神崎かるな/黒神遊夜『武装少女マキャヴェリズム』6巻

 

 

武装少女マキャヴェリズム

 

作画:神崎かるな

原作:黒神遊夜

掲載誌:『月刊少年エース』(KADOKAWA)2014年-

単行本:角川コミックス・エース

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女帝・天羽斬々との戦いに決着がつく。

ひたすらボコりあったあと、女帝がダウンし、デレておわり。

武術の巧妙な駆け引きを、詰将棋みたく緻密にえがける、

この作者たちにしてはぞんざいなセットピースだったかもしれない。

 

 

 

 

そして前作を象徴するキャラ、鳴神虎春が登場。

『しなこいっ』オールスター化が加速する。

 

 

 

 

神崎&黒神ファンで、虎春を嫌いな者はいない。

孤高の天才ぶりが彼女の魅力。

心臓がやぶれそうな緊迫する場面でも微笑をたやさず、

こんがらがった詰将棋を瞬時に解き、痛烈な一撃をくりだす。

闇夜にはしる迅雷の様に、世界をおのれの色に塗りかえる。

 

 

 

 

その色は、黒々とした赤。

「骨の髄まで病んだ血脈」とゆうテーマが、武リズムでも復活した。

 

 

 

 

打ち切られた前作の信奉者としては複雑な気分だ。

どうかんがえてもストーリーが破綻している。

主要キャラの輪やメアリがあっさり端役に降格したのを許容するのはむつかしい。

 

 

 

 

新章突入で新キャラも続々とあらわれる。

容貌、服装、口調……あいかわらず冴えてる。

連載を打ち切られようが、ストーリーが破綻しようが、

作者が癌で大腸全摘出しようが、ビクともしない世界観。

 

 

 

 

4月からアニメがはじまるが、あまり期待しない様にしている。

だってファンの理解すら超える異色の作家の特異な作品を、

手際よく料理できるアニメ職人なんてそういないでしょう。





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神崎かるな/黒神遊夜『武装少女マキャヴェリズム』5巻

 

 

武装少女マキャヴェリズム

 

作画:神崎かるな

原作:黒神遊夜

掲載誌:『月刊少年エース』(KADOKAWA)2014年-

単行本:角川コミックス・エース

ためし読み/同著者の過去記事

 

 

 

盲目の居合の天才、因幡月夜がついに刀を血で染める5巻。

光なき世界で邪眼がまたたく。

 

 

 

 

薬丸自顕流の術理を饒舌に語り、読者にげっぷを催させる。

うんざりするほどクドい黒神節。

 

 

 

 

無刀の剣士であるノムラのルーツも示現流にあった。

『しなこいっ』の龍之介の「蜻蛉」を髣髴させる。

 

 

 

 

大胆不敵でエレガントな忍び、祥乃まで参戦。

スマブラもびっくりの、しなこいっオールスター状態だ。

 

 

 

 

巻末、虎春の禍々しいほほえみでトドメを刺す。

これで役者は揃った。

 

 

 

 

いや、揃いすぎだ。

『武リズム』とはなんだったのか。

続篇を新作に見せかける偽装か。

鬼姫やメアリのツンデレ、蕨のロリ、さとりの天然……。

みな噛ませ犬にすぎなかったのか。

 

 

 

 

しなこいっファンですら唖然とする物語の破綻ぶり。

それでもそこには刀がある。

質感と重量感をともない美少女の腰のあたりにおさまる。

タイトルなんて飾りだ。

それが鞘走る瞬間の閃光を、僕らは息をのみ見守るだけ。






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神崎かるな/黒神遊夜『武装少女マキャヴェリズム』4巻

 

 

武装少女マキャヴェリズム

 

作画:神崎かるな

原作:黒神遊夜

掲載誌:『月刊少年エース』(角川書店/KADOKAWA)2014年-

単行本:角川コミックス・エース

ためし読み/以前の記事→1巻/2巻/3巻/『しなこいっ!』

 

 

 

女帝・天羽斬々、ついに参戦。

彼女があらわれると、背景を闇がうめつくす。

「絵になる女」を自称した鳴神虎春と同様に。

 

 

 

 

ラッキースケベ満載の、ウハウハなハーレムラブコメとしてはじまった物語は、

作者の十八番である「血族同士の相剋」へ舵を切ってゆく。

 

 

 

 

むきだしの憎悪、理不尽な暴力、忌まわしい事件。

ギリシア悲劇の様に陰鬱だ。

 

暗いストーリーでなにが悪いのか。

それゆえのカタルシスもあるのではないか。

 

 

 

 

アモウの奥義は「自動反撃(オートカウンター)」。

信じがたい防禦力により、「攻撃が成功すれば敵を無力化」とゆう、

あらゆる剣術の流派の前提を廃棄してしまう。

 

おそらく漫画史上もっとも武術に精通した作家が、

武術を全否定する様な描写をする点に、読者は感動する。

同時に「奥義の種明かし」とゆう、古典的な剣豪ものの意匠も施されている。

 

 

 

 

驕慢さを理由に、顔を斬られる蕨。

メインキャラの身体欠損、特に顔面におけるそれは、

キャピキャピした女子が大勢出てくる物語では禁じ手だ。

 

 

 

 

前作の最終盤に登場して以来沈黙をまもっていた、

盲目の居合の天才・因幡月夜もうごきだす。

 

 

 

 

抜刀どころか納刀さえ見えない、薬丸自顕流の斬撃。

鳴神の淀んだ血を證明する邪眼。

本作が『しなこいっ』の復讐戦なのを思い出させる。

 

積み上げたものを破壊し、約束事から逸脱し、忘却に対し抵抗する4巻。

これだよ、これが読みたかったんだ。






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神崎かるな/黒神遊夜『武装少女マキャヴェリズム』3巻 眠目さとりのモダニティ

 

 

武装少女マキャヴェリズム

 

作画:神崎かるな

原作:黒神遊夜

掲載誌:『月刊少年エース』(角川書店/KADOKAWA)2014年-

単行本:角川コミックス・エース

ためし読み/当ブログの記事→1巻/2巻/『しなこいっ!』

 

 

 

神崎かるなの描線は、『竹刀短し恋せよ乙女』2巻あたりで完成したが、

うつくしさにますます磨きがかかってもいる。

 

鍛え上げた少女剣士たちの肢体は、意外なほどしなやかな曲線美を誇り、

解剖学的リアリズムから逸脱しないまま、「萌え」の文法と調和する。

 

 

 

 

かといって本作を「美少女バトルもの」の棚にならべ、

愚作の山に埋もれさせるのは賢明でない。

 

「浮気」したノムラをお仕置きするシーンでも、いちいち蘊蓄がこぼれ出すなど、

情報量で読者をつなぎとめる作風はあいかわらず。

 

 

 

 

見せ場は大浴場での立ち廻り。

ヌク前に、ランジェリーの吟味は缺かさない。

 

 

 

 

3巻でフィーチャーされるマイナー武術は「吹矢術」。

古武術についての圧倒的な造詣をもとに、

ゴシック的世界を現代日本に流露させるのが黒神遊夜の語り口だが、

本作は悪ノリぎみな「武藝のコンビニ」状態となっている。

 

 

 

 

では、不思議ちゃんな天然剣士「眠目(たまば)さとり」戦をみよう。

全裸なのは読者サービスと、ノムラに対する視線誘導。

 

 

 

 

アクションシーンほど刺激的な絵はない。

そこに性的刺激をくわえ、一層複雑なあじわいに。

見てはいけない。

でも見ないと死ぬ。

 

さとりの流派は各派をミックスした「警視流木太刀形」

要するに「現代剣道こそ最強なのでは」とゆう、

神崎・黒神作品を全否定しかねない強烈なアンチテーゼ。

 

 

 

 

悲壮感ただようゴシック世界から、あけっぴろげなモダニティへ。

きっとそれは進化なのだろう。






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神崎かるな/黒神遊夜『武装少女マキャヴェリズム』2巻 あるツァイトガイスト

 

 

武装少女マキャヴェリズム

 

作画:神崎かるな

原作:黒神遊夜

掲載誌:『月刊少年エース』(角川書店/KADOKAWA)2014年-

単行本:角川コミックス・エース

ためし読み/1巻の記事/同作者の『しなこいっ』『竹刀短し恋せよ乙女』

 

 

 

粗暴な新撰組筆頭局長・芹沢鴨が、鉄扇で誰彼かまわず殴ったのは有名だし、

「鉄扇術」が流派として存在するのも知ってたが、その形をみるのは初めて。

本作は「情報量がおおい」とゆう、名作の条件をみたしている。

 

 

 

 

天下五剣のひとり「亀鶴城(きかくじょう)メアリ」のレイピアが襲いかかる。

西洋剣術の多彩な突きに翻弄され、間合いを詰められない。

 

 

 

 

女剣士を斃したらボーナスタイム。

なにやら覚悟してるメアリさんの艶めかしい体型を堪能しよう。

 

 

 

 

神崎かるなの描線はすこぶるうつくしい。

メアリとくらべ細身の「鬼瓦輪(おにがわら りん)」のブルマは皺がよる。

そこがまたいい。

 

 

 

 

てっきり剣術漫画とおもってたら、相撲大会がはじまる超展開。

「ブルマ・まわし・刀」のコーディネイトは、意外なほどそそる。

 

 

 

 

『しなこいっ』のゴシック的「暗さ」を捨て、ラノベ的「軽さ」にちかづいた本作。

「もう打ち切り(二度も)は御免だ」とゆう覚悟が、ラッキースケベ連打にあらわれるが、

その反動なのか熊とのバトルを延々と描いてアンケートで惨敗したらしい。

器用な様で不器用なコンビかも。

 

ちなみに「花酒蕨(はなさか わらび)」が熊をしたがえるのは、坂田金時になぞらえた。

ハチャメチャな様で筋がとおっている。

鬼姫のセリフもおかしいし、僕はすきなエピソードだ。

 

 

 

 

蕨はタイ捨流の遣い手。

「猿廻」など身軽なうごきを、流麗な作画で魅せる。

古武道を描かせたら空前にして絶後。

 

 

 

 

対する鬼姫は直心影流。

すらりとのびた脚に映える「鶴ノ構」。

この上なく凛々しくて、この上なく萌える。

いにしえの精神を、はやりの仕草と調和させ、2015年を斬る。




武装少女マキャヴェリズム (2) (カドカワコミックス・エース)武装少女マキャヴェリズム (2) (カドカワコミックス・エース)
(2015/02/23)
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