神崎かるな/黒神遊夜『武装少女マキャヴェリズム』8巻
武装少女マキャヴェリズム
作画:神崎かるな
原作:黒神遊夜
掲載誌:『月刊少年エース』(KADOKAWA)2014年-
単行本:角川コミックス・エース
第8巻は、インドの武術カラリパヤットの遣い手、千鳥とのバトルがヒートアップ。
改良型魔弾をくらった千鳥が、はげしく嘔吐する。
身も蓋もない描写だ。
作者夫妻は単行本あとがきで、アニメ化・結婚・出産などを無邪気によろこび、
幸せアピールに余念がないが、作品自体は剥き出しの暴力が炸裂している。
千鳥の武器はウルミ。
鞭の様にしなる剣だ。
斬撃の暴風雨のインパクトは、本作において最大級。
指の一本や二本、吹き飛んでもおかしくない。
カラリパヤットにからめて、現代のローコンバットへの言及もあり、
作者の格闘術の造詣の、深みと範囲と体系性には恐れいるばかり。
闘いのあとは、おたのしみが。
ボーイフレンドシャツからのぞく千鳥の細い脚がたまらない。
8巻後半にえがかれるのは、メアリvs聖愛。
西洋剣術のことなる流派同士の激突だ。
詰将棋的でパズル的な駆け引きがみどころ。
本作を熱心にフォローしてない人が当記事を読んでも、そもそもこの漫画は、
誰と誰がなんのため闘う話なのか、さっぱりわからないはず。
ファンである僕ですら、わからないのだから。
しかし、だ。
麗しい女子、比類ない武術の描写、抜きがたい死の匂い。
これらの美点が欠点を覆い隠しており、僕はこれからも本作を追い続けるだろう。
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