くみちょう『B.B.GIRLS』2巻 総体予選・夙山戦
B.B.GIRLS
作者:くみちょう
発行:マッグガーデン 2012-13年
レーベル:ブレイドコミックス
[1巻の記事はこちら]
両チームの面構えからして期待させる、女子バスケ漫画の第2巻。
顔見せはおわり、真剣勝負がはじまつた。
われらが「清南高」の対するは、県四強にかぞえられる「夙山女学院」。
頭数をそろえるのがやつとの清南は圧倒的不利だが、
試合前に「お遊びバスケ」と侮辱され、士気はたかい。
夙山の「まこち」は天才シューター。
試合開始直後から、マークあるなしにかかわらず、3ポイントをスパスパきめる。
リバウンドは175cmのセンター「太田さん」にひろわれる。
積極的に3Pをねらえるのは、制空権をにぎるから。
気合いでは埋められぬ戦力差だ。
40点ちかくリードされるが、控えの「三島勇美」は闘志みなぎり、
監督に鼻息あらく、無言で起用をうながす。
でもバスケ歴(ていうか運動歴)一か月半では、強豪との公式戦にだせない。
単純な「あかね先輩」はすつかり諦めムード。
1年のエリと藤上さんは、「個人では負けてない」と言い張る。
個性ゆたかな清南女バス部、応援せずにいられない。
打つ手のなくなつた第3クォーター、ついに勇美が公式戦デビュー。
143cmのもやしつ子、どちらに攻めるかもわからない初心者だが、
すつぽんディフェンスでみぐるしく喰らいつく。
女一匹、三島勇美吠える!
そうやってうつむいたままコートに立っている事が一番格好悪い
それだけは私にも分かります!
みっともない上等! みっともない試合全力でやりましょうよ!!
太眉をつりあげ叫ぶ言葉は、本当に熱い。
しつこいマークはまこちのミスをさそい、エリがカウンターをきめる。
流れをかえるなら、いましかない。
即座にスイッチはいり、オールコートディフェンスをしかける清南。
集団競技の戦術と心理のおもしろさを本格的にえがく。
カワイイだけの漫画ぢやない。
勇美のうつくしい3Pシュートを最後に、物語は幕をとじる。
名残惜しい。
単行本帯の折り返しで、続篇の可能性をにおわせるが。
やさしい「かすみ先輩」が負傷中で出番なかつたり、作者も描きたりないだろう。
スポ根漫画は、講談社など大手出版社の独占商品とみなされがち。
熱血で、心ゆすぶり、わらえて、しかも萌える傑作が、
『コミックブレイド』というマイナー誌(失礼)で連載されてると知るものはすくなかつた。
無力感をおぼえる。
それでもくみちょう先生と、清南高のみんなを、ボクは応援しつづける!
![]() | B.B.GIRLS(2) (ブレイドコミックス) (2013/07/10) くみちょう |
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