赤木リツコの殺意

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(日本映画・2012年)

 

 

ガキシンジの首にまいたDSSチョーカー。

「Deification Shutdown System」の略で、「神への生贄」てな意味か。

ゼーレの意をくむ渚カヲルを掣肘せんと開発。

エヴァンゲリオン搭乗者を首ごとふつとばす。

合理的だが、年端もゆかぬ少年少女にもちいるには酷だ。

 

作中言及ないが、つくつたのはリツコさんだろう。

それをミサトさんが流用。

単なる検体あつかいされ、ヘタするとサードインパクトの主犯として処刑されそうな、

シンジをまともに生活させることを、ヴィレ上層部にみとめさせた。

なんだかんだで、ミサトはやさしい。

 

 

 

 

赤木リツコと葛城ミサトは親友だが、ことなる人生観をもつ。

 

リツコはオンナを捨てられない人。だからそれだけにね……。

変な話、「死んじゃうかも」って思うんですよ。

いざっていうときに、ミサトは飛び越えられる。

自分はリツコとは全然違いますが、そこは好きな部分で。

 

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 記録集』所収、「赤木リツコ」役・山口由里子のインタヴューより

 

リツコは物語の核心ちかくにいる人物だが、

あつさり原作よりはやく死んでおかしくない、はかなさがある。

 

 

 

 

にげるガキシンジ。

ふるえるミサトの左腕。

 

 

 

 

「艦長、DSSチョーカーの起動を!!!」

鬼気せまる絶叫。

 

親友が踏ん切れなかつたのをみとどけ、目をふせる。

口もとに自嘲の笑み。

 

シンジ君を殺すのは、科学者として、軍人として、ただしい判断のはず。

でも、本当にそれだけかしら?

髪をきりすでに訣別した人の、前妻との子を、亡き者にしたいとねがう自分がいた気がする。

どうしてわたしは、ミサトみたいなやさしさがないんだろう。

 

 

本田雄によるポストカード第4弾。ボクはアスカ派だが、いままでで一番よい

 

 

山口由里子は、ひとりだけ先に出番がおわつたある日、

「おつかれさまでした~!」と帰るふりし、スタジオのトイレでしばらく泣いた。

赤木リツコとして、ズタズタに傷ついた心のまま、電車にのれないから。

 

 

 

 

五度鑑賞してようやく、おぼろに『エヴァQ』の全体像がみえてきた。

理解したといえるまで、あとすこし。




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