板倉梓『きらきらビームプロダクション』完結

 

 

きらきらビームプロダクション

 

作者:板倉梓

発行:竹書房 2016-7年

レーベル:バンブーコミックス

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アイドルもの4コマ漫画は、完結となる2巻が刊行。

からぁ~ず☆の3人が海で、カレンダーの撮影をおこなう。

2月なので寒くて震える。

 

 

 

 

士気を高めようと、無理な仕事をいれたマネージャーも上着を脱ぐが、

自分たちとおなじく生足になれと、リーダーのあかねが要求。

そんな些細なことでテンションあがる、箸が転んでもおかしい年頃だから。

 

 

 

 

撮影がおわり、温泉であたたまる。

ヌード撮影もこなす女性カメラマンが、「いまこの瞬間を写す意味」を語る。

つい、この人にヌードを撮ってもらいたいと思ったメンバーは、

プロカメラマンのもつ吸引力におどろく。

 

天使の様な無邪気さから、そこはかとないエロスへの落差。

あいかわらず板倉梓は、エピソードの盛りこみ方が巧み。

 

 

 

 

カレンダー発売を記念してのイベント。

ファンから直接「8月のが夏らしく元気でよかった」と言われ、してやったりの表情。

 

うつろう季節のなかで、偶像と実像を表現するアイドルの、

はかなさとしたたかさを描く第24話は、本作の白眉かも。

 

 

 

 

本作は2巻で終了したので、「板倉梓の代表作はなにか」問題は未解決のまま。

僕は比較的萌え4コマを読む方だが、なんでも描ける板倉は、

このジャンルにおいても一流でありつづけてると思う。

 

でもやっぱり、器用なんちゃらなのは否めないかな。





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テーマ : 4コマ漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 板倉梓  萌え4コマ 

さんかくやま『概念』

 

 

概念

 

作者:さんかくやま

掲載誌:『月刊ドラゴンエイジ』(KADOKAWA)2016年-

単行本:ドラゴンコミックスエイジ

[ためし読みはこちら

 

 

 

女子高生が反復横飛びしたら、枠線をシュンとはみ出した。

そして本来関係ないはずの、となりの4コマのオチに影響をあたえる。

ジャンルの制約を逆手にとったシュール系4コマだ。

 

 

 

 

ブルーベリーを食べるつもりが、イクラじゃないかと疑われ不安に。

たしかに色がついてないから解らない。

 

残酷に突きつけられる記号性や概念性により、もはや読者は、

流行中のグルメ漫画を以前の様にたのしめなくなるだろう。

 

 

 

 

あちこちに罠が仕掛けられている本作は、読者に集中をもとめる。

挙句の果てにコマそのものが迷路に。

僕は解いてみたが、けっこう本格的だった。

 

 

 

 

少女たちは、文字どおり4コマの枠をこえて自由にふるまうが、

いきなりあらわれた警察官に拘束されたりも。

 

 

 

 

以上の枠線藝が本作のウリだが、「やる気を出すためのやる気が出ない」とか、

阿部共実作品などに通底する、イマドキの女子のたたずまいもステキだ。

 

 

 

 

猫も杓子もデジタルな時代なので、自分も倣おうとするが、

友人が実演してくれたのに、かわいくないのでアナログにとどまる。

 

「かわいいは正義」がゼロ年代のイデオロギーだとしたら、

「かわいいしか正義がない」が10年代のそれに当たるだろうか。

 

 

 

 

突発する不条理な暴力性。

刹那性と虚無感。

かわいさの残像だけが、コマのないコマにただよう。





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テーマ : 4コマ漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 萌え4コマ 

『NEW GAME! アンソロジーコミック』2巻

くろば・U

 

 

NEW GAME! アンソロジーコミック

 

作者:得能正太郎 御北きぬ 森沢晴行 紅緒 くろば・U るい・たまち 他

発行:芳文社 2017年

レーベル:まんがタイムKRコミックス

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アンソロ2巻でも、ねねっちは絶好調だ。

青葉の自宅を訪問するシーンは、本篇になかった気がする。

呼び出しかたが昭和の子供っぽい。

 

 

ぼや野

 

 

ねねっちが自作ゲームを、本職のうみこさんにプレイさせる一篇では、

ヌルい本篇やアニメではありえない毒に、ファンはおどろくだろう。

 

 

蟹丹

 

 

イーグルジャンプの面々が、めづらしく非電源のクトゥルフ系TRPGをあそぶ。

勿論ねねっちもノリノリで参加。

キャラの自己紹介で、ロケットランチャーが特技のお嬢さまを熱演する。

 

いつもとちがう、いつもどおり天真爛漫なねねっち。

 

 

るい・たまち

 

 

イーグルジャンプのマスコットである、もずくを相手にかくれんぼ。

2巻の白眉とおもう。

『NEW GAME!』の影の主役と言える、「空間」を活かしている。

 

 

とこみち

 

 

駅前で偶然うみこさんに出会った休日をえがく一篇。

青葉との待ち合わせに遅れそうなのに、道端で犬とたわむれたり。

 

犬も猫も似合う。

水陸両用のズゴッグに匹敵する最強キャラだ。

 

 

ちさこ

 

 

ガチ百合担当、りんにも見せ場が。

今回は酒乱モードでなく、ひとり相撲のさびしさに涙をこぼす。

 

 

 

 

晴瀬ひろきによる巻頭イラスト。

『魔法少女のカレイなる余生』の作者なだけあり、

ピンクなど暖色系のイメージがあるねねっちに、黒い水着を着せる。

ハイビスカスの花をアクセントにした、赤と黒のXの構図があざやか。

 

あどけない笑顔で、あらゆる色彩を輝かせ、あでやかな空間をつくりあげる。





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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: きらら系コミック  萌え4コマ 

はんざわかおり『こみっくがーるず』3巻

 

 

こみっくがーるず

 

作者:はんざわかおり

掲載誌:『まんがタイムきららMAX』(芳文社)2014年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

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つーちゃん巻である。

本作に登場するJK漫画家たちのなかで、翼は一番成功しているが、

母親は漫画にまったく理解がなく、会社を継ぐよう娘にもとめる。

支配欲のつよい母を、翼は陰で「大魔王」と呼び、敬遠している。

たしかに三者面談をえがく回の扉絵は、ラスボス感出まくり。

 

 

 

 

母は面談の場でも、娘の夢を否定する。

漫画家がいかに不安定な職業であるか、デメリットだけ並べ立てる。

ふだん男勝りでクールな翼が、めづらしく切実な感情をあらわにして反論。

 

 

 

 

仲間たちが泣きながら加勢する。

だれよりがんばってるつーちゃんが、家族から認められないなんて、

自分のネームがボツになるよりずっとつらいから。

もともと翼の熱狂的ファンである、担任の虹野先生まで肩をもつ。

 

少年漫画のクライマックスみたく熱い展開。

 

 

 

 

袋叩きにあって立腹した母が席を立つ。

苛立ちのせいか、去り際につい、口をすべらせる。

実は娘の漫画をかかさず読んでいると。

 

きらら作品とおもえないほどドラマチック。

デビュー時に『りぼん』などで鍛えられ、作家として底力があるのだろう。

 

 

 

 

主人公のかおすがちっとも成長してないのは困りものだが、

濃厚な母娘百合を堪能できて満足の3巻である。





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ジャンル : アニメ・コミック

タグ: きらら系コミック  萌え4コマ 

得能正太郎『NEW GAME!』6巻

 

 

NEW GAME!

 

作者:得能正太郎

掲載誌:『まんがタイムきららキャラット』(芳文社)2013年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

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かつて全篇カラーの漫画を描いてたくらいで、得能正太郎は色彩表現が得意。

本巻冒頭の、きらら単行本のお楽しみであるカラーページで、

新キャラの「紅葉」がゆたかな肢体を披露する。

 

 

 

 

紅葉はインターンとして、イーグルジャンプのキャラ班に入る。

評価を上げて採用されたくて、青葉をはげしくライバル視する。

 

画力はともかく、さほどストーリーテリングは評価されない得能だが、

内容が薄まるリスクをおかして登場させたキャラクターが、緊張を高めている。

 

しかしそんなことより、黒のタートルネックで強調されたボディラインが艶っぽく、

モノクロームでの表現力においても作者の成長が感じられる。

 

 

 

 

ねねっちはデバッグ業務をひとまず卒業し、

おぼえたてのプログラミングでミニゲームづくりに挑戦。

 

懸命に製作する姿は、夏休みの自由工作みたいでおかしくて、

ちょっとしたバグが発生しただけで4コマにオチがつく。

たぐいまれな個性だ。

 

 

 

 

プログラム班にもギスギスした関係が生じる。

能天気なねねっちでさえ、ネガティブな感情にとらわれるが、

つぶらな瞳で人付き合いにおけるバグを発見し、笑顔で修正する。

 

 

 

 

アニメ1期が放映された昨年、ねねっちはその天真爛漫な言動が、

まるで精神障碍者の様だと、下卑た視聴者たちにからかわれていた。

なにもわかってないやつらだ。

多分かわいすぎるから、誤解されるんだろう。

 

そんな空騒ぎは歯牙にもかけず、ねねっちはあらたな季節へ疾走する。





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苑田 謙

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