火中の栗

 

 

 

 

なにを揉んでるかはともかく、駐日アメリカ大使だつたモンデールの発言を、

孫崎享『日本人のための戦略的思考入門』(祥伝社新書)という本でしつた。

 

ウォルター・モンデール大使は、

誰が島(尖閣諸島)を領有しているかについては、

米国は立場をとらないと指摘した。

さらに、米軍は条約(安保条約)によって島をめぐる紛争に

介入を義務づけられるものでないと述べた。

 

『ニューヨーク・タイムズ』1996年9月16日付

 

へえ、人騒がせな大使さまもいたもんだ!

米国の立場は、尖閣諸島は日本の管轄地で安全保障条約の対象だが、

しかし領有権については、日支いづれの側にもつかないというもの。

要するに、「火中の栗は拾わないよ」という話。

日本政府がこの見解に異論をとなえた形跡はなく、むしろ積極的に支持した。

だめじゃん、日本。

ほかにも「北方領土は安保条約の対象外(1960年にはソ連の管轄地だつた)」とか、

「米国はいつの間にか竹島を韓国領と位置づけていた」とか、

「普天間の資産価値は在日米軍基地全体の1/20以下で、

そのために残りの19/20を犠牲にはしない」とか、もと外交官の著者におそわつた。

ちなみにボクの時事問題についての理解は、日本人の平均値程度だとおもう。

(岩渕真奈や百合漫画やアダルトビデオは、そこそこ詳しい)

でも全然しらなかつたな。

アメリカさまは、ひたすら忠実に日本を守る騎士だとおもつていた。

 

 

 

 

 

とてもわかりやすい図解ですね。

敵国の七八割を破壊する能力をたがいに持ちあうことで、

先制攻撃をしないことを確約する、「相互確証破壊」の概念。

「戦略」とよぶほど高尚には見えないけれど……。

ジャンケンよりはるかに退屈な大人のゲームを、両国は遊んでいる。

われらの出る幕などない。

米国は日本との関係より、支那との軍事的衝突をさけることを優先する。

なら日本が核兵器をもてば?

どうぞ御随意に。

ただ、中原を焦土にかえるだけの能力がないかぎり、

逆に東京などが灰燼に帰すリスクが高まりますが、その覚悟はおありですか?

 

 

 

 

『DEFCON』(Introversion Software)

 

吉田茂から福田恆存まで、日米一体派の論法は一貫する。

「強いものにつくことが、日本の生きる道」。

ゆるぎない信仰だ。

ならば支那のGDPが米国を抜き、軍事費も最高水準に達したら、

その瞬間に手のひらを返すつもりなのか。

なんという不節操!

ヴィジョンなき信心バカに、国家の舵取りをゆだねたのが、すなわち日本の戦後。

この世に無謬の意見などないが、ひとつだけ真実らしきものがある。

「このんで、火中の栗を拾うものはいない」。

人々は安全地帯で国を憂い、ちつぽけな島のことで悲憤慷慨し、

ひと月もたたぬうち飽きては、酒癖のわるい歌舞伎役者の噂に興じたりする。





日本人のための戦略的思考入門――日米同盟を超えて(祥伝社新書210)日本人のための戦略的思考入門――日米同盟を超えて(祥伝社新書210)
(2010/09/01)
孫崎 享

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苑田 謙

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