米田和佐『悪役王子は恋ができない』

 

 

悪役王子は恋ができない

 

作者:米田和佐

掲載誌:『月刊ComicREX』(一迅社)2018年-

単行本:REXコミックス

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子役出身の15歳で、校内一の美貌をほこる「若菜」を、

どうにか口説き落とすのを目標とするラブコメ。

 

 

 

 

主人公はおなじく15歳の「夜城」。

イケメンで成績優秀で家が大金持ちなのでモテる。

ただしはべらせるのはギャルばかりなので、さほど羨ましくない。

 

 

 

 

父は大企業の経営者で、兄ふたりも超エリート。

その重圧で、夜城は自分がつまらない存在だと感じている。

 

 

 

 

だから夜城が若菜に執着するのは、純粋な恋心ではなく、

美少女とゆうトロフィーを獲得し、箔をつけたいから。

子役経験のある若菜はそんな葛藤を察し、強がる夜城の内面に興味をもつ。

 

 

 

 

米田和佐は、女の子の描写をある意味すでに極めており、

先輩にみえない先輩である「茉莉」など、期待どおりに可愛い。

 

放課後にニンテンドースイッチを、テーブルモードでイヤホンを挿してあそぶなど、

小道具としてのゲームの手慣れたあつかいは、『だんちがい』をおもわせる。

 

 

 

 

本作は、非4コマとしては初めてのオリジナル連載。

『えこぱん』と『だんちがい』で力をたくわえ、

ついに狭いコマからとびだした美少女たちを堪能できる。





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ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 米田和佐 

米田和佐『だんちがい』6巻

 

 

だんちがい

 

作者:米田和佐

掲載誌:『まんが4コマぱれっと』(一迅社)2011年-

単行本:4コマKINGSぱれっとコミックス

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先週末に漫画の新刊をチェックしていたら、

米田和佐の新連載『悪役王子は恋ができない』が26日にでると知った。

そして、昨年9月の『だんちがい』6巻を見逃していたことも。

いろんな作品を追ってると、どうしても漏れてしまうのがつらい。

ツイッターで作家をフォローとかもしてないし。

 

 

 

 

いわゆる日常系に分類される作品だが、7年におよぶ長期連載なので、

たとえ年齢は変わらなくても、登場人物はすこしづつ成長している。

インドア派の四女・咲月は、昆虫採集で大活躍。

 

 

 

 

本作のシンボルは、おっぱいとゆう飛び道具をもつ長女・夢月だろう。

一方で僕のお気にいりは、次女・弥生と咲月。

でも最重要キャラはだれかと問われたら、三女・羽月と答えるかも。

感情表現がヘタな姉ふたりとちがい、いつだってポジティブ。

6巻では夢月にかわって母親役に挑戦。

 

 

 

 

萌え4コマのジャンル内で相対的にみると、米田和佐は内面描写が巧いとおもう。

きょうだいは、わがままを言いつつ、おたがいを気にかけている。

ああでもない、こうでもないと、かんがえている。

結果として、いつもの風景になってるだけ。

 

 

 

 

たしかに「穏やかな日常」を描いてはいるけれど、

「女4男1のきょうだいの団地暮らし」とゆうテーマは新しかったし、

連載中にめきめき上達してゆく作者の画力も見ものだった。

どこがどうすごいのかをズバッと指摘するのはむつかしいが、

いまでもなお『だんちがい』は意義深い作品だとおもう。





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テーマ : 4コマ漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 萌え4コマ    米田和佐 

米田和佐『だんちがい』5巻

 

 

だんちがい

 

作者:米田和佐

掲載誌:『まんが4コマぱれっと』(一迅社)2011年-

単行本:4コマKINGSぱれっとコミックス

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米田和佐の単行本は現在12冊。

4コマ中心のため数は少なめだが、キャリアは20年ちかい。

位置づけ的には中堅作家か。

 

 

 

 

作風は、いい意味で保守的。

たとえばスマートフォンを、ある種の「異物」としてあつかう。

利便性にとみ、安価な娯楽を提供するメディアなのは否定しないにせよ、

どちらかと言えば、家族のコミュニケーションや学業の障害物として描かれる。

2016年なのに。

 

 

 

 

スマホ批判のテーマを、弥生のお風呂スマホにつなげ、

さりげないエロスに昇華する段取りは、『だんちがい』ならではの絶妙な湯加減。

 

 

 

 

米田和佐は「底が割れてない」作家だとおもう。

巻を重ねるごとに絵が上達し、いまだピークに達してない。

 

あと、趣味がいい。

表紙から水着回を期待させる本巻で、水着を披露するのは扉絵だけ。

しかも弥生には着せない。

必要以上に肌をさらさない。

 

 

 

 

『だんちがい』全巻のお約束と言えば、

双子姉妹の世界観を表現する、台詞のないサイレント回。

 

 

 

 

絵だけで勝負するサイレント回の試行錯誤の成果が、

5巻では作品全体に浸透してきた様に感じられる。

あちこちのコマに詩情がただよう。

 

兄に服を褒めてもらいたくて、自宅でおしゃれする弥生。

かつてファッションセンスのなさを自嘲していた作者は、弱点を克服したらしい。

 

 

 

 

僕のお気にいりは、クーラーが壊れて薄着ですごす弥生。

下品じゃないけど、あられもない。

媚びてないけど、しどけない。

 

 

 

 

今日は昨日よりもかわいく。

明日はきっと、もっとかわいく。

なんの事件もおきないけど惹きこまれる、唯一無二の作品だ。





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タグ: 萌え4コマ  ロリ    米田和佐 

『姉妹ちがい 米田和佐短編集』

『僕の姉が魔法使いな件』

 

 

姉妹ちがい 米田和佐短編集

 

作者:米田和佐

発行:一迅社 2015年

レーベル:REXコミックス

ためし読み/過去の記事→『だんちがい』1巻/2巻/3巻/4巻/『えこぱん』

 

 

 

『だんちがい』テレビアニメ放映中の需要をあてこみ、短篇集が登場。

当ブログも連日の米田和佐祭りとなる。

 

初出は2010-15年で、目のハイライトを上の方に描き、

内面の強さが表現される様になったとか、画風の変遷を確認できた。

そして勿論、一作だけでは見えない作家の本質も曝け出されている。

 

 

 

 

『僕の姉が魔法使いな件』は姉弟もの。

パンチラや過剰なスキンシップなどで幻惑する姉の「愛」が、

実は魔法使いではないかと疑う話。

 

2014年ごろ、作者はケチのつけ様がない描線を手にいれた。

すべすべでふわふわな触感さえ感じさせる。

自由自在かつ安定感抜群。

水しぶきさえ、うつくしい。

これが魔法か。

 

 

『僕の姉が魔法使いな件 -amazing-』

 

 

生徒会副会長の「恵」は、脳筋暴力キャラ。

作者がどこまで意識してるか知らないが、

愛と恵は『だんちがい』の夢月と弥生そっくり。

たぶん描いてて気持ちいい、自身にとっての黄金比なのだろう。

 

本書収録作を読み返したら、三つ編みにリボンをつけた髪型ばかりで驚いた、

と米田はあとがきで白状している。

 

 

 

 

『とあるPたちの日常』は、かわいいボカロPのエピソード。

中身は男だが、女の子の気持ちを理解するため(?)女装している。

 

 

 

 

研究熱心なあまり(?)、男勝りな姉と公園デート。

姉が男役で、弟が女役のシチュエーションにクラクラする。

ラノベ設定とかボカロとか男の娘とか、あれこれ流行をとりいれつつも、

結局は、たがいを慈しむきょうだいの話になるのが米田流。

 

ワンピースなどの描写は入念だが、ファッション全体の印象はどこか昭和っぽい。

サブカル厨に媚びない作風が尊い。

 

 

 

 

『生徒会さてらいと!』も男の娘もの。

女装癖がバレてるとゆうハンデにもかかわらず生徒会長をつとめる。

彼(女)が頑張るのは、好きな男子が「しっかりしたコがタイプ」と言ってたから。

 

米田作品は、読者の琴線に触れる瞬間がかならずある。

 

 

『僕の姉が魔法使いな件 -amazing-』

 

 

初期の『えこぱん』に顕著だが、米田は本来中二病の人だ。

パッと見は地味でも、内側は熱いマグマが滾ってる。

 

しばらくネコをかぶって、流行にながされるサブカル厨の視野の外で技を磨き、

ふと気づいたら、米田和佐の時代が到来していた。






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タグ:   男の娘  米田和佐 

米田和佐『だんちがい』4巻 家族の肖像

 

 

だんちがい

 

作者:米田和佐

掲載誌:『まんが4コマぱれっと』(一迅社)2011年-

単行本:4コマKINGSぱれっとコミックス

ためし読み/以前の記事→1巻/2巻/3巻/同作者の『えこぱん』

 

 

 

テレビアニメ放送中の、四姉妹と男ひとりによる、きょうだい4コマの新刊。

連載はすでに4年の長期に渡っており、

4人ならべばオーラを発し、そこはもう「だんちがいワールド」。

 

 

「団地外のだんちがい」(『姉妹ちがい 米田和佐短編集』所収)

 

 

『だんちがい』番外篇をふくむ短篇集『姉妹ちがい』も同時発売。

4コマのフォーマットを超えて世界はひろがる。

 

 

 

 

面倒見のよさと、たわわな胸で、弟妹たちを優しく包容する、

長女「夢月」が4巻で大きくフィーチャーされる。

 

僕は、思春期女子に母性をおしつけるストーリーに共感しないけど、

スーパーで新婚さんに間違えられたバカルキがのぼせ上がり、

新妻として嫁いできた姉を妄想する場面は、臨界点突破していた。

擬似的な母であることを逆手に取るエロス。

 

 

 

 

中学のバスケ部エース、次女「弥生」が本作の牽引役。

表情や姿勢が「動き」を感じさせ、性格もおしとやかじゃないけれど、

外見はそこかしこが女の子らしく可憐で、とにかく見ててたのしいキャラ。

 

 

 

 

同級生の「里美」と「あや」を団地の我が家へ呼ぶ。

日ごろ悪口を言いまくってる兄の話題になるが、

友人の口から「バカ」とか「オタク」とか聞くと腹が立つ。

その複雑な感情が、すべて顔に出てしまう。

 

 

 

 

今度は兄が友達をつれてきた。

「お前の妹可愛いな!」と言わせたくて、おしゃれする。

髪留めやネックレスまでしている。

 

1巻あとがきで、ファッションセンスのなさについて自虐ネタを描いた作者は、

現在もっとも可愛い女の子を描く作家のひとりでありながら、

たしかに服は全体的に昭和っぽい。

 

 

 

 

でもそこが、本作の個性。

可愛すぎるくらい可愛いけど、ホッとできる。

彼女たちがそこにいるだけで、いとおしい。

とってつけた様な人情話がなくても、家族の大切さがつたわる。






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苑田 謙

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