スティーブン・エモット『世界がもし100億人になったなら』

ロシア・サハ共和国ミールヌイ

 

 

世界がもし100億人になったなら

Ten Billion

 

著者:スティーブン・エモット

訳者:満園真木

発行:マガジンハウス 2013年

原書発行:2013年

 

 

 

気候変動をあつかう科学会議で、ちかごろ新顔をみかける。

軍関係者だ。

地球温暖化がひきおこす内戦や国際紛争をみこし、すでに軍はうごく。

「気候難民」を国境で阻止する作戦をたてねばならない。

 

2000年以降、官民とわずさまざまな組織が土地を買い漁る。

木材の伐採、レアアースやリン、農耕や牧畜。

第二次植民地競争がはじまり、諸邦は軍国主義化する。

 

 

ブラジル・ビリェナの大豆プランテーション

 

 

「緑の革命」は、反革命だつた。

収穫量のため、エネルギーと化学物質への依存をたかめる。

食料価格が下落した分、消費は拡大、輸送も急増。

 

ゆたかな数億人にとり、食べることは趣味と化した。

肉の消費増は、大豆の生産増を意味し、土地利用と森林破壊に負荷をかける。

 

「100億人をどうやしなうか?」

人類の文化に解答はない。

だれもが生態系サーヴィスから利益をえたいが、責任をおいたくない。

 

コンセントをぬく……電気自動車をかう……トイレットペーパーを節約……。

形だけのポーズは、事実から目をそらさせる欺瞞だ。

 

 

アメリカ・テキサス州のフォルクスワーゲン社

 

 

原子力は、今後数十年のエネルギー問題を解決する唯一の既存技術だが、

各国政府や電力会社は手をひきはじめている。

長きにわたるコストと、政治的理由で。

 

ヒッグス粒子とかゆう、あやしげなゴミをみつけるため、

CERN(欧州原子核研究機構)に80億ユーロ(1兆円)が投じられた。

これぞ地球上でもつとも重要な実験、と吹聴する物理学者にのせられて。

 

人工光合成など、いままさにもとめられる科学革命がほかにあるのに。

文明も、航路をみうしなう。

 

 

2009年、G20ロンドンサミットにあつまつた各国首脳

 

 

文化と文明をむすぶのが、政治だろう。

だが政治家は、問題の解決策どころか、障碍となつている。

あるのは饒舌な放言だけ、行動はなし。

 

かれらのはくべき言葉、それは「子どもをつくるな」。

いまの世界で人間がなす最悪の行為は、生殖だ。

 

 

2011年、アルジェリアの食料暴動

 

 

2010年の熱波で、ロシア政府は穀物輸出を禁止、空前の食糧価格高騰がおこる。

アジアやアフリカの食料暴動の引き金となり、「アラブの春」へつながつた。

 

導火線に火はついている。

ボクらは耳をふさぎ、世界が崩壊する日をじつとまつ。




世界がもし100億人になったなら世界がもし100億人になったなら
(2013/08/26)
スティーブン・エモット

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テーマ : 環境・資源・エネルギー
ジャンル : 政治・経済

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