フクアリ劇場 ― J2 第16節 ジェフ千葉-愛媛FC

 

J2 第16節 ジェフユナイテッド千葉-愛媛FC

 

結果:3-0 (3-0 0-0)

得点:1分 倉田秋 18分 米倉恒貴 38分 米倉恒貴

会場:フクダ電子アリーナ

[現地観戦]

 

 

 

一月に「女子中学生限定」のオフ会を企画したときは、

最少催行人数をみたせず中止となつたが、

今度の「ジェフ戦オフ」には、福井からコゲチャさんがおいでになつた。

遠路はるばる、おつかれさまでした。

両軍イレブンがみづからの持ち場にちらばり、

じつと笛の音をまつとき、スタジアムが騒然となる。

となりの国家公務員はシャッターをきりまくる。

 

『J's GOAL』

 

アドレナリンみなぎる二十二人の眼前で、カエルが担架ではこばれた。

ふつてわく様にはじまつたコントに、短気なボクは激怒した。

この目ざわりなカエルは、「一平くん」。

愛媛県の郷土料理店「ゆうゆう亭」のマスコットだ。

クラブの公式マスコットでもないくせに、

折からのゆるキャラブームにのつて全国区人気となり、

ついに千葉での興行権まで手にしたらしい。

 

 

 

笛の残響がきこえる、開始数十秒後。

左側面の倉田秋が、ゴールキーパーの股をぬいて点をうばう。

気をゆるめたのはむしろ、カエルの仲間たちだつた。

ジェフ千葉は、なかば公然とFCバルセロナを模範にかかげ、

清く正しく美しいサッカーの実現をめざすが、

日曜は理想をかなぐり捨て、布陣をかえている。

「4-4-2」。

愛媛のサイドバックが、横にならぶ巻と米倉につられ、

倉田に一秒の余裕をプレゼントした。

士気さかんな米倉は前線をかきまぜ、さらに二点をくわえる。

フクアリの観衆は、季節はづれのミカン狩りをたのしんだ。

 

 

 

今季いまだ無得点と、低迷する巻誠一郎をひさしぶりに見た。

不調も納得の、にぶい動き。

しかし巻はなんの工夫もせず、重い体をひきずり倒す様にはしる。

空中戦で、はたき落され。

ボールを奪いにゆけば、あつさりかわされ。

その愚直な仕事ぶりが、どれだけ戦術的に有効かは怪しいが、

それでも彼はボクらに、「自分はフクアリに来ているんだ」という感慨をもたらす。

 

 

ボクはいつも、終了の笛と同時に席をたつセッカチな人間だが、

この日はコゲチャさんと一緒に、からつぽのスタジアムにのこつた。

興奮と喧騒の粒子が、まだかすかに空気にたゆたう。

やはりスタジアムは特別な場所だ。

変な寸劇も、野心あふれる若手も、辛苦にあえぐエースも、

すべて飲みこんで九十分のドラマにしたてる。

北陸からだつて、足をのばさずにいられない。


関連記事

テーマ : サッカー
ジャンル : スポーツ

最近の記事
記事の分類
検索とタグ

著者

苑田 謙

苑田 謙
漫画の記事が多め。
たまにオリジナル小説。

Twitter
メール送信

名前
アドレス
件名
本文

カレンダー
05 | 2010/06 | 07
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -
月別アーカイヴ
09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03