鈴木マナツ『世界征服~謀略のズヴィズダー~』描き下ろし版第1話

 

 

世界征服 ~謀略のズヴィズダー~

 

作者:鈴木マナツ

原作:hunting cap brothers

協力:ばう

掲載誌:『Comic REX』(一迅社)2014年3月号

[以前の記事→『阿部くんの七日間戦線』1巻2巻/アニメ2話3話

 

 

 

アニメ『世界征服~謀略のズヴィズダー~』本篇をコミカライズした単行本が3月27日にでるが、

『Comic REX』3月号で1話だけ先行掲載されている。

 

 

 

 

ボクは鈴木マナツとズヴィズダー双方のファンだけど、

アニメの脚本を忠実になぞる話を窮屈に感じた。

「アニメのコミカライズ」はこんなものかなあ。

ズヴィズダーも大概だが、マナツ先生の前作『阿部くん』もブッ飛んでたから、

1話からぐいぐい攻めてほしかったかも。

 

 

 

 

キャラクター原案の黒星紅白のインタヴューがおもしろい。

ウド川のくらい水底から世界征服をたくらむ組織ゆえ、

クリオネ・シャチ・タコ・カメ・カニなどの海洋生物をモチーフにした。

 

 

 

 

悪の秘密結社の女幹部はセクシー枠がデフォだから、

幼女のヴィニエイラ様をエロくみせるため、おなかと足にがんばってもらう。

硬質のガントレットを脇にそえ引き立たせたり、

ビキニだと縦のラインがきれるのでロングドレスにしたり。

 

キャラデザの陰の工夫がわかると味わいもます。

 

 

 

 

マナツ版ヴィニエイラ様のおなかも全力で堪能したい。

まだつかめてない印象だけど。

 

 

『阿部くんの七日間戦線』(REXコミックス)1巻

 

 

マナツ先生は描線がキレイなひと。

女の子のすべすべやわらかな肌がすばらしい。

X脚ぎみの足も。

『阿部くん』単行本あとがきで「水着回をかけなくて残念」とゆうくらいだから、

幼児体型にあんまし興味ないのかもしれない。

 

 

アニメ2話

 

 

その分、逸花さんやナターシャのセクシーさに期待しようかな。

 

 

 

 

女体の艶をあまねく世界に!

そしてエロスの海でおぼれたい。




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佐々木ミノル『中卒労働者から始める高校生活』第2巻

 

 

中卒労働者から始める高校生活

 

作者:佐々木ミノル

掲載誌:『コミックヘヴン』(日本文芸社)2012年-

単行本:ニチブンコミックス

[第1巻の記事はこちら

 

 

 

なすがまま、家庭教師に体をまさぐられるヒロイン「莉央」。

もう何年も何年も。

 

 

 

 

通信制高校のちょっとにがい青春をえがく力作の第2巻。

左の莉央は、フツウじゃない学校に不似合いなお嬢さま。

そのいきさつがあかされる。

 

 

 

 

虐待は小学6年のときはじまった。

いとこの「タクヤ」は、「冗談だ」とかまるめこみながら心身を蹂躙。

SOSを発するも、親戚を気づかう母へとどかない。

少女の内側にふかい傷がのこる。

 

 

 

 

親の顔がみたくなるクズだが、母親もでてくる。

「社会勉強」とか「教育方針」とか、ブルジョア的偽善を皮肉にえがく。

 

 

 

 

親のいいなりで、デパートでバイトすることになったタクヤだが、

客に説教するなどコミュ障ぶりを発揮。

 

皿をクール便と一緒に配送すれば1個口分の送料ですむなんて、

妙に具体的なエピソードがおもしろい。

 

 

 

 

劣等感のかたまりで粗暴な主人公「マコト」は、

年上で子もちの女性「若葉さん」としたしくなる。

 

 

 

 

おもわず同級生にキスしたと職場の同僚にうちあけたら、

「子供を半日あづかるから」と熱烈に支援される若葉さん。

「押すとき押さないと後悔するよ!?」

 

通信制の日常は、多様な人生が交錯するモザイク。

作者にとって傷であり宝物でもある記憶が、作品をゆたかにする。

 

 

 

 

窓をやぶりヒロインの危機に馳せ参じた主人公。

ただリアルなだけでなく、ヒロイックな物語でもある。

 

 

 

 

ホンネをぶつけあう、わかいふたり。

底辺でも上流でも、人間は大抵よわく傷だらけで、おびえつつ生きている。

それをおおらかに肯定するカタルシスが、本作最大の美点。

 

 

こうゆう兄妹の絵によわい

 

 

天真爛漫な妹かつ同級生「真彩」の出番すくないのが不満だが、

かわりに表紙で大々的にフィーチャーされ、結局文句なしの第2巻だ。




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(2014/01/29)
佐々木ミノル

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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

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糸杉柾宏『ALL I NEED』

 

 

ALL I NEED

 

作者:糸杉柾宏

掲載誌:『ヤングアニマル嵐』(白泉社)2013年-

単行本:ジェッツコミックス

 

 

 

ある女子高ヘ入学した「ヒナ」は、寮でのはじめての夜をむかえる。

同室の「セイラ先輩」が儀式をつかさどる。

新入生にうつくしい瞬間をおしえ、鳥籠から飛びたたすため。

 

 

 

 

障碍がひとつ。

身よりのないヒナは幼稚舎以来、学園外へでたことない正真正銘の箱いり娘。

性的にまったく未開拓の「イケない少女」だ。

 

 

 

 

学食でオナニーの話題をためらう同級生を不思議がる。

 

なぜ公共の場で自慰についてかたってはいけないのか、

あらためてかんがえると哲学的難問におもえたり。

わりと高尚な漫画だ。

 

 

 

 

「オナニーの快感を知らない者は、人生の半分を損している!!」

力説する黒髪ツインテの「ルリちゃん」。

 

糸杉柾宏は男性作家。

異論あるが、2ちゃんねる糸杉スレの定説にしたがう。

百合漫画鑑賞における大前提ゆえ避けてとおれない。

作者の性別は、百合とゆう現象を推定するにあたり決定的影響をおよぼす。

量子力学の観測問題にちかい。

シュレーディンガーの百合。

 

 

 

 

アバラがういた鶏ガラ体型のヒナ。

女らしいふくよかさにとぼしい。

ボクはすきだけど。

 

理の当然とゆうべきだが、男に百合はかけない。

繊細な心の襞、サイキック的な共感能力、命がけのファッションへのこだわり。

男にはわからないし、わかったふりしてもリアルじゃない。

 

 

 

 

「世の中にはクリ派とナカ派の二種類がいると聞くが、わたしは断然ナカ派だ。

特にこの……恥骨の下あたりが猛烈に気持ちいい。

指は上にむけたまま……もうちょっと奥……あっ!

そのまま……指を震わせて……ふあっ!! あっ!!」

 

ブルマーずりおろしたルリちゃんが、跳び箱のうえでヒナに、

保健体育の指導要領にもとづきオナニーを教授する。

フィジカルな百合。

 

 

 

 

ヒナがセイラ先輩にあてがわれたのは理事長の差金だった。

陰謀としての百合。

「権力」をえがくのは男性作家の得手とするところ。

 

『ALL I NEED』は狭義の百合にあてはまらないが、

百合の宇宙そのものは本作を優にのみこむ。

たもりただぢ『百合×薔薇』につづき「オルタナティヴ百合」が蠢動する。




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(2013/12/27)
糸杉柾宏

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『新世紀エヴァンゲリオン』8話「アスカ、来日」

 

 

アスカ、来日

 

テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』第8話

 

出演:緒方恵美 宮村優子 三石琴乃 山寺宏一 岩永哲哉 関智一

演出・絵コンテ:鶴巻和哉

脚本:榎戸洋司 庵野秀明

監督:庵野秀明

キャラクターデザイン:貞本義行

アニメーション制作:タツノコプロ GAINAX

放送:1995年

 

テレビ版のエヴァをみている。

やはりアスカ登場回に感銘うけた。

 

 

 

 

「赤いんだ、弐号機って。しらなかったな」

「ちがうのはカラーリングだけじゃないわ。

しょせん零号機と初号機は、開発過程のプロトタイプとテストタイプ。

これこそ実戦用につくられた、世界初の本物のエヴァンゲリオンなのよ!」

 

やたら高圧的なセカンドチルドレン。

必殺の決めゼリフ「あんたバカァ!?」もすでに8話でかましており、

ひととなりをAパートだけで説明しきっている。

 

 

 

 

絵としての斬新さ、はげしいアクション、鬼面人をおどろかす設定、キャラの魅力、

個々の葛藤をえぐるきびしさ、それらすべてまとめる威勢よい語り口。

いまみてもこのアニメは突出している。

モノリスみたく屹立している。

 

ゆえに語られつくされてもいる。

たとえば「セカンドチルドレン」なる語は、「序数詞+複数名詞」で文法的におかしいが、

それに気づいたひとは五千人くらいいそう。

 

 

 

 

第6使徒ガギエル襲来をうけ、無断で迎撃の準備をするアスカ。

 

 

 

 

プシューッ。

なんとうつくしいシルエット。

 

 

 

 

「……アスカ、いくわよ」

 

アスカがアスカを鼓舞する。

横顔は勝ち気さより、繊細さをにじませる。

のちの悲劇を暗示してもいる。

 

 

 

 

加持とはなす場面も詩的。

手すりから足をぷらぷら。

幼女みたくあどけなく、男まさりで大胆不敵。

 

まさに神話的存在で、しかも物語はいまだおわってない。




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『世界征服~謀略のズヴィズダー~』3話 西ウド川禁煙事変

 

 

煙に巻いて去りぬ

 

テレビアニメ『世界征服~謀略のズヴィズダー~』第3話

 

出演:久野美咲 花江夏樹 伊瀬茉莉也 花澤香菜 鳥海浩輔

演出:山下英美

監督・脚本:岡村天斎

シリーズ構成:星空めてお 岡村天斎

キャラクター原案:黒星紅白

キャラクターデザイン・総作画監督:佐々木啓悟

アニメーション制作:A-1 Pictures

放送:2014年

[第2話の記事はこちら

 

 

きょうはヤスと明日汰が料理当番。

「禁煙」の張り紙もかまわず、先輩はタバコをふかす。

 

 

 

 

毒ガス攻撃をうけ、クルクルたちは虫の息。

 

 

 

 

秘密基地中になりひびくサイレン。

厨房マシーンごと隔離して射出。

 

 

 

 

「……たかがタバコのために、この有り様?」

新入りの明日汰は、大袈裟すぎる対応に唖然。

 

 

 

 

「たかが、だと……キサマも『あちら側』の人間か?」

 

ズヴィズダー幹部はタバコを憎悪する。

3話でついに、首領ヴィニエイラ様の思想の一端があかされた。

 

 

 

 

それは徹底した嫌煙主義。

中華料理屋で、となりのオジサンがにこやかに声かけてくる。

「すみません、一服よろしいですかな?」

「……いいわけねぇだろうが、このクソ野郎」

 

 

 

 

「テメェはメシをくってる横でウンコの臭いがしたらどう思う?

いや、ウンコの臭いはまだ体に害はない。

オマエの気休めのため、周りの人間は毒ガスで寿命をちぢめられるんだ!」

 

 

 

 

「うせろ! オマエの命がまだあることを感謝してな!」

 

アニメでこれほど共感できるセリフをきいたことはない。

ロリ煽動家にひたすら心服。

 

 

 

 

暴走するヴィニエイラ様。

ヒトラーがビアホールで蹶起し、ミュンヘン一揆をおこしたのにちかい。

 

 

 

 

ロボ子の消火能力も役だつ。

このアニメ、タバコ会社がスポンサーにつく可能性ゼロ。

 

 

 

 

ポイ捨てするドライバーをたたっ斬る逸花さん。

 

だれがなんといおうと、嫌煙は究極の正義。

喫煙者の世迷いごとに耳をかす必要はかけらもない。

いい年して「タバコをやめられません」とか白痴か!?

 

 

 

 

オシャンティなカフェにいた喫煙女と対峙。

 

「うるさいなぁ、あたしの勝手でしょ」

「勝手だと……オマエらの勝手は、善良な市民にとって暴力でしかない。

百歩、いや一千万歩ゆずって吸うのは許してやる。

だがいっさい煙をだすな。全部吸収しろ!」

 

なんとゆう正論。

 

 

 

 

「あのう……よく言ってくれました。ちょっとですけどスーッとしました。

ほら、あの人たちになにを言っても逆ギレされるだけだから。

我々はあきらめかけていました。かれらに人の言葉は通じない……」

 

ヴィニエイラ様の雄辯が群衆の心をつかむ。

 

 

 

 

喫煙者排斥のため立ちあがった西ウド川市民。

ナチスの反タバコ運動をおもわせる。

 

 

 

 

暴徒化した一部の民衆は、突撃隊みたいな暴力組織を結成。

 

 

 

 

喫煙者狩りの陰惨さはとどまるところを知らない。

ユダヤ人を襲撃した「水晶の夜事件」もかくのごとくだったろう。

小谷野敦ゆうところの「禁煙ファシズム」だ。

 

 

 

 

それでもタバコをすてられぬ者どもは、地下へもぐりレジスタンス活動をはじめた。

日本の現実をうつすアニメだ。

在日朝鮮人に対し、すでに同様の行為がおこなわれている。

 

 

 

 

アマゾンに悪意あるアニメ評を大量投稿する「もふもふ」は、本作も罵倒。

 

相変わらず薄ら寒いですね

訳のわからない乳臭い小娘が征服だどうのと

こんなんに誰がついてくるんですかと

リーダーとして必要な資質とは?

(略)

田母神さんのような本物の一流リーダーを

アニメでは一度もお目にかかったことがない

 

興味ぶかい指摘だ。

奇しくも放送開始とほぼ同時に、とちくるった陰謀説でしられる、

極右の元航空幕僚長・田母神俊雄が都知事選に立候補。

日本の政治は、アニメさながらのドタバタ喜劇を演ずる。

 

 

 

 

騒動のあと、口寂しそうなヤスにロリポップをふるまう。

 

ヴィニエイラ様にリーダーとしての資質はあるのか。

3話終了時点で判断するのは早い。

 

 

 

 

タバコよりロリポップ。

右翼より幼女。

完全掌握の結末をボクは確信している。




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イギリス・アメリカ・日本の外交力

フェートン号

 

 

1808年、イギリス海軍フェートン号のペリュー艦長が長崎港を奇襲。

出島のオランダ商館員は拘束される。

ナポレオン帝国がオランダを併合したのをうけての軍事行動だ。

 

長崎奉行・松平康英は、英吉利(えげれす)人に薪水あたえ辞去させる。

青天の霹靂とゆうべきこの事件は平穏に解決したが、

松平康英は国威をはづかしめたとして、みづから切腹。

その責任感はあっぱれ。

 

こりないイギリスは、オランダ船に偽装し更紗を長崎にもちこみつづけた。

その貪慾さにあきれる。

 

 

廃墟と化したロンドン

 

 

百年すぎても大英帝国はほろびない。

第二次大戦はイギリスが牛耳る戦争だ。

 

マーシャル米陸軍参謀総長の懐刀だったウェデマイヤーの

『第二次大戦に勝者なし』(講談社学術文庫)によると、

数世紀にわたる成功で身についた英国人の交渉術は、策略にみちる。

さまざまに解釈できる、まぎらわしい言葉で煙にまく。

海空軍はともかく陸軍はよわいのに、

経験不足なアメリカ軍人の戦略構想では戦えないと軽侮。

 

たしかにアメリカとゆう国家はわかく、純真だった。

ナチスを撃破し民主主義をまもることしか念頭にない。

フットボールの試合をする気分だ。

国家利益について、明確な料簡がなかった。

 

 

独ソ国境でのドイツ軍機械化部隊

 

 

貿易キチガイの大英帝国は、航路の保護に固執。

アメリカとゆう一大資産を手にしても、兵力集中をためらい、

スカンジナビアとか地中海とか、なにかと周辺作戦をすすめたがる。

 

チャーチルの脳裏には、第一次大戦の塹壕戦の悪夢が焼きついており、

装甲車両や航空機による機動作戦を理解できなかった。

新兵器は補給におおきく依存することも。

グレートブリテン島を根拠地とし、ルアーブルなど諸港へ物資を輸送、

北ヨーロッパ平野で決戦いどむ米軍の作戦は、補給路確保が理由でもある。

 

イギリス人はすぐれた外交家かつ商人だが、戦略家でなかった。

1943年、48万の死者をだしつつソヴィエトがレニングラード戦に勝利。

連合国はヒトラーから主導権をうばうが、バスにのりおくれた英米は、

のちにソ連の西方進出をゆるしたことで冷戦の種をまく。

 

 

田家鎮で敵前上陸する日本軍陸戦隊

 

 

戦後は没落した大英帝国にかわり、アメリカが七つの海を支配。

貿易を拡大し、老獪な外交手腕で各国を翻弄する。

きのうまで世界はそうだった。

 

かたや日本は外交をまなぶことなく、むなしく老いた。

後悔してもおそい。

武士道精神で一からやりなおすしかない。

 

 

マルコ・アントニオ・ルビオ米上院議員(共和党)をもてなす安倍晋三

 

 

でも前途多難かな。

 

全身からにじみでる卑屈さ。

死体のごとく弛緩した顔つき。

この醜悪な写真に嘔吐をもよおさない人間を、ボクは日本人とみとめない。

一国の首相とは信じがたいので、コラ画像かなにかだろう。




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『未確認で進行形』の夜ノ森紅緒と『桜Trick』の園田美月

 

 

「紅緒が家にいるから、日曜なんて大嫌いです!!」

 

『未確認で進行形』の「三峰真白」は、ヒロインの婚約者の妹、つまり小姑だ。

将来の嫁を品定めするため押しかけてきた。

ヒロインの姉「夜ノ森紅緒」とのバトルがみもの。

 

 

 

 

「……ふふふん、ふふふん、ふっふふふふんっ♪」

ニチアサを全力で満喫するロリ小姑。

 

萌え四コマのありがちなアニメ化だが、声優同士の掛け合いは、

3話にきてますます白熱、クスクスわらいながら30分すぎてゆく。

特に「シグマセブンの爆弾」こと、真白たん役の吉田有里は、

これがアニメデビューらしいが、ラジオでのトークの切れ味にのけぞる。

 

 

 

 

さて、夜ノ森家と三峰家の小姑対決だ。

文武両道才色兼備の「紅緒」は、家では変態だが、学校では生徒会長。

真白たんをよびつけ茶菓子ふるまう。

 

 

 

 

さくさくさくさくさくさくさくさく……。

齧歯類にしかみえない。

ド田舎の出なので、洋菓子に目がない。

 

 

 

 

「あはははぁ~」

クッキーほおばる真白たんを脳内録画中。

この気持ちわるさ!

 

 

 

 

「職業:姉」をなのる紅緒は、美少女みてると作業はかどる。

仕事するだけなのにブキミ。

 

邪悪な暴君、その名は姉。

かわいげなく、尊大で傲慢な、人類社会の敵だ。




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今週も『桜Trick』をとりあげる(1話/2話)。

3話は誘い受けの「園田優」の姉が登場。

 

 

 

 

「園田美月」は生徒会長。

それにしても漫画やアニメの会長率たかすぎ。

あと理事長の娘とか。

美月はメガネを妹にこわされたので目つきわるい。

 

 

 

 

「よくもウチの妹をキズモノにしてくれたわね……」

 

優を百合の虜にしたのがバレたかとおびえる春香。

だが、いまのところ発覚してない。

 

 

 

 

自宅へあそびにきた春香が気になり、妹の部屋をのぞく。

コンコン。

野放しの百合少女たちに、ついに正義の鉄鎚がふりおろされるか?

 

 

 

 

ふたりはシュークリームとたがいの唇をあじわっていた。

とろけるほどあまい。

 

 

 

 

「ぬぅぐぐうううわわわわぁぁぁぁぁ!」

 

姉として、生徒会長として、毅然たる態度で処罰をくださなくては。

 

 

優のお尻がカワイイ

 

 

「はるかぁ、あっちにアメンボいたぁ~!」

 

そのままBパートのプール掃除回突入(ここでも勿論キスする)

お咎めはひとこともなし。

カントもびっくりの超越論的倫理学。




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戸松遥、井口裕香 他

 

 

 

 

 

『未確認で進行形』

 

 

姉は必要悪。

百合と妹とロリをひとつにたばねるのは、姉しかできない。

未確認なら、アニメで確認してください。



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ninikumi『シュガーウォール』

 

 

シュガーウォール

 

作者:ninikumi

掲載誌:『COMICリュウ』(徳間書店)2013年-

単行本:RYU COMICS

 

 

 

メガネ男子「柚原」が角ドン的にぶつかったのは、でこっぱち娘「露村黄路(こうろ)」。

十年前まで隣家にすんでた幼なじみ。

 

 

 

 

なつかしさのあまり、ひとり暮らしの住処へ女をあげる。

両親のいない柚原は、ひと月前に姉も亡くし、家は荒れ放題。

 

 

 

 

男子小学生にみえるヒロインだが、実は大学生。

姉みたくてきぱき掃除をすませた。

 

 

 

 

「ゆんちゃん 実はわたしのことよく覚えてないでしょう」

 

すきとおった印象のショタ風女子大生は、ときおり恨みをこめた目つきをする。

かつてふたりのあいだに、ゆるせないできごとがあったらしい。

 

 

 

 

となりはいま駐車場になっている。

柚原がおもいだせるのは、めづらしい黄路の名前だけ。

 

 

 

 

彼女の父の死の原因が、おさなかった柚原にあるらしい。

 

本作はサスペンス風味をきかせた青春モノ。

「幼なじみ」の非現実性を逆手にとる。

ヒロインはどことなく幽霊の様で、記憶のトリックをもちい、

もう存在しない人物とあかされるかもしれない。

 

 

 

 

通い妻みたいに世話をやく黄路との距離はちぢまってゆく。

でもデコ出しショートのせいか、やたら清潔感ただよう。

 

 

 

 

いつもの様に柚原の家で料理するとき、手を傷だらけに。

でも無表情。

 

 

 

 

帰宅した主人公は血まみれの手を心配するが、

ヒロインはかれをトイレへつれこみ、食べてきたものを吐けとゆう。

喉に指をつっこみ、自分の料理のため胃をカラにさせる。

口にひろがる鉄のにがみ。

このうえなく卑猥な場面だ。

 

 

 

 

写真が趣味の柚原は、鉄塔や電柱を影絵にしてあそぶ。

作者は本作連載開始まで、ほとんど漫画執筆の経験ないそうだが、

風景と人物のハーモニーにつよい個性がある。

 

 

 

 

脳のメモリーカードからしばらく消せそうにない、鮮烈な作品だ。




シュガーウォール 1 (リュウコミックス)シュガーウォール 1 (リュウコミックス)
(2014/01/11)
ninikumi

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小説16-1 マラソンガール

『自由か、隷属か』


登場人物表


全篇はこちら




6月10日 ゴッドガール

 

 

 

初老の男と、反時計まわりに内堀通りを駆ける。

桜田門の時計台についた。

3周15kmで1時間30分、まあまあか。

並走者はすずしい顔する。

 

「陛下の健脚も磨きがかかってきましたね」

「ぬしほどではないわ。トライアスロンなんて、わらわはとてもとても」

「今度挑戦しませんか? たのしいですよ」

「自転車に乗れないのじゃ。補助輪つきならなんとか」

「それは残念」

 

汗ふきながら給水するこの男は、作家の村上春樹。

わらわの長年のマラソン仲間だ。

 

「やはりマラソンは小説にいい影響あるか?」

「長篇執筆は体力勝負です。ながく孤独な作業をしいられますから」

「君主稼業と似ておるな」

 

御所でシャワーをあびたあと、ちゃっちゃと魚介類にトマトソースをあえペスカトーレをつくった。

 

「口にあうとよいが。ぬしの小説はよくパスタがでてくるから、うるさそうじゃ」

「ペスカトーレはたしか『漁師』って意味ですね。素朴で僕はすきだな」

「香りづけに白をあけたが、飲むか?」

「いただきます」

「昼間から飲めるんだから、おたがい気楽な身分じゃのう」

「平和な時代に乾杯」

 

ソアーヴェで運動後の喉をうるおす。

 

「……たしかに酒でも飲まねばやってられんな」

「皮肉がすぎました、あやまります」

「かまわぬ。皮肉屋でない小説家などつまらん」

「ところできょうは、なにか御用がおありなのでは」

「こないだはじめて『アンダーグラウンド』をよんだのじゃ。

正直つまらなそうで敬遠しておったが、ああゆうマジメな本もよいな。

ぬしの小説は、その……エ、エッチな描写がおおくて困るし」

 

『アンダーグラウンド』は、「地下鉄サリン事件」の被害者にインタビューしたノンフィクション。

 

「あれは戦後最大の叛乱でした。過去形なのが悲しいですが」

「それでじゃ。わらわも協力するから、いまの内戦を書いてたもれ」

 

ちいさな村上の目がするどくひかる。

 

「簡単には引き受けられないオファーだなあ」

「だれかが書かねばならないことだし、ぬし以上の作家もほかにいない。

さしでがましいが、朝日新聞に連載できるよう渡りをつけておいた」

「もっと若い人がいいでしょう。もう65歳の僕には荷がおもい。

『アンダーグラウンド』さえ取材と執筆に一年以上かかったんです」

「そんな時間はないのじゃ!」

 

日本人同士が殺しあうことに、わらわは耐えられない。

だが、とめる力がない。

せめて全国民が戦争回避にむけ努力すべきことをしらしめたい。

『アンダーグラウンド』は、おもしろおかしくカルト教団をえがくのでなく、

はからずも巻き添えをくった無辜の民によりそう本だった。

その立場でまた書いてくれと説く。

グラスをはこぶ村上の表情はかすかにゆるんだ。

 

「でも陛下、僕はできるだけ政治にコミットしたくない」

「ぬしはノンポリじゃからのう。『ノルウェイの森』がでたのが……」

「1987年」

「おもえば冷戦終結直前の空気をつかんでおったな。売れたのもうなづける。

しかしフワフワしたノンポリの時代も、そろそろ終りとおもわんか」

「やれやれ、陛下は口説き上手だ。いい編集者になれますよ」

 

酔いがまわってきたのか、自分の冗談でわらう。

 

「ゴッドガールの座をおわれたら、出版社を紹介してたもれ」

「まさか、そんな」

「ギロチンおくりにされなければ。たしかぬしは死刑制度に反対じゃったな」

「基本的にはそうです」

「『アンダーグラウンド』の解題では、林泰男の死刑に対し中立にみえるが」

「関係者の心にふみこみすぎ、個人的意見などもてなくて」

「わらわはハッキリしとる。マリー・アントワネットみたく晒し者になるなんて最悪じゃ」

「…………」

「そういや、めづらしいシャンパーニュの赤があったのう」

 

指をならし内舎人をよぶ。

ついでに村上に英文の手紙をよませる。

 

「……興味ぶかい内容だけど、だれからの手紙ですか」

「わらわに平和賞とやらを授与しようとした団体じゃよ。

北欧までゆくのは面倒で辞退したが、かわりにだれか推薦せよともうしておる」

「つまりノーベル財団」

 

ごくりと作家が喉をならす。

 

「ふふ、まだ飲みたりない様じゃな。ランナーは健啖家がおおくてたのもしい」



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テーマ : オリジナル小説
ジャンル : 小説・文学

井上淳哉『La Vie en Doll ラヴィアンドール』

 

 

La Vie en Doll ラヴィアンドール

 

作者:井上淳哉

掲載誌:『ジャンプ改』(集英社)2013年-

単行本:ヤングジャンプ・コミックス X

 

 

 

ヨーロッパで行方不明だったはずの父からとどいた、ふるい手鏡。

屈折してるせいか、ながくみつめると眩暈がする。

ニヤリとわらった様にみえる。

 

 

 

 

主人公「春野かすみ」は、カーテンの陰でこそこそする系の中学生。

友達はうえの「笑美ちゃん」しかいない。

 

 

 

 

母は家事をほったらかし毎晩飲みあるくダメ女。

かすみは人生になんの希望もないが、家出や自殺する勇気もない。

 

 

 

 

教室で鏡にみいっていたある日に豹変。

自分を「カスのかすみ」とよびイジメる女をはりとばす。

 

 

 

 

片思いの相手にキス。

嫌いなものは嫌い、好きなものは好き。

内面にしまいこんだ「ホンネ」を顕在化する力が、なぞの手鏡にあった。

 

 

 

 

目をあわせると肉体の支配をうばわれるので、スマホみたく「もうひとりの自分」と対話。

ブスカワイイかすみの造形が心憎い。

背景にみえるのは「東京アテナツリー」。

 

 

 

 

そこへあらわれたるは、ヴィクトリアンな衣装に身をつつむ笑美ちゃん。

風の魔法で攻撃してきた。

鏡と指輪をねらう勢力にあやつられる。

 

 

 

 

鏡の力で、金髪のゴスロリ魔法少女に変身!

性格も好戦的となり、華麗に宙を舞う。

 

 

 

 

634mの頂点めざし繰りひろげられる空中戦。

作者はケイブ時代に弾幕シューティングをつくったひとで、

絵面のはなやかさや、独特の浮遊感はさすが。

 

アナログ作画4名、デジタル仕上げ5名がクレジットされる。

目をたのしませる漫画なのはまちがいない。

 

 

 

 

鏡をとおし、ふたりの「かすみ」がいいあらそう。

親友の笑美ちゃんを「ホンネ」では嫉妬していた。

いつも笑顔でやさしく人気者で、自分とちがいすぎる。

だから殺してもかまわない。

 

 

 

 

内気な少女には残酷すぎる仕打ちがまつ。

起伏にとみ、王道をゆく物語だ。

 

 

 

 

「ゴスロリ魔法少女」とゆう明確なヴィジュアルコンセプト、

それをささえる完璧と評すべき作画、乙女の葛藤をえぐりだす語り口。

『La Vie en Doll』をよまずしてどうするのか。




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(2014/01/09)
井上淳哉

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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

『世界征服~謀略のズヴィズダー~』の鹿羽逸花さんは眼帯カワイイ

 

 

世界征服 ~謀略のズヴィズダー~

 

出演:久野美咲 花江夏樹 伊瀬茉莉也 花澤香菜 鳥海浩輔

監督:岡村天斎

シリーズ構成:星空めてお 岡村天斎

キャラクター原案:黒星紅白

キャラクターデザイン・総作画監督:佐々木啓悟

アニメーション制作:A-1 Pictures

放送:2014年

 

 

校門前でたたずむ黒髪少女。

カバンに太刀をさす。

 

 

 

 

「あのひと、どっかで……」

 

教室からいぶかる主人公「地紋明日汰」。

 

 

 

 

三つの目があった瞬間すべて諒解。

眼帯女子のインパクトにまさるものなし。

とまらない胸のときめき。

 

 

 

 

「鹿羽逸花」、またの名を「プラーミャ様」。

世界征服たくらむ秘密組織「ズヴィズダー」の幹部で、斬り込み隊長。

先日の戦いにまきこまれた明日汰を拉致……じゃなくてスカウトしにきた。

 

ビーズでデコった柄からも、一応JKとわかる。

『サモンナイト』や『キノの旅』でしられる黒星紅白のデザインだ。

いやもう眼帯女子の時代だね。

両目あけた女なんてもういらないとゆうか。

 

 

 

 

 

 

 

ズヴィズダー本部へ強制連行……じゃなくて案内される。

わりと生活感あり。

 

 

 

 

コマンドルームの天井からロリ首領がおりてきた。

「星宮ケイト」、通り名は「ヴィニエイラ様」。

明日汰の加盟をいわう食事会のはじまり。

 

「ところで今夜の当番ってだれ?」

 

 

 

 

がらりと小窓がひらく。

「メシだぞ、おまえら。ひの、ふの……三人だな、わかった」

 

 

 

 

なみいる幹部は音もたてずきえた。

のこったのは明日汰とヴィニエイラ様とロボ子だけ。

 

 

 

 

調理者が「ハンバーグ」と称する物質は、モザイクなしで放映不可能なシロモノ。

 

 

 

 

にげおくれたヴィニエイラ様も意を決し、暗黒物質を口へはこぶ。

 

 

 

 

その破壊力はビッグバン級。

 

 

 

 

混乱するアジトで決戦兵器が暴走した。

 

未見のひとにどうゆう物語かつたわってないとおもうが、

酒のみながらボーッとみてるのでボクも把握してない。

久野美咲の幼女っぷりや、花澤香菜の広島辯とか(『のうりん』は美濃辯だし案外器用)

とりあえずキャラを愛でるアニメかな。

 

 

 

 

不始末の責任めぐり、仲間割れするズヴィズダー幹部連。

 

「……ヤ、ヤスさんはわるくないっ!」

「テメェ、このボンクラの肩をもつ気か?」

「……い、逸花さんのメシマズが元兇なんですぅ!!」

 

 

 

 

「ほぉ、さきに地獄にいくかァーッ!?」

 

はやくも2話から、ベタといえばあまりにベタな「料理下手」ネタで困惑するが、

アイパッチしてるだけで何でもゆるせるのは、われながら不思議。

小鳥遊六花をおいて、今期の「中二病クイーン」の称号をさづけたい。

 

 

 

 

 

 

 

椿の髪飾り、制服にハーフブーツってのも小粋だ。

ズヴィズダーはともかく、眼帯女子は世界征服をおさめつつある。

 

だいすきな鈴木マナツ先生がコミカライズを手がけるのも、うれしいしらせ。




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久野美咲、花江夏樹 他

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テーマ : 世界征服~謀略のズヴィズダー~
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 眼帯女子  ロリ 

写実画の「現在」

生島浩『5:55』(2010年)

 

 

写実専門のホキ美術館をとりあげた『写実絵画の魅力』(世界文化社)をよんでたら、

保木将夫館長のある発言にしびれた。

 

僕は古い作品は買わない。物故作家は買わないんです。

確かにあの時代ではうまかったのでしょうけど。

これからどんどん変わってくると思う。うまい絵が出てくると思うんですよね。

現時点では今の作家に努力していちばんいいものを描いてもらおうと。

みなさんに感動を与えるような絵を描いてほしいんです。

 

物故作家、つまり死者がかいた絵に一瞥もくれない。

古典崇拝でも前衛でも商業主義でもなく、「いま」をあつめる。

 

たとえば生島浩の名作『5:55』のモデルは、近所の公民館ではたらくひとで、

知人女性三人のツテでどうにか説得したが、

時間の制約がきつく、筆跡のみだれが作者は心のこりだとか。

でもそのシンデレラ的焦燥感がいいんだな。

 

 

『カウチのポーズ』(2006年)

 

 

ただし、ホキ美術館のアイコン的作家である森本草介は、

クラシック音楽をかけながら製作することがおおい。

独学で習得したピアノもひく。

その作風は写実でありながら抽象性をたたえ、「音楽的」と評される。

 

モデルは似ていたり似ていなかったりしますが、それはあまり問題ではありません。

絵はイメージの世界ですから、描きながら自分好みの顔に近づいていきます。

モデルは神秘のベールの向こう側にいて、

彼女についての具体的なことは何ひとつわからないというのが理想です。

 

彼女らはガラスの靴だけのこし、神秘のヴェイルのむこうへきえる。




写実絵画の魅力 世界初写実絵画専門美術館「ホキ美術館」に見る写実絵画の魅力 世界初写実絵画専門美術館「ホキ美術館」に見る
(2013/11/12)
安田茂美 松井文恵


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テーマ : 絵画
ジャンル : 学問・文化・芸術

アニメ『桜Trick』第2話

 

 

もうひとつの桜色/放課後はハリーちゃんと♥

 

テレビアニメ『桜Trick』第2話

 

出演:戸松遥 井口裕香 戸田めぐみ 渕上舞 相坂優歌 五十嵐裕美

演出:森義博

脚本:山田花名

監督・シリーズ構成:石倉賢一

キャラクターデザイン:坂井久太

原作:タチ『桜Trick』(芳文社)

アニメーション制作:スタジオディーン

放送:2014年

[第1話の記事はこちら

 

 

踊り場は恋のステージ。

階段で転落した、しずくちゃんとコトネちゃんが重なりあうのを目撃。

 

 

 

 

「こりゃ、一大事だぁ~!!」

 

ケガを心配する優。

百合を期待する春香。

 

 

 

 

もちろん後者がただしい。

朝からケンカしてたふたりは仲直り。

ゆきちがいは、キスのためのフラグにすぎない。

 

 

 

 

ここを離れなきゃとあわてる春香。

ふたりにわるいし、なんかドキドキするし……。

 

 

 

 

「……ひゃっ」

 

オクテな優に手をにぎられる。

百合は伝染性の病。

 

 

 

 

1話で受けキャラだった優から目をとじる。

はやくも攻守逆転。

胸あつくなる、はげしいラリーの応酬。

 

 

 

 

こうも乱れた校風では、ゆずちゃんと楓ちゃんもキスしてるのではと、

ワクワクして教室にもどるが、わりとマジにお菓子の「ポキッツ」をとりあっていた。

これもまた百合。

 

 

 

 

 

 

 

「は~るかぁ、ノートみせてっ♡」

 

Bパート。

テストちかづきあせる優は、必殺のスマイルで悩殺。

 

 

 

 

「だ、だめぇっ!」

「あ~あ、あと一息だったのにぃ」

「……そうやって色香でたぶらかして、卑怯よ」

 

すんでのところで誘惑にたえた春香。

優はあまい顔するとつけあがるタイプで、主導権にぎられぎみ。

進級の可能性はさがりぎみ。

 

 

 

 

優の赤点を阻止するため勉強会をひらく。

はやくも寝ている。

 

 

 

 

あの手この手で世話やくが、優はねむりつづける。

惚れた弱みにつけこみ、ひたすらあまえる。

赤ちゃんの様にカワイイが、このままでは落第まちがいなし。

 

 

 

 

5時半すぎ、ふたりだけのこる。

春香には奥の手があった。

 

 

落書きは流行中のマスコット「ハリーちゃん」

 

 

「カッコ内をうめてください。訳、『御一緒していいですか』」

「……えっと、『go』がはいる?」

「うん正解、つぎはカッコ内をただしくなおしてください……」

 

 

 

 

だいすきな御褒美をあげながら。

学習法としてのキス。

たぶん史上もっとも純粋なキス。

百合は学生の本分。

 

 

 

 

 

 

 

「でも親しい仲だとさぁ、『あ、コイツぅ』みたいなノリでさぁ、あるでしょ?」

 

人類が数万年の歴史できづきあげた倫理体系が、音をたて崩壊してゆく。

だれもしらなかった次元を垣間みせる、宇宙論的アニメだ。




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戸松遥、井口裕香 他

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テーマ : 桜Trick
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合  きらら系コミック 

花見沢Q太郎『まるせい』

 

 

まるせい

 

作者:花見沢Q太郎

掲載誌:『月刊ヤングキング』『アワーズGH』(少年画報社)2013年-

単行本:YKコミックス

 

 

 

花見沢Q太郎が、いまはなき司書房の『コミックドルフィン』から、

エロ漫画家としてデビューしたころをえがく自伝的作品。

「まるせい」とは「◯」に「成」、黄色い「成年コミック」マークのこと。

 

 

 

 

アシスタントの「まるこちゃん」とふたり夜を徹し作業する。

すでにキャリア三年、そろそろ単行本だすのが夢。

 

 

 

 

締切まぎわゆえ、26時間ぶっつづけの重労働。

意識がとんだまるこちゃんはフローリングにペンをつきたてる。

仮眠をすすめる花Q先生。

 

 

 

 

徹夜でハイになったせいか、ふたりはなりゆきでエッチする。

ありそうなはなし。

 

実際に作者は妻の「花見沢よーこ」をアシスタントにしており、

彼女がモデルとおもうとリアルでエロい。

 

 

 

 

まるこちゃんもドルフィンでデビューがきまった。

交際もうしこむ花Q先生をキッとにらみ、「これからはライバル」とつっぱねる。

かわいくて凛々しい、心ひかれるヒロインだ。

辻邦生の自伝小説『のちの思いに』の「リスちゃん」(佐保子夫人がモデル)をおもいだした。

 

 

 

 

「まるこ先生」にドルフィンのページをとられたり、

元アシなのに自分がアシスタントしたりと辱めをうける花Q先生。

でもまるこちゃんのエロ漫画をよむとはげしく昂奮。

パース狂いすらいとおしい。

絶対これ実体験だろう。

 

 

 

 

巻末はエロ漫画お約束のゲストページがあり、

作中に顔をだすドルフィンの看板作家・間垣亮太も寄稿。

現在は漫画をかかず、イラストやメカデザインを手がけるらしい。

なつかしいな。

『WITCH!』とか20年まえだけど、エロくてかわいくて、いまでもヌケるはず。

 

司書房時代からずっとおなじデザイナーに単行本をまかせるなど、

花Q先生は人脈を大事にする作家とわかる。

 

 

 

 

ついに念願の単行本発売がきまり狂喜乱舞。

 

「萌え」に市民権などカケラもあたえられなかった不遇の時代をたえ、

小学館みたいな大手出版社で連載をもち、作品がアニメ化されるなど人気を博し、

中堅となったいま、堂々と作家人生をふりかえる姿に感動……するほどではない。

女の子の可憐さと、おしゃれサブカル臭と、変なペンネームは、当時から異彩はなってたし。

 

 

 

 

版元が倒産するとしらされ、初単行本の夢はきえる。

 

司書房やドルフィンは2007年まで存続したから、時系列おかしいが。

あのころスマホなんてないし。

ポケベルだよ、広末涼子だよ。

 

 

 

 

それでも、作家同士の酒席で倒産をなげく主人公に共感。

萌えが文化の主流になったいま、10代20代のひとは想像つかないだろうけど、

エロ漫画をよんだりかいたりって、本当に日陰をあるくことだったんだぜ。

だからこその思い入れがある。

「成年コミック」、それは革命のグラウンドゼロだ。




まるせい 1巻 (ヤングキングコミックス)まるせい 1巻 (ヤングキングコミックス)
(2014/01/16)
花見沢Q太郎

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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

ウィンストン・チャーチルと言葉

1895年、軍服姿で

 

 

ハロー校でまなんだチャーチルは劣等生で、

古典語はさっぱりだったが、英語の執筆や辯論だけは熟達した。

英語のことばを愛してもいた。

 

 

チャーチルの母、ジェニー

 

 

陸軍の将校になってすぐ、戦場にでようと画策しだす。

美貌でしられる母の力をかりて。

有名になるには戦争の記事をかき、新聞社へ売らねばならない。

「ペンは剣より強し」とゆうが、チャーチルにとってはどちらも武器だった。

 

 

1941年、ステン短機関銃をかまえる

 

 

1933年にヒトラーが政権をにぎったとき、ヨーロッパの指導者層は、

かれを現実ばなれした山師で、じき転落する男と楽観視した。

チャーチルは数すくない『わが闘争』の読者だったので、敵の意図を察知していた。

 

民間人に60万の死者をだしたドイツへの爆撃は、人道的に批判される。

その是非はともかく、チャーチルが後押しした空爆作戦の影響により、

東部戦線でドイツ軍が制空権をうしなった事実は、過小評価されがち。

 

 

1940年、空襲警報をうけヘルメットをかぶる

 

 

1908年に商務大臣となったチャーチルは、労働環境の改善に尽力した。

熱烈な反共主義者だからこそ、革命をさけるため改革する。

 

チャーチルの宗教は憲法で、議会が教会だった。

憲法の精神と文言を心から信じ、議会の決定に対し忠実にふるまう。

「独裁的権力者」だったが、「独裁者」でなかった。

命令をかならず文書でおこなうのも、つねに口頭で命令したヒトラーと好対照。

 

 

1945年、ヤルタ会談の三巨頭

 

 

1945年7月の総選挙で保守党はボロ負けし、日本の降伏をみぬままチャーチルは首相の座をおわれる。

議会政治のおそろしさであるが、むしろ幸運だったかもしれない。

たしかにかれの時代はおわっていた。

インドはイギリスの庇護が必要とおもっていたが、経済大国として擡頭する。

熱心なシオニストだったが、ユダヤ人テロリストの残虐行為に心をいためた。

 

 

1941年、廃墟となったコヴェントリー大聖堂で

 

 

「永遠に残るのはことばだけだ」とチャーチルはかたっている。

退陣後とりかかった大著『第二次世界大戦』は記録的ベストセラーとなり、

1953年にノーベル文学賞を授与された。

はげしく矛盾しつつも、首尾一貫した人生だった。







【参考文献】

ポール・ジョンソン『チャーチル 不屈のリーダーシップ』(日経BP社)



チャーチル 不屈のリーダーシップチャーチル 不屈のリーダーシップ
(2013/04/25)
ポール・ジョンソン

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テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

板倉梓『ガール メイ キル』

 

 

ガール メイ キル

 

作者:板倉梓

掲載誌:『月刊アクション』(双葉社)2013年-

単行本:アクションコミックス

[同作者の記事→『少女カフェ』/『タオの城』/『野村24時』1巻/同2巻/『なぎとのどかの萌える不動産』

 

 

 

舞台は横浜らしきチャイナタウン。

『タオの城』につづく、作者おとくいの中華モノだ。

 

 

 

 

主人公の「五本木アキ」は、住み込みではたらくビデオ屋店員。

会社をクビになり、自分のうまれた街へもどってきた。

半分ちかくAVの店だが、窮屈なサラリーマン生活より充実している。

 

 

 

 

場末の名画座で『恐怖のキョンシー屋敷』をみる。

ほかに仲のよい姉妹風のふたりと、オカマ風の男がひとり。

中華街の人間模様はさまざま。

 

 

 

 

15歳の少女「芽衣」とオカマの「三里桂(さんり かつら)」も、ビデオ屋のうえに居をかまえることに。

突然だけど、人形ずきの芽衣はあどけなく、わるい気しない。

 

 

 

 

ある晩、道で銃撃戦にまきこまれる。

猛然と応射する桂。

カレはマフィアの一員だった。

 

 

 

 

実の姉妹でないが、やさしい姉の様にふるまう「留華」さんもそう。

組織に仇なすスパイをあらいだすため、ビデオ屋のオヤジへちかづいた。

アキもうたがわれる。

 

なんでもかける器用さがウリの板倉梓だが、

香港ノワール調でせめてくるとはさすがに意外。

 

 

 

 

芽衣は腕ききの殺し屋。

子猫みたくじゃれついた相手の留華が「犬」とみぬく。

ためらわず殺す。

 

「ほのぼの萌え四コマ」がオハコのあずにゃん先生えがく修羅場。

『少女カフェ』とくらべ、作風のふれ幅がすさまじい!

 

 

 

 

どちらかとゆうと「問題作」で、アマゾンに批判的レヴューも投稿されている。

 

作者の漫画を読むのは二度目ですが、

アクション向きの絵柄ではないように思います。

 

自分より年下の女の子が殺し屋だという事実を受け入れられない五本木と

殺し屋芽衣の同居生活が話の舞台ですが、ギャップが弱いと感じました。

 

芽衣はニコニコしていて、仕事も淡々とこなします。

実際にそんな子供がいれば確かに価値観が壊れるかもしれませんが

あいにく、漫画の世界では良く見る光景ですので、

読者である私と主人公の五本木に落差を感じます。

 

本作の弱点をついてるとおもう。

現在あずにゃん先生は連載4本かかえる。

あふれんばかりの創作意欲はみあげたものだが、さすがに多すぎやしないか。

「なんでもかける自分」に酔ってる気配がなきにしもあらずだし。

要するに問題は、それは板倉梓がかくべき物語なのかどうか。

 

 

 

 

かわいらしい絵柄のせいで見過ごされがちだが、

板倉梓ほど「映画のにおい」をただよわす漫画家はそういない。

前川たけしくらいか。

ダイナミックな構図、安定したリアリズム。

その中心に美少女がいる。

 

結論。

『ガール メイ キル』はあずにゃん先生にしかかけない漫画だ。

たとえ手が血まみれでも、そこに板倉ガールいるかぎりボクは無条件降伏。




ガールメイキル(1) (アクションコミックス(月刊アクション))ガールメイキル(1) (アクションコミックス(月刊アクション))
(2014/01/10)
板倉梓

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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 板倉梓  ロリ 

大西巷一『乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ』

 

 

乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ

 

作者:大西巷一

掲載誌:『月刊アクション』(双葉社)2013年-

単行本:アクションコミックス

 

 

 

チェコの民族衣装は可憐だ。

まさに乙女。

 

 

 

 

だがヒロインの「シャールカ」は処女でない。

村は「異端狩り」を号する騎士団におそわれ、娘らは強姦された。

 

宗教改革をとなえたヤン・フスが焚刑に処されたあと、

同調する信者を弾圧した、1419年にはじまる「フス戦争」をえがく。

 

 

 

 

村の生き残りはシャールカひとり。

すべてうしなった。

 

 

 

 

傭兵団ひきいるヤン・ジシュカがさしのべる手を、はねのける理由はない。

わたされたのは「笛(ピーシュチャラ)」とよばれる細い筒。

根本の穴から直接着火する単純なしくみの最初期の銃で、ピストルの語源といわれる。

 

ここに復讐の天使が誕生。

 

 

 

 

腕力がいらない利点をいかし、女兵士の武器として運用。

平等の教えのもと団結する「フス派」は、国民軍の先駆けとみなされる。

作者は近代のめざめをこの戦争にみるらしい。

 

 

 

 

やさしい神父に心ゆるし、おもわず「お父さん」とよぶシャールカ。

小学校でありがちなエピソードになごみ、いじらしくなる。

 

 

 

 

穏健派の神父はジシュカにころされる。

それを目撃するシャールカ。

わりとのっぴきならない、波瀾にみちた物語。

 

 

 

 

第1巻だけで4回レイプ描写がある。

 

ボクは「歴史モノ」に点がからい方だ。

ひとは現在と過去なら、圧倒的に前者に通じるのだから、現代をえがくべき。

どうしても過去を舞台にしたいなら、新解釈をしめさなくてはならない。

 

 

 

 

つまり「ロリ」である。

当時の庶民は寝間着をもたず、裸でねた。

斯様にあちこちで作者の勉強のほどがしのばれる力作だが、

しったかぶりにおわらず、智識はロリをかがやかすため奉仕する。

 

 

 

 

プラハを包囲する10万の十字軍。

それをむかえうつ乙女たち。

戦場にさくたおやかな花は、みのがすにはおしい。




乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(1) (アクションコミックス(月刊アクション))乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ(1) (アクションコミックス(月刊アクション))
(2014/01/10)
大西巷一

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ジャンル : アニメ・コミック

タグ: ロリ 

アニメ『桜Trick』第1話

 

 

桜色のはじまり/やきそばとベランダと女の子

 

テレビアニメ『桜Trick』第1話

 

出演:戸松遥 井口裕香 戸田めぐみ 渕上舞 相坂優歌 五十嵐裕美

演出:村田尚樹

脚本:武田浩介

監督・シリーズ構成・絵コンテ:石倉賢一

キャラクターデザイン:坂井久太

原作:タチ『桜Trick』(芳文社)

アニメーション制作:スタジオディーン

放送:2014年

 

 

「高山春香」と「園田優」は、美里西高校の新入生。

もともと親友で、いつもベタベタしている。

 

 

 

 

「腕組みとかしないでしょ、フツウ。高校生にもなって」とあきれる同級生。

アホ毛二本の「飯塚ゆず」がサバサバしててイイ感じ。

 

 

 

 

「ゆずちゃんは楓ちゃんを『同性』として意識しすぎっ!」

春香が熱辯ふるう。

 

実はふかい議論だ。

女の子同士で腕組みなんてコドモっぽい、と人はゆう。

けど異性とならアリなんだよね。

てことは「男女の恋愛はコドモっぽい」ってことに……おかしくない?

 

 

 

 

「ダメだよ~、ちゃんと余裕もって行動しなきゃ」

冒頭の校門の場面。

ごはん粒つけた優が、春香にお姉さんぶってお説教。

能天気な井口裕香の演技をたのしめる。

 

 

 

 

 

 

 

優はクラスでマスコット的に人気。

 

 

 

 

春香は「特等席をとられた」と嘆き悲しみ、ひとり空き教室へしけこむ。

舞い散る花びら。

 

 

 

 

あとを追ってきた優が、号泣しながら春香を抱擁する。

「はるかぁ、わたし知ってたのにゴメンねぇ~」

「え、知ってたって……?」

「春香が嫉妬ぶかい、ネチネチした女ってことをだよぉ」

 

 

 

 

ここから第1話の山場。

自分たちが「特別な友達」であると證明するため、

「ほかの子とは絶対しないこと」をしようときめる。

 

 

 

 

「じゃあ……キ、キス?」と春香が提案。

論理に破綻ないが、「学校は勉強する場所ですぅ!」と優に反対される。

 

 

 

 

「まあ、授業中は寝ている優ちゃんの口から、『勉強』!?」

「……ふぇっ?」

「勉強もできなければ、キスもできないなんて……あらら」

 

誘惑とゆうより挑発。

百合は現代JKの必須科目。

 

 

 

 

春風にやさしく後押しされながら唇をかさねる。

 

個人的な「恋愛感情」でなく、社交的な「友情」の領域で、1話Aパートからキス。

オンナノコ同士だからこそ、トモダチだからこそ、キスをする。

それは聖なる使命。

 

 

 

 

 

 

 

Bパートも空き教室でイチャイチャ。

 

 

 

 

見回りにきた先生の目をのがれ、ベランダにかくれる。

 

 

 

 

ここでも当然キスをする。

 

優のあごに手をかけ引きよせる動きがうつくしい。

華奢で繊細でやわらかくて、いい香りまで感じられる。

アニメとは百合を表現するためあるのかも、とおもった。

 

 

 

 

唇があわさるときのモニュモニュした作画も、えもいわれぬ味わい。

坂井久太(ちなみに女性)の仕事らしい。

各話2回づつ、ただひたすらキスをえがくアニメの様だ。

 

 

 

 

 

 

 

ボクはそこそこ百合にうるさい方だが、それでも「日本はじまってんな」と驚嘆した。

こんな昂奮させられる映像を地上波でながして、社会問題化しないか不安に。

それでも呼吸する様にキスする少女たちを応援したい。




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戸松遥、井口裕香 他

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小説15-2 スカイツリーの戦い

『自由か、隷属か』


登場人物表


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アニキの焦燥が伝染した2万弱の大軍は、雪崩うって東京都の昼間人口をふやした。

交通は麻痺し、市民は恐惶をきたす。

白刃きらめかす奔流は、荒川にかかるいくつかの橋で堰きとめられる。

厳重なバリケードごしに矢の雨がふり、多くの自由軍兵士の血がながれた。

アニキは自分の決断がもたらす結果を、車内から注視。

 

「弓隊を前線にだします。連携はむづかしいですが」と中田。

「会長がいれば指揮してもらったのに」とアニキは無益なことをゆう。

 

新四ツ木橋の防御がくづれ、連鎖してほかの橋も陥落。

さらに都心の墨田区へすすむ。

どこまでゆくつもりか。

東京スカイツリーがあたしらをみおろす。

あけた窓からきこえる金属音や悲鳴は一瞬もやまない。

となりのフランちゃんの震えがはげしい。

かためたちいさな両の拳に手をかさねる。

 

「どうするんだアニキ。このまま東京を制圧するのか?」

「われわれにそんな力はない。引き際が肝心だ」

 

はなから引き際なんてなかった。

数時間はしりづめで息きらせた自由軍兵士は、

隅田川と荒川と東京湾と敵軍に包囲されてるときづいた。

組織化された政府軍の攻撃は、効率よく叛徒を生贄にささげる。

みしった人間が、斬られ、突き刺され、射抜かれる。

数か所で火の手があがった。

消防車のサイレンはきこえない。

罪なき弱者がにげまどい、たおれ、ふみつけられ、死んでゆく。

 

「ジョージィーッ! なぜ陣地をはなれた!?」

 

全身を血でそめたアリアさんが、鬼の形相ではしってくる。

 

「ア、アリア、けがは……?」

「なぜうごいたか聞いているッ!」

 

地団駄ふんで振りまわす太刀から血しぶきがとぶ。

全員斬り殺されかねない。

 

「高台で包囲されかけて……」

「いまここが包囲殲滅戦だろうがッ! もういい、撤退だ!

参謀長、命令系統を再編してくれ。指揮官クラスがふたりやられた」

「了解」

「わたしが殿をつとめる……なにボサッとしてる、いますぐ逃げろ!」

 

 

 

 

 

この「スカイツリーの戦い」で、自由軍は1500の死傷者と捕虜をだした。

対する政府軍は400にすぎず、みじめな敗北だ。

京葉道路をくだるプリウスのなかは無言。

二三日寝てない中田は助手席でねむる。

負傷者を満載したトラックをおいぬく。

絶望した視線に責められる気分に。

一般道におりると、太刀をせおう女兵士ふたりがロードバイクではしるのをみた。

自転車はわが軍の貴重な輸送手段。

 

 

 

 

 

メッセの会議室ですわるアニキはうちしおれていた。

悪態が口をとびだす。

 

「バカアニキ、ヘボ司令官、最弱将軍。フォーク准将なみの無能」

「…………」

「責任とれよ」

「やめればいいのか? もとはといえばオマエが……」

「うるさい、反省のコメントはないのか」

「あやまってすむ問題じゃないだろ……」

 

半泣きのアニキがつくづくなさけない。

ほかの幹部はうつむく。

あたしへの暗黙の同意らしい。

 

「普段ボンヤリしてても、いざとゆうときヤン・ウェンリーみたく、

才能発揮すると期待したあたしがバカだった。アニキ取り柄ねえな」

「そのくらいにしておけ」とアリアさんに片目でにらまれた。

 

体あらって着がえてるが、一日中たたかった汚塵が表情にのこる。

 

「そうだ、アリアさんが司令官になればいい」

「わたしはジョージの片腕になるときめている。

なあジュン、家族なんだから重責を理解してやってくれ。ささえてくれ。

さっきはアドレナリンでおかしくなってたとはいえ、わたしも不躾な発言をした。

ゆるせ、ジョージ」

 

なんだよ、みせつけるじゃんか。

勝手にあたしを呼び捨てしたのも気にいらない。

なにが家族だ、わりこんでくんな。

イカれた軍人野郎のくせに。

こっちはわかってんだ、アンタさっき逃げるため放火しただろ。

もうウンザリだ。

席をけって退室する。

 

 

 

自室のベッドにはいり、audio-technicaのヘッドフォンでiPhoneの音楽を再生。

 

「千本桜 夜ニ紛レ 君ノ声モ届カナイヨ

此処は宴 鋼の檻 その断頭台で見下ろして」

 

ねえ、リョウさん。

断頭台からあたしのこと見下ろしてる?

あなたの声がききたい。

だきしめられたい。

あたしはボーカロイドじゃないんだ、ひとりじゃもう無理だよ。



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『キリングゲーム』

 

 

キリングゲーム

Killing Season

 

出演:ロバート・デ・ニーロ ジョン・トラボルタ マイロ・ヴィンティミリア

監督:マーク・スティーヴン・ジョンソン

制作:アメリカ 2013年

 

 

 

ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争(1992-95年)での死者は20万人。

その残虐性もふくめ、第二次大戦以降のヨーロッパにおける最悪の戦争だ。

冷戦下に、これほどの悲劇はおこらなかつた。

 

ロバート・デ・ニーロは、NATO軍の一員としてボスニアに派遣された退役陸軍大佐。

いまアパラチアの山奥にひとり居をかまえ、野生動物の写真をとつてくらす。

 

 

 

 

巻き舌アクセントのみしらぬ大男と山で出会う。

弓で狩りをしにきたらしい。

 

ラキヤかなにかのつよい酒で飲み明かす場面はみごたえあり。

後味わるい離婚や、息子との関係、父をなつかしむ話など、

のちのドタバタであつさり否定されるのが皮肉で。

トラボルタのセルビア訛りは、ネイティヴがきくと失笑モノらしいが、

ボクはうまいもんだとおもつた。

 

 

 

 

バルカン半島からの客人は復讐者だつた。

熱い一騎打ちをたのしめる。

弓など武器に趣向こらす、自然にやさしいアクション映画。

 

 

 

 

脛にロープとおして吊られるデ・ニーロ。

ふくらはぎの筋肉はつよいので、二三日もつらしい。

セルビアじこみの拷問テクに驚嘆。

 

最後は廃教会でのドツキアイで退屈だが、「罪の告白」と「許し」、

すくなくとも白人同士の戦争を回避するための装置として、

キリスト教はそれなりに有用かもしれないと感じた。

いつ東アジアで「民族浄化」がおきてもおかしくない情勢ゆえ、特に。

 

 

 

 

ボクはデ・ニーロのファンでないが、かれの主演作『ヒート』『RONIN』などはすき。

銃のかまえがキレイで。

弓弦をひきしぼらせても、残心をうしなわない。

 

御年七十、それでも萎えぬ衝動。

モノノフの鑑といえよう。



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スカイツリー

 

 

小説で墨田区あたりが戦場になるので取材にいつてきた。

10分くらいだけど。

 

 

 

 

戦争を想像するのはむつかしい。

土地勘がまつたくないと、なにをどう書けばよいのやら。

 

 

 

 

足をはこんだところで、着想がうかぶわけでもない。

でも「しらない土地」でなくなる。

 

 

 

 

平日午前で、寒風ふきすさび、さびしい空間だつた。

ここが地獄になるとおもうと不思議……とゆうほどでもない。

 

 

 

 

陣取りゲームにおいて、土地そのものに意味はない。

単なるマス。

重要なのは三すくみや支援効果だ……FE的に。



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小説15-1 スカイツリーの戦い

『自由か、隷属か』


登場人物表


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5月27日 朱星ジュン

 

 

 

「環状線をはっしりぬけてぇ、東奔西走なんのその~♪」

 

爆音で『千本桜』をかけ、プリウスの後部座席でフランちゃんとうたう。

参謀長の中田ユージが運転。

たのしい。

これから殺し合いがはじまるのを一瞬わすれるほどには。

 

「少年少女、戦国無双~♪」

 

元中尉が女声合唱団にわりこんできた。

シートごしに蹴りをかます。

 

「ウザいんだよ! そもそもオマエ少年じゃねーし」

「……『じゅんじゅんのパンチラなう』っと」

「運転中にツイートすんな!」

 

フランちゃんがひきつった笑みをうかべる。

 

「ジュンさん、中田参謀長はわたしたちの上官ですよ……」

「いや、こいつは下僕だから」

 

初期からあたしのファンで、オフ会とか仕切らせてたが、まさか軍人とは。

変質者と顔をつきあわす毎日は、気のやすまるひまない。

 

「コレはアレでしょ。戦友の絆が、恋へ発展する的な」とニヤつく中田。

「一生あたしの動画でシコシコやってろ」

「ツンデレきたー!」

「死んでもオマエにゃデレねーし」

「ひどい軍隊だなあ」とフランちゃんがため息つく。

 

千葉県西端の松戸市につき、車からおりた。

1万8000の兵を動員した「初音作戦」が、すでに発動している。

アリアさんのつけた作戦名だが、ミクでなく源氏物語からとったとか。

ボカロをしらないとゆうからおそろしい。

フランちゃんはベージュのワンピ。

 

「スカートだと動きづらくない? あたしは一種のコスプレだからしかたないけど」

「やっぱり変ですか? 私服はワンピースしか持ってなくて」

「大丈夫。かわいくしてた方が、兵隊さんもよろこぶよ」

 

今日未明、アリアさんひきいる自由軍先鋒は江戸川をこえ都内に侵入したが、

荒川ぞいに防衛線をはる政府軍の抵抗にあい、県境またいでしりぞいた。

自動車と電車で兵を松戸市の高台にあつめ、道路を封鎖し要塞化。

とどこおりなく作戦進行してるから、ヘンタイ参謀長の計画はわるくない様だ。

 

ユニクロのパーカーをきたアニキをみつけた。

自由軍に制服をそろえるカネなどない。

アニキは肩肘はって、みるからに緊張してる。

 

「司令官、偵察情報があつまりました。敵兵力はおよそ2万5000」と中田。

「……多いですね」

「車両数と補給はもっと圧倒されてます。機動戦や持久戦では不利です」

「だから大規模な会戦をいどむと」

「ここから圧力かければ、撤退する可能性もある。首都を火の海にしたくないですから」

「勝海舟みたいな人物がむこうにいるといいけど」

 

松戸の火曜の朝は台無しになった。

民家のカーテンの隙間から、つめたい視線がささる。

表だっての抗議はないが、自由軍を歓迎するのは勉強ぎらいの学生だけ。

司令部スタッフの無線があわただしく鳴りだす。

フランちゃんがあたしに寄り添う。

よからぬことがおきている。

 

「敵が右翼から背面にかけ展開してます! すでに交戦中です」との報告が。

 

このノイズは剣戟なのか。

参謀長が中指の第二関節でクリップボードをたたく。

焦れている。

 

「動きがはやい。こう積極的に仕掛けてくるとは……」

「どうします?」と司令官のアニキがたづねる。

「しばらく様子をみましょう」

「でも先遣隊が孤立する」

「羽生さんは優秀です。ヤバければ自分で判断できます」

 

平常心だけが取り柄のアニキがあたふたしてる。

15年以上一緒に生活してきたからわかる。

アリアさんが心配なのだ。

 

「おちつけ、アニキ。情にながされるな」

「オマエにだけはいわれたくない」

 

人生で一番むかつくセリフだが、司令官の立場もあるからこらえた。

 

「これはアニメの録画とおなじだ」

「はぁ!?」

「3か月ごとに、あたしはすべてのアニメを録画する。つまらないのはズバズバ切る。

2話3話とおもしろくなる可能性はあるけど、視聴時間もディスク容量も有限だから」

「なにがいいたいんだ」

「本当にいいアニメならネットで評判になって、またみる機会もある。

あれこれ気に病まず、非情な決断をくだすことが重要なんだ」

「……アニオタはだまってろ!」

 

目を血ばしらせたアニキが絶叫する。

 

「全軍前進! 先遣隊と合流してむかえうつ!」



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テーマ : オリジナル小説
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河西秀哉 編『戦後史のなかの象徴天皇制』

左から佐藤栄作、裕仁、吉田茂、良子(1964年秋の園遊会)

 

 

戦後史のなかの象徴天皇制

 

編著者:河西秀哉

著者:後藤致人 瀬畑源 富永望 舟橋正真 楠谷遼 森暢平

発行:吉田書店 2013年

 

 

 

裕仁は戦後もずつと君主きどりだつた。

「オザワ」と呼び捨てにされたと、小沢一郎の回想録にもしるされる。

新憲法の「象徴天皇」を、戦前の「立憲君主」の延長線上にあるとみなした。

内閣に対しいくら発言しても、内閣が責任おうかぎり憲法上支障ない。

すくなくとも裕仁の了見においては。

 

芦田均は、時代錯誤の「内奏・御下問」を廃そうとしたが、

つよいもとめに応じ参内、冷戦でアメリカの肩をもてと説教される。

戦後最長の政権をになつた佐藤栄作とのあいだには、「君臣情義」がめばえた。

裕仁は保守政治の精神的中核だつた。

 

 

福井県で行幸する裕仁(1947年10月)

 

 

憲法が規定する10項目の「国事行為」を逸脱、裕仁は終戦直後から巡幸をはじめ、

国体や植樹祭への参加など、「公的行為」なるものを一挙に拡大した。

行幸は反共政策の色が濃い。

裕仁のあつかましさに抗議するものは、共産主義者ときめつけ弾圧した。

 

かたや1971年のヨーロッパ訪問は悲惨だつた。

デンマークでビラを、ベルギーで卵を、大好きなイギリスでコートを投げつけられた。

植樹した苗木は引つこ抜かれた。

オランダではついに群衆の怒りが爆発、沿道にプラカードたちならぶなか、

暴徒にぶつけられた瓶で車窓にヒビがはいつた。

ヒトラーの友人が歓迎されると期待してたなら、「KY」とは裕仁のためにあることばだ。

 

 

岐阜にて(1946年10月)

 

 

ヘボ司令官だつた裕仁は、戦後プロパガンディストとして成功。

軍の情報局と関係ふかい、プロパガンダ写真の専門家である報道カメラマンに、

自分や家族の日常生活を撮らせた。

 

 

ひばりヶ丘団地を視察する明仁と美智子(1960年9月)

 

 

息子の明仁と美智子は、大衆煽動の尖兵となる。

「テニスコートの恋」とゆう伝説が捏造されたため、

あわてた宮内庁はふたりに、軽井沢でなく東京でラケットふらせた。

 

 

『女性自身』1963年9月30日号

 

 

だが50年代の理想の反映である「ミッチーブーム」は、60年代に陳腐化。

彼女の合理的なライフスタイルは、高度成長期にあわない。

カネさえつめば、本当の庶民でもプリンセスになれる時代だから。

 

皇室の藩屏からの冷遇、胞状奇胎による流産……。

ゲッソリ痩せた美智子に、ひとびとは理想より現実をみた。

 

 

『週刊女性』1968年11月9日号

 

 

明仁は男として、ひと仕事しようとした。

私生活を切り売りするアイドルとして生きるなんてまつぴら。

「児童福祉」の分野が、手腕を発揮するにふさわしいとおもわれた。

結婚祝いをもとに児童総合病院をつくる構想がたちあがる。

 

計画に紆余曲折あり建設されることになつた、

「こどもの国」のためよせられた寄付金は、わづか1267万円。

ミッチーブームはなんだつたのか。

工費20億円に国費があてられた。

 

たとえばチャールズ皇太子とくらべ日本の皇族が無力なのは、保有資産の差がおおきかろう。

貧乏すぎる。

でもボクにいわせれば元兇は裕仁。

憲法を歯牙にかけない自称立憲君主を、だれが支援するのか?

共和主義者としてみとめるのは癪だが、イギリス王室はその道の世界的権威。

 

結局皇室は、自民党政権をやしなうための畜産場として存続するが、自業自得だ。




戦後史のなかの象徴天皇制戦後史のなかの象徴天皇制
(2013/11/10)
河西秀哉

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二区『ツイテル彼女。』

 

 

ツイテル彼女。

 

作者:二区

掲載サイト:『電撃D-MANGAオンライン』(アスキー・メディアワークス)2013年-

単行本:電撃コミックスNEXT

 

 

 

美人でIカップで高嶺の花だつた同僚の「双葉さん」が、

ふとした飲み会の発言がきつかけでカノジョになつてくれた。

孤独死しないですむと泣いてよろこぶ「吉田」29歳。

 

 

 

 

スカートからのぞく股間はふつくら。

ふたなり、半陰陽、両性具有、アンドロギュノス。

双葉さんは「ツイてる彼女」だつた。

 

 

 

 

美人すぎる半陰陽は、ほかの女をみると勃起。

少女漫画かレディコミばりの流麗な絵柄でえがかれるのがチン妙で。

 

ボクがエロ漫画しかなぐさみのない青春をおくつていた時代、

大抵の雑誌にふたなりが出てた記憶があるけど、

最近は「男の娘」ブームにおされてか下火におもえる。

医学的にみれば疾患のひとつだし、気軽にたのしめないせいかな。

 

でも女体からニュッとはえるドギツさは、一般むけでもすてがたい。

 

 

 

 

歯科助手の「篠原さん」は大の男ぎらい。

患者が男だと鬼畜施術でいたぶる。

 

 

 

 

双葉さんの幼なじみでもある。

かぎりなく「百合」にちかい親友。

 

 

 

 

カフェでだされたソーセージを粉砕する。

オチンチンに似てるから。

男の股間の汚物を駆逐せよ!

 

 

 

 

ふるえあがる双葉さん。

長年のつきあいだが、ツイてることはあかしてない。

 

これはおもしろい一幕。

ひとは他者とアイデンティティを共有しつつ生きる。

個人情報の底の底、核心部分にセクシャリティがある。

ゆえに友人や親子は、恋人にかなわない。

 

ラブコメは深遠だ。

 

 

 

 

「いつか私の童貞もらってくださいね♡」

 

双葉さんは、吉田の尻をねらつてるらしい。

そんなハッピーエンドは見たくないが、

なぜ見たくないかきかれると返答につまる。

 

ふたなりは、いまだチン腐化せざる題材といえよう。




ツイテル彼女。 (1) (電撃コミックスNEXT)ツイテル彼女。 (1) (電撃コミックスNEXT)
(2013/12/21)
二区

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ロボット女子! 間瀬元朗『デモクラティア』/渡会けいじ『僕に恋するメカニカル』2巻

 

 

間瀬元朗『デモクラティア』(ビッグコミックス)は、

大学生ふたりが学内起業支援を隠れ蓑にしつつ、秘密のロボットをつくるSF。

 

 

 

 

その名は「徳永舞」。

インタフェースとしてすぐれるのは、やはり女。

 

 

 

 

舞の行動は、インターネット上の多数決できまる。

少数意見をくみあげる独特のシステムだが。

 

おそらく「集合知」は、天才ひとりの操作やプログラムよりかしこい。

究極の叡智ををさづけられたロボットは、神となるかもしれない。

 

 

 

 

投票結果は、一貫性なく非合理になりがち。

ブサイク男のさそいに応じ、ドライブへでかけたり。

 

 

 

 

「ニンゲン」に吐けない残酷なセリフも。

数の暴力。

 

 

 

 

この絵にならない派遣労働者の「瀬野」が、物語のトリガー。

インターネット掲示板だけが生きがいの男。

現代日本の孤独なマジョリティ。

 

 

 

 

舞にふられヤケになり、掲示板で犯行予告後、通り魔事件をおこそうとする。

それを阻止しにゆく民主主義ロボット。

 

2008年の「秋葉原通り魔事件」に呼応する意欲作だが、

それにしても絵にならないことよ!




デモクラティア 1 (ビッグコミックス)デモクラティア 1 (ビッグコミックス)
(2013/12/27)
間瀬元朗

 

 

 

 

 

 

 

口なおしに、ろりぷにロボットの「スタ子」たんを。

渡会けいじ『僕に恋するメカニカル』(角川コミックス・エース)第2巻。

ドーナツがわりにナットをたべる。

穴あいてるし。

 

 

 

 

未来からおくられたロボット刺客をどう撃退するかが、本作のみどころ。

2巻の敵は「キョウコ」と「ミカ」、叶姉妹インスパイアな「伊集院姉妹」。

 

はちきれそうなボディで、トイレにいる主人公から精子の回収をはかる。

 

 

 

 

前巻をとりあげたとき、その「擬似ラブコメ」のおもしろさについてかたつたが、

「テンプレ設定かんがえるの面倒だ」とばかり、いきなり逆レイプ。

もうすこし引つぱつてくださいよ、渡会先生……。

 

でも新キャラはみなステキ。

特に描き分けのうまい作家でないが、表情に愛嬌あるせいか。

 

 

 

 

そしてスタ子の一撃で昇天。

『デモクラティア』とくらべ緻密さのかけらもないのに、漫画読みとして満たされる。

 

 

 

 

なんといつても、コロコロした絵柄とロボットの相性が最高!

ねんどろいどのボーカロイドみたいな、萌えのパラドクス。

「ドロイド時代」の誘惑にときめかなかつたら、あなたはニンゲンぢやない。




僕に恋するメカニカル (2) (カドカワコミックス・エース)僕に恋するメカニカル (2) (カドカワコミックス・エース)
(2013/12/27)
渡会けいじ

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小説14-2 司令官

『自由か、隷属か』


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潮風が、浜辺にすわるアリアの金髪をたなびかす。

文庫本を手にしている。

 

「なによんでる?」

「『老子道徳経』さ。『水より柔らかでしなやかなものはない。

しかし堅くてつよいものを攻めるには水に勝るものはない。

水本来の性質を変えるものなどないからである』」

「アリアは読書家だな」

「肉体は稽古できたえられるが、精神は書物によるしかない」

 

ぶあつい紙のファイルをわたされる。

 

「新編制の草案だ。確認しておいてくれ」

「これを3日でつくったのか」

「いつなにがおこるかわからない。はやい方がいい。

200の兵員からなる大隊を基準に編んでみた。

問題は正規軍あがりが承服するかどうか」

「身内でかたまり、特権階級化してるからなあ」

「われわれもそう思われてるけどね。とりあえず元将校を位打ちにし、ばらけさせた。

編制の重要性は『孫子』勢篇にもかいてある。断行しよう」

 

確認もなにも、見ず知らずの人名の羅列に頭痛がする。

アリアにわらわれる。

 

「あっはっは……はてしなきデスクワーク、それが軍隊さ。

だから本当は、来島みたいな専門家にまかすべきなんだ」

「自分がおいだしたくせに。この参謀長の『中田ユージ』とゆうのは?」

「いつもクリップボードもってる元中尉。陸大次席卒業らしい」

「超エリートじゃないか。なんでまた叛乱軍に」

「さあ? かれはナンバー2として全軍を総攬してもらう。

ほかにフランとジュン君が参謀部スタッフとなる」

 

ジュンが参謀!

生まれてこのかた、団体行動できたためしがないのに。

 

「アリア自身はどんな役割なんだ」

「『軍監』。ナンバー3だが、直接指揮権をにぎる。土方歳三と山南敬助の関係さ」

「『燃えよ剣』か。さすが司馬遼太郎マニア」

「濫読がものをゆう。あと車輌が圧倒的に不足している。

台所事情はしってるが、どうにかしてほしい」

 

波打ち際から、わかい夫婦と幼女がのぼってきた。

まだ千葉は平和だ。

ちいさな指で、アリアの眼帯をさす。

 

「お姉ちゃん、その黒いやつの下みせて?」

 

恐縮する母親が、あわてて娘をつれさった。

アリアの細面に皮肉な笑みがうかぶ。

 

「……この世で一番残酷なのは、おさない子供だな。

戦争ごっこに興じるわれわれにゆう資格ないが」

 

M65系のジャケットの肩をだく。

上着ごしでも、おどろくほどほそい。

 

「気づかってくれるのか、ジョージ。ありがとう、でも大丈夫だ。

たしかにすこし動揺したが、こんなことで心を痛めてる場合じゃない」

「なんでもいってくれ。できるだけのことはする」

「おたがいにね。この戦争はながく、きびしいものになるだろう。

われわれのどちらか、いや両方が死ぬ可能性は否定できない」

「縁起でもない」

「どんなことがあっても、わたしは後悔しない。ただ最善をつくす」

「オレがいいたいのは……」

「わかってる。痛いほどわかってる。でもこれは摂理なんだ」

 

三つの瞳でしばらくみつめあい、口づけをかわした。

 

「愛してる、アリア」

「わたしもだ。いつも失礼なことをいってるが、最初から惹かれていた。

キミはほかの男とちがう。そうゆう相手から愛されるのは幸福だ」

 

 

 

 

 

基地の司令官室にもどる。

ハーフリムの眼鏡をかけた男が、クリップボードたづさえはいってきた。

ええと……そう、中田ユージ。元中尉。

 

「司令官閣下、編制案を検討しました。いくつか修正しましたが、おおむね原案どおりです」

「あのう、『閣下』は勘弁してください」

「もちろん冗談です。ボクは真顔でふざけるタイプなんで」

「…………」

 

修正ずみのファイルをわたされる。

 

「原案を作成したのは、眼帯の羽生さんですか?」

「そうですよ」

「仕事がはやくて感心しました。いづれボクがやるつもりだったのに。

優秀なひとですね。美人だし。こいつクソうらやましい……」

「はい?」

「いえ、ひとりごとです」

 

まったく表情がよめない。

 

「中尉、エリート軍人が高校生のしたで働くのは不本意でしょうが……」

「全然不満じゃないですよ。あなたは革命の象徴的存在だし」

「でもさっきの態度は……」

「気にいらないのは、あんな天使みたく純情可憐な妹がいるくせ、

中二病女戦士とか、ロリ軍師とか、美人社長とか、モテモテなところです。

どんだけテンプレなハーレムラブコメなのか。すこしは幸せをわけろよ!」

「…………」

 

まるで顔色かえずに、舌が高速回転する。

わかった、こいつはジュンの同類だ。

 

「カワイイ妹に毎朝おこしてもらって、一緒にお風呂はいってるんでしょ?

なにかってゆうとチュッチュしてるんでしょ?

実は士官連中と、『朱星ジョージ暗殺計画』をたてたことがあって」

「暗殺!?」

「革命さわぎで流れちゃいましたけどね。

なにをかくそう、陸軍のじゅんじゅんブームに火をつけたのは、このボクです!

ちなみに『じゅんじゅんブログ』の全記事にコメントしてますから。

要するに司令官への感情は、『羨望5割・殺意5割』ってとこです」

「そ、そうですか」

 

これからこの変態とつきあわなきゃいけないのか……。

 

「あ、プロだから仕事はきちんとやるんで御心配なく。軍務はまかせてください」

「よろしくおねがいします」

「ただ、ひとつ質問あるんですけど」

「なんですか」

「じゅんじゅんとあの教師、本当はどんな関係だったんですか」

 

もう何人にきかれたろう。

答えはいつもおなじ。

 

「兄妹は、近いようで遠いんです。わかっていても、オレの口からはいえません」



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