身軽になつて

 

岩渕真奈の背番号が「13」になると知つて、虚無におそわれた。

降格人事ほどの辱めは、ほかにない。

不公平な選考で洩れたが、ベストイレヴンに値した2010年はなんだつたのか?

しかし十月に羽生英之社長が、それは本人の要請だつたとあかす。

まだ周囲の信頼もないのに、10番は重すぎると。

露骨な贔屓目で恐縮だが、それはそれでぶっちーらしいと思いなおした。

こんな話がある。

ワールドカップ決勝をPK戦まで持ちこんだとき、澤穂希はキッカーの務めを辞退した。

ここまでがんばつたのだから、もう勘弁してくれと。

佐々木監督は、それを責められなかつた。

すかさずぶっちーが、それに続いた。

「澤さんだけズルイ」つてことだろう。

 

 

 

 

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『SANSPO.COM』(撮影:春名中)

 

土曜に明治記念館で、なでしこリーグの表彰式がひらかれた。

ぶっちーは、敢闘賞とベストイレヴンを受賞。

「敢闘賞」つてなに、とおもつた。

『日本国語大辞典』をひくと、

「競技で、最優秀ではないが、果敢に戦った者に与えられる賞」とある。

たしかに彼女は、果敢にたたかつた。

ベレーザは、となりの二人がいるクラブに主力四人をうばわれ、

中地が引退し、山口が去り、豊田まで途中でやめた。

缺落は、下部組織の少女たちで埋めるしかなかつた。

そういや震災もあつた。

普通なら空中分解しそうな機体は、七か月の飛行をへて、

二位という戦果をたづさえ着地した。

 

 

 

 

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『毎日jp』(撮影:竹内幹)

 

岩渕真奈は、オレみたいな狂信者がおいたバーより、上をとぶ。

期待しすぎて申しわけないとすら、おもつているのに。

ぶっちーは背番号を変え、肩の荷をかるくした。

ある意味で無責任なふるまいだ。

だが終盤の六試合連続ゴールは、まさにリーダーの活躍だつた。

威厳すら感じた。

不可解なほど矛盾しているが、客観的な事実であり、

「これが岩渕真奈だ」としか言い様がない。



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テーマ : 岩渕真奈
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苑田 謙

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