たたかえ!平和の軍

『ストライクウィッチーズ』(テレビアニメ/2008年)

 

 

共和主義者たるボクは、どちらかといえば過激な部類の「改憲派」だが、

9条に関しては、確たる意見をもたなかつた。

それでいいのだ、とたからかに宣言する書物がある。

松竹伸幸『憲法九条の軍事戦略』(平凡社新書)だ。

 

いわく日本は、憲法9条と、つみかさねた戦後の歴史によつてこそ、

この混沌の世界で主導権をにぎり、優位にたてる。

9条で敵に勝て!

 

 

 

 

左翼と右翼が延々つづける、なれあい神学論争に終止符をうつため、

われら憂国者は、いくつかの術語を事実にもとづき再定義する。

 

 

「抑止力」

右翼の幻想。

ここ数十年、日米は圧倒的な軍事力で支那を威嚇したが、

まるで効果なく、日米安保に対抗しうる態勢を構築された。

そもそも70年前、無謀にもアメリカなどの包囲網にいどんだのは、どこの国か?

 

抑止力は、核兵器とともに誕生した概念。

だが沖縄の海兵隊に核はない。

……なに、海兵隊の機動力が抑止になる?

その機動性ゆえ、海兵隊は沖縄にいる必要ないのだが。

 

 

「集団的自衛権」

従順であることで相手に愛されようとする、いまや演歌にしかない思想。

 

外務省ですら、国会答弁であげた実例は三つのみ。

1968年のチェコスロバキアと、1979年のアフガニスタンへのソ連の侵攻と、アメリカのベトナム戦争。

ほかにニカラグア内戦など、たかだか数例、しかも違法な侵略ばかり。

 

 

 

 

「日本国憲法がさだめる自衛権」

世界の常識。

すべての国がこの原則を遵守せねばならない。

国際法上の例外措置のひとつ。

 

たとえば、アメリカによるニカラグア攻撃を違法とした、

1986年の国際司法裁判所における判決は、憲法51条とぴたり対応。

 

 

「武器輸出三原則」

「武器規制」は、対米追従で完全な無能者とみなされる日本が、

実績をあげられた唯一の外交分野。

 

 

「経済制裁」

相手国への恩恵。

 

制裁だけで目的は達成できない。

1997年、リビアがテロ容疑者引渡しに応じたのは、

経済制裁を実施しつつ、水面下でねばりづよく交渉したおかげ。

欧米からの投資など、見返りがあつたらしい。

 

相手の国民に支持される制裁なら、好結果を期待できる。

国連は、アパルトヘイト政策を廃止しない南アフリカ政府に対し、

総会の代表権を剥奪、かわりにアフリカ民族会議(ANC)の正当性をみとめた。

対北朝鮮外交に応用可能だろう。

 

 

『ストライクウィッチーズ2』(2010年)

 

 

大学でなく、ストパンで軍事や国際政治をまなんだボクは、

無用の軋轢をおこしがちにせよ、アメリカ人はいいひとたちとおもう。

 

 

 

 

だが日本への仕打ちはゆるせない。

 

自衛隊発足にあたり、防空を重視したい要望をしりぞけ、北海道防衛をまかせる。

米ソの艦隊戦にまきこむため、1978年にP3C対潜哨戒機を導入させる。

ソ連の軍事力について情報不足で、それと戦う構想もない状態で、

ただ命じられるまま、日本はつかいすての盾の役をつとめた。

 

愛国者なら、かなしみをいだかず、わが戦後史をふりかえれない。

 

 

 

 

いまアメリカは混乱し、戦略が分裂している。

軍事的に敵で、経済的に味方の、不可解な超大国が擡頭したから。

アジアの雄として日本は、同盟国をただしくみちびかねばならない。

 

 

船津早稲『ダブルハピネス』(ミッシイコミックス Next comics F)

 

 

2008年の四川大地震の際、自衛隊が救援に駆けつけることが模索される。

9条による平和的実績が、支那国内のうけいれへの動きをつくりだした。

 

尖閣問題でも、日本の主権を維持しつつ、

周辺の海底油田を共同開発するなど、両得の決着をめざすとよい。

 

 

1期11話アイキャッチ

 

 

おなじく敗戦国のドイツは、堂々ふるまつた。

戦後初の首相アデナウアーは、ナチス政府に抗した気骨ある元ケルン市長で、

占領軍ともたびたび対立したが、反ナチスの人物を無下にできず、一目おかれた。

 

 

1期5話アイキャッチ

 

 

安保条約以来、米軍の公務中の事故は5万件、死者も500人をこえるが、

地位協定にのつとり、日本は裁判権を放棄している。

5万件のうち、アメリカで裁判がひらかれたのは1件のみ。

 

かたやイタリアは、米軍機によりスキー客20人が死亡した1998年の事故で、

NATOの地位協定にもかかわらず裁判権を主張、要求自体は拒否されるも、

アメリカでイタリア代表をまじえ裁判はおこなわれ、有罪判決がでた。

 

ゆうべきはゆう、それが真の友情。

ルッキーニとシャーリーにまなびたい。

 

 

1期エンディング

 

 

わたしたちにできること、ひとつづつかなえたい。

さあ、1条改正へ力をあわせよう。

共和国日本万歳!





憲法九条の軍事戦略 (平凡社新書)憲法九条の軍事戦略 (平凡社新書)
(2013/04/17)
松竹伸幸

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テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争
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