『十二人の怒れる男』

 

十二人の怒れる男

12 Angry Men

 

出演:ヘンリー・フォンダ リー・J・コッブ ジョセフ・スウィーニー マーティン・バルサム

監督:シドニー・ルメット

制作:アメリカ 1957年

 

 

 

まだ怒つてない十二人の男は、部屋にはいつた途端、一斉にタバコをだす。

前時代の映画だ。

ボクはタバコ嫌いだが、絵になる小道具とはおもう。

 

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全員が白人男性。

ただその偏りを、後世の政治観から批判するのはお門ちがい。

いまの司法制度は公平になつたが、治安は悪化している。

ひとり窓にむかい煙をはく、「陪審員八番」ヘンリー・フォンダ。

孤高のガンマンの様だ。

 

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前夜に質屋でみつけたナイフをつきたてる。

最大の證拠を無効にするため。

兇器を三十分隠しもつなんて、この陪審員は人がわるい。

切り札をさらす、適切な機をみはからつていた。

 

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ヒステリックな「陪審員三番」をといつめる。

「個人的な事情があつて、死刑をのぞむのか?

それではただのサディストだ!」

 

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「ぶつ殺す!」

リー・J・コッブの芝居は印象ぶかい。

 

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「ほらキミだつて、本気で殺すなんて言つてないだろ?」

薄笑いをうかべて。

本作におけるフォンダの論法は、意外と単純。

論敵を挑発し、理性をうしなわせ、「ほら、キミの意見はおかしいだろ?」。

これをひたすらくりかえす。

 

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質屋でかつたナイフで、犯行を再現。

せまくるしい舞台では、小道具をできるだけ応用する。

「殺してやる」といつた男が刃物をむけても、すずしい顔。

この自称建築家、どれだけ修羅場をくぐつてきたのか。

 

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フォンダはひとりで十一人の男をたおした。

あわれにも突つ伏す陪審員三番。

彼が有罪にこだわる「個人的な事情」を、フォンダはわかつていたのか?

智謀神のごとくであるが、そこまで看破していないはず。

相手が屈服するまで、攻撃しつづけただけ。

 

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最後の小道具はジャケット。

過去のいざこざは水にながす、男と男の名場面だ。

というより、「さすがにやりすぎた」と罪悪感をおぼえたのだろう。

赤の他人の無罪を勝ちとるため、着なくてもよい罪を着る。

 

 

 

 

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名作中の名作で、ボクごときが良い悪いをのべる余地などないが、

『十二人の怒れる男』がかかえる缺陥を、ひとつ指摘したい。

理路整然と有罪を主張する「陪審員四番」は、てごわい敵だつた。

メガネが突破口になる。

頭よさそうなのに、自分がつけてるモノさえわからないとは!

……え、そういわれてみれば。

 

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「女はメガネをかけたがらないのを、キミは知らないのか?」

たたみかけるフォンダ。

しかしこの発言は、メガネ女子を愛するボクは許容できない。

五十年代では正しかつたとしても。

現代の美意識にもとづき、ここで批判しておく。








以上の記事は、「ブログ DE ロードショー」のリクエスト企画に参加したものです。

お誘いくださつた、miriさん、宵乃さん、ありがとうございました。



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