藤田かくじ『放課後少女バウト』2巻

 

 

放課後少女バウト

 

作者:藤田かくじ

掲載誌:『月刊キスカ』(竹書房)2016年-

単行本:バンブーコミックス

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

女子高生の総合格闘技もの、第2巻が登場。

可憐な少女らのガチバトルがさらに白熱する。

 

 

 

 

試合コスチュームの華やかさが、本作のウリだ。

それどころか「文野みゃこ」の本職はアイドル。

顔を殴らせないよう、お尻をつきだす大胆なポジションをとる。

 

 

 

 

2巻のハイライトは「墨田文花」戦だろう。

コスチュームの長い裾をディフェンスや絞め技にもちいる、独特のスタイルだ。

 

 

 

 

ヒロイン「辰乃」は裾で拘束され、間合いをコントロールできない。

くりかえし痛烈な打撃をあびる。

目をそむけたくなる光景。

 

 

 

 

しかし辰乃はもう片方の裾をつかい、ベースボールチョークをきめて逆転。

恍惚の表情をうかべながら、文花は眠りの世界へ落ちてゆく。

 

 

 

 

実は辰乃の大ファンだった文花は、激戦のあとに記念撮影。

本作はちょっとストーリー面が弱いけれど、

血まみれ痣だらけの百合として稀少価値がある。





テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

コナリミサト『凪のお暇』2巻

 

 

凪のお暇

 

作者:コナリミサト

掲載誌:『エレガンスイブ』(秋田書店)2016年-

単行本:A.L.C.DX

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

空気を読みすぎてメンタル崩壊し、ドロップアウトしたが、

そこからの再生をめざす28歳の元OL「凪」の物語。

2巻では、凪を都合よく利用して追いつめた主犯である、

元カレ「慎二」の価値観がくわしく説明される。

 

 

 

 

営業マンとしての非凡さや、凪が必死に隠していた弱点「くせ毛」を知っていて、

それでも付き合っていた事実などが明かされる。

ただその優しさを恋人につたえられず、ふたりの心はすれちがっていた。

 

 

 

 

新居であるボロアパートで、突然はじまったトランプ大会。

凪は本当の自分をとりもどすため、慎二に勝負をいどむ。

 

しかし慎二にも共感している読者は歯がゆく、複雑な気持ちになる。

 

 

 

 

隣に住む母子家庭の、女子小学生「うらら」にもスポットライトがあたる。

一ひねりも二ひねりも利いた、印象的なエピソードだ。

 

 

 

 

地球に74億の人口がいるなら、価値観も74億通り存在する。

それらは重層的な構成になったり、反発しあったり、溶けあったりする。

人はその総体を「世界」と称しているわけだが、

本作ではそうゆう濃密な世界の一端を触感できる。

 

2巻で確信した。

これは傑作だ。





テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

餡蜜『高嶺の蘭さん』

 

 

高嶺の蘭さん

 

作者:餡蜜

掲載誌:『別冊フレンド』(講談社)2017年-

単行本:講談社コミックス別冊フレンド

[ためし読みはこちら

 

 

 

主人公の「高嶺 蘭」は高校1年生。

才色兼備なハイスペック女子だが、やや表情がとぼしく、

特に男子からは、文字どおり「高嶺の花」とおもわれがち。

 

 

 

 

母にたのまれ、塾帰りに花屋へ立ち寄る。

小さいが、おしゃれな店構えだ。

 

花だけでなく、ワンピースやハンドバッグなどの描写も手が込んでいる。

 

 

 

 

そこで同級生の「佐伯 晃」に出くわす。

親の仕事を手伝ってるらしい。

男が花をいじるのは恥づかしくて、学校では秘密にしていた。

 

 

 

 

秘密を共有したふたりは、徐々に親しくなってゆく。

梅雨空の下、相合傘であじさいを見に行ったり。

 

花とゆう本作の題材は、季節感を出すのにぴったりだ。

 

 

 

 

少女漫画にしては恋愛要素が控えめで、さっぱりとした読後感。

初デートを前に大混乱におちいる家族など、ほのぼのムードをたのしみたい。

 

 

 

 

黒髪ロングの無表情なヒロインとゆう点で、

眉月じゅん『恋は雨上がりのように』を連想させもする。

ただ花の描写などヴィジュアルの魅力においては、こちらの方が上だ。





テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

町田とし子『おくることば』

 

 

おくることば

 

作者:町田とし子

掲載誌:『月刊少年シリウス』(講談社)2017年-

単行本:シリウスKC

[ためし読みはこちら

 

 

 

高校周辺を舞台とするサスペンスである。

のびやかな手足の美少女に、刻々と危険がせまる。

 

 

 

 

男子高校生の「佐原」が主人公らしい。

ジャージ姿に裸足で教室を歩きまわる。

女子のスカートの中をのぞいたり、机にのったり。

 

 

 

 

自分の机の上には花瓶がある。

佐原はすでに死んでいた。

 

 

 

 

幼なじみの「千秋」が佐原を道路で突き飛ばし、殺したらしい。

だが、恨みを買った覚えはまったくない。

千秋はほかにも人を殺してるらしく、

これ以上の犠牲を出さない様に、佐原は幽霊として現世にとどまる。

 

 

 

 

本作は群像劇である。

たとえば、性格最悪なギャル系キャラとして登場した「メイ」は、

実は霊媒師の娘で、霊視能力によって物語をうごかす。

 

けれどもこの複数視点が、サスペンスのハラハラドキドキ感を弱めている。

だれに感情移入すべきか、読者を迷わせる。

 

 

 

 

表情ゆたかで、よくうごくキャラクター。

服や小物や背景の丁寧な描きこみ。

大胆で絵になる構図をみせる表現力。

本作のヴィジュアル面はトップクラスだ。

 

しかし、作者の単行本は10冊以上あるが、

原作付きでないオリジナルは初めてで、プロットの冗漫さが惜しい。





テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

榛名まお『のけもの少女同盟』

 

 

のけもの少女同盟

 

作者:榛名まお

掲載誌:『まんがタイムきららMAX』(芳文社)2016年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

真新しい制服に袖をとおし、みんなの前で自己紹介。

きららファンは慣れっこだが、やはりワクワクする場面だ。

主人公の「桐原霞」はいきなり吐血して倒れるけど。

 

 

 

 

霞は病弱すぎるせいで「保健室登校」を余儀なくされる。

以前、急病で『すずなあたっく!』最終回を描けなかったと明かしてたから、

作者の境遇が投影されてるかもしれない。

 

 

 

 

霞は学校生活を満喫するため、保健室で部活を創設。

クラスになじめない生徒たちを仲間に引き入れる。

 

ポニーテール・ヘッドホン・吊り目の「すずめ」は、

ストロングスタイルのツンデレキャラで、さすがの造形だ。

 

 

 

 

養護教諭の「もも」は、いつも学校制服を着ている。

このテの作品でよくある「生徒にしか見えない先生」ってやつだが、

定型を逆手にとったオチがおもしろい。

 

 

 

 

ももちゃんはかなり変人で、バレーボールの特訓のため、わざわざブルマを穿く。

ブルマのエロさを最大限にひきだす、3コマめの煽りがすばらしい。

 

 

 

 

SF色の濃かった『こずみっしょん!』とくらべ、本作はだいぶ「日常」寄り。

それでも時折フッと現実から離陸する瞬間があって、

きららではベテランの部類にはいる榛名まおの実力を見せつける。





テーマ : 4コマ漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 萌え4コマ 
最近の記事
記事の分類
検索とタグ

著者

苑田 謙

苑田 謙
漫画の記事が多め。
たまにオリジナル小説。

Twitter
メール送信

名前
アドレス
件名
本文

カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
月別アーカイヴ
11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03