松本ひで吉『境界のミクリナ』2巻

 

 

境界のミクリナ

 

作者:松本ひで吉

掲載誌:『少年マガジンエッジ』(講談社)2015年-

単行本:マガジンエッジコミックス

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人間界を支配しにきたロリ魔女っ娘のミクリナが、

いつの間にやら人間界に順応した日常をえがくコメディ。

きょうも火責め(サウナ)やら水責め(水風呂)やらで大騒ぎ。

 

 

 

 

夏祭り回では、物体移動の魔法を披露。

ラムネの瓶からビー玉を抜き出し、幼女を笑顔にする。

このネタは、カバー下の謎ポエムの伏線なのでお見逃しなく。

 

 

 

 

腐れ縁の魔女仲間「インゲル」が登場。

ミクリナとちがい魔力がたかく、大人の姿に華麗に変身したり。

 

ちなみに「フドーさん」と言うのは、「不動産」が人名だと勘違いし、

あらゆる土地を所有する権力者と思いこんでいる。

 

 

 

 

インゲルはミクリナが大好き。

特にぷにぷにのほっぺが。

1巻にくらべて百合成分を増量!

 

 

 

 

16話に出てくる「椎名リサ」。

偏差値80超えの天才で、メカを自在にあやつる。

つねにお菓子を食べてるなど、キャラ造形がキマっている。

 

 

 

 

こちらは日曜朝のアニメ『プリティ☆モモカ』のヒロイン。

デザインは普通だが、『さばげぶっ!』ファンにとってうれしいネーミングだ。

 

 

 

 

松本ひで吉は、短距離のスプリントをくりかえして主導権をにぎる、

サッカー選手にたとえるならギャレス・ベイルの様な作家だろう。

だいぶとっ散らかっている本作だが、1話ごとの中身は濃く、

笑いのあとで不意に泣かせるカウンターアタックが炸裂する。





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桜井瑞希『いつか私は、君を裏切る』/石見翔子『しょーがくせいのあたまのなか』

 

 

きらら系コミックを2作紹介しよう。

まづは桜井瑞希『いつか私は、君を裏切る』(ためし読み)から。

女子高校のドロドロした人間関係がひきおこす事件を、

小柄で小生意気な「ウイコ」が探偵となって真相をあばくミステリ漫画。

JKが正面切ってJKを断罪する。

 

 

 

 

『フォワード』連載なのもあり、きららにしては鬱展開満載。

美少女たちの醜い内面を目の当たりにし、ウイコは呆然とした横顔をみせる。

 

 

 

 

本作は横顔が印象的。

うつくしい横顔同士がむきあえば、必然的にキスへ発展する。

百合とゆうミステリーがますますふかまってゆく。

 

 




 

 

つぎに石見翔子『しょーがくせいのあたまのなか』(ためし読み)。

アニメ化された『かなめも』につづく作品で、舞台は小学校。

おへそのチラリズムがまぶしい。

 

 

 

 

おきにいりキャラは、黒髪ポニーテールで清楚だが毒舌な「ふたば」。

連れションの変態性など、女子小学生のエロスを曝露する。

 

 

 

 

小学校はスキンシップの機会がひっきりなし。

まじめに授業をうけてるだけなのに、彼女らは禁忌の快感に身悶える。

 

 




『いつか私は、君を裏切る』

 

 

女学生はお人形の様に愛くるしいのに、いやだからこそ、

毒々しく自堕落な本性が僕らの目に際立って見える。



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小川麻衣子『魚の見る夢』

 

 

魚の見る夢

 

作者:小川麻衣子

発行:芳文社 2012-14年

レーベル:まんがタイムKRコミックス tsubomi series

[ためし読みはこちら

 

 

 

二歳ちがいの姉妹百合をテーマとする漫画。

黒髪ショートが姉の「巴」で、あかるい色の方が妹の「御影」。

別の高校へかよってるため制服がことなる。

スカートのトーンなどのバランスがハーモニアスだ。

 

 

 

 

登場人物の外見はともかく、内面はみなバランスを缺く。

姉にちかづく女に対し、御影が嫉妬と敵意と狂気をほとばしらせたり。

 

 

 

 

御影は画家である父から、かつて性的虐待をうけたと語り手は匂わせる。

いま姉妹は父と別居しているが、御影は姉に内緒で会っている。

父は人間として嫌いだが、絵は好きで、ヌードモデルをつとめることも。

 

 

 

 

中心人物は7人で、百合漫画としてはやや多いかも。

徐々に関係がふかまり、複雑化し、変容するなかで、

少女たちは残酷にふるまい、他者と自己を傷つける。

ナイフよりずっと鋭利に胸をえぐる。

この絆が永遠じゃないなら、みづからの手で壊すべきだから。

 

 

 

 

「魚の見る夢」とゆう詩的なタイトルの意味は明瞭でないが、

水族館の水槽を回遊する魚みたいで、決して居心地わるくない日常において、

みじかいモラトリアムの期限日を漠然と不安におもう少女の心情をさすらしい。

 

 

 

 

1巻の描き下ろしは、無邪気なころの姉妹をえがく。

昼寝する姉をみて、御影は毛づくろいする猫の様に口づけする。

セクシャルであるよりソーシャルなものとして百合を定義。

 

 

 

 

御影を慕う同級生の「高柳」が、学校の裏庭で急接近してくるシーン。

拒否するでもなく、御影は親友の瞳をじっとのぞきこむ。

見つめ合ってるのに、その視線があまりにつよすぎ、高柳は一線をこえられない。

 

永遠と背中あわせの一瞬を、少女らが睦みあう様子に閉じこめた、名作中の名場面だ。





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はま/相沢沙呼『現代魔女の就職事情』3巻

 

 

現代魔女の就職事情

 

作画:はま

原作:相沢沙呼

掲載誌:『月刊コミック電撃大王』(KADOKAWA)2015年-

単行本:電撃コミックスNEXT

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「玉城禰子(たましろ ねこ)」は見習いのへっぽこ魔女だけど、魔法は一応つかえる。

箒で空を飛べるし、占いは得意だ。

でも恋占いの結果を遠慮なく宣告して、依頼主を傷つけたりする。

 

人の心は魔法より厄介なのをしらない。

 

 

 

 

3巻でも、禰子の精神的成長はあまり感じられない。

そこがいいとも言える。

ころころ変わる無邪気な表情や、ほそくうつくしい手足や、

セーラー服っぽい魔女っ娘衣装をながめてれば、読者はしあわせ。

 

 

 

 

単著多数の小説家である相沢沙呼が原作を担当しており、

物語のクオリティも高いのだろうが、やはりヴィジュアルに惹きつけられる。

特に作家性があらわれる扉絵のたのしさに。

 

 

 

 

15話扉絵は、本作の二枚看板の片割れである「弥生」の横顔。

調理師になる夢と、神社を継がせたい親の望みのあいだで悩んでいる。

 

 

 

 

弥生が禰子に辛くあたるのは、幼いころから魔女に憧れてたから。

空を飛べるくせに、くだらない不平不満ばかり言う甘ったれた根性をゆるせない。

あんたなんかが人生を語るな。

地べたに貼りついて生きる人間のやるせなさを、あんたがわかるわけない。

 

 

 

 

雨の灯台でのドラマティックなシーン。

憂鬱な重力を力強く、そしてやさしく受けとめる百合の空間。

 

 

 

 

かろやかで、繊細で、かわいく、うつくしく、ときどきほろ苦い。

『現代魔女の就職事情』は最高の漫画とおもう。





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タグ: 百合 

ひみつ『ぺたがーる』2巻

 

 

ぺたがーる

 

作者:ひみつ

掲載誌:『コミックキューン』(KADOKAWA)2015年-

単行本:MFC キューンシリーズ

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貧乳コンプレックスが強すぎ、おっぱいに複雑な愛憎をいだくJK「平野ひい」。

その言動はますます暴走し、ますますかわいい。

 

 

 

 

2巻は日常系4コマらしく、四季折々の情景とおっぱいをからめる。

たとえば梅雨だったら、雨に濡れて貼りついた透け透けのブラウス。

豊満な胸が日本の季節感をゆたかにする。

 

 

 

 

身体測定などの学校行事もはづせない。

まるで身長や胸囲が成長しないひいちゃんにとっては悪夢のイベント。

頭をなでられただけで背が縮んだと、この世の終わりみたいに大騒ぎ。

 

 

 

 

授業参観ではプロっぽい道具を用意し、同級生と母親の体型を比較。

胸のサイズが遺伝するのかについてデータをあつめる。

その熱意には脱帽せざるをえない。

 

 

 

 

ひいちゃんの母親である「数子」が初登場。

娘と双子にまちがわれるソックリ親子だ。

このお母さんが、ひいちゃんに匹敵するほどおもしろかわいい。

 

 

 

 

お正月と言えばおもち。

おもちと言えばおっぱい。

自分にはないふくらみを見て、あじわって、たのしむ。

 

 

 

 

神社で熱心に拝むひいちゃん。

願いごとは意外にもおっぱいの発達ではなく、親友のしあわせ。

 

2巻はやや百合度が薄まったが、底の方にピュアな感情がかわらず流れていて、

ヘンテコだけどキラキラしてる、ひみつワールドはさらに純度をたかめている。





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