博物館行きはまだはやい

「Ringbow」プロジェクト公式サイト

 

 

このとつてもオシャレな指輪は「リングボウ」。

ゲーム用機器として開発され、いま資金をつのつている。

突起部が十字キー。

Bluetoothを通じ、AndroidおよびiOS対応プラットフォームをあやつれる。

 

 

「Ringbow Gaming World」

 

 

スマートフォンやタブレットのゲーム操作は、かならずしもスマートでない。

ボタンから解放されたはずの人類は、いまだボタンに執着する。

 

 

 

 

リングボウなら、タッチとボタンを両立できる。

高性能で持ち運び容易なコンピュータが爆発的にはびこる昨今、

それらを有効活用したいと、ゲーマーはのぞむ。

裏腹に、「スマホやタブレットぢやガッツリ遊べねーよ」という不満がある。

リングボウという企画は、その證明だ。

 

 

 

 

「ゲーム機」は消滅するかもしれないと、ずつと感じている。

フィルムカメラが博物館行きになつた様に。

コンピュータのほうがゲームに色目をつかううちは、安心だけど。




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小谷野敦の『俺妹』評

 

 

伏見つかさ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(電撃文庫)

 

評者:小谷野敦

掲載サイト:『Amazon.co.jp』

概要:見ために反しオタク趣味をもつ妹に翻弄される、人気のライトノベル

 

 

 

評者の肩書きは、比較文学者・評論家・小説家。

簡単にいうと文学が専門のコワモテの学者先生で、

そういう人がラノベを論じ、「直木賞をとってもいい」とまで称讃するのがおもしろい。

 

見た目のラノベっぽさに比較して、プロットはきわめて古典的である。

文章、語彙などもきわめて整っている。(ただ「逆鱗」の使い方はちょっと気になった)

 

ラノベは偏見を持たれがちだが、文学作品としての質を備えていると評価する。

大まじめだ。

 

パターンが出尽くしてしまった直木賞系小説に対して、

いわば王朝物語の末流に対する浮世草子の登場を思わせるものがある。

 

「ラノベ=浮世草子」説!

日本文学史の流れのなかに位置づける。

ホントかよと面食らう力技。

 

 

このレビューを俯瞰すると、評者は私小説/純文学を称揚する目的で、

ラノベを直木賞系の大衆文学へ混入させ、価値体系を乱そうとしている。

そんな戦略的行動が、アマゾンを舞台に遂行されるのが、いまという時代を感じさせる。

 

 

 

【評価】

文体:★★★★☆ まあ芥川賞候補となった小説家でもあるし

情報:★★★★☆ 短文だが、説得力あり

熱意:★★★☆☆ 決して上から目線でないが、背景が透けて見える

平均点:3.7 ウェブ上のレビューは、意図も経緯もさまざま

 

『Review the Reviews』から転載)



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板倉梓『タオの城』

九龍城に似たスラム街での、せつない人間模様

 

 

 

 

タオの城

 

作者:板倉梓

発行:芳文社 2012年

レーベル:芳文社コミックス

 

 

 

 

ビル風で涼むノラネコ。

彼女の名は「タオ」。

 

 

 

 

日本のどこかの街にある公共団地、「百窟城」が舞台。

香港にかつてあつた、九龍城みたい。

與那覇潤風にいうと「中国化する日本」か。

 

主人公は、田舎からきたばかりの「林孔明」。

百窟城で、管理人の職をえた。

 

 

 

 

タオの仕事はアイス屋さん。

『少女カフェ』は特にそうだが、板倉梓えがく幼女の愛らしさは皇帝級。

 

 

 

 

でも『タオの城』は、アイスクリームほど甘くない。

孔明が手紙を配達すると、おじいさんの部屋で、なぜかスリップ一枚のタオが。

ここの生活はきびしいだろう、でも春をひさぐなんて。

一目惚れは、一夜で幻滅。

 

 

 

 

「あたしは売春してるわけじゃないわ

でも百窟城に住んでる売春婦のコたちはよく知ってる

だから汚い仕事なんて言い方は許さないわよ」

 

ノラネコは、だれにもなつかない。

 

ビタースウィートが作者の持ち味だが、本作はいつにましてほろ苦い。

 

 

 

 

 

 

 

線のほそい要と翠は、兄妹でふたりぐらし。

ひと月まえ同居をはじめた。

 

 

 

 

夜。

「…お兄ちゃんならいいよ」

 

 

 

 

翌朝。

うつろな瞳。

たがいの他なにも持たないふたりが、すべてうしなつた。

都会の片隅にひそむ心の闇を、やわらかな描線でつむぐ。

 

 

 

 

 

 

 

タオのいうとおり、売春宿もある。

純情管理人が御来店。

この絵柄で感度がどうとか言われると、胸さわぎ。

 

 

 

 

「好きな子がいるから」と、娼婦の顔をつぶす。

素にもどりタバコに火をつける表情は、営業用のそれよりすてきだ。

 

 

 

 

さばさば身の上をかたる。

蓮さんはギャンブル狂で落魄の境涯に。

借金をかえし、ラスヴェガスへゆくのがいまの夢。

 

 

 

 

 

 

 

一巻完結の、グランドホテル形式の物語。

もうすこしスウィートなほうが作者の腕にあおうが、これもまたよし。

月夜のうつくしさを、だれも否定できない様に。






タオの城 (芳文社コミックス)タオの城 (芳文社コミックス)
(2012/06/16)
板倉 梓

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苑田 謙

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