堀池巧、アイスホッケー、バルセロナ ― ウズベキスタン戦をみて

ホッケー

ワールドカップ・アジア最終予選 日本-ウズベキスタン
結果:1-1 (前半:1-1 後半:0-0)
得点者:
[日本]玉田圭司(前半40分)
[ウズベキスタン]シャツキフ(前半28分)
会場:埼玉スタジアム2002
[テレビ観戦]


きのうのテレ朝も、カクザワ・マツキ・エチゴの最凶トリオがそろいぶみ。
きくにたえない駄弁で日本代表の人気凋落に貢献していた。
ただ、ウズベキスタンが先制点をうばう予想外の展開のおかげで、
意気消沈したカクザワの口数がすこしへった気がする。
中央アジアの強国に感謝したくなった。
しかしいつもおもうが、サッカー中継でよく登場する、
いわゆる「ピッチサイドレポーター」ほど無益なものはない。
ましてや、国際Aマッチ五十八試合出場で二得点、
歴代最高の右サイドバックである堀池巧が、
最凶トリオの使いっぱしりをつとめるのを見るのはつらい。
オレの価値体系にもとづいていわせてもらうなら、
一九九三年のドーハでたたかった二十二人全員に対しては、
最大限の敬意がはらわれるべきだ。
テレビ朝日の仕打ちは、サッカーという競技への侮辱だ。
ちなみにマツキはAマッチ十二試合出場で得点なし。
堀池が露骨に格下あつかいされるいわれはない。
エチゴのブラジル時代の経歴はよくわからない。
十八歳でコリンチャンスと契約したといわれるが、
具体的な出場記録は不明だし、二十三歳で一度引退したのだから、
目ざましい活躍ではなかったろう。
日本では選手としてたった二年しか活動していない。
そのわりには随分とえらそうだ。
とにかく、かぎりなく優雅な守備の名匠だった堀池に、
肩肘はって余裕がないテレ朝はにあわない。


遠藤保仁の試合後の発言。

(前半にミスが多かった理由は)単純に技術的なミス。
ピッチが濡れていてパスがすごく速くなっていたので。

スポーツナビ・ウズベキスタン戦後選手コメント

わが代表チームは、芝をみじかく刈り、水をまいてボールをすべらせ、
円滑なパスサッカーで中央アジアの大男を翻弄しようとたくらんだ。
バルセロナみたいでカッコいいね。
しかし、それは練習場のなかだけで通じる策略で、
実際にすべったのは青いサムライ自身だった。
ツルツルと足をすべらせてはウズベク人にふっとばされる、
下手くそなアイスホッケーの試合をみせられるはめに。
まあ、アイスホッケー選手は氷のうえでも簡単にはころばないけれど。
世界中のほとんどのサッカーチームとおなじで、
現在の日本代表の理想像も『FCバルセロナ』にあるとおもわれる。
「何シーズンのバルサ」ではなく、象徴的な意味での「バルサ」。
うつくしく、攻撃的で、しかもつよいサッカー。
「サッカーはエンターテイメントだ」という哲学をもつ大木武コーチが、
日本代表をカタルーニャの崇高にみちびくのではないかと、
かつてはオレもすこし期待したものだ。
まあバルセロナは無理でも、「ヴァンフォーレ甲府」くらいならば。
しかし現実はきびしく、
岡田武史のサッカーは「コンサドーレ札幌」の水準にある。


甲府は大木がさったあとも3トップの布陣をしいているが、
岡田は、監督再任直後の練習試合でためしたくらいで、
公式戦で一度も「4-3-3システム」を採用していない。
前がかりの攻撃的布陣がきらいなのだろう。
オレが「札幌サッカー」とよぶ所以だ。
左ウイングに位置するバレーや茂原岳人を起点に、
ショートパスの洪水がピッチの四分の一をあらいながす、
狂気じみた「甲府サッカー」からはかぎりなくとおい。
それでも、ラインぎわでボールをもつとかがやく、
松井大輔が起用されたときだけ平衡は改善するが、
昨日は残念ながら出場停止処分中。
右の中村俊輔と左の香川真司が、
ノロノロと横パスを交換しながら九十分がすぎてゆく。
攻撃の工夫はせいぜい試合まえの水まきくらいで、しかも逆効果だった。
松井が華麗に敵をぬきさってからあげたクロスを、
ファーサイドの巻誠一郎がおりかえし、
つめていた小川佳純がボレーできめる、
なんていう場面をいつか見てみたいなあ。
岡田がベンチにいるあいだは、かなうことのない夢だが。
そういえば巻はベンチに席さえあたえられなかった。
アイスホッケー経験者のかれは、
すべる芝のうえでこそ活躍できただろうに。


前半二十八分の失点は、闘莉王のクリアミスが原因のひとつ。
最近はかれのケガの話題ばかりでうんざりしてしまう。
いまだに左サイドバックが人材難であることにも。
負傷の長友のかわりにでたのは阿部勇樹。
そもそも長友だって左の専門家ではない。
ケガ人に無理をさせた挙句、守備陣の弱体化をまねいていた。
悪循環だ。
たしかに、あたらしい選手の発掘・育成と、
メンバー固定による組織構築を両立することはむずかしい。
でも岡田さん、なぜあなたはそんなに余裕がないのか?
最終予選「グループ1」の日本は、J1のコンサドーレ札幌とはちがう。
世界で一番無能な監督にひきいられていたとしても、
この組みあわせなら七割以上の確率でワールドカップに出場できるだろう。
いずれにせよなんらかのリスクはついてまわるのだから、
未来に夢をたくすような選択をしなくてはならない。
もちろんそれは、わかい選手を起用しろという意味ではない。
たとえば内田篤人は、
「近視眼」の指揮官のお眼鏡にはかなっているようだが、
青いユニフォームと、八咫烏と、
日の丸をうけつぐだけの力量のもちぬしだろうか。
闘莉王のミスでセンターバックふたりが釣りだされ、
内田は警戒すべきシャツキフを見すごして、先制点をゆるす。
年齢はいいわけにならない。
ふたつの年代別の世界大会と東アジア選手権、
さらにはJ1と天皇杯の優勝を経験した選手なら、
無得点の前半二十八分に、どんな守備をするべきか理解しているはず。
温厚そうな堀池が、目のまえの内田に「もっとしぼれ」とおこるのも当然。
これが「コンサドーレ日本」のサッカーなのか。


ながながと悪口をかいてしまったが、
別に最終予選の前途を悲観しているわけではない。
おそらく二位で突破できるだろう。
それでもサッカー協会は、
イビチャ・オシムの復帰にむけて地ならしをすすめなくてはいけない。
いま、すぐにだ。
札幌とバルセロナをむすぶ直線上に、
甲府が存在しないことがあきらかになったのだから。
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