スイッチオンしたNintendo Switch

 

 

任天堂は東京ビッグサイトで、13日にメディアむけプレゼンテーションをおこない、

つづく14・15日には一般公開の体験会を開催して、

あたらしいハードウェア「Nintendo Switch」の詳細をあきらかにした。

 

Wii Uの販売が振るわなかっため、もしスイッチで連敗すれば、

任天堂は据置型ハード市場からの撤退すら考えねばならないだろう。

背水の陣である。

 

 

 

 

懲りずに任天堂は、ゲームを再定義しつづける。

平たく言えばスイッチは、据置機と携帯機双方の特色を兼ね備えるものだが、

それだけならただ便利になったにすぎず、新味が足りないと彼らはみなす。

なので左右一対の「ジョイコン」をふたりでシェアし、

スタンドで立てた画面を見ながらあそぶ「おすそわけプレイ」をアピール。

 

 

 

 

むしろ画面すら必要なく、目と目を見合わせて対戦させる。

ビデオゲームのパーティ会場への浸透作戦だ。

 

 

 

 

据置と携帯の国境における侵犯行為それ自体が、ゲーム史上の一大事件。

たとえばスプラトゥーンは、あの持ち重りするゲームパッドから解放された。

 

 

 

 

ローカルに本体をもちよってのナワバリバトル。

スプラトゥーンが再定義される。

なお携帯モードに対応したせいか、Proコントローラーでの操作が可能に。

 

 

 

 

僕は体験会で、ボクシングスタイルの格闘ゲーム『ARMS』をあそんだ。

ジョイコンを「いいね持ち」し、スプリング状の腕をのばして殴り合う。

つまり『Wii Sports』のボクシングの豪華版だが、

拳がヒットするまで間があるため、攻撃・防御・移動の駆け引きが強調される。

 

 

 

 

アメコミ調の凝ったデザインは、ポップかつクールな世界観で人目を引いた、

新規IPとしてはWii U唯一のヒットであるスプラトゥーンにあやかっている。

販売戦略的に重要なソフトだ。

それはともかく、ロボっ娘のメカニッカたんはかわいい。

 

 

 

 

モノリスソフトの『ゼノブレイド2』も発表された。

また壮大なフィールドを駆けずり回ることになる。

 

 

 

 

CGアニメ『楽園追放 -Expelled from Paradise-』を手がけた、

齋藤将嗣がキャラクターデザインを担当。

 

 

 

 

これまでのゼノブレイドは、致命的と言えるほどキャラモデルが不細工だが、

モノリスと任天堂は齋藤のCGアニメにおける功績を評価し、汚名返上をはかるのだろう。

女の子がかわいくないと、すくなくとも日本市場での成功は至難。

もしキャラがダサかったら、スプラトゥーンは国内で絶対150万本も売れてない。

 

 

 

 

スクウェア・エニックスは、3DSのブレイブリーデフォルトシリーズのスタッフによる、

『Project OCTOPATH TRAVELER』をお披露目した。

携帯機が「据置機」に合流する現象がおきている。

 

PVによるとシンプルで自由度のたかい、TRPGよりのコンセプトらしい。

スタッフは未発表で、絵師も吉田明彦とか政尾翼とか噂されてるが、

いづれにせよキーヴィジュアルはたまらなくいい雰囲気。

 

 

 

 

グラフィックは荒いドット絵と、精細な描画のくみあわせ。

戦闘はサイドビューで、コマンドもスーパーファミコン時代をおもわせる。

最近のRPGの流行を追っている。

 

 

 

 

フィールドは3Dモデルをドット絵風に演出。

手前と奥がぼやけてたり、水面がフォトリアルだったりで、ミニチュアみたい。

RPGでの街の探索や会話がかったるくてスルーする僕でさえ、

じっくり歩きまわりたくなった。

 

 

 

 

カプコンの『ウルトラストリートファイターII ザ・ファイナルチャレンジャーズ』。

「ドット絵のストIIの復活!」が謳い文句。

ジョイコンは、幅10cmで重さ50gしかないのにLRボタンがついており、

SFCとボタン数がおなじであるため立ち上がった企画の様だ。

 

 

 

 

途轍もない人出だった体験会で揉みくちゃにされた僕は、

ゲームを心から愛するひとびとが日本にまだたくさんいるのを実感した。

この文化は守るべきとおもった。

 

Nintendo Switchは、過去を否定し肯定するハードウェアだ。

ひとことで言い表せない。

もう後はないけれど、前途は滔々とひらけている。



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Nintendo Switch 混沌を切り裂く光

 

 

任天堂のあたらしいハードウェアの名称やコンセプトが発表された。

その名は「Nintendo Switch」

携帯機と据置機の両方の性能をそなえており、

これ一台で、自宅のテレビでも外出先でもあそべる。

任天堂は、自身がつくりだした「携帯/据置」のボーダーを、

みづからの手で消去する気だ。

 

 

 

 

「Joy-Con」とゆう着脱可能なコントローラが目を引く特徴となっている。

ボタンやジョイスティックの部分だけスライドし……

 

 

 

 

……「本体」にカチッとはめれば、大型テレビであそんでいたゲームを、

そのまま好きな場所へ持ち出せる。

いかにも現代的なモビリティ。

 

 

 

 

ただ、家でも外でもゲームにのめりこむ様な人間は、

ジョイコンの取り外しすら億劫に感じるだろう。

そんな場合、帰宅したらジョイコンをつけたままの本体をドックにのせ……

 

 

 

 

……別のコントローラでつづきをプレイすれば、手間がひとつ減る。

ゲーマーはストレスを嫌う生き物なのだ。

 

ニンテンドースイッチの中心概念に、決定的なあたらしさはない。

実装されなかったが、PSVitaもHDMI出力機能の搭載を検討していた。

ある意味フツウな、期待どおりのハードと言える。

 

 

 

 

とは言えここから、元玩具メーカーの本領が発揮される。

ジョイコンは単独で、簡易なコントローラとして機能するため、

本体をスタンドで立てると、すぐその場で2人対戦が可能。

ふたつ本体があれば4人対戦!

激アツのマリオカート大会が世界各地でひらかれそう。

 

 

 

 

飛行機などで長時間移動するときは、

切り離したジョイコンだけ握ってプレイすると、目や腕の負担が軽減する。

 

 

 

 

Wiiの「ヌンチャクスタイル」で実證ずみだ。

ケーブルがなくなり、手軽な操作性がさらに進化した。

 

ちまちまっとして親しみやすいオモチャっぽさは、

ウルトラハンドや光線銃シリーズなどの伝統を受け継いでいる。

 

 

 

 

任天堂ハードの象徴である「十字キー」が消えた。

切り離したときボタンが必要なのでしかたない。

 

 

 

 

点対称的なジョイスティックとボタンの配置は、アイコンに採用。

人間工学やデザイン性でなく、「ギミック」として生まれたのが任天堂らしい。

 

 

 

 

単純に配置だけみるとXboxコントローラに似ているが、

あふれる遊び心はむしろワンダースワンにちかい。

縦持ちでもプレイできる独特の対称性。

 

横井軍平がニンテンドースイッチをみたら、きっとよろこぶはず。




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