奈 田中美海 奥野香耶 大坪由佳 沼倉愛美 豊口めぐみ

絵コンテ:佐山聖子

監督・演出:いしづかあつこ

シリーズ構成・脚本:吉田玲子

キャラクターデザイン・総作画監督:渡辺敦子

色彩設計:大野春恵

原作:浜弓場双『ハナヤマタ』(芳文社刊)

アニメーション制作:マッドハウス

放送:2014年

[過去の記事→3話/7話/9話/11話

 

 

アニメ版『ハナヤマタ』で一番すきなシーンは、12話のアイスをたべるところ。

屋上で汗をながす部員たちに、サリーちゃん先生が差し入れ。

 

 

 

 

「なるはイチゴでしょ?」

「えっ、いいの、もらって!?」

 

ヤヤとしてはちょっと気をきかせてるだけだが、

客観的にみて「なるのことわかってるアピール」となり、愛情はダダ漏れ。

一方なるは、なんのうたがいもなく、母娘の様にあまえる。

まったく、このコらは最後まで……。

 

 

 

 

色とりどりのアイスキャンディ。

それぞれの味、それぞれの愛、それぞれの夢。

はかなくとける、ひと夏の経験。

 

色彩ゆたかなアニメ版の美点がつまった、ちっちゃい名場面だ。

 

 

 

 

最終話序盤は、オープニングのカットをなぞる。

ハナの不在を強調する。

おもえばOPは5人の視線がズレてたし、防波堤ではハナだけ立っていた。

すれちがいは、1話冒頭からはじまっていた。

 

 

本番前なのに……

 

 

雨ふって百合さいた常磐姉妹のラブラブぶりに、「ズルい、身内びいき」とわりこむ。

ヤヤはうごくものすべてに嫉妬するタチらしい。

愛とゆう本能だけでいきるケモノみたい。

 

 

 

 

蝶の様なリボン、くせのある長髪、すらっとした体型、ニーソ……。

笹目ヤヤは本作のアイコンだ。

足もとが映っただけで、「あっヤヤちゃん」とわかる。

 

 

 

 

かつてのバンド仲間が「花彩よさこい祭」の応援にきた。

根にもつタイプのヤヤは、勝手に解散したことをゆるしてない。

そっけない態度をとる。

 

 

 

 

「……で、なにしにきたのよ」

「急にきてゴメン……でも、ヤヤの踊るところ見たかったから。がんばってね」

「なによ、言われなくてもがんばるにきまってるじゃない!」

 

 

 

 

「くっそちょろい、コイツ……」とバンドメンバーがおもったかはともかく、

自分らの好意をつたえれば、決して拒絶されないと確信してたろう。

 

 

 

 

「だれかじゃなくて、自分ががんばれば、なりたい自分にちかづけるんだね……」

波のきらめきを背に夢をかたる。

 

 

 

 

本作は「痛々しいポエムアニメ」とゆう側面がある。

生のまま食卓にだしたらギャグになってしまう。

 

 

 

 

「ちゃんと輝いてるとおもうよ、いまのなる……」

 

 

 

 

ぽわわんと後頭部まで真っ赤のヤヤ。

アニメーターにとっては、天使みたいにありがたいキャラだ。

どんな恥づかしい会話も、数本の色トレスで中和する、マジカルなツンデレ言語

 

 

 

 

ハナのサプライズ参戦をむかえ、5人で本番スタート。

「ぱあっとぱあっと、はれやかに。さかせましょう、花の様に♪」

 

 

 

 

みなれたパフォーマンスが実現。

おそろしく出来のよいOPは、本作のハイライト集でもあった。

 

 

 

 

また各話のエピソードひとつひとつが、『ハナヤマタ』そのもの。

どれもわすれられない、すてられない。

 

 

 

 

ケンカばかりだった気もするけど、なつかしい。

夏をあざやかにそめた虹色の記憶が、鳴子をふるたびよみがえる。

 

 

 

 

3か月って、長い様な、短い様な。

ぐるっと時はめぐり、物語の円環がとじる。

 

 

 

 

ツンデレベースのカクテルは、レシピは複雑だけど、フルーティでさわやか。

 

 

 

 

なるはヤヤちゃんの愛にもっとこたえてよ、とおもわなくもないけど、

この鈍感な詩人の涙が、あまずっぱさの隠し味だから仕方ないか。

 

 

 

 

一瞬とゆう永遠をとじこめたステージ。

完璧、以外の言葉はでてこない。




ハナヤマタ6 [初回生産限定盤][Blu-ray]ハナヤマタ6 [初回生産限定盤][Blu-ray]
(2015/02/27)
上田麗奈、田中美海 他

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テーマ : ハナヤマタ
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: きらら系コミック  百合  ハナヤマタ 

松井勝法『ハナカク』2巻 格闘漫画の決定版

 

 

ハナカク -The Last Girl Standing-

 

作者:松井勝法

掲載誌:『月刊コミックゼノン』(徳間書店)2013年-

単行本:ゼノンコミックス

[1巻の記事はこちら

 

 

 

身長142cmの高校1年生「花夏」。

おそらく格闘漫画史上最弱の主人公。

 

 

 

 

MMA(総合格闘技)のトレーニングも徐々に本格化。

本作は格闘技を一種の科学としてえがく。

系統的にまなべば、だれでもつよくなれる。

 

 

 

 

新キャラ登場。

ツンツン髪の「山田亜季」はおなじジムの会員。

寝技の達人で、気がつよい。

 

 

 

 

自分にも他人にもきびしい性格で、花夏にツラくあたる。

あまりに弱すぎ、お遊びにみえるから。

陰に日向に圧力かけられ、一度はジムを退会するはめに。

 

 

 

 

中学時代の親友「ふーちゃん」に川辺でばったり再会。

格闘技はじめたといったら仰天される。

話は弾まない。

ふーちゃんへのイジメを止められなかった弱い自分をかえたくて、

格闘の世界へとびこんだのに、そこからも逃げだしたから。

 

 

 

 

ふーちゃんは花夏に感謝してるとゆう。

おそろいのヘアピンをはづさない、それだけで心づよかった。

 

本当の強さとはなにか。

戦うとはどうゆうことか、旧友に気づかされる。

 

 

 

 

亜季との真剣勝負にいどむ。

相手は片手で、こちらは一発あてたら勝ちの、3分一本勝負。

 

まぐれ当たりがなく、詰将棋的な寝技は経験と知識がモノをゆうため、

手も足もでないとおもわれたが、つぎつぎ極め技をかわす。

唯一の取り柄である「よけ勘」は、立ち技以外でも通じた。

 

 

 

 

一時はマウントポジションをとるなど善戦したが、腕十字をきめられる。

花夏はタップしない。

「警告……したからね」

 

 

 

 

亜季が本気で折るつもりとわかった上で、一瞬の隙をねらった。

反射神経をいかしたカウンターにも開眼。

 

幕之内一歩の魂が、宮田一郎の体にやどるファイター、それが「安藤花夏」。

 

 

 

 

ジムの座敷わらし的存在だった花夏は、大会出場をすすめられる。

話をきいただけで泡ふいて卒倒する、格闘漫画の主人公もめづらしい。

 

 

 

 

参加選手のひとり「蜂ヶ崎仁菜」。

キックボクシングの有名選手だが、総合へ転向した。

ふーちゃんをいじめた張本人でもある。

 

 

 

 

エントリーリストに花夏の名をみつけ、たしかめにきた。

まさかとおもうが、教室の隅でオドオドしていた女なのかどうか。

そして格下は格下らしく、おとなしくしてろと警告。

 

 

 

 

花夏は「強さ」について、おぼろげながら理解していた。

本当に強い人間は感情をコントロールでき、無意味に暴力をふるわない。

だからもう、こわくない。

 

 

 

 

1巻にも感銘うけたが、2巻はさらにはげしく心ゆすぶる。

乙女の純情が、オープンフィンガーグローブから熱くほとばしる傑作。

もっと話題にならないとおかしい。




ハナカク 2: -The Last Girl Standing- (ゼノンコミックス)ハナカク 2: -The Last Girl Standing- (ゼノンコミックス)
(2014/09/20)
松井勝法

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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

コトヤマ『だがしかし』 枝垂ほたるとの日々

 

 

だがしかし

 

作者:コトヤマ

掲載誌:『週刊少年サンデー』(小学館)2014年-

単行本:少年サンデーコミックス

 

 

 

清楚なジャンパースカートに、黒ストッキングとハイヒール。

田舎町に不似合いなセレブ少女が仁王立ち。

 

 

 

 

そこは昭和の匂いただよう駄菓子屋。

単なる客ではないようだが?

 

 

 

 

彼女は超メジャー製菓会社の令嬢、「枝垂(しだれ)ほたる」。

業界では有名な店主をスカウトしにきた。

ぐるぐる目にひきこまれる。

 

 

 

 

引き抜きの条件として、店主の息子に跡をつがせることに同意。

町にすみつき、駄菓子の魅力を伝道する。

ピーヒョロと「フエラムネ」の音がきこえたら、ほたるさんが近づいたしるし。

 

 

 

 

「こざくら餅」は全部刺しするなど、駄菓子道をきわめている。

ハイスペック女子なのに、少年の心のもちぬし。

おさないころ、一緒にあそんでくれるコをすきになった淡い感情がよみがえる。

 

 

 

 

だが、しかし。

「きなこ棒」のきな粉がこぼれた胸元をみせつけられ、主人公「ココノツ」は当惑。

ジャンスカで強調したおっぱいは反則!(参考:例1/例2

無垢なエロスが炸裂する、パラドクシカルヒロインだ。

 

 

 

 

友人の双子の妹「サヤ」は、喫茶店をてつだう。

ギャルやヤンキーはいってて、貧乳で、ほたると好対照。

駄菓子プリンセスに夢中のココノツに片思いしており、嫉妬心もやす。

 

ラブコメ要素が、物語を甘辛なあじわいに。

ほたるはグルグル目、サヤは点目、描き分けもうまい。

 

 

 

 

ボクが一番すきなのは、ちょっと大人なエピソードをえがく第5話。

「生」だけど「安全」なアレを初体験。

 

 

 

 

へいおまちィ!!

水にとかすと泡になる「生いきビール」がでてきた。

 

 

 

 

「うまい棒」をつまみに泥酔。

オトナの階段ふみはづすシンデレラがいとおしい。

 

 

 

 

ラムネ色にはじけるノスタルジックヒロイン。

中毒性あるので食べすぎ注意!




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(2014/09/18)
コトヤマ

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ノモンハン戦 フイ高地の攻防

シュテルン方面軍司令官、チョイバルサン元帥、ジューコフ集団軍司令官

 

 

ソ連軍は3か月かけ兵力と物資をあつめた。

シベリア鉄道の端末からハルハ河にいたる700kmの未舗装道路は、

関東軍よりはるかに劣悪な条件での兵站を強いた。

東部モンゴルでとれるのは羊肉だけ。

 

重点をさだめず万遍なく砲撃し、8月20日の大攻勢をさとらせない。

ハルビン特務機関へ潜入させた工作員を通じ、ニセ情報をばらまき撹乱。

 

総兵力は5万2000人、火砲487門、戦車・装甲車823両に達した。

兵が作戦発動時刻をしらされたのは3時間まえ。

急襲と両翼包囲をめざしうごきだす。

その朝は濃霧だった。

 

 

第23師団長小松原道太郎中将、矢野参謀副長

 

 

2万人前後で37kmをまもる日本軍は、象でも通り抜けられる薄い陣を敷いていた。

完全に不意をうたれ、攻勢の重点がどこか最後までつかめない。

それまでの計画が念頭から去らず、敵の南部集団を逆包囲する幻想にとりつかれた。

 

 

 

 

「フイ高地」で最大の激戦がおこなわれる。

標高721mを第23師団参謀がヒフミ読みして命名した。

井置栄一騎兵中佐のもとに、兵員809人、火砲12門、装甲車4両。

戦車はなし。

 

1秒に3発、砲弾がおちてくる。

全世界の雷が集中したかの様だった。

四周を包囲されるが、敵戦車を火炎瓶で擱座炎上させるなどして対抗。

兵は不眠不休、水も糧食も尽き、土気色の顔でたたかう。

 

 

第6戦車旅団のBT-7戦車群

 

 

よせあつめの8個中隊で、20倍の兵力に5日間あらがいつづける。

通信は途絶、全火砲は破壊され、のこる武器は銃剣のみ。

戦闘力うしなった残存260名は、二列縦隊で包囲網を奇跡的に突破。

 

ジューコフ司令官は、フイ高地のため全予備兵力を投じた。

 

 

井置栄一中佐

 

 

敗軍の将である、小松原道太郎師団長と荻洲立兵軍司令官は、

異常な熱意をもって「無断退却」の罪をせめた。

みづから汚れ役をつとめてくれるのはありがたいと、陸軍中央は黙認。

 

はじめ井置らを軍法会議にかける気だったが、どうも都合がわるい。

無断撤退を全面的に禁ずる法令はないし、

法廷で「師団司令部の無策無能」を指摘されたら泥仕合となる。

小松原は「自決勧告」とゆう妙案をおもいついた。

 

だれもが使者にたつのをいやがる。

後任として着任したばかりの、高橋浩亮騎兵中佐が指名された。

数日後、井置は草原に座しピストル自決。

戦死とみとめられず靖国神社へ祀られなかった。

 

内地へ帰還した小松原は、姫路に井置未亡人をたづねる。

「やめろといったのに自決した」と、あつかましいウソをついた。

 

 

ハルハ河をわたる日本軍(7月3日)

 

 

戦車同士の対決は、ノモンハンが世界戦史で初例かもしれない。

特に日本軍にとっては、はじめての敗北体験であり、

想定外の現象が多発したのは同情にあたいする。

でもそれが戦争ってものだろう。







【参考文献】

秦郁彦『明と暗のノモンハン戦史』(PHP研究所)



明と暗のノモンハン戦史明と暗のノモンハン戦史
(2014/07/12)
秦郁彦

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『ハナヤマタ』11話 畑亜貴をこえて

 

 

スマイル・イズ・フラワー

 

テレビアニメ『ハナヤマタ』第11話

 

出演:上田麗奈 田中美海 奥野香耶 大坪由佳 沼倉愛美 豊口めぐみ たかはし智秋

演出・絵コンテ:渡邉こと乃

監督:いしづかあつこ

シリーズ構成・脚本:吉田玲子

キャラクターデザイン・総作画監督:渡辺敦子

色彩設計:大野春恵

原作:浜弓場双『ハナヤマタ』(芳文社刊)

アニメーション制作:マッドハウス

放送:2014年

[過去の記事→3話/7話/9話

 

 

元気娘ハナの心はいづこへ。

水遊びに興味しめさないなんて!

 

 

 

 

離婚して別居中の母が、来日しているのが原因。

ママはだいすきだけど、うれしいことばかりじゃなく……。

 

 

 

 

メールには「成績わるかったら生き埋めだよ :-)」とかいてある。

中3でこれがよめる真智の語彙力はなかなか。

 

 

 

 

みんなにいえなかったこと。

両親が再婚すること。

あす自分もアメリカへかえること。

 

 

 

 

家族がはなればなれになったのが、人生で一番つらかったこと。

ふたりの関係修復を邪魔するなんて、絶対ゆるされないこと。

 

 

 

 

「よさこいやりたい」と大騒ぎしたあげく、途中で放り出すこと。

自分がただの迷惑ガイジンだったこと。

信頼をうらぎり、親友をうしなうかもしれないこと。

 

 

 

 

ハナは、本作のシンボルにしてウィークポイント。

おとぎ話みたいな味をつけるためのスパイスにすぎず、

血肉そなえた、感情移入できるヒロインじゃない。

 

 

 

 

親友ライヴァル・幼なじみ・姉妹……うつくしいエピソード群に比して、

フォンテーンスタンド家母娘の関係は具体性にかける。

アニメの作り手と受け手のあいだに、アメリカ文化についての共通認識がない。

無国籍風のお辨当では、「あるある」って共感できない。

 

 

 

 

アニメ版が成功した理由は、ゆたかな色彩。

赤い振袖をきたヤヤのはなやかさといったら!

 

 

 

 

和のヴィジュアルと、女子中学生の日常がかなでるハーモニー。

そこに金髪碧眼ロリがいてこそ映える。

 

 

 

 

部員に紙をくばるヤヤ。

手書きの文章がしるされている。

 

 

 

 

題して『花ハ踊レヤいろはにほ』。

OP曲の作詞担当は、ニーソのツンデレ少女だった。

 

 

 

 

自作の歌詞を堂々披露した度胸におそれいるが、

平気でアイドルっぽく「魔法のキー☆」とか、手直しする真智もすごい。

 

『ラブライブ!』の歌詞は、「園田海未」ひとりで書いてることになっており、

畑亜貴はその設定をふまえ、どちらかとゆうと素朴な言葉づかいをする。

かたや『ハナヤマタ』は共同作業。

いろは歌の断片をちりばめた技巧はプロの水準だが、

女子中学生のコラボレーションとおもえば、筋はとおる。

 

 

 

 

畑亜貴の軽妙な言語表現が、原作つきの物語をうごかす。

いま世界でいちばん影響力ある作詞家じゃないか?

 

ただし、国語の苦手なハナはおいてきぼり。

ハタアキ的空間は、イロハをしらないものを排除する。

 

 

 

 

たしかに日本文化はうつくしい。

でもその純粋さが、「異質なものの排除」を意味するとしたら。

 

 

 

 

たとえばハナには八重歯がある。

貧困などの問題がないなら、アメリカ人ならとっくに矯正して当然。

絵としてはカワイイが、彼女は文化をせおってない。

 

 

 

 

『ロミオとジュリエット』や『赤と黒』の様に、親友の部屋へ侵入したハナ。

なるはやさしくさとす。

 

「ワタシ、どうしたら……」

「ハナちゃんは、ハナちゃんのしあわせをえらんで」

 

 

 

 

「ハナちゃんが笑顔でいられる様に……わたしは笑っているハナちゃんが、一番すきだから!」

そのことばはディレンマを解決しない。

けれども笑顔とゆう普遍言語が、すべてをあたたかくつつむ。

 

東国出身の浮舟が、『源氏物語』の京を震撼させた様に、

小柄なアメリカ人が、『ハナヤマタ』の鎌倉を浄化する。

 

 

 

 

「最後にバカヤローって言ってやろうとおもって……」

 

翻訳不可能なツンデレ言語でしめくくり、嫋々たる余韻をのこす。

「lily」と訳したらきっと通じない、百合のテレパシー。

なるほどこれが「魔法のキー」か。




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ジャンル : アニメ・コミック

タグ: きらら系コミック  百合  ハナヤマタ 

『パトロール』 L85が主役の戦争映画

 

 

パトロール

The Patrol

 

出演:ナブ・シドゥ オーウェン・アーサー ニコラス・ベェヴェニー ベン・ライトン

監督:トム・ペッチ

制作:イギリス 2013年

 

 

 

舞台は2006年、アフガニスタン南西部のヘルマンド州。

アフガン国軍を支援するイギリス軍の、ターリバーンとの戦いをえがく。

 

 

 

 

武装勢力はヘルマンドへの攻勢をつよめていた。

国軍がたよりないので、陸軍と海兵隊からなる7人の訓練チームが、

前線で監視や偵察の任務をはたすことに。

 

ある夜、銃声で目がさめた。

 

 

 

 

あわててM2を撃ちまくるが、敵襲でないとわかる。

幹部の殺害だか捕獲だか、SASが秘密にうごいていた。

エリートである特殊部隊の作戦は、いちいち末端の部隊までしらされない。

あとで報復うけるのは自分たちなので、むかつく。

 

 

 

 

トム・ペッチ監督は、1997年まで英陸軍士官だった(アフガンへ従軍したことはない)

現代のあまりパッとしない軍隊事情がみえる作品だ。

 

 

 

 

指揮官のリチャードソン大尉は、大の嫌煙家。

自分のまえでは絶対タバコをすわせない。

スターバックス化する戦場。

 

 

 

 

敵の攻撃は散発的だが、不運にも味方ひとり戦死。

装備がポンコツばかりなのも原因といえる。

 

 

 

 

遺品から、赤龍をあしらうウェールズ国旗がでてきた。

旗ひとつとっても、イギリス映画らしい皮肉な味。

アメリカ人の星条旗への宗教的感情とだいぶちがう。

 

 

 

 

かんばしくない戦況に不安おぼえた予備役兵が、疑問を呈する。

「なあ、SASはSA80(L85A2)をつかわないって本当か?」

「アホか、んなことも知らねえで戦場にきたのか。連中はアメリカ製だっての」

「なぜオレたちにはゴミみたいな銃を?」

「……だれも戦争を予想しなかったんだろ」

 

SASはきらわれてるが、銃の選択に関しては権威がある。

 

 

 

 

ロンドン出身の黒人で能辯な「スマッジ」にこれ以上放言をゆるすと、

士気が低下しかねないので、イケメン中尉が釘をさす。

「スマッジ、装備を批判するな。これは改良された『A2』ヴァージョンで、優秀な銃だ」

「……中尉、あんたはトニー・ブレアの回し者ですか?

じゃあ言わせてもらいますけど、そんなに優秀なSA80を、

なぜ世界のだれもつかわないんです? ターバン野郎もみんなAK-47だ」

 

勉強はできても、口喧嘩じゃロンドンっ子にかなわない。

 

 

 

 

険悪な空気をなごまそうと、キャンベル軍曹が口をはさむ。

「……ジャマイカだ」

「はぁ!?」

「ジャマイカ国防軍がSA80をつかってる」

「ギャハハハ、やつらにはお似合いだぜ!!」

 

 

 

 

おなじく元軍人がつくった映画の、オリヴァー・ストーン監督『プラトーン』とくらべ、

さっぱり血湧き肉踊らない本作だが、そこがまた当世風でおもしろい。

 

自分がたたかう敵は、イギリスとゆう国自体しらないのでは。

これって戦争なのか。

 

 

 

 

すっかりおちぶれたイギリスは、アメリカにつきしたがい各国へ遠征。

だがかれらは、米軍にない装備をもつ。

サッカーとゆう文化。

地元住民と交流するのに、これほど有用なツールはない。

なんだかんだで、大英帝国は世界のバランスをたもつ役目をになう。




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梅木泰祐『あせびと空世界の冒険者』

 

 

あせびと空世界の冒険者

 

作者:梅木泰祐

掲載誌:『COMICリュウ』(徳間書店)2014年-

単行本:RYU COMICS

 

 

 

飛空船から浮遊島をみおろす。

ふたりの名は「ユウ」と「あせび」。

マジメそうなおさげ髪と、パニエのふくらみが目をひく。

 

 

 

 

空世界にいきる人類を、「竜魚」とよばれる巨獣がおびやかす。

生活圏をおそうことも。

 

 

 

 

ユウの職業は、ひとびとの尊敬をあつめる「衛士」。

大口径のライフルでたたかう。

 

 

 

 

ヒトが行動の自由をうばわれ、「霊長」でなくなった謎をおい、

あせびとユウはながい旅をつづける。

空は危険なので、衛士はひっぱりだこ。

 

 

 

 

メガネ女医「つばき」がのる船をえらんだユウに嫉妬。

作者は新人だが、見開きいっぱいのアクションも、コメディ描写もたくみ。

 

 

 

 

あせびの正体は「人型モジュール」。

旧文明がつくりだしたアンドロイドだ。

 

 

 

 

あせびが障壁を展開するあいだに、ユウが狙撃するのが基本戦術。

にくらしいほど息ぴったり。

 

 

 

 

本作はファンタジックな舞台設定や、アクションの勢いをたのしむ漫画だが、

可憐なアンドロイドと純情スナイパーの交流も、主題のひとつ。

 

竜魚の攻撃でこわれた飛空船のエンジンを、

ムチャして自分の動力炉でうごかしたあせびを、ユウは身を呈してたすける。

 

 

 

 

その晩、神経回路がダウンしたあせびを心配し、おなじ部屋にとまろうとする。

「モラルに反します!」とたたきだされた。

人型モジュールの方がオトナで、異性を意識するのがおかしい。

 

 

 

 

梅木泰祐の描線は、シンプルで力づよく、かつ繊細。

輪郭だけでスッと人物をうかびあがらせる、まれな画力のもちぬし。

 

 

 

 

つばき先生の妹「つくし」は、見習い船員。

暴力的なキャラと、セーラー服が印象的だ。

 

 

 

 

酒におぼれる元船乗りの父を気にかけている。

さっきから褒めてばかりだが、家族のほっこりエピソードもいい。

 

 

 

 

空のうえの人間模様はさまざま、晴れたり曇ったり。

それでもあせびの純粋さが、ひとびとの心をうごかしてゆく。

 

 

 

 

巨大戦艦を保有するライヴァルが行く手をはばんだり、大風呂敷ひろげる。

 

少年漫画のまっすぐさと、たおやかな女性キャラの華をかねそなえる点で、

初期の中山敦支作品『アストラルエンジン』を連想した。

ただちょっとクセがなくて、薄味かな。

大作アニメみたいな世界観を構築する腕は、ナカヤマ以上だ。

 

 

 

 

全速前進ようそろ!

いますぐ書店へとび、新時代の風を感じよう。




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(2014/09/13)
梅木泰祐

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タグ:   中山敦支 

エミリー・バゼロン『ある日、私は友達をクビになった スマホ世代のいじめ事情』

Sticks and Stones

Defeating the Culture of Bullying and Rediscovering the Power of Character and Empathy

 

訳者:高橋由紀子

発行:早川書房 2014年

 

 

 

2005年、アメリカの最高裁判所は神経学の研究成果をとりいれ、

少年犯罪者に死刑を求刑するのをやめた。

保釈なしの終身刑もほぼ禁じている。

思春期の子供の脳は前頭葉が未発達で、衝動をコントロールできないから。

 

二児の母でもあるジャーナリストが、21世紀型いじめ問題をとりあげた本。

ちなみに件数はふえてない。

諸国の研究をみると、加害者または被害者の割合は「10-25%」で一定。

時や場所におおきく左右されない現象だ。

 

 

『攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D』(日本映画/2011年)

 

 

テクノロジーにより、質的変化がみられる。

ネットで他者を攻撃するのはおもに女。

やさしくあれと社会的に期待される彼女らの攻撃性は、水面下にもぐりがち。

 

思春期女子がもつ最強の武器は「友情」。

仲間はづれほどおそろしいものは、ほかにない。

 

 

百乃モト『無敵の迷子』(一迅社刊『トゥルー・トゥルー』所収)

 

 

アイルランドからの高校生「フィービー」が自殺した2009年の事件は、示唆にとむ。

転校早々複数の男とつきあい、「スラット(slut=あばずれ)」よばわりされた。

もともとリストカット癖のある彼女は首をつって死んだ。

美人だったこともあり社会問題化、6人が起訴される最悪の事態に。

 

いじめと自殺の因果関係は、慎重にあつかうべき。

各種調査をふまえれば、懐疑的にならざるをえない。

遺族は復讐心から単純な説明にとびつくが、原因は複雑にきまっている。

 

いじめの9割は、ほかの子供の前でおこなわれる。

そのうち犠牲者をかばうものは20%以下。

保身のためでもあるし、そもそもいじめは大抵ある種の正当性がある。

フィービーの場合も「あれじゃ仕方ないよ」と、加害者たちは暗黙の支持をうけていた。

 

 

フェイスブックのソーシャルレポーティングツール

 

 

いまのティーネイジャーは停学処分より、フェイスブックのアカウント削除をおそれる。

SNSへの投資は、うしなうには莫大すぎる。

 

それほど権威あるフェイスブックのエンジニアは、問題に首をつっこみたがらない。

「AがBを妊娠させた」とゆう投稿に悪意があるか判定するアルゴリズムを、構築するのは可能か?

シリコンヴァレーが自由主義を信奉することも、障碍となっている。

 

 

 

 

「問題行動へのポジティヴな介入と支援(PBIS)」とよばれる、教育のアプローチがある。

簡単にゆうと、校長室に生徒がよびだされる回数を分析し、

教師が教室をコントロールできるシステムをつくること。

PBISはいじめ防止が直接の目的ではないが、あきらかな効果がでている。

 

まづ実證ずみの合理的手法を教育現場に普及させたうえで、

フェイスブックなどSNSと連携とれば、いじめはへってゆくだろう。

 

 

『さばげぶっ!』第10話(テレビアニメ/2014年)

 

 

それでも被害にあったら?

たたかうしかない。

人生はサバイバルゲームなのだから。




ある日、私は友達をクビになった――スマホ世代のいじめ事情ある日、私は友達をクビになった――スマホ世代のいじめ事情
(2014/08/08)
エミリー・バゼロン

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タグ: 刑罰 

阿倍野ちゃこ/奥瀬サキ『DRAW 魔女の眠る海で』

 

 

DRAW 魔女の眠る海で

 

作画:阿倍野ちゃこ

原作:奥瀬サキ

掲載誌:『ヤングチャンピオン烈』(秋田書店)2013年-

単行本:ヤングチャンピオン烈コミックス

 

 

 

大磯駅あたりで、いきなり電車がとまった。

とびこみ自殺らしい。

あわれなことに、まだ息がある。

脳漿と小便をたれながしながら跛行。

 

 

 

 

メガネ娘が窓からおりる。

服がよごれるのもかまわず、みしらぬ少女の最期をみとった。

 

 

 

 

彼女の名は「詠(よみ)ドロウ」。

群をぬく美貌と、超然たる態度で、高校でも異彩はなつ。

 

 

 

 

作画をつとめるのは阿倍野ちゃこ。

プロとして10年以上のキャリアがある。

原作は奥瀬サキ。

『低俗霊狩り』や『コックリさんが通る』がすきだったので、なつかしい。

 

 

 

 

本作はふたりの魔女の物語。

さきほどの「詠」と、ダブルツインテの「吉良女舞(きらめ まい)」。

オカルトや援助交際やグロへのこだわりは、この原作者ならでは。

 

 

 

 

奥瀬サキは「はやすぎた作家」のひとり。

瞬間風速で最先端をはしる時期もあったはずだが、

アングラ趣味がわざわいしてか、作品はほとんど完結させられない

 

ふと気づいたら漫画界全体が、奥瀬のクローンばかりとなっていた。

美少女、お色気、いびつな設定、メランコリックな物語。

 

 

 

 

『DRAW』のキーヴィジュアルは海。

相模湾がキラキラまぶしい。

 

 

 

 

いつも主人公のまわりを、ワンピースに麦わら帽子の幼女がウロウロ。

このコは妹で、実は幽霊。

 

 

 

 

海水浴中に妹の溺死をふせげなかったのが、主人公の心的外傷。

西湘の海はあらく、神奈川県出身の原作者もおぼれたことが。

ただのキレイな背景じゃない。

 

 

 

 

吉良女さんがあやつるはネクロマンシー系の魔術。

校舎裏の森であやしい儀式をはじめる。

しなやかな裸体にかかるツインテの一房。

こぶりだがツンと上むきの乳房。

 

 

 

 

おのが肉体を切り裂き、ながれる血で死者をよびもどす。

闇にひびくヘブライ語の詠唱。

はづかしげもない中二病スピリットの炸裂。

 

 

 

 

人をころしたことで胸をいためる詠をなぐさめに、自宅訪問。

部屋着がカワイイ漫画は本物とボクはおもう。

くつろぐ姿すらカンペキ。

 

 

 

 

複雑な様で、テンプレで。

サブカル臭の一方で、妙に実感こもってて。

光と闇が交錯するなぞめいたプリズムに心うばわれる。




DRAW 魔女の眠る海で(1) (ヤングチャンピオン烈コミックス)DRAW 魔女の眠る海で(1) (ヤングチャンピオン烈コミックス)
(2014/09/08)
奥瀬サキ(原作)、阿倍野ちゃこ(作画)

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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ:   ロリ 

金子拓『織田信長 〈天下人〉の実像』

信長がもちいた「天下布武」印三種

 

 

織田信長 〈天下人〉の実像

 

著者:金子拓

発行:講談社 2014年

レーベル:講談社現代新書

 

 

 

天下に武を布く、すなわち「天下布武」。

中世末において「天下」は、地理的に「五畿内」をさす。

「わたしは京都周辺をまもりますよ」と宣言した。

もし書状に捺する印章の意味が「これから武力で全国平定します」なら、

他大名への宣戦布告となってしまいバカげている。

 

信長のあんがい穏健な政治思想を浮き彫りにする新書。

イノヴェイターでもマキャヴェリアンでもない、フツウの内政家だった。

英雄を偶像の座からひきずりおろす、戦国時代研究の「信長包囲網」はほぼ完成。

 

 

正親町天皇

 

 

信長は天皇の権威をどうみなしていたか?

独自の政治姿勢は確認できない。

「革新的な天才」とゆう先入観で、どこでもオリジナリティをさがすのがまちがい。

 

おおむね「オレもがんばるから、オマエもがんばれよ」程度の認識だった。

公家や門跡を経済的に支援したが、みかえりに官位をもとめない。

絹衣相論や興福寺別当職相論などで朝廷がみだれたときは、

天皇をきびしく叱責して謝罪させた。

 

いまの会社でたとえると、営業部長と広報部長の関係みたいもの。

ちがう部署の役職にありがたみはない。

 

 

足利義昭

 

 

広報部次長・足利義昭にケンカをうられたときは怒り、京から追放したが、

のちに羽柴秀吉を派遣、帰洛のための交渉をおこなう。

会社のためなら自分から頭をさげた。

 

 

(作成:Kibayashit)

 

 

畿内と周辺を支配下におき、奥羽・関東・中国・九州の有力大名とのあいだに、

自己に優位な友好関係をむすぶのが、信長の野望、もとい政治方針。

室町幕府とかわらない。

肥沃な農地をもつ尾張は、父・信秀の時代から財力があり、

さらに領国を拡大することで、秩序恢復にもとめられる物資をえた。

 

ルイス・フロイスは礼儀作法にとまどう信長の姿を記録している。

本質的に田舎侍で、社交ベタ。

右大臣をやめるとき「息子の信忠へ位をゆづりたい」と上奏したが、

官位は世襲制じゃないからナンセンス。

最後まで宮廷について無知だった。

 

 

『本能寺焼討之図』(楊斎延一)

 

 

信長の領国支配は、家臣に采配をゆだねる分権的なもの。

行政手法はむしろ時代おくれ。

秀吉における石田三成みないな吏僚層はめだたず、

政治面で揉めごとがあると、いちいち重臣が派遣された。

本社のトラブルを解決するため、地方の営業所所長をよびつけるにひとしい。

 

21世紀人としては、もうすこし合理的にできなかったかとおもうし、

明智光秀らも、頭のカタい上司にイラついてたかもしれない。




織田信長 <天下人>の実像 (講談社現代新書)織田信長 <天下人>の実像 (講談社現代新書)
(2014/08/19)
金子拓


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ジャンル : 学問・文化・芸術

タグ: 天皇 

山名沢湖『少年☆少女☆レアカード』

 

 

少年☆少女☆レアカード

 

作者:山名沢湖

掲載誌:『コミックハイ!』(双葉社)2014年-

単行本:アクションコミックスコミックハイブランド

 

 

 

「苑田真那(そのだ まさな)」、中学2年生。

保育園へかよう妹のおむかえは、彼女の役。

13kgあるので、だっこするとヨロける。

 

 

 

 

会社で新プロジェクトをまかされた母のため、家事をかってでた。

手伝いはきらいじゃないけど、自分で切り盛りするとなるとおおちがい。

てんやわんやでワークフロウは停滞。

 

山名沢湖は5歳の息子がおり、絵柄は少女漫画でも、所帯じみた描写がリアル。

 

 

 

 

妹「みちか」はむづかりだすと、ゆうこときかない。

買い物中にトレーディングカードアーケードゲームをやりたいと騒ぐ。

『アイカツ!』や『プリパラ』みたいなアイドルもの。

 

 

 

 

おもらしされても困るので、コインをインサート。

カード一枚だと衣装はスカートのみ。

貧相なコーデで一曲おどりきった。

 

 

 

 

お子様むけとおもってたのに、どんどんハマってゆく真那。

作者は一時期『アイカツ!』にいれこんでたそうで、

子育てとゲームの経験を反映した、半分エッセイ漫画でもある。

 

 

 

 

そこへ王子さま登場!

御曹司風のルックスが女子のあいだで人気の「三浦春人」。

かくれ『キャラメル☆ガール☆ミュージック』ファンだった。

 

 

 

 

天然王子は、女児むけ雑誌までチェックするマニア。

都会のゲーセンなら大人の男もあそんでるらしいが、

田舎のショッピングモールに同好の士はみあたらない。

うれしくてたまらず、子連れ系女子に声をかけた。

 

 

 

 

よきパートナーをえて、『キャラ☆ミュ』の奥深さをまなぶ。

カードタイプを揃えるのにこだわらず、自分ごのみの組み合わせにしたら、

たまたま「シークレットコーデ」にあたりボーナス点ゲット!

 

 

 

 

オトメチックな春人とちがい、真那はスコアアタックにもえるタイプ。

『ゲームセンターあらし』ばりの必殺技までとびだす。

いろいろあって大変な、押切蓮介『ハイスコアガール』の衣鉢をつぐか。

 

 

 

 

女ならだれでもシンデレラ願望がある。

自分が着飾って街へでて、王子さまをみつけるのが一番だけど、なにかと面倒。

だったらゲームで乙女心をみたしたってよくない?

 

ねじくれた中学生ラブコメは型破りのおもしろさ。

 

 

 

 

つづきが気になり夜もねむれない。

いろんな意味で。




少年☆少女☆レアカード(1) (アクションコミックス(コミックハイ! ))少年☆少女☆レアカード(1) (アクションコミックス(コミックハイ! ))
(2014/09/10)
山名沢湖

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ジャンル : アニメ・コミック

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金田一秀穂『金田一家 日本語百年のひみつ』

金田一京助

 

 

金田一家 日本語百年のひみつ

 

著者:金田一秀穂

発行:朝日新聞出版 2014年

レーベル:朝日新書

 

 

 

「金田一」とゆう言葉には、得体のしれない権威がある。

京助・春彦・秀穂と三代つづく日本語学者の系統。

例の探偵の名の由来にもなった。

 

古代を象徴する「天皇家」、近世の「市川團十郎家」とならび、

近代以降の日本をしょってたつ名跡だろうか。

 

 

京助と石川啄木

 

 

孫の秀穂によると、京助にはいまだ熱狂的ファンがいる。

晩年はあちこちで講演をおこない、石川啄木やアイヌ人との交流をかたり、

おもいあまっては絶句し落涙する名調子で、聴衆を感動させた。

 

いわゆる明治男の典型だった。

エリートを自認するが、それが嫌味にならない時代だった。

 

 

シャープのワープロのCMに出演する春彦(1982年)

 

 

おなじ道にすすんでも、息子の春彦は科学的アプローチをこのむ。

文学にほとんど関心なかった。

 

記憶力抜群で、正月に百人一首をすれば、子供三人を敵にまわしても勝てた。

家族と旅行しても、めづらしい方言をきくと同行者そっちのけで調査開始。

いまは細分化した国語学の、全領域をカヴァーできる最後の世代だった。

 

 

金田一家の庭で撮影された知里幸恵(1922年)

 

 

秀穂が父・春彦をかたる口調は辛辣で、そこがおもしろい。

金田一家に居候し、翻訳などしていたアイヌの天才少女・知里幸恵に、

子供のころの春彦は差別的な態度で接した。

長じて方言学者となっても、父が生涯をかけたアイヌ研究に一切かかわらない。

 

経済的に負担で、外聞もよくないアイヌ人との同居を、

京助の妻・静江はきらっており、その影響を息子はうけたらしい。

 

 

 

 

春彦は本郷でうまれたが、本籍地は京助の出身地である盛岡だったので、

徴兵時に岩手の連隊にいれられそうになり、あわてて籍をうつした。

郷土愛のつよい父はかなしんだ。

 

父にはげしいコンプレックスをもっていた春彦は、京助が死んだとき、

重圧から解放された様な、はればれとした表情をみせた。

 

学問における跡目相続は、闘争の意味もある。

 

 

関谷あさみ『千と万』(アクションコミックスコミックハイブランド)

 

 

春彦は戦中、日華学院で支那からの留学生に日本語をおしえた。

のちに教え子らは反革命分子とみなされ、文化大革命で迫害される。

たかが一言語をまなんだりおしえたりするだけでも、苦労はたえない。




金田一家、日本語百年のひみつ (朝日新書)金田一家、日本語百年のひみつ (朝日新書)
(2014/08/08)
金田一秀穂

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テーマ : 日本文化
ジャンル : 学問・文化・芸術

しんと『ゆずりはコーポレーション』

 

 

ゆずりはコーポレーション

 

作者:しんと

掲載誌:『まんがタイムきららミラク』(芳文社)2013年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

 

 

高校へ入学したばかりの「夜桜柚莉葉(よざくら ゆずりは)」が、高級マンションに帰宅。

自動ドアがひらかない。

家からしめだされた。

 

 

 

 

勘当されたのでなく、大企業を経営する父の教育方針。

1000万円を娘にわたし、10倍にふやすまで帰ってくるなと。

かわいすぎるアントレプレナー爆誕!

 

 

『スティーブ・ジョブズ』(アメリカ映画/2013年)

 

 

みなリスクをおそれ、大樹の陰でよりそう現代日本に喝をいれ、

創造的破壊をうながすスタートアップ物語だ。

 

 

 

 

ヒロインは、これといった特技も趣味もない。

自慢は父の偉大さだけだが、その肉親に千尋の谷へおとされた。

 

スティーヴ・ジョブズを髣髴。

宗教上の理由で、生まれる前から養子にだされると決まっていた運命が、

ジョブズのすさまじい闘争心をやしなったことは、よく指摘される。

また1977年にアップルコンピュータを設立したときの彼は、

大学中退のヒッピーくづれで、知識も技術も一般常識もなにもなかった。

 

 

 

 

手藝部の「彩音」に目をつけた、新米社長。

商品化できそうなマスコットをつくれる器用系女子だ。

JK版スティーヴ・ウォズニアック

 

 

 

 

「薫」は毒舌だが、しっかり者なのでマネジメントをまかせられる。

マイク・マークラの役。

なかよし3人組で「ゆずりはコーポレーション」始動!

 

 

 

 

だが生き馬の目を抜くマーケットに、おぼこ娘がとびこむのは危険きわまる。

カネの話ばかりしてれば友情にヒビがはいるし。

 

 

 

 

家業のラーメン屋の経理をてつだう「亜紀乃先輩」をスカウト。

ちょっとヌケてるけど、実務経験者は必要。

ペプシからひきぬいたジョン・スカリーに相当。

ジョブズなら「一生ラーメンを売りつづけるつもりか?」と口説いたろう。

 

 

 

 

「定款」とはなんぞやとか、キャッキャウフフのきらら系コミックでは異色な、

お仕事系4コマ漫画で、得能正太郎『NEW GAME!』とあわせて読みたい。

 

 

 

 

なにかとモメがちな雇用形態もクリアにしておく。

正社員はゆずりは社長ひとりとし、「製造」を彩音へ、

「経理など」を薫と亜紀乃先輩へアウトソーシングし、人件費をおさえる。

 

あとは設立登記を申請するだけ!

 

 

 

 

ゆずに経営の才能があるかどうかは、市場とゆう神が判断する。

 

映画『スティーブ・ジョブズ』をみておもったが、

イノヴェイターと称されるほどの手腕は、独裁者でないと発揮できない。

自分に不可能はないと盲信し、懐疑主義者を論理でなくカリスマで説得し、

ちょっとでもことなる意見をもつものは即座に追放する。

日本人にはマネできない。

すくなくともボクには無理。

 

 

 

 

ゆず社長の武器はあまえた態度。

百合の現実歪曲フィールド。

 

 

 

 

会社の備品をそろえようと出かけたら、社員一同テンションマックス!

どうみてもただのお買い物で、福利厚生がグーグル以上に充実してゆく。

21世紀の「日本的経営」がここにある。




ゆずりはコーポレーション (1) (まんがタイムKRコミックス)ゆずりはコーポレーション (1) (まんがタイムKRコミックス)
(2014/08/27)
しんと

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テーマ : 4コマ漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: きらら系コミック  百合  萌え4コマ 

救世主・園川モモカ 『さばげぶっ!』10話

 

 

トレジャーハンター/かなしみのアイドル/さVP

 

テレビアニメ『さばげぶっ!』第10話

 

出演:大橋彩香 内山夕実 Lynn 大久保瑠美 東山奈央 玄田哲章 悠木碧

演出:守田芸成

絵コンテ:大隈孝晴

脚本:鴻野貴光

監督・絵コンテ:太田雅彦

シリーズ構成:あおしまたかし

キャラクターデザイン・総作画監督:工藤昌史

原作:松本ひで吉『さばげぶっ!』(講談社刊)

アニメーション制作:studioぴえろ+

放送:2014年

[原作の記事→1-4巻/19話/5巻

 

 

第10話はふたたびダイエット回。

激太りして失踪中のアイドル「ヤミー」が、ブートキャンプへ入門。

 

 

 

 

音をあげたヤミーをがばう、われらがヒロイン「園川モモカ」。

「もうやめなよっ! 普通の女の子に、こんなの無理にきまってんじゃん!」

 

 

 

 

「モモカしゃん……」

ウルウル。

しりあったばかりなのに、ここまで親身に接してくれるなんて。

 

 

 

 

100点満点のまぶしい笑顔。

「外面モード」発動中。

モモカがやさしくほほえむとき、かならず魂胆がある。

 

 

 

 

自分よりかわいい娘が太ったのは、サバゲ部のエースにとって愉快痛快。

もっともっと醜くならせて、優越感にひたりたい。

假面のしたの本音がリアルすぎ。

 

 

 

 

後半は『プレデター』のパロディ。

ジャングルでみえない敵におそわれた。

 

 

 

 

「うらら」をサッと盾にして身をまもる。

用がすめばボロ雑巾みたくすてる。

 

 

 

 

本作は太田雅彦監督以下、スタッフのおおくが『ゆるゆり』シリーズと共通。

うららを演ずる大久保瑠美は、「吉川ちなつ」とかさなる役だがたのしげな芝居だ。

 

 

 

 

つかれた「かよ」に水をあたえ、それを飲んでるすきに橋を蹴落とし、

プレデターを足留めするための捨てゴマに。

 

モモカの自己中心性は、『ゆるゆり』の「歳納京子」に匹敵するが、

ユルくないし、百合じゃないし、比類なき個性といってよい。

 

 

 

 

きえたアイドルの話にもどろう。

激太りの原因は、失恋のショックによる摂食障害だった。

思春期女子ならめづらしくないし、共感できる。

 

 

 

 

それをきいたモモカさまの反応。

心の底からわからない。

 

 

 

 

「バッカじゃないの? そんなクソ男なんて、悩んでやる価値もないでしょ……次だ次!

人のために自分のたのしみをなくしちゃうなんて損だよ、バカだよ。

そもそも他人なんて、自分のために存在してるのよ!?」

 

 

大橋彩香のさばさばした演技もすばらしい

 

 

One for me, all for me.

ひとりもみんなも、わたしのために。

 

そこはJK、恋バナに刺激されたのか、いつになく雄辯に人生観をかたる。

窮極的にアナーキーな哲学を。

 

 

 

 

部員すらドン引き。

こいつがゲスなのはしってるが、ついに公言しやがった!

 

 

 

 

「あはっ、あはははっ、ゴメン、おもしろくて……。

わたし、なんでこんなに自分をおいつめてたんだろ?」

 

彼氏にフラれて摂食障害とか、ちっぽけすぎてわらえる。

世の中には、これほどスケールおおきいひとがいるのに。

 

 

 

 

たしかにモモカの根性はくさっている。

けどふりかえると、だれかを食い物にするとき、手法をえらんでたのに気づく。

ドMのうららを、ひたすらドSにせめたり。

 

 

 

 

IQ160のかよなら、知恵くらべで罠にはめる。

 

 

 

 

「鳳部長」には、ヒロイックな作り話をきかせる。

つねに相手の得意分野で、他人の手をかりず一対一で勝負。

卑怯だが、陰湿じゃない。

スポーツ的爽快感がある。

 

 

 

 

だから結局、愛される。

おもに百合的に。

 

みんなは、わたしのために。

わたしがしあわせなら、多分みんなしあわせ。

逆説的な博愛主義者、それが園川モモカ。

 

 

 

 

茨の道をゆく、最強百合ヒロインの幸福をねがってやまない。




さばげぶっ! 5 (特装限定版) [Blu-ray]さばげぶっ! 5 (特装限定版) [Blu-ray]
(2015/01/28)
大橋彩香、内山夕実 他

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テーマ : さばげぶっ!
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合 

アンダーセン/サリー『サッカー データ革命』

『マネーボール』(アメリカ映画/2011年)

 

 

サッカー データ革命 ロングボールは時代遅れか

The Numbers Game: Why Everything You Know About Football is Wrong

 

著者:クリス・アンダーセン デイビッド・サリー

訳者:児島修

発行:辰巳出版 2014年

原書発行:2013年

 

 

 

統計的手法でサッカーのデータを分析、戦術やクラブ経営に革命をおこす。

『マネーボール』のサッカー版をめざす書物。

 

 

各種スポーツ別の、試合前の本命の勝率

 

 

サッカーは不確実な競技で、勝敗はコイントスの様なもの。

比喩表現でなく、運がしめる確率がほぼ5割。

「シュート数がおおくても勝率はあがらない」など、

データの海からうかぶ法則は、地味だが観戦の参考になる。

 

 

イングランド1部リーグの、1試合あたりのゴール数(1950-2010年)

 

 

おおくの通説が憶測にすぎないとあきらかに。

「現代のビッグクラブは圧倒的な力をもつ」といわれるが、

戦力は拮抗し、1試合あたりのゴール数がへっている。

 

攻撃的なサッカーをもたらすための「勝ち点3ルール」の導入も、

ゴール数でなくイエローカードの増加をまねいた。

 

それでサッカーが退屈になったかとゆうと逆で、

得点のすくない緊迫した試合に、観客は満足する傾向がある。

 

 

欧州4大リーグの1試合あたりの平均ゴール数(00/01-10/11シーズン)

 

 

「イタリアは守備的で、スペインは優雅、イングランドはフィジカル重視……」

これまた根拠なし。

国ごとにサッカーの質的差異はない。

 

 

得点と失点の勝ち点換算値(プレミアリーグ01/02-10/11シーズン)

 

 

数学によりあばかれる現実は、スペクタクルじゃない。

勝ち点をふやすには、得点をふやすより、失点をへらす方が効果的。

「0点におさえる」のは、「1点とる」より価値がある。

 

なお、勝ち点換算でもっとも貴重なゴールは「2点め」。

 

 

アストン・ヴィラ対ウルブス(2011年3月19日)の11-20分のボールのうごき

 

 

「ポゼッション」も誤解されてる概念。

パス回しの戦術を志向するか否かにかかわらず、ポゼッション機会の差はほとんどない。

1試合に平均190回、ボールをうばわれる。

アーセナルでもバルセロナでもおなじ。

 

 

欧州のクラブチームにおける最高/最低ポイントの選手の平均勝ち点との関係(10/11シーズン)

 

 

ジダンがいたころのレアル・マドリードの「銀河系軍団」が、

期待されたほどの輝きをみせられなかったのも、統計学で説明可能。

サッカーはバスケットなどとくらべ、スーパースターの活躍に結果が左右されない。

 

そもそも全世界から選別されたプロ選手の力量の差は、なきにひとしい。

チームにすぐれたパフォーマンスをさせるには、

もっとも質の高い選手より、もっとも質の低い選手を向上させるべき。

スター軍団より、スキのない精鋭部隊の方がつよい。

 

 

交代のタイミング

 

 

弱点補強は、選手交代の形で試合中にもおこなえる。

統計用のソフトウェアで、投入に最適なタイミングがわりだされた。

ずばり「58分・73分・79分」。

 

実際は交代がおそくなりがち。

監督は自分がえらんだスタメンにこだわるし、選手も元気なフリをするから。

だがいくらペース配分しても、いざとゆうとき動きはにぶる。

 

 

フィリップ・シーモア・ホフマン

 

 

サッカーファンならだれでも、贔屓のクラブの監督をクビにすべきか、なやんだことがある(決定権がないのに)

監督解任の有効性を検證した分析結果があればと、ずっとおもっていた。

 

 

監督の解任の有無が前後の試合のパフォーマンスにおよぼす影響(エールディビジ1986-2004年)

 

 

あるんだな、これが。

結論。

解任してもしなくても、おなじ。

カネがかかる分だけムダ。

 

 

 

 

まだ野球以外で「マネーボール革命」はおきてない。

定量化しやすい野球に特有の文化なのかもしれない。

あらゆる意味でサッカーは不確実性のかたまりで、そこがまたおもしろい。




サッカー データ革命 ロングボールは時代遅れかサッカー データ革命 ロングボールは時代遅れか
(2014/06/30)
クリス・アンダーセン、デイビッド・サリー

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ジャンル : スポーツ

竹林月『ひかるtoヒカリ』完結 男の娘の決断

 

 

ひかるtoヒカリ

 

作者:竹林月

掲載誌:一迅社 2013-14年

レーベル:わぁい!コミックス

[1巻の記事はこちら

 

 

 

「男の娘」専門コミック誌『わぁい!』の休刊は、衝撃をもってうけとめられた。

世界を女装少年でうめつくすとゆう、ボクらの夢はついえるのかと。

 

 

 

 

「わぁい!コミックス」でも傑出した作品の『ひかるtoヒカリ』は、

最終話36ページを描き下ろし、なんとか完結へこぎつけた。

 

小学生の「ひかる」と、女装としらず彼に惚れた同級生「ユート」のあいだに、

正体をみぬいたのに「天使をみつけた」とわってはいる委員長の「スミレ」。

物語はさらに開花しようとしていた。

 

 

 

 

「ここには女子しかいない」とそそのかされ、ユートにキスされたと白状する「ヒカリ」。

なんて倒錯したガールズトークか!

 

 

 

 

ユートは、そのままの「ヒカリ」がすき。

スミレは、「ヒカリ」に変身している「ひかる」がすき。

この三角関係は、案外フクザツ。

 

女装を手ほどきした「アヤお姉ちゃん」は、だれをすきかが大事とゆうけど。

 

 

 

 

水着回では、ビーチの視線をひとりじめ。

胸はないけど、小学生だから問題ないもん!

かわいいフリルで、もっこりを鉄壁ガード。

 

 

 

 

お約束のサーヴィスシーン。

下はともかく上も反射的にかくすなど、内面まですっかりオンナノコ。

 

 

 

 

たのしい夏を満喫するひかるに、アヤがあらたまってたづねる。

なぜきょうは「ヒカリ」の格好をしているのか。

だれも強制してないのに。

 

 

 

 

ひとつは、女装にどっぷりハマったから。

あと「ヒカリ」でいた方が、みんなよろこんでくれるから。

 

ただたしかにボクは、ユートに嘘をつきつづけている。

いまのままじゃ、ちかいうちに友達をうしなう。

 

 

 

 

女の子なら、假面をとっかえひっかえしながら日々をすごし、

都合よく「これが運命の人」とかいって、だれかになびくのかもしれない。

でもボクは男の子だ。

責任をとらなきゃいけない。

決断しなきゃいけない。

 

「これが……ボク?」ではじまり、「男の子でしょ!」でおわるのが男の娘モノ。

 

 

 

 

スカートをたなびかせ、青空のしたで変装もせず、すべて正直にうちあける。

きっとわかってくれる。

ボクたちは親友だから。

 

 

 

 

可憐に化ければ化けるほど、きわだつ気高さと純粋さ。

理想郷をめざす男の娘の冒険はおわらない。




ひかるtoヒカリ(2) (IDコミックス わぁい!コミックス)ひかるtoヒカリ(2) (IDコミックス わぁい!コミックス)
(2014/09/03)
竹林月

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ジャンル : アニメ・コミック

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環望『ウチのムスメに手を出すな!』

 

 

ウチのムスメに手を出すな! -母娘ヒロイン奮闘す-

 

作者:環望

掲載誌:『ヤングコミック』(少年画報社)2014年-

単行本:YKコミックス

 

 

 

最近、娘である「クララ」の帰りがおそくて心配してたら、

正義のヒーローとなり悪の組織とたたかっていた。

てんやわんやの母子家庭。

 

 

 

 

17歳の娘は、伝説の勇者「エイスワンダー」をなのる。

どうゆうわけか20年ぶりに復活。

 

 

 

 

因縁の宿敵「ブロウジョブ」(すてきな組織名だ)はてごわい。

おもにエイスワンダーの精神面に打撃をあたえ(セクハラともゆう)、屈服させる。

 

 

 

 

母の「アテナ」は居ても立ってもいられない。

ひとり娘の一大事とあっては、(ちょっと肉のあまった)カラダをはるしかない!

 

 

 

 

なにをかくそう、20年まえの初代ワンダーの正体はアテナ。

昔とった杵柄で、ふたたび最前線にたつ。

 

 

 

 

おぼこ娘だった当時とちがい、セクハラ攻撃もこわくない。

男日照りのシングルマザーだから、むしろうれしい。

 

 

 

 

年来のアメコミファンだとゆう作者は、さらに熟女好みなどの趣味をぶちこみ、

においたつほどの圧倒的な「濃さ」が充満。

 

 

 

 

出生の秘密などもからみ、アテナは自分が先代と娘におしえてない。

複雑な親子関係がドラマティック。

 

 

 

 

「ママがワンダー!! ないない! ただのおばさんだよ?」

 

おバカで能天気なのが、クララの魅力。

一度もあったことない父についてはなすときは、どこかさびしげ。

環望は1966年うまれのオジサンだが、ガールズトークを描くのがうまい。

 

 

 

 

秘密をもらそうとした怪人を、ブロウジョブは狙撃で口封じ。

コメディよりの作品とはいえ、味方にさえ容赦ない「悪」のこわさがある。

 

 

 

 

いわゆるヴィランは、ほとんどがアメコミ調のトゥーマッチなデザインだが、

みそっかすのロリ戦闘員「ゼッカとキッカ」などの異分子もいる。

 

 

 

 

そこはアメコミでもジャパコミでもない、未知の領域。

突然変異的な傑作が、世界に混沌をもたらす。




ウチのムスメに手を出すな!  ―母娘ヒロイン奮闘す― (ヤングキングコミックス)ウチのムスメに手を出すな! ―母娘ヒロイン奮闘す― (ヤングキングコミックス)
(2014/06/10)
環望

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平山優『検証 長篠合戦』

長閑斎宛武田勝頼書状。『甲陽軍鑑』の信憑性を回復すべき根拠

 

 

検証 長篠合戦

 

著者:平山優

発行:吉川弘文館 2014年

レーベル:歴史文化ライブラリー

 

 

 

ことし1月にでた『長篠合戦と武田勝頼』につづき、

平山優はこの歴史的事件をさらにしらべあげた。

たとえば冒頭の30ページをまるごと資料の吟味にあてる。

1575年の戦いの記録の決定版をつくろうとする真剣味がつたわり、

ボクみたいなシロウトでも退屈せずよめた。

 

主題はずばり、戦国時代の「鉄炮」。

ピーター・A・ロージ『アジアの軍事革命』にくわしいが、

それは支那・日本・ヨーロッパで併行してひらけた現象であり、

かぎられた資料で歴史の綾をときほぐし、実相をとらえるのは困難。

だが逆に長篠合戦を手がかりに、時代そのものを理解できるかも。

 

 

長篠古戦場で発見された鉄炮玉

 

 

織田信長は、ソヴィエト崩壊の最大の被害者のひとり。

左寄りだった「戦後歴史学」が修正を余儀なくされるなか、

日本史最大のヒーローの虚飾もはがされてゆく。

鉄炮三段撃ち、馬防柵、武田騎馬隊と比較しての先進性などが否定された。

それに対し著者は、通説・新説双方に批判をくわえる。

 

たしかに信長は、「革新的」な軍事指導者でなかった。

彼の鉄炮に統一規格はなく、大量注文生産したなどはうたがわしい。

おおがかりな鉄砲の投入自体、石山本願寺との戦争で敵からまなんだもの。

 

 

長篠合戦図屏風(成瀬家本)にえがかれた武田軍鉄炮隊

 

 

すでに1755年の第二次川中島の戦いで、武田氏は300挺の鉄炮をそなえた。

北条氏におよばぬも、上杉氏より導入がすすんでいた。

大名直属の「旗本鉄炮衆」も編制しており、織田軍と質的差異はない。

 

 

武田軍の鉄炮に撃ちたおされた織田軍鉄炮放

 

 

鉄炮の調達には苦労した。

甲斐・信濃に鉛山がないため、特に弾丸がたりない。

徳川氏との抗争も、鉱山の支配をめぐる側面があると著者はゆう。

 

両軍の格差は物量にあり、原因は生産・流通経路へのアクセシビリティによる。

長篠合戦の争点は「新旧」でなく、「東西」だった。

 

 

長篠合戦陣場位置図

 

 

織田軍が「兵農分離」をすすめ、職業軍人主体の軍隊をつくった證拠はない。

戦場に柵を構築する作戦も、東国でめづらしくなかった。

兵力差はあれど、似たりよったりの両陣営だった。

武田軍の無謀な突撃がいたづらに死傷者をふやしたのは事実だが、

論功行賞の基準をさだめたのは信玄であり、

勝頼ひとりを「保守的なバカ息子」と責めるべきだろうか。

 

信長は兵を窪地にかくし、寡兵にみせかけたと『信長記』にある。

情報戦での失態が敗北をまねいた。

「なんちゃら史観」に還元できない退屈な結論だが、軍事とはそんなものだろう。

 

長篠合戦後をふくめ、武田軍が総崩れになったのはこの一度のみ。

しればしるほど、歴史は苛酷とおもわざるをえない。




検証 長篠合戦 (歴史文化ライブラリー)検証 長篠合戦 (歴史文化ライブラリー)
(2014/07/22)
平山優

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テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

須藤佑実『流寓の姉弟』

 

 

流寓の姉弟

 

作者:須藤佑実

発行:小学館 2014年

レーベル:ビッグコミックス

 

 

 

過疎の村をとびだした、霊感もつ7歳の少女をめぐる物語。

作者は新人だが高橋しんのアシスタントだった)、才気あふれる1巻完結の佳品だ。

 

 

 

 

主人公は20歳の女子大生、「大谷湊(みなと)」。

15年ぶりに母との再会をはたした。

遺体として。

自由奔放だった母はキレイなまま死んだ。

 

 

 

 

かえりの電車で「夏希」と「冬希」、さわがしい姉弟とであう。

迷子なのか、家出なのか。

ネックストラップにつけている鍵を、いつのまにとられた。

不思議な娘だ。

 

 

 

 

座敷わらしみたくアパートへ侵入、強引に居候となる。

迷惑ではあるが、ドタバタ生活はたのしくなくもない。

すくなくとも心の空白はうめられた。

 

 

 

 

すぐ交番へとどけでるが、ちょうど警官がいなかったり役にたたない。

国家権力の手のとどかない異次元に、姉弟はいる。

 

 

 

 

親戚をなのる数人がひきとりにきたが、話の辻褄があわない。

夏希らは父母をさがしてるとゆうのに、なぜ当人がこないのか。

子供のウソかとおもったが、事情はもっと複雑らしい。

 

 

 

 

こちらはとなりの部屋にすむ「純子ちゃん」。

姉弟となかよくなり、学校サボって海へつれだつ。

 

 

 

 

純子が海にきたのは、ライフセーバーだった父の面影をもとめて。

錐体内出血が原因でおぼれた。

 

ほとんどの登場人物が家族をうしなった経験をもつが、

それぞれのエピソードにひねりがきき、あざとく感じない。

 

 

 

 

夏希はつよく念じると、過去へもどることができる。

 

 

 

 

それは超自然的能力か、姉弟だけで共有する幻想か、はっきりしない。

どちらかといえば後者とにおわされ、せつない。

 

 

 

 

ふたりはかしこい子供で、ひと月まえに家族でピクニックにいったとき、

両親が土砂災害にまきこまれて死んだのは理解している。

ひとさわがせな家出は、ピクニックのつづきをしてるだけ。

だれもせめられない。

 

 

 

 

夏希が霊感をそなえるのは、村の信仰とかかわりがあった。

開発計画にからみ、ファンタジックな衝撃が鎌首をもたげる。

 

 

 

 

女の子のかわいらしさは当世風だが、

漆原友紀などとくらべ遜色ないノスタルジアもすてがたい。

なにより、大切なものを大切におもう気持ちが、作中にみちる。

須藤佑実……みのがせば後悔するだろう才能だ。




流寓の姉弟 (ビッグコミックス)流寓の姉弟 (ビッグコミックス)
(2014/08/29)
須藤佑実

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『ハナヤマタ』9話 百合のひかり

 

 

シスター・コンプレックス

 

テレビアニメ『ハナヤマタ』第9話

 

出演:上田麗奈 田中美海 奥野香耶 大坪由佳 沼倉愛美 豊口めぐみ

演出:関田修

絵コンテ:浅香守生

監督:いしづかあつこ

シリーズ構成・脚本:吉田玲子

キャラクターデザイン・総作画監督:渡辺敦子

色彩設計:大野春恵

原作:浜弓場双『ハナヤマタ』(芳文社刊)

アニメーション制作:マッドハウス

放送:2014年

[過去の記事→3話/7話

 

 

9話のタイトルは「シスター・コンプレックス」。

英語教師と生徒会長、「常盤姉妹」の葛藤をえがく。

 

 

 

 

顧問の「サリーちゃん先生」にといただす。

よさこい部が廃部になるのは本当かと。

 

 

 

 

まだ正式な部としてみとめられてないなんて、寝耳に水。

スクールアイドル部や戦車部まであるのに。

 

 

 

 

埒があかない。

サリーちゃんはたのしい先生だけど、婚活に夢中だし、たよりにならない。

わたしたちでどうにかしよう!

 

東の空がまだあからむ、トワイライトの色調がうつくしい。

 

 

 

 

先生の妹「真智」は、「多美」が心配でならない。

エゴイストである姉が、自分の親友まで傷つけるなんてことは、あってはいけない。

「サリーちゃん」とか呼ばれて、したしまれてるみたいだけど、

本当は平気でひとを裏切るロクデナシだとわからせたい。

 

 

 

 

「どうしてそんなに目の敵にするの? わたしたちには、とってもいい先生だよ」

「……そんなの多美には関係ないでしょッ!!」

 

口からあふれた憎悪のはげしさに、当人すらおどろく。

 

日がしづんでも、街路をてらす光はある。

でも顔をあげなければ、あたりは闇のまま。

 

 

 

 

相模湾のかがやきを筆頭に、本作の背景はリリカルで印象的。

登場人物の心の輪郭をきわだたす。

 

 

 

 

姉は世界一のヒーローだった。

なんでもできるスーパーガールで、ああなりたいとあこがれた。

 

 

 

 

両親のねがいをかなえようと、医者をめざす姿勢がなにより尊敬できた。

家族全員のほこりだった。

 

 

 

 

ちかくでみてたから、才能だけじゃない努力家としっている。

がんばる様子が、また魅力的だった。

好きで好きでたまらなかった。

 

 

 

 

姉妹で一緒に医者になる、それが夢だった。

お姉ちゃんのあとについてゆけば、絶対かなうとおもっていた。

 

 

 

 

だから姉が両親とケンカして家をでたとき、真智の世界はいきなり崩壊。

「『本当の自分』を否定する家族なんていらいない」と、捨て台詞をいわれた。

あなたが家族を拒絶するなら、わたしはあなたを拒絶しなければならない。

でないと、わたしは生きてゆけない。

 

 

 

 

姉のことは「そのひと」「あなた」とよぶ。

家族や先生とみなすなんて論外。

 

 

 

 

意地っぱりな「ヤヤ」の鼻っ柱をあえてへし折る展開で、

7話はすこしコミカルに、少女たちの和解がかたられた。

だが真智の葛藤はより内面ふかくへくいこみ、かつロジカルで、容易にいやせない。

 

 

 

 

多美に屋上へつれられ、よさこいにとりくむ姉を見物させられる。

やさしく熱心な「いい先生」のフリをしてた。

 

 

 

 

一挙手一投足が癪にさわる。

家族をすてた人間が、よその子にやさしくする?

わらえない冗談だった。

かといって不真面目にしてたらしてたで、ゆるせない。

姉が呼吸していることさえ、妹にとって不快の種。

 

 

 

 

頭のいい真智と議論してもしかたない。

多美は親友のとなりにすわり、辛抱づよく糸口をさぐる。

ちょっと見方をかえるだけで、誤解だったとわかってもらえるはず。

太陽の光が、入射角によって色をかえる様に。

 

 

 

 

医師から教師へ進路をかえたきっかけは、自分とすごした時間にあった。

妹にとって裏切りでも、姉にとっては愛情表現だった。

 

 

 

 

わかりはじめると、すべて一瞬でわかる。

めぐまれた家庭に、すぐれた能力をもってうまれた娘同士だから。

自分たちは瓜ふたつだった。

そっくりすぎるから、一度すれちがうとヒビがおおきくはいった。

 

 

 

 

ほとんどあかりのない校舎。

 

 

 

 

姉が校長室からでてきた。

 

 

 

 

「採用試験どうだった……おねえ……ちゃん」

 

 

 

 

言葉がなくても、くらがりのなかでも、通じあえる。

ふたりは姉妹で、一心同体だから。

 

 

 

 

おもいは天の川をこえて。

演出に関田修、絵コンテに浅香守生とヴェテランを配し、

7話と対をなすかたちで、しっとりえがいた光の藝術。

その叙情性は、わすれられそうにない。




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(2015/01/23)
上田麗奈、田中美海 他

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グレッグ・グラフィン/スティーヴ・オルソン『アナーキー進化論』

バッド・リリジョンの3枚めのアルバム『サファー』ジャケット(1988年)

 

 

アナーキー進化論

Anarchy Evolution

 

著者:グレッグ・グラフィン スティーヴ・オルソン

訳者:松浦俊輔

発行:柏書房 2014年

原書発行:2010年

 

 

 

70年代がおわるころ、カリフォルニアの夢もやぶれていた。

離婚がはやり、親たちは生計の手段をもとめさまよう。

放置された子供たちは、だだっぴろい郊外で鬱屈の炎をもやす。

ロンドンの労働者階級やニューヨークのアート趣味ともちがう、叛乱がはじまる。

 

 

 

 

パンクロックバンド「バッド・リリジョン」のリーダー格であるグレッグ・グラフィンは、

動物学で博士号をあたえられ、UCLA講師をつとめる変わり種。

本書は藝術と科学、二足のわらじを履いた半生をふりかえる自伝だ。

 

通説を疑問視する精神は、パンクと科学に共通する。

きょうチャールズ・ダーウィンが生きてたら、パンカーになったはず。

 

 

エルンスト・ヘッケル『生物の驚異的な形』

 

 

「自然主義」を標榜するグラフィンは、超自然的なもの、つまり宗教をみとめない。

かといってネガティヴな「無神論」でもない。

共通の根本原理のもとに人々をまとめる、筋のとおった世界観が自然主義。

 

生命はつねに変化する。

自然界や進化の過程はアナーキーで、ひとを不安にさせる。

無目的な世界での人生に意味はあるかと。

 

そこで神の意図や、死後の世界にすがる必要はない。

生物が死んでも「情報」はのこる。

DNAでもよいし、藝術作品でもよい。

世界をよりよくするため、われわれはただ一回の生に集中すべき。

 

 

『ドラゴン・タトゥーの女』(アメリカ映画/2011年)

 

 

著者は遺伝子やDNAを重視しすぎる、生物学界の主流にくみしない。

個体の形質は、環境との相互作用の結果であり、「自然選択」は幻想だと主張。

自然選択では、実地に観察できるカオス状態をすっきり説明できないと。

 

たとえば人間の皮膚の色も、「性選択」説の方がわかりやすい。

肌が黒かったり白かったりするのは、適応度が原因でなく、その方がモテたから。

進化を多面的にとらえれば、だれにでも価値や尊厳をみとめられる。

 

 

後藤和久『決着! 恐竜絶滅論争』(岩波科学ライブラリー)

 

 

音楽と学問は、どちらかひとつで成功するのも難業だが、

グラフィンは超人的な精力で二足のわらじを履きこなした。

しかし離婚とゆう形で、ツケをはらうはめに。

「適応」の無意味さを、人生でもまなんだ。

生活上の問題にぶつかったとき大事なのは、他者を尊重すること。

 

 

ボビー・シェイヤー

 

 

進化は生物学のカナメなのに、高校では一週しかあつかわない。

グラフィンはペーパーバックの『種の起源』で独学した。

 

アナーキーな哲学を会得し、世界を手にいれろ。




アナーキー進化論アナーキー進化論
(2014/07)
グレッグ・グラフィン スティーヴ・オルソン

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苑田 健

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