外海良基『生きてますか? 本田くん』

 

 

生きてますか? 本田くん

 

作者:外海良基

掲載誌:『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)2016年-

単行本:ガンガンコミックス

[ためし読みはこちら

 

 

 

このラブコメは、最初のページからクライマックス。

ブアイソで左頬に傷のある「本田くん」が、小柄で能天気な「有栖さん」に告白。

交際を申し込まれた有栖さんは、いまはそれどころじゃないと困惑する。

 

 

 

 

だって、世界はゾンビに支配されてるから。

乙女心がくすぐられる環境じゃない。

 

 

 

 

有栖さんは食べ物にうるさいタイプ。

炊飯器を持ち歩き、食材探しに余念がない。

おいしいものを食べてるとき、人は生きてると実感できる。

 

 

 

 

ゾンビを撃退したあと、ふたりは山の上の避難所へむかう。

放課後の仲良し高校生カップルに見えなくもない。

 

外海良基は『Doubt』『JUDGE』『Secret』といった、

ソリッドシチュエーションスリラーで知られる作家。

『JUDGE』は2013年に有村架純主演で映画化されている。

 

 

 

 

藝風をかえて密室から飛び出しただけあり、本作はロケーションが魅力的。

たとえば千葉県の名山である、鋸山の日本寺大仏とか。

 

 

 

 

こちらは、東京湾アクアラインの海ほたるパーキングエリアにある、

掘削にもちいるカッターフェイスをあしらったモニュメント。

はしゃいでる有栖さんがかわいい。

 

 

 

 

タイトルで婉曲に表現されてるとおり、本田くんも実は一種のゾンビらしい。

危険な道中のなか、おそるべき秘密が徐々にあきらかとなり、

併行してふたりの恋も進展する個性的なストーリーだ。

たしかにすべて成功してるとは言えないけれど、

アクアラインを背景に切り取る手際とか、異彩を放っている。





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くま『オークが女騎士を育成してみた』/華々つぼみ『クロちゃん家の押入れが使えない理由』

 

 

くま『オークが女騎士を育成してみた』は、

『となりのヤングジャンプ』でウェブ連載されているファンタジー系のコメディ。

冒頭で主人公の「女騎士」が、醜悪なオークにつかまる。

18禁のファンタジーものではメタメタに陵辱されるのがお約束だが、

デブで髪もボサボサの女騎士にオークたちは興味をしめさない。

 

 

 

 

見るに見かねたオークの「若頭」が、女騎士を更生させると宣言。

トレーニングや食事制限を課すなど、きびしいダイエットにとりくむ。

 

 

 

 

王道ファンタジーの設定をひねったラノベっぽい世界観だが、

スポ根漫画的に熱い場面などに個性が発現している。

 

 




 

 

華々つぼみ『クロちゃん家の押入れが使えない理由』(ためし読み)は、

『コミックキューン』で連載中のSF系コメディ。

自宅の押入れがワームホールにつながっていて、

そこから宇宙人がわんさか訪問してくるとゆう話。

 

 

 

 

宇宙人といっても、ハムスターみたいな外見だったりしてかわいい。

コマ割りは比較的自由だが、4コマ漫画専門誌らしくほのぼのした作風。

 

 

 

 

主人公の「黒美」が触手でおそわれるサービスシーンもあるけれど……

 

ええ、もちろん表紙買いですよ。

内容は、、、いかがわしさのカケラも無いので、

そういうのを求めてはいけません。

また、表紙詐欺とか騒がないでください、このロリコンども!

 

アマゾンレビュー

 

……熱心なファンの多い「触手もの」としては中途半端かもしれない。

 

 

 

 

ファンタジーが日常になったり、日常がSFになったりして大変だだが、

なんだかんだで彼女たちの暮らしは平穏にすぎてゆく。

家族やクラスに美少女があつまるのが天文学的奇跡なのだから、それで満足。

 

 




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卯花つかさ『アニマエール!』1巻/如意自在『はるかなレシーブ』3巻

 

 

きらら系コミックを2作紹介。

卯花つかさ『アニマエール!』(ためし読み)は、チアリーディングもの。

単行本が5巻まで出た『はじおつ』の作者による新作だ。

 

 

 

 

チアリーダーはかわいい。

そして、きらら作品の女の子はかわいくないといけない。

ゆえに相性のよい題材と言える。

 

 

 

 

軽音楽部とかSNS部とか、きらら系作品は「文化部」をおもな舞台としてきたが、

最近は女子野球をとりあげたマウンテンプクイチ『球詠』に代表される様に、

スポーツで汗をながす少女たちの爽やかなセックスアピールを追求する。

 

 




 

 

如意自在『はるかなレシーブ』ためし読み/当ブログの関連記事は3巻突入。

競技性と女性美の両立とゆう点で、ビーチバレーにまさる種目はないだろう。

 

 

 

 

後輩やコーチなどの新キャラが登場したせいもあり、3巻はストーリー面が薄い。

きらら最大の弱点である。

かわいさなら世界一だが、プロットらしいプロットをもつ作品がほぼ皆無。

 

 

 

 

それでも夕刻の海を背景に肩をならべて絆をたしかめあう、

水着姿の少女たちはやっぱり絵になるし、心惹かれる。

 

 

 

 

買ったけど短すぎてはけないスカートも、水着にあわせれば問題なし。

可憐な娘をえがくため各種スポーツを利用してるだけな気もするが、

そんな貪欲さもきらら作品の魅力だ。

 

 


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江島絵理『柚子森さん』2巻

 

 

柚子森さん

 

作者:江島絵理

掲載サイト:『やわらかスピリッツ』(小学館)2016年-

単行本:ビッグスピリッツコミックス

[当ブログの関連記事はこちら

 

 

 

小4の少女に本気で恋した女子高生をえがく百合漫画の第2巻は、

主人公の親友「栞」をからませて緊張感のあるはじまり。

 

 

 

 

みみかは敬語をつかうなど、7つ年下の柚子森さんに卑屈な態度をとる。

その美貌と、子供らしいプライドに対し、崇拝的な感情をいだく。

しかし栞の登場により、無愛想だった柚子森さんの言動が変化。

 

 

 

 

柚子森さんが露骨に嫉妬しはじめる。

みみかが他の女と仲よくする様子をみて気分を害し、

感情表現がとぼしいなりに、前から好意をもっていたのが判明。

 

 

 

 

1巻についての当ブログの記事から引用。

 

パンキッシュな疾走感と、

クールな構成力が共存する傑作『オルギア』とくらべたら、

ゆるゆるふわふわな『柚子森さん』は、江島にしては小品と言える。

さらっと一筆書きで描いた様な。

勿論、読者にそうおもわせる伎倆がすさまじいのだが。

 

我ながらイイ線いってるとおもった。

 

 

 

 

江島絵理は「闘争」をえがく作家だ。

その作品世界で少女らはクールに駆け引きしつつ、衝動的にヒートアップする。

 

 

 

 

間合いを測り、防禦し、回避し、相手の隙をみつけ、致命的な一撃をくわえる。

愛のために、身の破滅をおそれず闘う。

 

 

 

 

暗闇と血飛沫で黒々と塗りたくられた『少女決戦オルギア』とうってかわり、

『柚子森さん』の絵面はキラキラと華やか。

一方、たとえば下から4枚めの告白シーンにおいて顕著だが、

背景での写真の使い方や、ほかには各話のつなぎ方など、

あちこちで視覚的な工夫が凝らされてて感心しきり。

江島はもはや、現在の代表的作家に数えられるべきだろう。





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あずま京太郎/日向寺明徳『サクラブリゲイド』7巻完結

 

 

サクラブリゲイド

 

作画:あずま京太郎

原作:日向寺明徳

発行:講談社 2014-17年

レーベル:シリウスKC

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人型ロボットでの戦争をえがくSFと、学園ラブコメを融合させた傑作は7巻で完結。

超国家的な軍事組織「アルカディア」がたくらむ陰謀は最終段階へすすみ、

基地がまるごと巨大な機動兵器に変形して、ICBMで日本を核攻撃しようとする。

 

 

 

 

そんな手に汗握る展開でも、あずま京太郎は読者へのサービスをわすれない。

スパイとしてブリキの旅団に潜入していた「井手大尉」のおっぱいとか。

 

 

 

 

決戦の夜。

いま言わないと、悪いことがおきたとき後悔するとおもい、梓が桜に告白する。

古風な美人に似つかわしい口ぶりで。

2巻で張った伏線の回収でもある。

 

 

 

 

敵の新型「アルファ・オメガ」は、装甲も火力も桁外れ。

この強敵を斃さないと、核ミサイルはとめられない。

 

 

 

 

ところがライバルの積極性に煽られ、恋愛どころじゃないのに雛まで愛をさけぶ。

仲間に聞かれるのもかまわず、無線を通じ大声で。

元気で無邪気な雛らしい。

 

 

 

 

硬派なロボットSFと、軟派なハーレムラブコメの微妙なバランスを、

最後までたもちつづけたのは見事だ。

ロボットものに関心ない僕でさえ胸に迫るものがある。

 

 

 

 

本作はあとがきの類いがなく、このコンビが今後つづくのかわからないが、

特に作画のあずま京太郎は、ロボットの硬さと女の子の柔らかさを、

すみずみまで丁寧に描写して独自の世界観を提示しており、次回作もたのしみ。





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