あずま京太郎/日向寺明徳『サクラブリゲイド』7巻完結

 

 

サクラブリゲイド

 

作画:あずま京太郎

原作:日向寺明徳

発行:講談社 2014-17年

レーベル:シリウスKC

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

人型ロボットでの戦争をえがくSFと、学園ラブコメを融合させた傑作は7巻で完結。

超国家的な軍事組織「アルカディア」がたくらむ陰謀は最終段階へすすみ、

基地がまるごと巨大な機動兵器に変形して、ICBMで日本を核攻撃しようとする。

 

 

 

 

そんな手に汗握る展開でも、あずま京太郎は読者へのサービスをわすれない。

スパイとしてブリキの旅団に潜入していた「井手大尉」のおっぱいとか。

 

 

 

 

決戦の夜。

いま言わないと、悪いことがおきたとき後悔するとおもい、梓が桜に告白する。

古風な美人に似つかわしい口ぶりで。

2巻で張った伏線の回収でもある。

 

 

 

 

敵の新型「アルファ・オメガ」は、装甲も火力も桁外れ。

この強敵を斃さないと、核ミサイルはとめられない。

 

 

 

 

ところがライバルの積極性に煽られ、恋愛どころじゃないのに雛まで愛をさけぶ。

仲間に聞かれるのもかまわず、無線を通じ大声で。

元気で無邪気な雛らしい。

 

 

 

 

硬派なロボットSFと、軟派なハーレムラブコメの微妙なバランスを、

最後までたもちつづけたのは見事だ。

ロボットものに関心ない僕でさえ胸に迫るものがある。

 

 

 

 

本作はあとがきの類いがなく、このコンビが今後つづくのかわからないが、

特に作画のあずま京太郎は、ロボットの硬さと女の子の柔らかさを、

すみずみまで丁寧に描写して独自の世界観を提示しており、次回作もたのしみ。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 近未来 

okama『Do race?』

 

 

Do race?

 

作者:okama

掲載誌:『ヤングアニマル増刊Arasi』(白泉社)2016年-

単行本:ヤングアニマルコミックス

[ためし読みはこちら

 

 

 

セクシーで優雅なドレスを着てたちならぶ、5名の淑女。

これからなにがはじまるのか。

 

 

 

 

彼女たちは、「ドレース」とゆう競技に参加するレーサー。

華麗なドレスはジェット戦闘機の様な乗り物に変形し、

宇宙空間にはりめぐらされたチューブのなかを超音速でとぶ。

 

 

 

 

星間国家同士の対立を、戦争のかわりにレースでけりをつけるなど、

スペースオペラ的な設定がなされている。

主人公の「キュウ」がスパイ容疑で収監されたりも。

 

 

 

 

一方、ファンシーな絵柄で女子のたわいない日常もえがかれる。

okamaならではの世界観と言うほかない。

 

 

 

 

ドレースは肉体への負担がおもい。

加速Gにより色が見えなくなったり(グレーアウト)、気絶したり(ブラックアウト)する。

死と隣り合わせのスピード感をつたえる表現力は、ベテランらしい藝のこまかさ。

 

 

 

 

キュウは孤児院でそだった苦労人。

レース中もドロドロした人間関係がまとわりつくが、

それも駆け引きの一部とわりきって再加速し、ぶっちぎる。

 

 

 

 

はげしいレースの描写、スタイリッシュな絵づくり、乱調子のギャグ、

ぶっとんだ近未来設定などが渾然一体となった個性的な作品だが、

浅田弘幸『BADだねヨシオくん!』に似ていると僕はおもう。

作者の世代的にも直接影響をうけてるかもしれない。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 近未来 

綱島志朗『人狼機ウィンヴルガ』/中村卯月『エンゲージ バレル』

 

 

『人狼機ウィンヴルガ』(チャンピオンREDコミックス/Kindleストア)は、

ジンキシリーズなど巨大ロボット漫画に定評ある綱島志朗の新作。

 

 

 

 

主人公は、赤い瞳と銀髪をもつ「真白」。

暮らしていた平和な町が武装集団に襲われ、囚われの身となる。

 

 

 

 

妹の様にかわいがっていた幼い「マイ」はレイプされ、残酷に殺される。

アマゾンレビューを見ると、「凌辱シーンは気持ち悪くて見てらんない」

「性に対しての綱島さんの考えに毎度少しだけ引いてます」

「綱島先生は何処へ向かっているのか?」など、

本作の性描写に対し批判的な意見がおおく寄せられている。



 

 

 

 

中村卯月『エンゲージ バレル』(YKコミックス/Kindleストア)は、

第一次世界大戦風の戦場から脱走した兵士「フリッツ」の物語。

 

 

 

 

空腹のあまり森で倒れていたところ、近くの村にすむ「アンナ」に救われる。

極限状況で出会った男女の心の交流がテーマだ。

これまで学園モノがおおかった作者は絵柄を大幅にかえ、

異国の風景・衣装・軍装などをきめこまかく描写する。

 

 

 

 

ひとり暮らしをしていたアンナとの共同生活がはじまる。

実は彼女は体を売って生計を立てていた。

きびしい情勢でほかに手段はないし、恥じるつもりもないが、

それをフリッツに知られるのは辛いことだった。



 

 

 

 

言うまでもなく、現実世界で国家間の戦争は減少傾向にある。

つまり戦争はオワコン化してるのだが、あいかわらず物語の題材として好まれる。

殺伐とした戦場や、剣呑な兵器が、女たちをよりうつくしく引き立てるからか。



関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: ロリ  近未来 

あずま京太郎/日向寺明徳『サクラブリゲイド』6巻

 

 

サクラブリゲイド

 

作画:あずま京太郎

原作:日向寺明徳

掲載誌:『月刊少年シリウス』(講談社)2014年-

単行本:シリウスKC

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

5巻が出たのを見逃してたら、この漫画えらいことになってた。

世界の軍事を牛耳る組織「アルカディア」の実態があきらかになる。

ヒトラー・リンカーン・ゲバラ・スターリン……。

古今東西の偉人のクローンが組織をうごかしていた。

 

 

 

 

次巻予告に「すべてにケリをつける」とあるので、7巻で完結らしい。

クライマックスにむけバトルにつぐバトルである。

 

『サクラブリゲイド』の戦術は、ロボット3体で「鼎団」を編制し、

「指揮・近接戦闘・狙撃」の三要素を組み合わせたもの。

ボトムズ的なザラザラした戦闘描写が魅力だ。

ちなみに狙撃手の「恵」は、コックピットでライフルを操作している。

 

 

 

 

恵は、アルカディアのエースによる狙撃で重傷を負う。

6巻時点で明言されないが、「白い死神」ことシモ・ヘイヘのクローンらしい。

 

 

 

 

技術的な理由で、鼎団の男女比は「1:2」となっている。

かわいい女子がいっぱいで華やかなのが嬉しいが、

物語が過酷さを増すにつれ、うつくしくも悲壮な表情をみせる。

 

 

 

 

「幕末の剣聖」こと男谷信友のクローンも参戦。

友人が斬られるのを目撃した「桜」は激昂する。

神経が接続されているロボットに、心身が汚染されてゆく。

 

 

 

 

ヒトとロボットの激烈な相互作用の果てに、暴走がはじまる。

『サクラブリゲイド』には、このジャンルの醍醐味がつまっている。

 

 

 

 

しかし、命をやりとりする深刻なドラマが佳境をむかえるなか、

本作のアイデンティティである、おっぱいやお尻への執着が薄れてきた。

両立の困難さは理解できるが、やはり残念におもう。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 近未来 

環望『ソウルリキッドチェインバーズ』

 

 

ソウルリキッドチェインバーズ

 

作者:環望

掲載誌:『アワーズGH』(少年画報社)2016年-

単行本:YKコミックス

[『ウチのムスメに手を出すな!』の記事はこちら

 

 

 

眼下に群がるゾンビ。

幼い少女は義足についた刃で、けだるそうにそれを斬る。

荒廃した22世紀を舞台とする作品だ。

 

 

 

 

少女の名は「ロッテ」。

富豪の娘らしく、ガイドを雇って荒野を探索している。

 

 

 

 

バイオハザード的な災厄にみまわれた世界は、「死者の遊園地」とよばれる。

義足から放たれた砲弾が貫通する描写など、どことなくユーモラス。

 

 

 

 

粗暴な別の人格に支配された少女のアクション。

釣瓶みたいに命綱をつかい、ゾンビの群れの中へガイドを落とす。

 

 

 

 

30年のキャリアがある環望の作品は、密度が濃い。

ちょっとした建物の表現などにうならされる。

 

 

 

 

世界観や物語は、ちょっと詰めこみすぎかも。

ガスマスクをつけたおしゃべりなテディベア「ルイーゼ」や、

思想家アイン・ランドへの言及などについて、ここで簡潔にまとめられそうにない。

漫画ブログ泣かせだ。

僕はくわしくないが、ヴィジュアルで牽引するタイプの作家なのだろう。

 

 

 

 

とにかく「濃い」としか言えない。

『君の名は。』を見て、その通俗性に心底ウンザリしたあなたに、

この漫画らしい漫画を解毒剤として処方しよう。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: ロリ  近未来 
最近の記事
記事の分類
検索とタグ

著者

苑田 健

苑田 健

掲示板『岩渕真奈 閃光の天使』
も運営しています。

Twitter
メール送信

名前
アドレス
件名
本文

カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
月別アーカイヴ
04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03