コト/深見真『ライター×ライター』

 

 

ライター×ライター

 

作画:コト

原作:深見真

掲載誌:『まんがタイムきららフォワード』(芳文社)2017年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

アニメ脚本家の世界をえがく漫画である。

『ゆるゆり』や『ベルセルク』などを手がけた深見真が原作なので、

原稿用紙の使い方から、この業界の基礎知識をまなべる。

 

 

 

 

主人公は18歳の「橋本カエデ」。

高校在学中にデビューし、その勢いで熊本から上京したが、

デビュー作は酷評されて自信喪失、いまはコスプレ喫茶で働いている。

 

 

 

 

デビュー作でお世話になったプロデューサーから、

23歳の人気脚本家「十文字ユキカ」を紹介される。

カエデは藁にもすがる思いで、住み込みのアシスタントとなる。

 

 

 

 

アニメファンなら、業界話を興味ぶかく読めるだろう。

原作をめちゃくちゃにされた経験のあるラノベ作家に嫌われたり。

 

予算やスケジュールの都合で、どうしても原作を改変せざるをえない場合がある。

そんなとき脚本家は「原作レイプ」などと言われ、批判の矢面に立たされがち。

僕も安易に叩いてたかもしれないと、読んでて反省した。

 

 

 

 

体系的に脚本術を学んだことのないカエデは、

「三幕構成」などの作法を一からじわじわ吸収してゆく。

ストーリーをつむぐ女の子のストーリーが、かわいくさわやかに展開される。





関連記事

テーマ : 漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: きらら系コミック 

うみのとも/スーパーまさら『私を球場に連れてって!』

 

 

私を球場に連れてって!

 

作画:うみのとも

原作:スーパーまさら

掲載誌:『まんがタイムきららMAX』(芳文社)2017年‐

単行本:まんがタイムKRコミックス

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

野球ファンの女子高生をえがく4コマ漫画である。

現在『きららフォワード』では傑作『球詠』が連載中で、

きららと野球の相性のよさは、もはや明白だ。

 

 

 

 

主人公は野球に関心のない「タマ」。

熱狂的キャッツ(ライオンズ)ファンである「レオナ」は、

球場飯をエサにして、食いしん坊の同級生を自分の趣味にひきこむ。

 

 

 

 

内容は基本的に、野球ファンあるあるネタ。

可憐な容姿と、陰険で殺伐とした会話のギャップが萌えポイント。

 

 

 

 

作画担当のうみのともについては、『そよ風テイクオフ』を以前とりあげた。

原作つきだからか、ギャグの毒気が前作より増した様に感じられる。

 

 

 

 

もともときらら系作品のキャラは、女子高生の皮をかぶったオッサンと言える。

野球ファンでもおかしくないどころか、妙にハマる。

本作は、ユニフォーム姿の女子が好物の人につよく推薦したい。





関連記事

テーマ : 4コマ漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: きらら系コミック  萌え4コマ 

『スロウスタート』第7話

 

 

スロウスタート

 

監督:橋本裕之

7話絵コンテ:舛成孝二

7話演出:篠原正寛

原作:篤見唯子

シリーズ構成・7話脚本:井上美緒

脚本:井上美緒、山下憲一

キャラクターデザイン:安野将人

音楽:藤澤慶昌

アニメーション制作:A-1 Pictures

放送期間:2018年1月‐

[当ブログの関連記事はこちら

 

 

7話は、栄依子が誕生日をむかえる。

トレードマークのヘアピンをみんなから贈られ、頭がにぎやかに。

榎並先生がくれたのは、手持ちのゼムクリップ。

したたかな栄依子は即興でハートマークに変える。

 

 

 

 

Bパートは推理もの風にはじまる。

ある朝先生が自宅で目覚めると、異変がおきていた。

 

 

 

 

教え子である栄依子が、かわいい服を着て床で眠っている。

両手を縛られたまま。

いったいなにがあったのか。

 

 

 

 

栄依子の證言により、真相が判明する。

先生は友人と飲んだ帰りに栄依子と出くわし、マンションまで送ってもらった。

泥酔してたとは言え、教え子に介抱されたとはみっともない。

 

 

 

 

栄依子はブアイソな先生に興味津々で、やたらちょっかいを出し、からかう。

冠もそうだが、「自分」をもっていて、芯の強いタイプが好きらしい。

人当たりがよくて、つい他者の期待に応えすぎ、

流されがちな彼女にとって、うらやましい性格だから。

 

 

 

 

先生は栄依子を嫌いではないが、可愛げがないとおもっている。

高1にしては言動が大人びすぎ、あつかいづらい。

でもそこは亀の甲より年の功、帰りぎわの栄依子に「接触」し、意表をつく。

 

衣擦れの音のエロティシズムは、百合アニメの醍醐味。

 

 

 

 

栄依子役の嶺内ともみはド新人だが、達者な演技に舌を巻く。

沼倉愛美との心理戦は、見ごたえ聞きごたえたっぷり。

ぬーさんは、『ハナヤマタ』で豊口めぐみとぶつかり合った様に、

今度は新人に胸を貸している。

アニメっていいなとおもわされる。

 

 

 

 

情動はさらに昂まってゆく。

栄依子は、先生がつけているネックレスに目をとめる。

 

 

 

 

それは、アクセサリー制作が趣味の栄依子がつくったもの。

母が経営する雑貨店で、たまたま先生は買ったらしい。

 

 

 

 

こんな偶然って、あるんだな。

とにかく、めちゃくちゃうれしい。

 

 

 

 

栄依子の感情がどっと心に流れこみ、花名はおもわず泣き出す。

全然大事件じゃないし、自分は直接関係ないのに。

だからこそ、この涙はうつくしい。

 

 

 

 

自信家ぽくて、話が上手で、だれとでも仲良くなれる栄依子だが、

本当に自分が好きなものを人に知られるのは恥づかしかった。

隠してたつもりはないが、言えなかった。

でも、花名には言えた。

正反対とおもわれたふたりは、実は似たもの同士だった。

 

 

 

 

こちらは若手声優の、瑞々しいアンサンブルをたのしめる。

名作『ハナヤマタ』に匹敵する、心洗われるエピソードだ。





関連記事

テーマ : アニメ
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: きらら系コミック  百合 

大堀ユタカ『花降り宿のやどかり乙女』

 

 

花降り宿のやどかり乙女

 

作者:大堀ユタカ

掲載誌:『まんがタイムきららキャラット』(芳文社)2017年‐

単行本:まんがタイムKRコミックス

ためし読み/当ブログの関連記事

 

 

 

温泉街を舞台とした4コマ漫画である。

ちなみに上の引用画像は、きらら単行本お約束のカラーページ。

 

主人公は「千歳六花」。

さびれた旅館の娘で、高校入学を機に、老舗で仲居の修業をはじめる。

新生活への期待でつぶらな瞳はかがやく。

 

 

 

 

はじめてお座敷へ上がるときのドキドキ感など、よく描けている。

ヒロインがくせっ毛なところも造形的な魅力がある。

 

 

 

 

大堀ユタカは、前に『re:teen』を当ブログでとりあげた。

メカやアクションもいける画力の高い作家だが、それはそれとして、

ぴちぴちと弾ける様な女の子のかわいさが印象的。

着物だけでなく、学校制服でも目をたのしませる。

 

 

 

 

電撃コミックスの『re:teen』ではロリータエロスが炸裂していたが、

きらら系の本作ではレーベルカラーを反映し、そちら方面はおとなしめ。

せっかくの題材をいかせてないのは正直不満だ。

 

 

 

 

初の4コマ連載だとかで、読んでいて窮屈さは否めない。

現役トップクラスの画力の無駄遣いと言えなくもない。

そして掟破りの見開きページで、作者はフラストレーションを解消するが、

下にエクスキューズ的な4コマがあり、いかにも2018年的な作品だとおもう。





関連記事

テーマ : 4コマ漫画
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: きらら系コミック 

2018年冬アニメ(OPを中心に)

 

 

『citrus』はサブロウタの百合漫画が原作で、アニメ自体がひとつの事件だ。

義理の姉妹の、複雑ではげしい恋愛感情をえがく。

闊達な竹達彩奈と、なぜか百合姫作品に縁がある津田美波の、

緊迫感と親和性を両立させたやりとりが水際立っている。

 

 

 

 

親の再婚がどうとか、ストーリーは荒唐無稽だが、

アニメ版はいまのところ忠実に原作をなぞっている。

カメラワークや声優の演技により、『citrus』の時空が現出するのに感動した。

 

 

 

 

EDでは、サブロウタのイラストをつかっている。

原作のタッチを活かすとゆう宣言だろう。

キャラデザなどでアニメに最適化した変更をほどこすのはよくあるし、

決して間違いではないが、本作はその道をえらばない。

芽衣の憂いをふくんだうつくしさは、見ていてため息がでるほど。

 

 

 

 

OPテーマはnano.RIPEが担当。

ナイフの様にするどく、それでいてエモーショナルな楽曲を提供している。

尖っていて取り扱いは要注意だけど、時代の先端にふれられるアニメだ。

 

 

 

 

『三ツ星カラーズ』は、カツヲが『コミック電撃大王』に連載する漫画のアニメ化。

女子小学生3人からなるグループが、わちゃわちゃ大騒ぎしながら、

地元である上野の街におこる事件を解決する。

 

 

 

 

本記事でとりあげる4作品のOPでは、楽曲の質が一番高いかもしれない。

サビの部分のコーラスなどヘッドホンで聞いていると、

畑亜貴による歌詞もあいまって、かるくトリップできる。

 

 

 

 

僕の好みから言うと、話のテンポがやや物足りない(シリーズ構成:ヤスカワショウゴ)

でも、丹念にロケハンしたであろう上野の風景などはアニメむきの題材で、

見ていてたのしい作品にはちがいない。

 

 

 

 

『スロウスタート』は篤見唯子原作

『まんがタイムきらら』連載の4コマ漫画だ。

 

 

 

 

OPテーマの作詞はベテランの岩里祐穂。

「ポップコーンみたいにね めざめてく細胞」なんて、

キラーフレーズがとびだす冒頭からゴキゲン。

 

 

 

 

主要キャストは、近藤玲奈・伊藤彩沙・嶺内ともみ・長縄まりあと若手をそろえる。

近藤は18歳だし、嶺内は新人にちかい。

しかしこれがまあ、ぴったしの配役なのだ!

原作を読むとき脳内再生されていた音声が、テレビから流れてきて仰天。

音響監督は明田川仁だが、いったいどうゆう秘術を駆使してるのか。

 

 

 

 

きらら系アニメはOPがすべて、みたいなところがある。

パワーポップ的なイントロに、流麗なストリングが重なり、画面に桜吹雪が舞い、

そしてサビの「ne!ne!ne!」でキャスティングの妙を存分にしめす。

本篇もよいが、このOPはまさしく「きららポップ」の完成形だ。

 

 

 

 

『刀使ノ巫女』は、Studio五組制作のオリジナルアニメ。

刀をふるって戦う少女たちの物語だ。

 

 

 

 

Studio五組はゴンゾから独立した会社で、

かつて『ストライクウィッチーズ』に関わっていたそうだ。

ストパンファンの心をくすぐるOPになってるし、

チャンバラの動きのよさは『織田信奈の野望』を髣髴させる。

 

 

 

 

女の子の横並びとか、「日本刀×JK」とかの絵に、僕はよわい。

先鋭的だったり誘惑的だったり、革新的だったり迎合的だったりする、

深夜アニメのもののふたちが、あらたな時代へ斬りこんでゆく。



関連記事

テーマ : アニメ
ジャンル : アニメ・コミック

タグ: 百合  きらら系コミック 
最近の記事
記事の分類
検索とタグ

著者

苑田 謙

苑田 謙
漫画の記事が多め。
たまにオリジナル小説。

Twitter
メール送信

名前
アドレス
件名
本文

カレンダー
05 | 2018/06 | 07
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
月別アーカイヴ
06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03