柴『おおきなのっぽの、』

 

 

おおきなのっぽの、

 

作者:柴

掲載誌:『月刊少年シリウス』(講談社)2016年-

単行本:ワイドKC

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「古戸蛍(ふるど ほたる)」は小学4年生だが、身長170cm。

大きな背中に小さなランドセルを背負う姿は、やたら目立つ。

 

 

 

 

学校では下級生になつかれている。

どうやら先生に間違われてるみたいだけど。

 

 

 

 

蛍の内面は、年齢以上に幼い。

友達とデパートへ買い物にいったところ迷子になるが、

子供に引率してもらう頼りない母親だと、店員にあきれられる。

 

 

 

 

4コマ漫画ならではの年中行事も、のっぽネタで解釈。

背が1年で急激にのびたので、雛壇がちぢんだと錯覚したり。

 

 

 

 

本作は柴の初単行本。

力づよい太めの描線が異彩をはなっている。

 

作品全体としては、学校や商店街の人物の出入りがはげしい群像劇で、

ちょっと気負いすぎたのか、散漫な印象がある。

ただ、初潮をむかえた同級生が保健室で相談にのってもらうのを見かけても、

蛍が全然察しないとか、心にのこるシーンはたくさんあるけど。

 

 

 

 

pixivのプロフィール欄にこうある。

 

自分が描きたい作品と

自分に描くことのできる作品、

そして自分に求められている作品。

 

要はこの三つのせめぎ合いなんでしょうね。

 

いろいろかんがえるタイプの、マジメな作家なのだろう。

僕はすきだ。

うつくしい描線で、個性的なキャラをえがけるなら、贔屓せざるをえない。





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晴野しゅー『疾風ういんどみる!』

 

 

疾風ういんどみる!

 

作者:晴野しゅー

掲載誌:『まんがタイムきららキャラット』(芳文社)2015年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

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文化系も体育会系も、リアルもファンタジーも、陸も空も、

きらら系コミックは手当たり次第にクラブ活動をとりあげてきた。

本作ではあらたに、「風鳴高校ヨット部」が海原を疾走する。

人魚姫さながらの美少女たちは、海が似合う。

 

 

 

 

小型ヨットにはふたりで乗る。

スキッパーが操縦役で、クルーはバランス取りなどをおこなう。

広い海でふたりきり、まるでデートみたい。

ヨットは百合のためにある。

 

 

 

 

ロープワークとか、向かい風でもヨットが前進する原理とか、

ゆるふわおもしろだけど読んでためになるのは、いつものきらら系4コマ。

たとえばハーネスをつけて舟から身を乗り出し、体重をかける身のこなしは、

バレエや、カンフー映画のワイヤーアクションみたく優雅。

 

 

 

 

ヨットの上で踊っていたのは、名門校のお嬢様である「鳳いさな」。

風鳴高校ヨット部部長「神代颯天(かみしろ はやて)」の凛とした美貌と、

あざやかな操船能力に惚れこみ、引き抜きをはかる。

 

 

 

 

好条件を提示されるも申し出をことわる、はやて。

乗員同士の信頼関係がないとレースはできない。

愛とゆう風をうけてヨットは走るから。

 

 

 

 

晴野しゅーは「しゅー」名義をふくめて10年以上のキャリアをもつが、

これが満を持しての初オリジナル単行本らしい。

絵柄はシンプルだが味わい深く、動きがある。

双子姉妹の「ミミ」と「ナナ」をちょっと見るだけでも、充実ぶりがつたわるだろう。

 

 

 

 

きららは、ただ絵が可愛いらしいだけの凡作もすくなくないが、

本作はすこぶる完成度が高い。

バランスがよすぎて破綻がなさすぎて物足りないくらいだ。

かわいさもギャグもトリビアも百合も、潮風とともに存分に吸いこもう。





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ひみつ『ぺたがーる』2巻

 

 

ぺたがーる

 

作者:ひみつ

掲載誌:『コミックキューン』(KADOKAWA)2015年-

単行本:MFC キューンシリーズ

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貧乳コンプレックスが強すぎ、おっぱいに複雑な愛憎をいだくJK「平野ひい」。

その言動はますます暴走し、ますますかわいい。

 

 

 

 

2巻は日常系4コマらしく、四季折々の情景とおっぱいをからめる。

たとえば梅雨だったら、雨に濡れて貼りついた透け透けのブラウス。

豊満な胸が日本の季節感をゆたかにする。

 

 

 

 

身体測定などの学校行事もはづせない。

まるで身長や胸囲が成長しないひいちゃんにとっては悪夢のイベント。

頭をなでられただけで背が縮んだと、この世の終わりみたいに大騒ぎ。

 

 

 

 

授業参観ではプロっぽい道具を用意し、同級生と母親の体型を比較。

胸のサイズが遺伝するのかについてデータをあつめる。

その熱意には脱帽せざるをえない。

 

 

 

 

ひいちゃんの母親である「数子」が初登場。

娘と双子にまちがわれるソックリ親子だ。

このお母さんが、ひいちゃんに匹敵するほどおもしろかわいい。

 

 

 

 

お正月と言えばおもち。

おもちと言えばおっぱい。

自分にはないふくらみを見て、あじわって、たのしむ。

 

 

 

 

神社で熱心に拝むひいちゃん。

願いごとは意外にもおっぱいの発達ではなく、親友のしあわせ。

 

2巻はやや百合度が薄まったが、底の方にピュアな感情がかわらず流れていて、

ヘンテコだけどキラキラしてる、ひみつワールドはさらに純度をたかめている。





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板倉梓『きらきらビームプロダクション』

 

 

きらきらビームプロダクション

 

作者:板倉梓

掲載誌:『月刊まんがライフオリジナル』(竹書房)2015年-

単行本:バンブーコミックス

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「きらきらビームプロダクション」は芸能事務所の名前で、

3人組のアイドルグループ「からぁ~ず☆」が所属する。

美人で長身で巨乳の「星ひかり」が社長をつとめる。

 

さまざまなジャンルを手がけてきた板倉梓の新作は、

コロコロ可憐な絵柄をいかしたアイドルもの。

 

 

 

 

リーダーの「大月あかね」が一番かわいいかな。

黒髪ショートの元気者だが、体型までボーイッシュなのが悩み。

 

 

 

 

ファンにチェキ帳を見せてもらったら、自分の顔がコピペしたみたいに同じとか、

地下アイドルあるあるネタで笑わせたり。

 

殺し屋のアクションものから、5歳の双子のファミリーものまで。

良く言えば万能選手、悪く言えば器用貧乏なあずにゃん先生らしく、

未経験のジャンルをさらっとソツなくこなしている。

 

 

 

 

マネージャーは26歳の「宝田麻人」。

地味だが誠実な人柄で、褒めるときは全力で褒め、

可愛いと言われ慣れてるアイドルさえ赤面させる。

 

 

 

 

海辺での泊まりの仕事。

3人組が眠ったころ、社長と部下がサシで飲みはじめる。

なんだかいい雰囲気に。

 

ピチピチした16歳が飛んだり跳ねたりするのと並行して、

しっとりしたオトナの恋をえがくのが板倉流。

 

 

 

 

宝田は、ネットでたまたま10年前のアイドルグループをしらべてたとき、

そのなかのひとりが今の社長であると気づく。

当時の純情さは欠片もないが、顔立ちとホクロの位置が一致。

 

サブプロットを絡めつつ、じわじわ盛り上げる語り口はあいかわらず。

 

 

 

 

どうも板倉梓は「かわいい絵の漫画家」と認識されてる気がする。

事実なのだが、ちょっとあなどられてる。

シンプルで洗練されてるのに親しみやすい、稀有な絵柄がかえって災いしてか、

構図やストーリーテリングの才能が注目されない傾向がある。

もっとスポットライトがあたるべき作家だ。





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柳原満月『軍神ちゃんとよばないで』3巻

 

 

軍神ちゃんとよばないで

 

作者:柳原満月

掲載誌:『まんがタイムファミリー』(芳文社)2013年-

単行本:まんがタイムコミックス

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いよいよ決戦がちかづいてきた。

武田軍の先鋒をつとめるのは、弾正こと高坂昌信。

ツインテの男の娘として描かれる。

 

戦記物は登場人物がふえすぎるのがネックだが、

本作はいまのところ味は薄まってない。

 

 

 

 

前巻であざやかに内乱をしづめ、22歳で越後国を統一した虎千代だが、

隠居した兄・晴景の死を見届けることになる。

 

 

 

 

戦国時代は過酷だ。

親兄弟で殺し合うのが当たり前の世界。

嫌々大名になった虎千代は、来し方行く末を思い悩む。

 

 

 

 

柳原満月は疾風怒濤の大河ドラマに、普通の女の子の心情をうまくのせている。

たとえば衣装のデザインで、和服は肌の露出がすくないから、

自身の強みであるエロい曲線をいかそうとアレンジしたり。

 

 

 

 

信濃の支配をめざす信玄を阻止するため、虎千代はしぶしぶ川中島へ出陣。

なんとなく刀を振ったら家臣に勘違いされ、はからずも大将みづからの突貫攻撃に。

隻眼の軍師・山本勘助が周到に練った作戦を崩壊させる。

 

 

 

 

それを迎え撃つ弾正が噛みしめる切迫感。

「逃げ弾正」の異名をとった理由があきらかに。

 

 

 

 

第1次川中島の戦いのあと、虎千代は上洛する。

将軍に直訴して大名を辞めさせてもらうために。

 

越後の田舎侍とイケズな京都人の異文化交流などが描かれ、

上杉謙信とゆう歴史的存在への興味もふかまる。

 

 

 

 

歴史を解釈するおもしろさ。

手に汗にぎる合戦の迫力。

かわいいひきこもり女子のグータラな日常。

どうかんがえても傑作だ。

読まぬなら、読ませてみせよう、『軍神ちゃん』。





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