透明少女 ―― 『ゴーストシップ』

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ゴーストシップ

Ghost Ship

 

出演:エミリー・ブラウニング ジュリアナ・マルグリーズ ガブリエル・バーン

監督:スティーヴ・ベック

制作:アメリカ・オーストラリア・カナダ 2002年

 

 

 

ねえ、エミリー。

なぜいつもキミは所在なげなの?

 

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豪華客船、アントニア・グラーザ号。

はなやかな宴。

 

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憂い顔の天使は、孤独を同伴者とする。

ヒマをもてあましパズルをまさぐる。

 

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「I AM SO BORED(あまりに退屈)」。

エミリー・ブラウニングの沈黙は、だれよりも雄弁だ。

 

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船長にさそわれて踊る。

ようやく笑顔がみえる。

くるしげで、せつなく、胸がいたむ。

彼女がほほえむたび、悪寒が脊髄をかけおりる。

 

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甲板上の惨劇。

それは宿命だ。

 

 

 

 

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四十年の時がながれ、豪華客船は幽霊船となつた。

一隻のタグボートがサルヴェージにむかう。

 

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船長のガブリエル・バーンは、あいかわらず渋い。

一匹狼のプロフェッショナルを演じるなら、最適の役者のひとり。

でも今回は、相手がわるい。

 

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ジュリアナ・マルグリーズ

 

幾度となく、異変が船員をおそう。

その視線のさきには……

 

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……彼女がいる。

ホラー映画が嫌いなボクでも、本作はこわくなかつた。

ジメジメした生理的不快感がうすい。

エミリー・ブラウニングは、映画制作というパズルの典型にはまらない。

 

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船火事が発生。

それは憤怒のあらわれ。

 

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九年前の映画だが、すでにベイビードールがいた。

地獄の炎に照らされるとき、彼女はもつとも美しくなる。

 

 

 

 

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ミイラ化したエミリーから、首飾りをうばう。

 

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憂鬱そうにながめる幽霊。

ミイラの方が、生気に満ちているから不思議だ。

 

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その手のひらは、鎖をとおす。

あるいはそれは、透明少女

 

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ボクが見たすべての出演作で、屈強な男に連行されていた。

世界がおそれる女。

 

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わたしはシヴァ、破壊をつかさどる神。

 

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水よりも透明に。

死よりも禍々しく。

彼女は人を、奈落の底へ手招きする。





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『エンジェル ウォーズ』を擁護する

 

きづいたら『エンジェル ウォーズ』が公開終了していた。

八回しか見れなかつた。

十指にみたぬ鑑賞回数は、偉大な藝術を咀嚼するには少なすぎる。

自分がグズなせいだが、不入りゆえの打ち切りがかなしい。

でも、戦いはおわらない。

文句ばかりの自称映画通をまとめて俎上にならべ、

顔面の節穴を撃ちぬき、全身を一刀のもとに両断しよう!

 

なお、コメント欄での反論は一切受けつけない。

内容に不服があるなら、その旨を自身のブログにしるすこと。

投稿したことを報告してもらえれば、ありがたい

 

 

 

 

 

さて、KLY氏のブログを紹介するのは三度目(例:1 2)。

心のこもらない映画評を書かないで済むにはどうしたらよいか、

いつも反面教師として学ばせてもらつている。

 

これはちょっと意外だったのですが、そこから導き出される最終的な現実世界、

即ち精神病院での結末は、今ひとつ何を伝えたいのか理解に苦しむところです。

 

『LOVE Cinemas 調布』

 

わからないから低評価、という手合いがおほい。

二三百ほどシロウトの駄文に目を通したから、いくらも例はあげられる。

 

非常に言えてないという感じがするのは

なんか説教臭い感じがするのにそれがピンと来ないのである。

でっ?という感じになるのである。

実際上映終わった時の客の戸惑い感はチョイと面白かった。

後ろの女子高生は「訳わからんのだけど?」といってゲラゲラと笑っていた。

 

『社会の歯車はぐるぐる回る』

 

やつぱり「わからない」。

つぎは映画大好きな、ばっどていすとさんどいっち氏。

こちらは「わからない」ではなく、「意味がない」。

おなじことだが。

 

精神病院を脱出するために必要な道具を集めなくてはいけなくて、

それが本作の見所になるんだけど、ベイビードールが敵の前で踊りを披露し、

みんなが魅了されている(ぼーっとしている)隙に

ベイビードールの仲間が道具を盗み出しているだけ。全ての展開がそんな感じ。

現実の描写を面白く描けないから、演出が妄想世界に逃げているようにしか見えない

 

『いつか想い出す日々』

 

一言だけコメントする。

わからないなら、十回見ろ。

駄々つ子の不平不満を、インターネットにばらまくな。

なら、オマエがかんがえる本作の意味は何かつて?

第五段落でのべるから、最後まで読むように。

 

 

 

 

 

具体的な批判も、なくはない。

2Dトータルクリエイター(?)のケイ・オノデラ氏は、物語の構造を問題にする。

批評家のなりそこないみたいな連中は、とかく「構造」をかたる。

映画と建築のちがいも知らないらしい。

あまりに長文だし、まともに読んだのはオレくらいではないか。

 

主人公は、ベイビードールではなくスイートピーだったということを強調しているのだ。

しかし、ここはそのまま受け取ると、作品全体をミスリードしてしまうことになる。

スイートピーが妄想世界の、もしくは映画全体の主人公だとするには、

あまりにも辻褄が合わないからである。

 

『映画批評 k.onoderaの日記』

 

話にならない。

冒頭のアビー・コーニッシュの語りを聞いてないのか?

「だれにも天使がいる」と、スイートピーがつぶやく。

そのすぐ後の、ベイビードールのやさしい眼差し。

完璧に、辻褄はあつている。

オノデラ氏は、ほかにも見当外れなことを書いているが、

ここでは「男目線」に対する批判をとりあげる。

 

なにより、2層目(娼館)から3層目(戦闘少女的ファンタジー)への移行は、

おそらく男性から向けられる欲望に対抗する為のものなのだろうが、

3層目での彼女達の姿は、まんま男性が欲望するコスプレ女性の姿のようだ。

(略)

現実に対するカウンターとしてはあまりに陳腐。

 

『3つ数えて目をつぶれ』

 

ただ、ストーリーの最後の締めはいただけないなあ。

なんか、そうか、結局男目線の映画なのねえってところ?

 

『she's inn』

 

要するにここに描かれてゐるのは、

可愛らしい少女に自分の好きな格好させて、ゾンビや怪物と闘はせてみたい。

ただし少女たちが自我を持つ事は決して許さず、

自分の思ひ通りに動くといふ条件つきで。

つまり、少女たちを思ひっきり弄んでみたい、といふ妄想です。

 

『元店主の日記』

 

まつたく、どいつもこいつも。

ヘソ出しセーラー服のなにが悪いのか?

ジェナ・マローンは、「私の衣装は露出が足りなかつた」とボヤいている。

女は、男目線とやらを決して拒否しない。

ときに歓迎する。

批判者の性別はしらないが、不美人が嫉妬しているのだろう。

 

 

 

 

 

主演女優がブスだから駄作という、許しがたい愚痴も山ほど。

 

オレ的にはストーリーうんぬんよりも主演女優が可愛くないのが一番よくないと思う!

この可愛くなさ加減は映画「スパイダーマン」のヒロイン役の

キルスティン・ダンストに合い通じるものがありますね。

 

『橋本欽也の自堕落な日常』

 

ついでにキアステンの悪口まであり、殺意をおぼえた。

しかし橋本氏は、ブラジリアン柔術をやつているらしく、

ケンカを売るのはウェブ上にとどめておきたい。

 

しかし、個人的に惜しいのは

主人公ベイビードールを演じるエイミー・ブラウニングが

好みじゃないところか(^^;)

コスも悪くないし、可愛いんだろうけど

ダメだ、全くタイプじゃない。

なので、その面では若干盛り上がらない

 

『うたかたの日々』

 

「エイミー」ぢやなくて「エミリー」だろ!

三角絞め食らわすぞ!

タイプぢやないから星三つとか、バカにしてやがる。

美人コンテストのノリで映画評を書きなぐるな。

公表する文章には、責任をもて。

 

んでこの時期に「5人組ヒロイン」ってぇとほらアレだ、

僕には序盤のベイビーちゃんが鹿目まどかにしかみえなかったよ!

するってぇとロケットはさやかですか?!

そんでまどかと比べちゃうと、世界の広がりという点でひどく劣るので、

どうしても高い評価ができない。

 

『Ash the 2nd Sight』

 

アニメオタクの立場からの批判もすくなくない。

比較対象は、『魔法少女まどか☆マギカ』という凡庸な深夜アニメ。

「こんなのは日本のアニメに昔からあるよね~」と、オタクは負け惜みをいう。

縄張りを荒されて憤慨しているらしい。

ただ残念ながら、当のザック・スナイダー監督は、

日本文化の影響をほとんど受けていない。

彼がプログラムであげる作品群の貧弱さをみればあきらか。

 

舞台となるのは,第二次世界大戦をイメージさせる世界と

ゾンビのナチス兵たちの群れ,そしてヒンデンブルグ号を髣髴させる飛行船.

あるいは,中世の城に火を噴くトラゴン,

さらには未来都市とロボットと空飛ぶ列車が登場する世界.

(略)

けれども,いずれのシークエンスにおいても彼女たちの戦いぶりは大味.

ガールズ・バトルのダイジェスト版か,贅沢なPVを観ているようで,

ワクワク感とかハラハラ感には乏しかった.

 

『気ままに映画メモ』

 

本作を「陳腐」と斬つて捨てたしゅー氏は、WWIとWWIIの区別がつかない。

陳腐なのは、オマエの頭蓋骨の中身だ!

 

 

 

 

 

お待たせしました。

本作の「意味」について、そろそろ決着をつけよう。

 

これで結末が明るければまだ救いもあるのですが、その結末もやっぱり暗いの一言ですし。

5人のうち生きているのは2人だけで、しかも主人公はロボトミー手術で廃人状態、

スイートピーもひたすら逃亡生活を続ける羽目になる、というラストは、

結局「自己満足」以外の何の救いがあったというのでしょうか?

 

『タナウツネット雑記ブログ』

 

自称映画通どもの主張の、最大公約数をみちびける。

「この映画は救いがない」。

ふたたびジェナ・マローンの発言をひく。

 

ロケットは結果なんて考えずに思ったままに行動しちゃって、

いつも姉のスイートピーや周囲の人々に迷惑をかけているけど、

いざという場合は勇敢にもなれるタフな女の子。

言うまでもないけれど、この映画は友情と自己犠牲の物語なのよ。

 

映画プログラム

 

ジェナ。

「言うまでもない」なんて、滅相もない。

わからないヤツは、わからないのさ。

この世は、自己犠牲の精神をもたぬ俗物ばかり。

もし自由がほしいなら、戦うしかない。

だが戦いに勝つには、おのれを犠牲にしなくてはならない。

この矛盾がすなわち人生で、救済もここにある。

 

 

 

 

 

褒めるにせよ貶すにせよ、批評は創造的であるべき。

うつくしい文章を書けない人間は、

そもそも藝術に縁がないのだから、沈黙してほしい。

読み書きが苦手なら、絵を描いたらどうか。

「ピクシブ」には多数のイラストがよせられている。

これぞまさに創造的批評!

オレも負けていられない。


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『ゲスト』

右がエリザベス・バンクス

 

ゲスト

The Uninvited

 

出演:エミリー・ブラウニング アリエル・ケベル エリザベス・バンクス

監督:ガード兄弟

制作:アメリカ 2009年

 

 

 

あつかましく我が家に居すわる父の恋人。

憂い顔の天使に、ハグをもとめる。

 

 

勝気な姉は、「招かれざる客」とすでに距離を置いたが、

根が良い子の妹エミリーは嫌と言えない。

 

 

こんなに苦しげに、人は抱きあえるのかと驚く。

 

 

 

 

 

ある夜、居間でテレビをみながらイチャイチャ。

アメリカ的な団欒。

 

 

堪忍袋の緒がきれ、自室にもどるエミリー。

家庭という神聖な空間での、不潔なふるまいを黙過できない。

 

 

湖畔であそぶ、うつくしき姉妹。

エミリーのボーイフレンドが、モーターボートでやつてきた。

 

アリエル・ケベル

 

気をきかせて、姉は立ち去る。

妹の制止をふりきつて。

 

 

あわててワンピースを羽織るエミリー。

彼に水着姿なんて、絶対みせられない!

 

 

それでも笑顔でボートを繋留する。

愛をつたえるには、肌を露出させるほかに、

テキパキと「もやい結び」をつくることでも可能だ。

おそらく後者が、はるかに効率がよい。

 

 

「招かれざる客」の秘密をさぐろうと、クローゼットをあさる。

派手な下着をみつけ、よろこぶお姉ちやん。

 

 

「ストリップでもするのかしら」と、眉をひそめる妹。

まるで汚物にさわる様に。

 

 

 

 

 

取るにたらない昼食の場面。

エミリー・ブラウニングは、典型的な美人ではない。

それでも今日、池袋で『サッカー・パンチ』の七度目の鑑賞をすませた。

あの傑作にであつてから、『ザ・ホークス』や『アンノウン』など、

ほかの映画もみているのに記事が書けない。

彼女のことしか、かんがえられない。

映画館からもどつても、エミリーをおもうだけでウズウズし、

ツタヤの在庫をウェブで検索し、電車にのりDVDを借りた。

ちかくの店にないのは、貸し出し中だからではなく、

日本で公開されなかつた低予算ホラー映画だから。

 

 

よそ見するだけで、表情がかわる。

心の欠片をあつめたプリズム。

 

 

寄れば寄るほど、うつくしい。

カメラに愛される、女優顔の典型。

一般に女は、「キレイ」とか「カワイイ」とか言われたいものだが、

エミリーに凡庸な基準をあてはめれば、失礼にあたる。

 

 

恋人の葬儀の場面。

ちいさくて見づらいが、凝つた刺繍のワンピースを着ている。

ヴィクトリア朝からきた、まがまがしき使者。

 

 

涙腺をゆるめたまま、刃のごとき視線を殺人者になげる。

こぼれる雫は、憎悪と絶望のカクテル。

口にふくめば、舌がしびれるほど苦いだろう。

 

 

 

 

 

木漏れ日をあびながら、後ずさりして警察車両にのりこむ。

誇りたかき翡翠色の瞳が、葉陰できらめく。

ベイビードールは、権力に屈しない。

智性と、愛と、そしてときに暴力で、崇高な使命をはたす。





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序曲 ―― 『レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語』

 

レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語

Lemony Snicket's A Series of Unfortunate Events

 

出演:ジム・キャリー エミリー・ブラウニング リアム・エイケン ティモシー・スポール

監督:ブラッド・シルバーリング

制作:アメリカ 2004年

 

 

 

 

エミリー・ブラウニング

 

ボクのかわいいベイビードール

この映画では、十四歳の天才発明家に扮する。

そのかんばせは、どことなく蒼白く、はかなげ。

ながい髪を黒リボンでたばねると、天啓がひらめいて……

 

 

……カラクリでなんでも解決!

 

 

純情可憐なピタゴラス。

賢さを鼻にかける風情さえ、いとおしい。

薄倖そうに翳る面持ちのなか、逆境にめげぬ意志の炎がゆらめく。

その瞳は翡翠いろ。

 

 

 

 

右がリアム・エイケン

 

世界一不幸な花嫁。

遺産をねらう罠にはまり、乙女の夢をふみにじられる。

それでも弟と妹のため、我が身を犠牲としてささげる。

 

 

エミリーのうつくしさを、どう文章にあらわせばよいだろう?

静止画では、寸毫もつたわらない。

ユーチューブの予告篇をみたつて徒労だ。

最良の映写環境で、全篇とおして鑑賞せねばなるまい。

だからこそ、演じる意味がある。

物書きに無力感を味わゝせてこそ、映画女優。

あえてひとことで言うなら、愛かな。

自己犠牲の精神。

怒りと悲しみが、ちいさな胸の奥で核融合をおこし、

劇場という天球をあかあかと照らす。

 

 

 

 

カラ・ホフマン、またはシェルビー・ホフマン

 

まじめなエミリーはここ数年、母国オーストラリアで大学にかよい、

ハリウッドの派手なオシゴトをひかえていたらしい。

序曲はおわつた。

「エミリー・ブラウニングの時代」という、壮麗なオペラの幕がひらく。





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汗に濡れる百合の園 ―― 『サッカー・パンチ』の舞台裏

 

『サッカー・パンチ』(邦題『エンジェル ウォーズ』)のヒロインを演じた、

エミリー・ブラウニング二十二歳。

楚々としたかんばせ。

ジム・キャリーの変顔に笑うのをこらえた、唯一の共演者なのだとか。

ベイビードールは、もとからベイビードール。

たとえば『ゴッドファーザー』同様、配役は難航したのに、

完成後はすべて必然におもえるのが、神話的傑作である證拠。

 

 

身長は157センチ。

アクション映画の主役を張るなら、すくなくとも170は欲しい。

でも、キックはするどい。

女子サッカーファンのボクがいうのだから確かだ。

 

 

華麗な立ち回り。

刀をにぎつたまま、ひらり側転!

 

 

たてば天使。

すわれば文学少女。

たたかう姿は百合の花。

劇場に六回足をはこんだが、なりきりぶりに毎度驚嘆する。

 

 

 

 

 

「エミリー、次はこれいくぞ」

「いやいや、さすがに無理でしょ」

 

 

否応なし。

運動嫌いの彼女は、トレーニングの最初の一週間、

オーストラリアの母に、毎晩電話で泣きついた。

 

 

「ロケット」役のジェナ・マローンもがんばる。

三か月にわたる地獄の合宿を、新進女優たちは生きのびた。

 

 

 

 

 

たのしいこともある。

「正直、銃とか興味なかつたけど、目覚めたわ」。

 

アビー・コーニッシュ

 

散弾銃を撃ちまくり……

 

 

……拳銃も撃ちまくる。

柔肌に硝煙の匂いが沁みこむころ、少女は戦士として覚醒する。

 

 

 

 

 

「マダム・ゴルスキー」役のカーラ・グギノはこう語る。

 

撮影初日から5人がとても強い友情で結ばれているのがわかったわ。

トレーナーから聞いたのだけど、

訓練中もずっとライバル意識を持ったりしなかったそうよ。

『300<スリーハンドレット>』の肉体トレーニングでは

男優同士を競い合わせることで効果が上がったらしいけど、

女の子たちはチームワーク第一なのよ。

 

映画プログラム

 

『300』(アメリカ映画・2007年)

 

くらべれば一目瞭然。

女がどれだけ鍛えても、体にはあらわれない。

贅肉が削ぎ落されるだけ。

でも筋肉より価値ある宝物を、女戦士はみつけた。

 

 

それは、うつくしき友情。

 

 

OKがでるたび大ハシャギ。

銀幕は、見えないものまで映す。

カメラがまわらないときも信頼しあい、愛しあつているからこそ、

「スイートピー」の慟哭が、観客の胸を張り裂けさせる。

 

 

ボクのかわいいベイビードール。

あしたもキミに会いにゆくよ!


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