アフィブログの屍の上で

阿部共実『空が灰色だから』(秋田書店)

 

 

アフィブログ、まとめブログ、ステマブログ……。

名称も実態もはつきりしないが、なんか揉めてるらしい。

それこそこういう騒動をまとめるのがうまい(笑)ブログで、経緯を確認してほしい。

 

「はちま起稿」などの、捏造とも言える強引な記事を見ている1人としましては、

ようやく来たかと感慨深いものがあります。

 

おりしも消費者庁が、ステルスマーケティングの見解を発表したばかり。

外堀が徐々に埋まっていく感じがいいですね。

これからも悪質なサイトには、監視が必要でしょう。手法も複雑化すると思います。

それでも1つの区切りがやってきたことを、今は喜んでいいと思います。

 

tenten99氏のブログ『東京のはじっこで愛を叫ぶ』

 

ボクも四年以上ブログを運営しており、対岸の火事におもえず、

勝手に師匠と仰ぐなかじマダオ氏に、ツイッターで意見をもとめた。

そしたら予想以上に感情のこもつたリプライが。

 

https://blog-imgs-55-origin.fc2.com/n/e/a/nearfuture8/1-jastawey2_reasonably_small.jpg

 うちのような零細ブログの個人の感想にまで目配せし、

 稼ぐためには捏造も厭わない逞しさは、呆れるを通り越して

 ちょっと感動すら覚えたりもしてましたがまあ、ひとつ時代が終わったなとw

 

めつたに悪口をいわない人なのに。

よほど腹に据えかねてたんだろう。

 

https://blog-imgs-55-origin.fc2.com/n/e/a/nearfuture8/1-jastawey2_reasonably_small.jpg

 僕としては、この手のブログが新作の感想の一部分スポイルしていいように扱うせいで

 ブログ当初の熱量で新作紹介書くの止めちゃったというのがあるので、

 これで少しは書くモチベーション上げられるかなと思ってます。

 

この発言は衝撃。

世間がファーストインプレッションに敏感に反応しすぎると嘆いてもいた。

インターネットは醜悪なシステムだ。

悪貨が良貨を駆逐する。

マダオさんがブログ更新に消極的になつた原因は、アフィブログだつた!

今度の騒ぎで、2ちゃんねる管理人ひろゆきは存在感をしめしたけれど、

彼もシステムそのものは、微塵も変えられない。

 

https://blog-imgs-55-origin.fc2.com/n/e/a/nearfuture8/1-jastawey2_reasonably_small.jpg

 あとはまあ、その後の対応ですね。ほんとにゲーム好きなら

 自分の言葉で語ればいいのにと思ったりしましたが、そうはなっていないようで。

 なんか悲しいですね。こんなのにみんなが振り回されたのかと思うと…。

 

むつかしいね。

あるブログの文章が「自分の言葉」かどうか、判別する方法はあるか?

そして我々は、どうすれば「自分の言葉」で語れるか?

あとでボクの了見をのべよう。

 

 

 

 

論点1:インターネットで個人の慾望は制限できるか?

 

できないし、されたくない。

すくなくともオレはアマゾン経由で小銭をかせぎたい。

有名にもなりたい。

自分の本を出版したいし、表紙はたかみち先生におねがいしたい。

印税収入をゲットし、いまの仕事をやめ、ぶつちーを追い帯広やロンドンまでゆきたい。

アフィブログへの批判は、嫉妬もある。

連中の蔭でアマゾンやグーグルはもつと儲けてるが、問題視されない。

 

それに慾望がすべてではない。

エロ漫画をとりあげるとアフィリエイト収入の桁がちがうけど、たまにしか書かない。

書きたいことしか書かない。

FE覚醒の記事をしつこく投稿したが、クリアするまでアマゾンへのリンクを張らなかつた。

傑作だと確信してても、最後までプレイせねば、読者への責任を果せないから。

 

アフィブロガーだつて、人を楽しませようとする思いが原動力なのでは?

でないと続かない。

なのに大勢から目の敵にされ、くるしかつたろう。

 

 

 

論点2:そもそもインターネットのシステムが悪いのか?

 

かもしれない。

でも、どうしようもない。

 

ジョセフ・ヒースが『資本主義が嫌いな人のための経済学』(NTT出版)で書いている様に、

インターネットは良くも悪くも、資本主義の縮図だ。

 

アフィブログには、個人の意見がない。

コピペしかない。

だからこそ人気がある。

独自の価値観なぞ、軋轢をうむだけ。

2ちゃんねる周辺を徘徊し、ひたすら他人の褌で相撲をとり、

ミイラになつたミイラ取りよろしく、自分が幽霊となる。

冒頭で引用した、阿部共実『空が灰色だから』(秋田書店)みたいに。

アフィリエイト収入は、単調な作業に耐えたことへの報酬だ。

 

そうして半文盲を惹きつけることで、ブログのネットワークが成立する。

ちよつと気どつた文体で綴られる当ブログは、

FC2が無料で提供するサーヴィスにもとづき運営している。

だれかが稼いだことによる恩恵だ。

つまり『そのスピードで』は、おなじくFC2の『やらおん!』のおこぼれにあづかる。

 

 

 

論点3:自分の言葉で語るためには?

 

ルールはふたつで十分。

 

「うつくしい文体で書く」

 

歌をうたうとき、絵をかくとき、人はうつくしくあろうとする。

歯をみがくときや、散髪するときも。

自発的行動はつねに美をめざす。

ジャイアンだつて、わざとヘタにうたうわけではない。

 

なにもブログで花鳥風月を愛でる必要はない。

自分の譲れないものがなんであるか、表現すればよい。

 

ならオマエの譲れないものはなにかつて?

一言でいえないから書くわけで、読みとつてもらうしかない。

 

「事実にもとづき書く」

 

うつくしく磨いた文体は、真実をうつす鏡となる。

だが、われわれは報道記者でも学者でもない。

取材する暇はないし、資料もかぎられている。

検證可能な誤りを指摘されたら、訂正するだけでよい。

修正の容易さは、インターネットが出版物にまさる最大の利点だが、

ゴーストたちは最低限の誠実さすらもたず、おのが首を絞めた。

 

 

 

 

 

https://blog-imgs-55-origin.fc2.com/n/e/a/nearfuture8/9-vlcsnap-2012-06-02-13h55m42s110.jpg

『ブレードランナー』(アメリカ映画・1982年)

 

 

このふたつのルールは、インターネットの常識になりはしない。

ルールがないのが、電脳空間のルールだから。

ボクとあなたで共有できればよい。

逆にいうと、だれもそれを止められない。




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苑田 謙

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