FLOWERCHILD『割り切った関係ですから。』

 

 

割り切った関係ですから。

 

作者:FLOWERCHILD

掲載誌:『コミック百合姫』(一迅社)2019年-

単行本:百合姫コミックス

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右のメガネの高校1年生は、主人公である「鏑木綾」。

内気な性格の持ち主。

その隣は24歳の「黒崎静(せい)」。

美人だが地味めの服装なのは、高校教師だからなのもあるだろうか。

そんなふたりの関係をえがく百合漫画だ。

 

身体や下着の描写のみだらさが目に飛びこんでくる。

 

 

 

 

ふたりは別の高校に属している。

いわゆる出会い系アプリを通じて知り合った。

秘密の花園感のない、ドライな世界観だ。

 

 

 

 

思わせぶりだったり、激しく体を求めてきたり、

年上なのに気まぐれな女に、綾は翻弄される。

いくら突っ撥ねても、手のひらの上で遊ばれてる気がする。

 

 

 

 

肉感性が強調された画風だ。

タートルネックやデニムパンツのふくらみ。

いつも濡れてる様な黒髪の質感。

それでいて全体の印象は重くなくシャープ。

 

 

 

 

綾には「陽紀(はるき)」という幼なじみがいる。

ボーイッシュでさわやかだが、綾に重い愛情を抱いており、

静との仲を引き裂こうと妨碍してくる。

ただ、自分の感情に正直なところがメインのふたりと対照的で、

作品のよいアクセントになっている。





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タグ: 百合  百合姫コミックス 

さと『神絵師JKとOL腐女子』

 

 

神絵師JKとOL腐女子

 

作者:さと

配信サイト:『ふらっとヒーローズ』(小学館)2018年-

単行本:ヒーローズコミックス ふらっと

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アラサーOLの「相沢」は、美人だがBLをこよなく愛する腐女子。

神絵師と崇める「ミスミ」の新刊を入手しにイベントに来たところ、

相手は実はJKで、自分に懐いて心をひらき、しかも告白までしてきた。

 

本作はBL界隈を題材にした、百合漫画である。

 

 

 

 

コラボカフェで大昂奮とか、オタクカップルらしいデートが微笑ましい。

 

僕もツイッターで実感するが、作者とファンのあいだには深い溝がある。

作者が男で、ファンが若くてキレイな女だったらともかく、

SNSのやりとりが昵懇な関係に発展することはまずない。

でも女同士だったら話は別だろう。

 

 

 

 

とはいえ相沢とミスミが別々でいる場面が、むしろ本作の読みどころ。

特に会社での、相沢と後輩の会話が笑える。

字が多すぎるので引用しないが、相沢のマシンガン腐女子トークに、

後輩が容赦なくツッコむ漫才の切れ味はかなりのもの。

 

 

 

 

絵ばっかり描いてるミスミは、学校では居眠りしがち。

寝てなくてもアイマスクをして目を休めたりする。

アニメの一瞬すら見逃さないために。

 

 

 

 

おたがいの日常を描いたあとで、ふたりの熱い気持ちがぶつかりあう。

一回り年下の彼女から、ちゃんと自分と向き合えと求められる第5話は、

やや淡白な作風のなかで、百合漫画らしい切迫感が炸裂している。





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テーマ : 百合漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合 

仲谷鳰『やがて君になる』7巻

 

 

やがて君になる

 

作者:仲谷鳰

掲載誌:『月刊コミック電撃大王』(KADOKAWA)2015年-

単行本:電撃コミックスNEXT

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燈子に「フラれ」てしまった侑が、窓際の席で自問自答する。

そもそも好きになるってなんなのだろうと。

合わせ鏡みたく窓にうつる横顔は、堂々巡りする心のメタファー。

 

 

 

 

修学旅行先で、沙弥香までが燈子に告白した。

そしてまだ返事を決めかねている状況で、嵐山かどこかで、

ふたりでボートに乗ることになり、気まづい空気がただよう。

沙弥香が細い指先を、水面にすべらせる。

燈子の気持ちにそれとなく干渉するかの様に。

 

あまりに迂遠な本作を、百合漫画の代表作とみなすのを僕は躊躇するが、

それでもこのページには百合漫画のすべてがあるかもしれない。

 

 

 

 

ほかの生徒会メンバーが不在でヒマをもてあました侑は、

槙を誘ってバッティングセンターへゆく。

中学時代はソフトボールに打ちこんでたのでフォームがうつくしい。

 

ちなみに僕は、女子高生の野球漫画『球詠』の愛読者だが、

マウンテンプクイチ先生にこの回は読ませられないと思った。

野球すらサラッと描きこなす仲谷鳰の天才ぶりに絶望されたら困るから。

 

 

 

 

そしてこのカット。

侑がネットに蜘蛛の巣みたく搦め取られている。

 

映画『暗殺の森』での「洞窟の比喩」の場面を連想した。

ありふれた場末の娯楽施設を、オペラハウスに変える魔法。

 

 

 

 

6巻の記事にも書いたが、仲谷鳰の画風は誇張がすくない。

ある意味中性的で、透明感がある。

そして、読者の心に引っ掻き傷を残してやろうというエゴがない。

なさすぎるので、本当に人間が描いてるのかたまに不安になるほど。





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テーマ : 百合漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合 

川田暁生『ロボット依存系女子のメーワクな日常』

 

 

ロボット依存系女子のメーワクな日常

 

作者:川田暁生

掲載誌:『少年マガジンエッジ』(講談社)2018年-

単行本:マガジンエッジコミックス

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実験都市で運用されるロボットであるアクティブ・アーマー。

通称「A.A」。

トレーラーで輸送されている途中、街中で起動する。

 

 

 

 

そのパイロットは女子高生だった。

黒髪の少女の名は「高科はがね」。

人見知りな性格で、いつもコックピットに引きこもって生活している。

 

 

 

 

操縦技術はともかく精神的に幼いはがねを支えるのが、親友の「琴葉」。

「ロボット×百合」が本作のウリで、

たとえば狭いコックピットでのいちゃいちゃは見ごたえあり。

 

 

 

 

はがねは民間の警備会社と契約し、ゴミ処理などの雑用をまかされる。

一方でテロリストの陰謀も進行しており、事件に巻き込まれることも。

大型ジェット機の暴走をとめる第2話のアクションは、手に汗握る迫力。

 

 

 

 

美少女たちのロボットアクション、なおかつ講談社の月刊誌ということで、

僕は名作『サクラブリゲイド』を連想した。

ストーリー的なフックはやや弱いが、百合に特化している点、

そして気合いのはいったメカ描写は、本作の優位性とおもう。





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テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合 

タチ『真面目ガールと青春ランジェリー』

 

 

真面目ガールと青春ランジェリー

 

作者:タチ

掲載誌:『コミック電撃だいおうじ』(KADOKAWA)2018年-

単行本:電撃コミックスNEXT

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高校1年の「蘭」が、下着というファッションを通じて、

未知の世界へ飛びこんでゆく物語である。

マジメさを匂わすヘアピンが、キャラデザのいいアクセントだ。

 

 

 

 

蘭はこれまで、母が買ってきたジュニア用ブラしか着けたことがない。

しかし高校入学を期に、意を決してランジェリーショップへ突撃。

応対してくれた店員の「そららさん」は、商売熱心をとおりこし、

まるで宣教師の様な口ぶりで下着の魅力を語るのだった。

 

口癖の「甘い考えです!」は、そららさんの蘊蓄がはじまる合図。

 

 

 

 

採寸してもらったところ、蘭のサイズは「A65」。

俗にいう貧乳だ。

しかし、そららさんが見つくろったバルコネットブラは、

自分のカラダをすてきに演出してくれる。

 

蘭が典型的な「貧乳キャラ」でないのが、本作のキモ。

下着は着用者の内面ちかくに寄り添い、彼女を自己肯定感でみたす。

 

 

 

 

勿論、作者お得意の百合要素もてんこ盛り。

蘭のいる試着室に闖入してきたのは、金髪ツインテのハーフ少女、

「小阪ジェラルディーン」、愛称「ジェリー」。

蘭とあわせてランジェリーコンビの誕生だ。

 

 

 

 

ジェリーには下着をコレクションする趣味がある。

意気投合したふたりは放課後、下着ファッションショーをしたり、

ランジェリーパーティをしたりしてすごす。

 

たがいの下着姿を真剣に見つめ合うシーンは、危険なほどエロティック。

 

 

 

 

JK同士のおしゃべりのたのしさも、作者ならでは。

そららさんの妹「うみみ」は、下着に独自のこだわりがある。

「見えないおしゃれ」と言えば聞こえはいいが、

本来下着は補正のため着用するものであり、見せびらかすなど本末転倒。

大人ぶって舞い上がっていた蘭は、正論をぶつけられ動揺する。

 

「キス」をテーマに、個性的な世界観を提示した『桜Trick』同様、

本作も一点突破の迫力がみなぎっており、非常におもしろい。





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テーマ : 漫画
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苑田 謙

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