『JCの魅力を楽しむ健全なアンソロジーコミック』

 

 

JCの魅力を楽しむ健全なアンソロジーコミック

 

作者:籠目 かれい 大堀ユタカ おおのいも はまじあき ほか

発行:一迅社 2017年

レーベル:REXコミックス

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青空の下、女子中学生がさわやかにワキをみせる、

籠目による表紙に心うばわれて購入したアンソロジーである。

第二次性徴をむかえて日が経ってないがゆえの、あどけなさ。

JCはすばらしい。

 

 

 

 

おおのいも『俺の妹が最終戦争(ラグナロク)』。

大学生の主人公がひさしぶりに帰省すると、妹が中二病に罹っていた。

挨拶は「ラグナロクっ!!」。

 

 

 

 

母親に管理責任を問うたら、「おもしろいから放置した」との返答が。

ほんわかした笑顔のわりに残酷。

おいしいネタをたくみに料理した、本書の白眉となる作品とおもう。

 

 

 

 

近江のこ『陸上女子!』のヒロインは、中3の「優香」。

隣にすむ中1の「健」は、彼女にあこがれている。

 

 

 

 

ふたりは陸上部に所属。

優香の陸上ウェア姿のエロさに、健はギンギンに昂奮する。

マジメな優香は、それを熱心な応援だと誤解し……。

食いちがいがおもしろい。

 

 

 

 

昆布わかめ『変わらないもの』。

男勝りの「ゆうき」が色気づき、きまぐれに幼なじみを誘惑するが、

相手から女の子あつかいされたのが意外で照れるとゆうお話。

 

 

大堀ユタカ『小悪魔かりんちゃんが教えてあげる!』

 

 

JCは、いつ暴発するかわからない時限爆弾。

存在そのものがドラマチック。





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Batta『狐のお嫁ちゃん』

 

 

狐のお嫁ちゃん

 

作者:Batta

掲載サイト:『みんなのコミック』(イーブックイニシアティブジャパン)2016年-

単行本:角川コミックス・エース

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「狐の嫁入り」を題材にしたケモナーホイホイである。

人間に化けて輿入れした狐の「お嫁ちゃん」と、

夫の「ぬしさま」の、京都の片田舎での新婚生活をえがく。

 

 

 

 

お嫁ちゃんはどちらかと言うと、押しかけ女房。

エッチに興味津々だが、ぬしさまはオクテなので欲求不満。

下着姿や裸エプロンで誘惑する。

 

 

 

 

第4話では海水浴デート。

ちなみにいつもより胸を大きめに化けている。

 

 

 

 

お嫁ちゃんは慣れない海で溺れ、心肺停止してケモノの外見にもどる。

ライフセーバーもどう助けたらよいかわからない。

そこへ駆けつけたぬしさまが、講習どおりの適切な応急処置をほどこす。

 

 

 

 

本作は民俗学的な背景をもっている。

ぬしさまの職場は文化資料館。

こう見え約三百三十歳のお嫁ちゃんも、昔話の講演で手伝う。

子供の興味をひこうと、ベーゴマとベイブレードの新旧対決をしたり。

 

 

 

 

こちらはぬしさまの妹の「新芽(あらめ)」。

女子高生だが鷹匠をやっている。

フクロウを手懐ける妹キャラなんて、そんじょそこらにいない。

 

 

 

 

人をたぶらかす生き物としての狐を、作者はうまくラブコメへ落としこんでいる。

ただ可愛いだけじゃなく、女とゆうものへの独特な解釈がある。





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内海瀬戸『君に贈るロードショー』

 

 

君に贈るロードショー

 

作者:内海瀬戸

発行:集英社 2017年

レーベル:ヤングジャンプコミックス

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大学生の「涼太」が、古い一眼レフのデジカメをひさしぶりに触ると、

モニターに幼なじみの「ひまり」が、小学生のころの外見で映った。

 

 

 

 

表示されてるのは自分の部屋だが、実際はだれもいない。

ひまりとモニターごしに会話もできる。

 

 

 

 

それはありえないことだった。

なぜならひまりは、小学校卒業の翌日に交通事故で世を去ったから。

女優を夢見ていた彼女の魂がカメラにのりうつったのだろうか。

 

 

 

 

そして涼太は、ひまりと生き写しの少女に出会う。

彼女は二歳年下の妹「すみれ」で、姉の遺志を継いで役者をめざしている。

涼太とすみれは、ひまりの夢をかなえるため映画をつくりはじめる。

 

 

 

 

体が弱かったすみれは、明るく元気な姉に劣等感をいだいていた。

嫉妬心からケンカになり、仲直りしないまま生き別れとなった。

このエピソードはせつない。

 

 

 

 

「三人」で完成させた作品は、学生映画祭で上映される。

夢をもつことの大切さをえがく、やさしいストーリーだ。

 

 

 

 

明治大学のサイトに作者へのインタビューが掲載されている。

この春に明大を卒業したらしい。

作風は、たとえば新海誠みたいに青臭いところがあるけれど、

40すぎて純情ぶるのではなく、本当に若いのでいいと思う。





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カズミヤアキラ『闇女-ヤミ・カノ-』

 

 

闇女-ヤミ・カノ-

 

作者:カズミヤアキラ

掲載誌:『月刊キスカ』(竹書房)2016年-

単行本:バンブーコミックス

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主人公は大学生の「佐々木潤」。

アパートで一人暮らしをしており、隣には超美人な「美咲さん」が住んでるが、

引っ込み思案な性格なので自分からアプローチできない。

 

 

 

 

本作のギミックは「憑依能力」。

原因はわらかないが、潤はいろいろな男にのりうつり、

普段は小奇麗にしている女たちの本性を目の当たりにする。

美咲さんはアラサーの焦りもあって、浮気した同棲相手をめった刺しに。

 

 

 

 

大学とゆう舞台もよく描けている。

日本のサブカル作品は中学や高校が多いので新鮮だ。

清楚で知的な黒髪美女は、准教授の「速水さん」。

 

 

 

 

教授と不倫していると噂される速水さんだが、実際はもっとひどかった。

弱みを握り、SMプレイで奴隷にして弄ぶ。

 

 

 

 

カズミヤアキラは画力が高く、エロティックな描写に見応えがある。

たとえば、潤の古くからの女友達である「由妃」が乱交に耽るシーンも、

汚くなりすぎないギリギリのバランスに仕上げている。

 

 

 

 

サバサバした性格で話しやすい由妃には自傷癖があった。

誰でもいいから男を必要としていて、見つからないときは手首を切る。

列伝形式で女のカルマを丸裸に。

 

 

 

 

ここまでは他に似た作品があるかもしれない。

僕が本作に興味をもった理由は、ヒロイン格である主人公の妹「雛」の存在。

くせっ毛、吊り目、泣きぼくろ……造形がすばらしい。

 

女はみな欲深くて、自堕落な生き物なのは、残念だが事実なのだろう。

でも妹だけは例外であってほしい。

藁にもすがる様な主人公の願望がストーリーをつらぬいていて、

ただペシミスティックなのではない、複雑な読後感をもたらす。





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青木U平『妹はメシマズ』

 

 

妹はメシマズ

 

作者:青木U平

掲載誌:『まんがライフSTORIA』(竹書房)2016年-

単行本:バンブーコミックス

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黒縁メガネをかけて頭がよさそうな「チヨリ」が、兄のアパートにやってきた。

開口一番、料理をおしえるよう要求。

 

 

 

 

優等生であるチヨリの唯一の弱点はメシマズ、つまり料理がヘタなこと。

その腕前は、包丁をもたせると死者が出かねないほど。

居酒屋のバイトで料理をおぼえた兄は、先生にうってつけ。

 

 

 

 

萌え系作品においてメシマズ属性は大人気。

「女は料理ができて当然」とゆう、いまだ根強い社会通念が、

皮肉な味のスパイスとなって素材を引き立てる。

米研ぎだけで大騒ぎになったり、わざわざ水平器をつかって水量を計ったり。

あまりに几帳面な性格のせいで、手順を教わってもおにぎりすら作れない。

 

 

 

 

兄は芸人を目指して家を出たが、12年たってもさっぱり売れず、

惰性でつづけているバイトで料理の腕だけ上達した。

そんなの自慢できるスキルじゃないと、メシマズ妹は鼻で笑う。

決して馴れ合わない、兄妹の距離感が独特だ。

 

 

 

 

文化祭の屋台では、「名状しがたいたこ焼きの様なもの」を生成。

それでも悪戦苦闘するチヨリは愛くるしい。

何度失敗してもめげない、一生懸命さが胸を打つ。

 

 

 

 

「妹」と「メシマズ」……どちらも定番メニューと言える属性だが、

この組み合わせは妙にクセになる。

セブンイレブンが1983年に、ツナマヨおにぎりを発売したのに匹敵する発明かも。





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