機能する国際連合、コカ・コーラ社

モロッコの山中にある看板(撮影:ciukes

 

 

 

 

ネヴィル・イズデル『コカ・コーラ 叩き上げの復活経営』(早川書房)をよんだ。

コカ・コーラ社の前CEOによる自伝。

イズデルは、アイルランド系でプロテスタントの家族の一員として、北アイルランドにうまれた。

産声をあげた時点で、複雑な背景をせおう。

 

ザンビアのボトラーで仕事をはじめ、オーストラリア・フィリピン・ドイツ・インドとわたりあるく。

壇上で腕立て伏せして営業部隊の士気をたかめるとか、ペプシ社へのはげしい敵愾心とか、

書類より現場をこのむ人柄が感じられ、金儲けに無関心なボクも飽きずによめた。

「中東を相手にすると、結果がでるまで二千年かかる」なんて、異文化ネタもたのしい。

 

その場にいたコカ・コーラの一団は、まれにみるほど多国籍で多宗教だった。

これは近年のグローバリズムの急拡大よりはるかに以前のことだ。

コカ・コーラ社の魅力はここにある。

この会社は国際連合、きちんと機能し利益を出している国連なのである。

 

翻訳:関美和

 

ボクはコーラをのまないし、なんとなく「グローバリゼイションの悪しき象徴」とおもつてたが、

「多国籍企業=国連」なんて見立てもあるのかと蒙をひらかれた。

 

 

 

 

コカ・コーラの成分をしるす秘密の調合法をしるのは、世界で数名のみ。

CEOですらしらない。

1977年、インドの新政府はコカ・コーラに対し、フォーミュラを自国企業にあかせと要求。

コ社は十億人市場から撤退した。

 

ボクも秘密の調合法の存在は話として聞いてたが、眉唾ものというか、

いわば公認の都市伝説の類と認識していたけど、事実らしい。

 

 

 

 

怖いものなしの資本主義の旗手でさえ、理解しがたい市場がある。

勿論、日本だ。

 

日本市場での利益は、缶コーヒーの販売によるところ大。

夏につめたい飲料を、冬にあたたかい飲料を提供する自動販売機は、世界に例がない。

ものすごく熱い缶を二本指ではさみ、唇をヤケドしない様にのむ。

その器用さに、本社の人間は驚嘆する。

 

だが日本は斬新なブランドであふれ、大ヒットをとばしても、成功は一年とつづかない。

他国とまつたくちがう発想が必要とされる。

 

……なるほど。

まあ生まれ育つても、よくわからない国だからね。






コカ・コーラ 叩き上げの復活経営 (ハヤカワ・ノンフィクション)コカ・コーラ 叩き上げの復活経営 (ハヤカワ・ノンフィクション)
(2012/09/07)
ネビル イズデル、デイビッド ビーズリー 他

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