なじみ『しょうこセンセイ!』

 

 

しょうこセンセイ!

 

作者:なじみ

掲載誌:『まんがタイムきらら』(芳文社)2018年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

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目覚ましと同時にガバッと起床したのは「吉田翔子」。

身長120センチで、年齢は8歳だが、やる気が半端ない。

 

 

 

 

実は、翔子の職業は高校教師だった。

天才なので特例として認められたらしい。

真摯に生徒とむきあう姿勢は、同僚からも評価されている。

 

 

 

 

翔子は子供なのでよく転ぶ。

オリエンテーションの時間に膝を擦りむいたときは、

保健室で生徒に手当てしてもらった。

ジタバタする姿がかわいい。

 

 

 

 

普段から小さい翔子だが、ときおりデフォルメキャラに変貌する。

これが反則的なかわいさ。

得意の工作をするときとか。

 

 

 

 

頑張り屋さんでも、甘えたいときはある。

母の海外赴任がきまったときは、感情を抑えきれなかった。

 

 

 

 

本作が初連載で初単行本となる作者なじみは、

主人公にかわいさを詰め込んだと、あとがきで語っている。

たしかに詰め込みすぎてパンク寸前な気もしなくはない。

 

その一方で、脇役はみな普通にかわいい。

翔子の歓迎会をひらいた、居酒屋での大人女子トークは、

きらら作品でいうと『スロウスタート』に匹敵するたのしさ。





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マウンテンプクイチ『球詠』5巻

 

 

球詠

 

作者:マウンテンプクイチ

掲載誌:『まんがタイムきららフォワード』(芳文社)2016年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

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モノローグの形で珠姫が野球観をかたる第25話は、非常に重要な回。

かつてバッテリーをくんだ和美が堅実なチーム戦術にとりこまれ、

打たせて取るオトナな投手に変貌したことを残念がる。

そして、現在のパートナーであるヨミへの愛着を再確認する。

 

あまり感情をあらわにしないシャイな性格の珠姫だが、

いやだからこそか、気迫で敵をねじふせるタイプを好むのだった。

 

 

 

 

良くも悪くも、アマチュアリズムが新越谷のフィロソフィだ。

データにもとづく戦術を採用するのは当然として、

いざというときは感情を爆発させ、おのれの力を最大限にひきだす。

 

団体競技ゆえキャラクター数が多すぎるのが欠点かもしれないが、

しかしだれがなんと言おうと、『球詠』はタマとヨミの物語だ。

 

 

 

 

大ピンチの場面でヨミは、未完成の秘密兵器を初披露した。

その名は「強直球」。

実態はなんの変哲もない単なるストレート。

新魔球がストレートって、ほかの野球漫画にあるだろうか?

 

女子が男子水準のプレーをしているというウソ以外、

技術的に戦術的にリアリズムを徹底するのが本作の特徴。

その制約のなかで、作者は知恵をしぼって話をもりあげる。

 

 

 

 

梁幽館戦でもっとも苦悩するのが、名参謀である芳乃。

こちらは部員9名、そのうち7名が1年生、しかも2名が初心者だ。

対する梁幽館は全国レベルの強豪。

采配はこの試合でも冴えてるが、地力の差でどうしても劣勢に。

そのたび自分の采配ミスだと気に病み、押し潰されそうになる。

藤井先生にまで客席から罵詈雑言が飛ぶから、つらい。

 

この重圧に耐えつづけるのが、芳乃のミッションなのだろう。

新越谷は彼女の頭脳がつくりあげたチームだ。

もし逃げ出したら、空中分解してしまう。

 

 

 

 

地力で劣るなら、地力を嵩上げすればいい。

新越谷ナインは試合のなかで成長してゆく。

このタッチアップは、息吹がはじめて見せた自主的判断。

芳乃と一緒にたくさん観戦してるから、戦術眼がないわけない。

 

それにしても走攻守、さらにはピッチングまでソツなくこなす、

マルチロールの息吹はすでになくてはならない存在だ。

 

 

 

 

白菊は、冷静に相手の守備位置をみてセーフティバント。

巨大な扇風機みたくブンブン振り回す印象のスラッガーだが、

もとは剣道日本一、むしろ駆け引きは得意中の得意。

 

 

 

 

新越谷が誇る天才バッター、中村希。

彼女はこの試合でくるしむ。

きびしく自問自答し、幼少期に植えこまれた深層心理までさかのぼり、

絶対の自信をもつ己の打撃哲学を捨てる決心をする。

 

そしてそれは、第10話で仕込んだ伏線の回収でもある。

なんてすごい漫画なんだ、『球詠』は!





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『球詠』をディープに語ろう

 

 

球詠

 

作者:マウンテンプクイチ

掲載誌:『まんがタイムきららフォワード』(芳文社)2016年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

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『球詠』ファンの方とのツイッターでのやりとりでスイッチが入り、

来月の5巻刊行を前に個人的見どころをあつめた。

 

第1話を読み直して印象ぶかいのは、「制服で学校を選んだ」というヨミの発言。

いさぎよいくらい野球への情熱をうしなっていた。

珠姫などヨミ以上に淡白で、中学時代に全国出場したガールズのチームも、

近所だからたまたま加入しただけと白状している。

ふたりの再会がすべてのはじまりで、つまり奇跡だった。

かわいい制服のおかげだ。

 

 

 

 

天才打者・中村希が、本作のもう一枚の看板なのはまちがいない。

初心者である白菊の潜在能力を、ひと目で見抜いたのがすごい。

 

 

 

 

ウィキペディアに「長打力にコンプレックスのある希」と書いてあるが、

10話での芳乃との会話をふまえて修正してない、不適切な記述だ。

希はホームランを打てないのではなく、フォーム維持のため狙わないだけ。

 

 

 

 

1回表、1死1・3塁。

4番をまかされる希だが、相手は強豪の梁幽館。

むしろスクイズは合理的といえるが、気配すらない。

チームの信頼をあつめる強打者である証拠だ。

作者はそれをたたずまいで表現する。

看破したキャッチャー小林もさすが。

 

 

 

 

見逃せないのが、監督の藤井先生。

練習メニューや試合での采配は芳乃におまかせでラクしてるが、

ときおり意味深なことをつぶやき、部員たちをハッとさせる。

影森の攻略にも貢献している。

 

 

 

 

どうも藤井先生はパワプロの大ファンらしい。

敵味方の能力値を入力してシミュレーションをおこなったり。

ヒマなのかもしれないが、情報が頭に入ってるからこそできる芸当だ。

 

そんな苦心作を「ゲームはどうでもいい」とあっさり流す芳乃がすてき。

 

 

 

 

あふれる野球愛ゆえ、芳乃はたまに采配が暴走する。

それが双子の姉・息吹が死球をうけた一因となり、罪悪感で意気消沈してしまう。

藤井先生は代わってサインをおくる。

 

的確に状況を把握してないと、このさりげない動きはできない。

4強時代の新越谷OGだから、言いたいことはいくらでもあるはずだが、

優秀な参謀である芳乃に自由にやらせるため、あえて黙ってるのだろう。

ベンチにおける名コンビである。

 

 

 

 

さて、そろそろ僕の個人的思い入れを書いていこう。

一番好きなキャラは理沙先輩だ。

初戦のマウンドにのぼるときの後ろ姿は、本作最高のカットのひとつ。

 

 

 

 

3巻のおまけ漫画から。

 

理沙先輩の魅力は、そのやさしさ。

急造ピッチャーとして登板するにあたり、緊張しないわけないのに、

出番を奪われたヨミがふてくされてないかと、自分のことより心配する。

ヨミの不満は、実は打順に対してだったが。

 

それにしても、初心者なのにヨミより打順が上になった白菊と息吹は大したもの。

 

 

 

 

マウンテンプクイチは、百合姫コミックスから2冊単行本をだしている。

百合作家としても、150キロくらいの速球を投げられる本格派だ。

しかし、『球詠』に恋愛要素はない。

部内での恋愛は、トラブルの種でしかないからだろう。

匂わせもしない。

 

ただひとり、理沙先輩をのぞいては。

つねにチームのことをかんがえ、親友である怜を献身的に支える人格者が、

片思いの悩みをかかえるガチ百合として、作家性を担っている。

 

 

 

 

かわいい女の子たちのわちゃわちゃ。

一球一打にかける熱い思い。

戦略性のおもしろみ。

そしてときおり炸裂する、思春期らしい切ない胸中。

 

『球詠』には、僕らが漫画に求めるほぼすべてがあるし、

逆に『球詠』にないものは、世界に存在する価値がないとさえおもえる。





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ルッチーフ『奥さまは新妻ちゃん』

 

 

奥様は新妻ちゃん

 

作者:ルッチーフ

掲載誌:『まんがタイムきらら』(芳文社)2017年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

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このポニーテールのヒロインは、「琴吹新妻(にいづま)」。

名前があらわすとおり新婚ホヤホヤである。

たわわな胸は見せびらかすというより、窮屈すぎて上着からはみ出てる感じ。

 

ネーミングはちょっと風変わりだが、これはSNSで人気のある、

テーマにそった連作イラストみたいなものと考えるべきだろう。

 

 

 

 

マンションでの、甘々でみずみずしいふたり暮らしをえがく4コマだ。

男に好まれる要素をギュッと凝縮した、新妻ちゃんの造形がすべてと言える。

素直で、頑張り屋さんで、恥ずかしがりな性格もふくめて。

 

 

 

 

ご近所さんも若くてかわいい奥さんばかり。

隣室に住む「なごみ」はロリだが、言動は妙に大人びている。

 

 

 

 

「文さん」は和服がにあう美人。

夫が官能小説家だからか、意図せずエロスを発散している。

 

 

 

 

掲載誌のカラーゆえ、直接的描写はない。

キスすらしない。

そして性生活の不在についてのエクスキューズは特にない。

 

かわりに新妻ちゃんは夫をよろこばせようと、「水着エプロン」でお出迎え。

定番の裸エプロンじゃないのは、恥ずかしすぎるから。

 

 

 

 

新妻ちゃんは大きな胸がコンプレックスだった。

回想シーンは共感をよぶ出来。

 

ご都合主義をかわいさの方向へ突き詰めつつ、でもそれだけでは終わらない、

きららが提供するファンタジー世界の典型がここにある。





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あfろ『mono』

 

 

mono

 

作者:あfろ

掲載誌:『まんがタイムきららミラク』『まんがタイムきららキャラット』2017年-

単行本:まんがタイムKRコミックス

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写真部の女子高生をえがく4コマ漫画である。

先輩が颯爽と撮影する姿を、主人公「さつき」が撮影し、

そのさつきを親友の「アン」が撮影するのが、おもな活動だった。

ところが先輩が卒業したので、部は休止状態に。

 

アニメ化された『ゆるキャン△』がヒットし、一躍人気作家となったあfろだが、

持ち味である、シュールでひねくれた作風は健在の様だ。

 

 

 

 

作者の趣味をネタにする点は『ゆるキャン』と共通だが、

さつきがあやつるのは、スマホと連動させたパノラマカメラ。

一眼レフのレンズがどうとか、いかにもカメラマニア的な話題は皆無。

 

 

 

 

アンが購入したのはアクションカム。

猫の頭にマウントして町内を撮影する。

ゆるキャラにもみえる。

 

 

 

 

7話から一同は、山梨県にある『ゆるキャン』のロケ地をめぐる。

自作の「聖地巡礼」をえがくなんて前代未聞だ。

作品という概念が、読者の脳内で溶解する。

 

 

 

 

12話からは唐突なフードファイト。

小柄な「敷島さん」が意外な活躍をみせる。

 

尖ったセンスと、ハズシのテクニックで勝負する作家だが、

「かわいい女の子の日常」という、きららのお約束はきっちり守る。

 

 

 

 

カメラは女子の趣味としてポピュラーだし、それを題材とする漫画は多数ある。

ただ本作は、カメラを「青春の一コマを切り取る象徴」として扱わない点で独特。

単なる小道具として、ふかい意味を背負わずに存在する。

 

それゆえ、なにかが胸に直接せまってくる。

緑がかった空の色とか、本当にうつくしい。





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