桜井瑞希『いつか私は、君を裏切る』/石見翔子『しょーがくせいのあたまのなか』

 

 

きらら系コミックを2作紹介しよう。

まづは桜井瑞希『いつか私は、君を裏切る』(ためし読み)から。

女子高校のドロドロした人間関係がひきおこす事件を、

小柄で小生意気な「ウイコ」が探偵となって真相をあばくミステリ漫画。

JKが正面切ってJKを断罪する。

 

 

 

 

『フォワード』連載なのもあり、きららにしては鬱展開満載。

美少女たちの醜い内面を目の当たりにし、ウイコは呆然とした横顔をみせる。

 

 

 

 

本作は横顔が印象的。

うつくしい横顔同士がむきあえば、必然的にキスへ発展する。

百合とゆうミステリーがますますふかまってゆく。

 

 




 

 

つぎに石見翔子『しょーがくせいのあたまのなか』(ためし読み)。

アニメ化された『かなめも』につづく作品で、舞台は小学校。

おへそのチラリズムがまぶしい。

 

 

 

 

おきにいりキャラは、黒髪ポニーテールで清楚だが毒舌な「ふたば」。

連れションの変態性など、女子小学生のエロスを曝露する。

 

 

 

 

小学校はスキンシップの機会がひっきりなし。

まじめに授業をうけてるだけなのに、彼女らは禁忌の快感に身悶える。

 

 




『いつか私は、君を裏切る』

 

 

女学生はお人形の様に愛くるしいのに、いやだからこそ、

毒々しく自堕落な本性が僕らの目に際立って見える。



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火曜『ちょっといっぱい!』

 

 

ちょっといっぱい!

 

作者:火曜

掲載誌:『まんがタイムきららフォワード』(芳文社)2016年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

[ためし読みはこちら

 

 

 

「きららフォーマット」とは、思春期女子が(セックス以外の)さまざまな文化に触れ、

ひとびと(おもに同年代の女子)と交流しながら成長する姿をえがくもの。

10年代でもっとも成功した物語形式だろう。

 

本作のヒロインである16歳の「宮原もみじ」は、居酒屋の店員としてはたらく。

頭巾が猫耳っぽくてかわいい。

 

 

 

 

もみじは亡き祖母がやっていた居酒屋の、たのしそうな雰囲気が好きで、

調理や接客にもともと興味をいだいていた。

そして学校の帰り道、「こはる屋」とゆう店の前に立ってたら、

ちょうど修羅場で猫の手も借りたかったのでスカウトされる。

 

 

 

 

あかるい性格や手際のよさが評価され、もみじは正式に店員となる。

 

それにしても、メイドカフェさながらの絵面の破壊力!

どんだけボッタクられても文句は言えない。

 

 

 

 

こはる屋は料理にこだわる店。

タコさんもイキがよすぎてシメるのに苦労する。

 

 

 

 

美人ぞろいの店員同士のチームワークも良好。

たとえば仕入れ担当の「真澄」は大酒飲みなので、

客から酒の品揃えを信頼されている。

 

 

 

 

きらららしい、学園生活での百合エピソードもあり。

 

作者にとって4コマ漫画でない連載は本作がはじめてらしいが、

女の子がビビッドにかがやいていて、目をたのしませる。

 

 

 

 

もしあなたが、元気いっぱい健気にがんばる女子をみて癒やされたいなら、

本作はかならず値段以上の見返りを提供するだろう。

サービス業として完璧な仕事ぶりだ。





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晴野しゅー『疾風ういんどみる!』

 

 

疾風ういんどみる!

 

作者:晴野しゅー

掲載誌:『まんがタイムきららキャラット』(芳文社)2015年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

[ためし読みはこちら

 

 

 

文化系も体育会系も、リアルもファンタジーも、陸も空も、

きらら系コミックは手当たり次第にクラブ活動をとりあげてきた。

本作ではあらたに、「風鳴高校ヨット部」が海原を疾走する。

人魚姫さながらの美少女たちは、海が似合う。

 

 

 

 

小型ヨットにはふたりで乗る。

スキッパーが操縦役で、クルーはバランス取りなどをおこなう。

広い海でふたりきり、まるでデートみたい。

ヨットは百合のためにある。

 

 

 

 

ロープワークとか、向かい風でもヨットが前進する原理とか、

ゆるふわおもしろだけど読んでためになるのは、いつものきらら系4コマ。

たとえばハーネスをつけて舟から身を乗り出し、体重をかける身のこなしは、

バレエや、カンフー映画のワイヤーアクションみたく優雅。

 

 

 

 

ヨットの上で踊っていたのは、名門校のお嬢様である「鳳いさな」。

風鳴高校ヨット部部長「神代颯天(かみしろ はやて)」の凛とした美貌と、

あざやかな操船能力に惚れこみ、引き抜きをはかる。

 

 

 

 

好条件を提示されるも申し出をことわる、はやて。

乗員同士の信頼関係がないとレースはできない。

愛とゆう風をうけてヨットは走るから。

 

 

 

 

晴野しゅーは「しゅー」名義をふくめて10年以上のキャリアをもつが、

これが満を持しての初オリジナル単行本らしい。

絵柄はシンプルだが味わい深く、動きがある。

双子姉妹の「ミミ」と「ナナ」をちょっと見るだけでも、充実ぶりがつたわるだろう。

 

 

 

 

きららは、ただ絵が可愛いらしいだけの凡作もすくなくないが、

本作はすこぶる完成度が高い。

バランスがよすぎて破綻がなさすぎて物足りないくらいだ。

かわいさもギャグもトリビアも百合も、潮風とともに存分に吸いこもう。





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晴瀬ひろき『魔法少女のカレイなる余生』

 

 

魔法少女のカレイなる余生

 

作者:晴瀬ひろき

掲載誌:『まんがタイムきららMAX』(芳文社)2015年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

[ためし読みはこちら

 

 

 

魔法少女モノの4コマ漫画である。

上掲画像のとおり、「かわいさ」とゆう当ジャンルの必須条件を満たしている。

 

晴瀬ひろきは10年以上のキャリアをもつ作家で、

単行本の表紙をならべて見比べると、絵柄の変化がわかりやすい。

いまは縦長で、キャラによっては瞳孔を白くするなど、

瞳の表現にクセがあるがバランスはよく、独特の洗練を感じさせる。

 

 

 

 

14歳の「黎明しじま」が主人公。

魔法少女見習いとして養成学校の寮に入居するが、

そこには引退した「元」魔法少女3人が住んでいた。

 

魔法少女は、引退した時点で体の成長がとまる。

上でキレている「桜花リラ」の外見は幼女だが、実年齢は100歳以上。

ロリババア好きの心を鷲掴みにするキャラだ。

 

 

 

 

高3で魔法少女になった「銀河ささり」の外見は大人っぽいが、

実年齢は30歳前後で、寮のなかでは若い方。

でもときどき言動から、しじまとの世代差がバレてしまう。

 

 

 

 

生活費を稼ぐため、コンビニでバイトしたり。

魔法少女幻想をぶち壊す様な、モラトリアム生活がえがかれる。

 

 

 

 

髪型や服装はひらひらふわふわと装飾がおおく、

4コマにしては情報過多と言えるが、たとえばツンデレお嬢様である、

「白鳥ななほし」の内面を付き人にフリップで代辯させるなど、

手法面でも工夫が凝らされていて、読みごたえあり。

 

 

 

 

入浴シーン。

つるぺたロリから、ボンキュッボンの三十路JKまで、

艶のある曲線で描き分ける手腕にうならされる。

 

 

 

 

本作の「痒いところに手が届いてる」感じが、以上の拙文でつたわったろうか。

ゆるゆるだけど、隙がない。





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フクハラマサヤ『ウィーンで歌ってみて』

 

 

ウィーンで歌ってみて

 

作者:フクハラマサヤ

掲載サイト:『ニコニコ静画 きららベース』(ドワンゴ)2016年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

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金髪の少女の名は、16歳の「リーナ・アイヒホルン」。

声楽家の卵で、ウィーン国立歌劇場に立つ日を夢見て練習にはげんでいる。

 

 

 

 

王宮庭園のベンチで休んでたら、モーツアルト像の足許で、

パソコンでの作曲に没頭する黒髪の少女をみつけた。

日本からの留学生らしい。

 

 

 

 

彼女の名は「奏手歌音(かなで かのん)」。

おもにボカロPとして活躍している。

ドイツ滞在経験があり、ドイツ語も堪能だ。

リーナは伝統派、歌音は現代派。

ふたつの対照的な個性が、音楽の都で交錯する。

 

セーラー服っぽい服装のかわいさは、

水兵さんの漫画『水瀬まりんの航海日誌』の作者ならでは。

 

 

 

 

あいかわらず作画は充実しており、狭い4コマのフォーマットから解放され、

特に風景描写で彩管をふるっている。

ウィーンのうつくしい町並みは、そよ風さえメロディを奏でそう。

 

 

 

 

ウィーンの魅力は音楽だけじゃない。

名店のザッハートルテを前にしたら、女の子はテンションあがる。

舞台はヨーロッパでも、いつものきらら的日常。

 

 

 

 

眼鏡でショートカットの「ソフィー」は、SNSで知り合った歌音の友人。

日本のオタク文化に精通しており、リーナをコスプレでステージへあがらせる。

 

ウィーンやクラシック音楽など題材は高尚だが、

それらを消化した上で、独自の世界観を提示している。

 

 

 

 

フクハラマサヤの作品に悪人は出てこない。

主人公があからさまな逆境に置かれることもない。

大仕掛けの題材を好むわりに、ちょっと淡白な作風で、

それが美点ではあるが、インパクト不足の原因でもある。

 

でもコマとコマのあいだに耳をすませば、百合とゆうオペラを聞き取れるだろう。





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