ほっけ様『専門学校JK』

 

 

専門学校JK

 

作者:ほっけ様

監修:代々木アニメーション学院

掲載媒体:『デンプレコミック』(KADOKAWA)2017年-

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寮生活をおくりつつ、代々木アニメーション学院でまなぶ女子高生の4コマである。

主人公格は、イラスト科生の「大宮」。

「神絵師になりたい」とゆうフワッとした理由で入学した。

絵は全然うまくない。

 

 

 

 

代アニには、親が金持ちの生徒がいる。

実は大宮は社長令嬢で、最新のハイスペックマシンをそろえる。

しかしそれだけで満足し、結局なにも描かない。

 

 

 

 

代アニに入学試験はない。

生徒はお客様であり、講師も言動に気をつかう。

ちょっとしたことで褒めてもらえるが、かえってプレッシャーになることも。

 

 

 

 

マンガ科の「茅ヶ崎」は課題制作に行き詰まり、個人面談をうける。

オメガバースがどうちゃらと適当にテーマを口走ったら、講師に通じてしまい驚く。

 

 

 

 

茅ヶ崎が本当に描きたいのは、寮生同士の百合。

声優科の「岡山」は、ハードなレズ行為に耽る自分をみてショックをうける。

 

「代アニあるある」のおもしろさだけでなく、「萌え4コマ」としても内容が濃い。

 

 

 

 

声優科は、やはり一番人気の学科らしい。

アニメ映画出演権を賭けたSHOWROOMでの競争が、本巻のハイライト。

才能や努力ではいかんともしがたい社会の現実を、代アニ生は身をもって知る。





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ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合 

高津マコト『シャボンと猫売り』

 

 

シャボンと猫売り

 

作者:高津マコト

掲載サイト:『コミックガム』(ワニブックス)2016年-

単行本:ガムコミックスプラス

[ためし読みはこちら

 

 

 

主人公の「澁澤なつめ」は剣道部に所属している。

あるとき、練習方針をめぐってゴリラみたいな先輩と口論に。

竹刀でセクハラされるが、男嫌いのなつめは動じない。

 

 

 

 

凛とした少女剣士であるなつめだが、親友の「ちひろ」を見た途端にデレる。

一瞬でゴリラ先輩を片づけ、イチャイチャする。

このギャップは魅力的で、冒頭における主人公の紹介として有効だ。

 

 

 

 

なつめは、ちひろの家に泊まることに。

ところが怪しげな石鹸で体を洗ったちひろが、浴室で猫に変身してしまう。

 

 

 

 

本作は、ちょっとシュールな味わいの現代ダークファンタジーだ。

手描きっぽいタッチ(実際はクリスタ使用に、新人らしからぬ表現力を感じる。

 

 

 

 

なつめは、猫を捕獲する謎の公的機関「防疫局」との戦いに巻き込まれる。

ストーリーはやや突拍子もないが、アクション描写は達者なもの。

 

 

 

 

昔の『ルパン三世』のアニメなどを見ると、

たとえば自動車が走り出すとき車体が大きく曲がったりして、

古臭くはあるけれどいいものだなと思う。

高津マコトは、そうゆう「漫画的誇張」を自家薬籠中の物としている。

 

 

 

 

一方で、百合とゆう流行のテーマもがっつり追求。

このハイブリッドな世界観は、漫画読みなら見逃せないはず。





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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合 

奥瀬サキ『流香魔魅の杞憂』

 

 

流香魔魅の杞憂

 

作者:奥瀬サキ

掲載サイト:『コミックガム』(ワニブックス)2016年-

単行本:ガムコミックスプラス

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主人公は「流香魔魅(りゅうか まみ)」。

うつくしい髪と、長身痩躯と、黒づくめの服が印象的だ。

特異な能力を活かし、保険調査の仕事をしている。

ある日、ガード下で雨宿りしていたショートカットの少女と出会い、

相通ずるところがあったか、仔犬でも拾う様に自宅へ連れて帰る。

 

魔魅は『低俗霊狩り』の主人公でもある。

 

 

 

 

少女の名は「來夕(きゆう)」。

「俺ビアンなんだ」と1話で打ち明ける。

魔魅に惹かれたらしく、そのまま居ついてしまう。

 

1巻で性交渉の場面はない。

たが魔魅の方も、まんざらでもなさそう。

 

 

 

 

魔魅がもつ異能は、霊視力。

幽霊たちの悲しい訴えに耳をかたむけ、

警察が解決できなかった保険金がらみの事件の真相をあばく。

 

 

 

 

奥瀬は性と暴力にこだわる作家だ。

本作は若干マイルドになったが、目をそむけたくなる残酷な描写も。

 

 

 

 

ストーリーは、1話完結スタイルの探偵もの。

よく言えば、本格ミステリ小説みたいな読みごたえがある。

悪く言えば、文字情報が氾濫しており重い。

 

代表作のひとつ『コックリさんが通る』の様な、

アクションでグイグイ押してゆく作風ではない。

 

 

 

 

本作の強みはファッションだ。

黒を基調とするが、各話ダブルヒロインの服装が凝っている。

僕が好きなのは、來夕のセーラーワンピース。

 

 

 

 

背景に写真をつかう手法も、もともと奥瀬の十八番だが、

本作は卓越した整合性を感じさせる。

作家としての円熟期なのだろう。

 

僕は熱心なファンではないので、レビューを参考にすると、

長い低迷期を脱した作者による会心作である様だ。





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鍵空とみやき『ハッピーシュガーライフ』6巻

 

 

ハッピーシュガーライフ

 

作者:鍵空とみやき

掲載誌:『月刊ガンガンJOKER』(スクウェア・エニックス)2015年-

単行本:ガンガンコミックスJOKER

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前巻で許されざる罪を犯したさとうは倒れ、放心状態となる。

見よう見まねで、幼いしおが台所にたつ。

グツグツと煮えるカレーの鍋をながめていると、

心の奥底に沈殿していた記憶がうかびあがってくる。

 

 

 

 

しおの父はヒモで、母に暴力をふるっていた。

ツナ缶をいじりながら、しおは耐え忍ぶ。

 

直接的表現を迂回する技巧はあいかわらずだ。

 

 

 

 

母が娘のほかに大切にしていたのは、一枚の着物。

着付けできないので自分は着たことないが、

いつかしおが成長したとき着てもらうのが夢だった。

 

 

 

 

夫に命じられて着物まで売るはめになり、母の精神は崩壊する。

 

壊れるきっかけが物理的暴力でないのが、うまい。

と言うより、こわい。

独特な浮遊感のある世界観に、日本の伝統文化を挿入したのも効果的。

 

 

 

 

カーテンレールで縊死した母の姿を、子供の落書きの様にえがく。

しおの目には、そう見えたのかもしれない。

 

 

 

 

無理して保護者ぶるさとうを、つめたく突き放す。

しおが求めているのは母性愛ではない。

そんなものは当てにならないと知っていた。

愛が本当の愛であるためには、愛し愛されないといけない。

対等に向き合わねばならない。

 

しおの幼い顔立ちのなかで、現実を直視する瞳がかがやく瞬間は、

本作の白眉と言えるほどうつくしい。





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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合  ロリ 

『きみの声をとどけたい』

 

 

きみの声をとどけたい

 

出演:片平美那 田中有紀 岩淵桃音 飯野美紗子 神戸光歩 鈴木陽斗実 三森すずこ

監督:伊藤尚往

脚本:石川学

キャラクターデザイン:青木俊直

アニメーションキャラクターデザイン:高野綾

音楽:松田彬人

アニメーション制作:マッドハウス

製作国:日本

公開:2017年8月25日

 

 

湘南を舞台に、女子高生がミニFMでラジオ番組をはじめる、

さわやかな長篇アニメーション映画である。

 

 

 

 

スタジオは、かつて喫茶店だった廃屋にある。

主人公の「なぎさ」が雨宿りしたとき偶然、機材をみつけた。

 

 

 

 

12年前の交通事故により、店主は帰らぬ人となった。

ラジオのDJをつとめていた娘も、いまだ昏睡状態のまま。

 

 

 

 

そのまた娘である「紫音」は、眠りつづける母を見舞いに湘南へ来ていた。

鍵が開いてたとは言え、無断で喫茶店に侵入し、

なんとなしにDJごっこをしたなぎさに最初は怒るが、

お母さんに思いをつたえるためラジオを再開しようと持ちかけられ、承諾する。

 

 

 

 

主人公が「言霊」を目視できるのが、本作のギミックとなっている。

予告篇はやや地味だが、ファンタジー色が結構つよい。

 

 

 

 

本作の魅力はキャラクターだ。

幼なじみグループに、ラジオオタクで仕切りたがりの「あやめ」や、

音楽学校へかよう不思議ちゃんの「乙葉」などがくわわり、

高2女子だらけになるが、みな個性的でみな愛おしい。

 

キャラクターデザインは、手びろく活動する青木俊直。

ぜひ、物語のなかで動く彼女たちを見てほしい。

シンプルな造形と、繊細な感情表現の両立に感嘆するはず。

 

 

 

 

ラクロス部のエースとしてたがいをライバル視する、

「かえで」と「夕」のアンビバレントな関係が、大きな見どころ。

ドラマチックな感情の波がおしよせる、思春期女子の友情物語だ。

勿論、百合に分類してもいい。

 

 

 

 

主要キャストが現役高校生の新人である本作は、

絢爛豪華なところがなく、多くの注目をあびてると言えないが、

2017年夏の忘れがたい記憶として、静かに語り継がれるであろう傑作だ。




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