虚業

山口組の橋本弘文と高山清司にはさまれる島田紳助

 

 

島田紳助というと、不動産取引で成功したイメージがあり、

「一流藝人となると、別分野でも才覚がはたらくのかな」とおもつていたが、

そう単純な話でない様だ。

 

ヤンキーあがりが自慢の紳助は、1985年にオートバイのレーシングチームを結成したが、

これが大失敗で資金難におちいり、不動産投資にきりかえる。

90年代なかばといえば、折悪くバブル崩壊直後。

なぜドシロウトの紳助が一山あてたのか、いぶかしむものは多い。

 

ヤクザは裏金をつかい、不動産取引の譲渡課税をごまかす。

その際必要なのは、指示どおりうごく、信頼できる素人のパートナー。

藝能人は、名義上の所有者にうつてつけ。

暴力団・投資グループ・金融ブローカー……そういう得体のしれぬ連中が、

株やらなにやら吊り上げつつ、右から左へあぶく銭をながすマネーゲーム。

裏社会のヘキサゴンで、紳助は予選突破した。

 

 

 

 

たとえ有名人でも、大物ヤクザに接近するのはむつかしい。

吉本藝人で山口組ともつともふかく交流するのが中田カウス。

 

親分さんは、女房や娘からたらしこむ。

仲のよいビートたけしが出席するパーティに、五代目組長・渡辺芳則の家族をまねき、

一緒に写真をとつたり、東京へつれていつたりする。

あとで自分は五代目と昵懇といいふらす。

だれも組長本人に確認できないから、藝人仲間も平伏するしかない。

ダウンタウンの兄貴分としてしられる現社長の大崎洋が、

創業家を排除するため、カウスの政治力を利用した面もある。

 

紳助はカウスの手口をまねた。

山口組のナンバー4・橋本弘文の妻にちかづき、石垣島のペンションなどへ招待。

虎の威を借るなんとやらで、地位をたかめる。

カウスとしては、代替りした山口組の新体制にくいこんだ紳助がけむたい。

2011年の引退騒動は、カウスがしかけた可能性も。

 

 

 

脱税の片棒かつぐのは論外だが、藝能人が反社会勢力とつるむのが悪とはいえない。

お笑い藝人なら、ぜひヤクザをネタにしてほしい。

虚業にも、いくばくかの真実が必要なはず。







【参考文献】

森功『大阪府警暴力団担当刑事』(講談社)



大阪府警暴力団担当刑事――「祝井十吾」の事件簿大阪府警暴力団担当刑事 「祝井十吾」の事件簿
(2013/02/21)
森功

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